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賃上げは効果がない?2024年の賃上げとパート・アルバイトの人材定着について

賃上げは効果がない?2024年の賃上げとパート・アルバイトの人材定着について

2024.10.29

賃上げの動きがパートやアルバイトにも広がっています。2024年は春闘や最低賃金引き上げによる賃上げの動きがありました。この賃上げは人材定着につながるのでしょうか?賃上げの効果や、人材定着に役立つ施策について解説します。

2024年春闘ではパート・アルバイトの賃上げが拡大

2024年の春闘では、パート・アルバイトの賃金引き上げが拡大しました。これまでパート・アルバイトといった非正規雇用の従業員が参加する労働組合が少ないことや、全組合員数に占めるパート・アルバイトの割合が低いことから、非正規雇用者の待遇改善は正規雇用の就業員と比べて後手に回る傾向がありました。

ただし人手不足の深刻化や働き方改革の推進により、状況は変化しつつあります。ここでは2024年春闘でパート・アルバイトの賃上げを行った代表的な企業を見ていきましょう。

イオングループ

イオン・サンデー・まいばすけっとなど全国に多様な小売店舗を展開し、約40万人のパート・アルバイトが働くイオングループでは、2024年の春闘で非正規雇用で働く従業員の賃金を7%上げました。

賃上げは2年連続で実施され、競合他社と比較しても高水準です。大幅な賃上げの背景には、同社労働組合の組合員の80%以上をパート従業員が占めていることがあります。

組合員に占めるパート・アルバイトの割合が高いため、非正規雇用で働く従業員の声が待遇改善に反映されやすい仕組みとなっています。

ウエルシアホールディングス

ドラッグストア業界大手のウエルシアホールディングスが、2024年春闘で非正規雇用従業員に対し7.95%の賃上げを実施しました。これは2023年春の8.77%に続く、大幅な賃上げです。

2年連続で実施される7%以上の賃上げは、業界内でもトップクラスの水準です。

スギホールディングス

ドラッグストア大手のスギホールディングスが、2024年春闘で非正規雇用従業員の賃金を6.93%引き上げました。この賃上げ率は、産業別労働組合UAゼンゼンが掲げた目標値6%を上回る水準です。

上新電機

家電量販店の上新電機は2024年春闘において非正規雇用従業員の時給を6.19%引き上げました。この賃上げは単なる処遇改善ではなく、人的資本への投資の一環です。

同社は賃上げを通じて従業員の経営参画意識を高め、企業価値の向上につなげる戦略を展開しています。企業の持続的な発展を目的に行われた賃上げの事例といえるでしょう。

ダイキン工業

グローバル空調機器メーカーのダイキン工業が、国内の非正規雇用従業員に対し、時給を一律100円引き上げる賃上げを実施しました。

1日8時間勤務の場合、月額1万6,000円の増額となり、正規雇用の従業員と同等水準の賃上げとなっています。好業績を背景とした今回の賃上げは、従業員の士気向上が目的です。

2024年10月に改定されたパート・アルバイトの最低賃金

毎年10月に行われている最低賃金の改定は、パート・アルバイトの賃上げに影響します。最低賃金は都道府県ごとに設定されており、2024年10月の改定では、以下のようになりました。

都道府県

2024年改定後の最低賃金

改定前の最低賃金

引き上げ額

北海道

1,010円

960円

50円

青森

953円

898円

55円

岩手

952円

893円

59円

宮城

973円

923円

50円

秋田

951円

897円

54円

山形

955円

900円

55円

福島

955円

900円

55円

茨城

1,005円

953円

52円

栃木

1,004円

954円

50円

群馬

985円

935円

50円

埼玉

1,078円

1,028円

50円

千葉

1,076円

1,026円

50円

東京

1,163円

1,113円

50円

神奈川

1,162円

1,112円

50円

新潟

985円

931円

54円

富山

998円

948円

50円

石川

984円

933円

51円

福井

984円

931円

53円

山梨

988円

938円

50円

長野

998円

948円

50円

岐阜

1,001円

950円

51円

静岡

1,034円

984円

50円

愛知

1,077円

1,027円

50円

三重

1,023円

973円

50円

滋賀

1,017円

967円

50円

京都

1,058円

1,008円

50円

大阪

1,114円

1,064円

50円

兵庫

1,052円

1,001円

51円

奈良

986円

936円

50円

和歌山

980円

929円

51円

鳥取

957円

900円

57円

島根

962円

904円

58円

岡山

982円

932円

50円

広島

1,020円

970円

50円

山口

979円

928円

51円

徳島

980円

896円

84円

香川

970円

918円

52円

愛媛

956円

897円

59円

高知

952円

897円

55円

福岡

992円

941円

51円

佐賀

956円

900円

56円

長崎

953円

898円

55円

熊本

952円

898円

54円

大分

954円

899円

55円

宮崎

952円

897円

55円

鹿児島

953円

897円

56円

沖縄

952円

896円

56円

全国加重平均

1,055円

1,004円

51円

インフレの影響を考慮して、2023年に引き上げられた最低賃金から、全国加重平均で51円の賃上げが行われました。

パート・アルバイトの時給が改定後の最低賃金を下回る企業では、最低賃金が適用される発効日までに、最低賃金以上となるよう賃上げを行わなければいけません。

参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

関連記事:最低賃金引き上げはいつから?2024年の最低賃金や経済効果を確認

賃上げはパート・アルバイトの人材確保に役立つか

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)」によると、パート・アルバイトの人手不足の割合は2024年7月に28.8%でした。2023年7月と比べると1.7ポイント低下していますが、業種によっては過半数の企業が人手不足となっています。

例えば飲食店、各種商品小売、人材派遣・紹介、メンテナンス・警備・検査、飲食料品小売、旅館・ホテルでは、人手不足の割合が50%を超えています。

パート・アルバイトの人手不足を改善するとき、賃上げは役立つのでしょうか?リクルートの「賃上げに効果はあるか── パート・アルバイトの賃金から考える経営戦略の再構築」をもとに、賃上げによる人材確保を、人材採用と人材定着の面から解説します。

参考:
帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)
リクルート|賃上げに効果はあるか── パート・アルバイトの賃金から考える経営戦略の再構築

人材採用には効果あり

賃上げに効果はあるか── パート・アルバイトの賃金から考える経営戦略の再構築」によると、賃上げは人材採用で効果的に働くそうです。賃金を1%上げると、応募者が4.3%増えることが分かっています。採用活動に必要な十分な母集団を形成するために、賃上げは有効といえるでしょう。

さらに入社する人が1.81%増加しているのもポイントです。

ただし賃上げにより増える応募者は年々減っています。業種や職種を問わずさまざまな職場で人手不足が進行していることから、賃上げの影響が薄れてきているといえるでしょう。

採用に向けた母集団形成の方法として賃上げを実施するときには、インパクトを与えられる大きな金額の賃上げが有効です。

参考:人材採用の課題とは?5種類の課題とそれぞれの解決策もチェック

人材定着には賃上げの効果が見られない

採用が成功したあと、入社した人材が離職するのを防ぐことを人材定着といいます。「賃上げに効果はあるか── パート・アルバイトの賃金から考える経営戦略の再構築」によると、賃上げは人材定着への効果が出にくい取り組みだそうです。

パートやアルバイトの場合、1カ月間の離職率と関係しているのは以下に示す通り年齢です。

年代

1カ月離職率

15~19歳

2.8%

20~24歳

3.7%

25~29歳

3.0%

30~34歳

1.9%

35~39歳

1.3%

40~44歳

1.2%

45~49歳

1.0%

50~54歳

0.8%

55~59歳

0.7%

60~64歳

0.7%

65~69歳

0.8%

70~74歳

1.3%

75歳~

1.4%

若年層は学生アルバイトが多く、卒業や就職を機に辞めるケースが多いため離職率が高い一方、30代以降は離職率が下がっており1度入社すると長く働き続ける人が多いと分かります。

人材定着を促すには、賃上げ以外の取り組みも必要です。

関連記事:人材定着は何に取り組むべき?定着しないときの課題と施策を確認

パート・アルバイトの人材定着につながる取り組み

パート・アルバイトの離職を防ぎ人材定着を行うには、入社直後からの取り組みが必要です。具体的にどのような取り組みが役立つのでしょうか?

関連記事:【社労士監修】人材定着率とは何か?計算方法や人材定着率を上げる施策を解説

丁寧な新人教育

パート・アルバイトの早期離職は「ちゃんと仕事ができるだろうか」という不安に原因があると考えられます。特に初めて働く人や、数年振りに仕事に復帰する人は、強い不安を抱いていることもあります。

この不安を解消するために役立つのが、入社直後の新人教育です。実際の職場で働き始める前に、自社の仕事に関する全体的な説明や、担当する仕事についての知識を説明するオリエンテーションを実施しましょう。

職場での教育を現場と人事担当者で協力して進めるのもポイントです。教育担当者を決める、業務を整理して手順書を作成する、チェック表を作成し教育の進み具合を確認する、というように教育体制を整えるとよいでしょう。

併せて本人の習熟度に応じて教育内容を調整することも重要です。無理のないペースで成長できる環境づくりを行います。

関連記事:中小企業における人材育成・人材定着の重要性と課題解決策

コミュニケーションを取りやすい雰囲気づくり

職場の人間関係を理由に離職するパート・アルバイトもいます。出勤日数が少なく勤務時間が短いパート・アルバイトは、他の従業員とコミュニケーションを取る機会がなかなか取れず、関係構築が難しいこともあるでしょう。

従業員同士の関係を構築しやすくする工夫として、コミュニケーションのきっかけとなる時間や場を設けるのが有効です。

例えばシフト開始前にミーティングを行うと、会話のきっかけになります。メンター制度を設けて、定期面談を実施するのもよいでしょう。従業員同士が気軽に交流しやすいデジタル掲示板やチャットツールの導入も役立ちます。

関連記事:【社労士監修】離職防止につながるコミュニケーションのコツと心理的安全性

働きやすい制度づくり

パートやアルバイトで働く従業員は、学校に通いながら、育児をしながら、介護をしながら勤務している人もいます。このような働き方の従業員が仕事を続けやすいよう、働きやすい制度づくりを行うことも人材定着につながる取り組みです。

例えば1週間ごとにシフト申請できる制度にする、連絡をすれば当日でもすぐに休める体制を整える、有給休暇を半日単位で取れるようにする、といった制度が役立ちます。

またキャリアアップを目指したいというパート・アルバイト向けに、時短勤務で働ける正規雇用従業員制度を設けるのもよいでしょう。

関連記事:女性が働きやすい職場づくりで飛躍!効果的な取り組みや制度、事例を解説

福利厚生による待遇改善

福利厚生の充実度アップも人材定着につながる施策の1つです。暮らしの質が向上する福利厚生を提供すれば、パート・アルバイトの働きに対するねぎらいや「よりよい環境で働いてほしい」という想いを伝えられます。

パートやアルバイトへ提供する福利厚生としておすすめなのは、食事補助や社宅など、一定の要件を満たすと支給しても給与として扱われない制度です。

実質的な手取り額を上げつつ、給与に影響しない福利厚生であれば、扶養内での勤務を希望するパートやアルバイトの待遇改善にも役立ちます。

関連記事:
【税理士監修】所得税が非課税になる手当を一覧で確認!非課税となる要件も解説
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待遇改善に役立つ食の福利厚生サービス「チケットレストラン」

パート・アルバイトの人材定着を目的に福利厚生を充実させるなら、エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。サービスの特徴や、人材定着率改善につながった事例を紹介します。

対象となる従業員が平等に利用できる

食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の特徴としてまずあげられるのは、対象となる従業員が平等に利用できる点です。

シフト制で働くパートやアルバイトの従業員は、休憩時間がそれぞれ異なる場合があります。食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」は、全国にある25万店舗以上の加盟店で利用できるため、従業員は自分の休憩時間に合わせて利用可能です。

また訪問ヘルパーや訪問看護師など、訪問先で仕事をするパートやアルバイトも、行き先付近にある加盟店で食事をとれます。

コミュニケーションの改善につながる

食事をきっかけに従業員同士のコミュニケーションが増えたという企業が複数あるのも、食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の特徴です。

企業のサポートで実質半額で食事ができるため、誘い合ってランチに行く機会が増えて関係性構築につながったというケースもあります。また「チケットレストラン」の使い方に関する情報交換から会話につながることもあるようです。

MIRAI station株式会社の事例

<企業概要>
事業内容:精神科領域専門の訪問看護ステーション
従業員数:27名 ※2023年5月時点
URL:https://mirai-st.jp/

精神科領域の訪問看護ステーションを運営しているMIRAI station株式会社では、看護ステーション外で昼食を取る従業員もいることから、全員が使いやすい福利厚生サービスを求めて、食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を導入しました。

訪問先の近くにあるコンビニや飲食店で利用できるため、便利に活用しているそうです。またランチの負担が軽くなり余裕ができたことから、誘い合ってランチに行く従業員も出てきており、良好なコミュニケーションにもつながっています。

詳細な導入事例はこちら:MIRAI station株式会社

パート・アルバイトの人材定着には「チケットレストラン」を活用しよう

2024年は春闘や最低賃金引き上げにより、パート・アルバイトの賃上げが行われています。ただし人材定着を考える上では、賃上げのみでは効果につながらないことが分かっています。

パート・アルバイトが長く働き続けられるようにするには、新人教育や良好なコミュニケーションの取れる職場環境・働きやすい制度・福利厚生の拡充などが役立ちます。

福利厚生を充実させることで人材定着を目指すなら、食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。一定の利用条件下で使用の場合、実質的な手取り額アップにつなげつつも給与として扱われないため、扶養内での勤務を希望するパート・アルバイトにもプラスになります。

これからますます進行するといわれている人手不足対策として、食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を活用してみませんか。

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