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【社労士監修】人材定着率とは何か?計算方法や人材定着率を上げる施策を解説

【社労士監修】人材定着率とは何か?計算方法や人材定着率を上げる施策を解説

2024.06.05

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監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

人材定着率とは一定期間にどれだけの人材が定着しているかを示す割合のことです。人材定着率が低い理由は何なのでしょうか?人材定着率を改善したいと考えている企業の参考になるよう、人材定着率の向上に役立つ施策も紹介します。

人材定着率とは

人材定着率とは従業員が一定期間にどれだけ定着しているかを示す数値のことです。例えば2024年4月1日から2025年3月31日の人材定着率が100%であれば、この期間には1人も離職していないことが分かります。

人材定着率が90%であれば、2024年4月1日に在籍していた従業員のうち、10%が2025年3月31日時点で離職していることを示します。

人材定着率を計算する方法や、人材定着率の実例として学歴・業界別の定着率を見ていきましょう。

人材定着率の計算方法

人材定着率の計算方法は「(一定期間後に引き続き働いている従業員数÷一定期間の開始時点の従業員数)×100」です。以下のケースで人材定着率を計算します。

  • 2024年4月1日の従業員数:100人
  • 2025年3月31日の従業員数:95人
  • 計算式:95人÷100人×100=95%

離職率との違い

離職率とは、注目する点が定着している人数か、離職した人数かという点で異なります。

人材定着率の計算式「(一定期間後に引き続き働いている従業員数÷一定期間の開始時点の従業員数)×100」の「一定期間後に引き続き働いている従業員数」を「一定期間に離職した従業員数」にすれば、離職率を算出可能です。

また人材定着率と離職率を合わせると100%となることから、どちらかが分かればもう一方は「1-人材定着率もしくは離職率×100」で計算できます。例えば人材定着率95%であれば、離職率は「1-0.95×100=5%」です。

学歴別の人材定着率

厚生労働省の「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」では、新規学卒者の3年以内離職率を確認できます。このデータを参考に、2020年に新規学卒者として就職した人の3年目人材定着率を見ていきましょう。

学歴

3年目離職率

3年目人材定着率

中学卒

52.9%

47.1%

高校卒

37.0%

63.0%

短大卒

42.6%

57.4%

大学卒

32.3%

67.7%

例えば大学卒の新規学卒者が100人いた場合、3年後に同じ企業で働き続けているのは67.7%です。

参考:厚生労働省|新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況

業種別の人材定着率

厚生労働省の「令和4年 雇用動向調査結果の概要」から、業種別の人材定着率もチェックしましょう。

順位

業界

離職率

人材定着率

1

鉱業、採石業、砂利採取業

6.30%

93.70%

2

金融業、保険業

8.30%

91.70%

3

学術研究、専門・技術サービス業

10.00%

90.00%

4

製造業

10.20%

89.80%

5

建設業

10.50%

89.50%

6

電気・ガス・熱供給・水道業

10.70%

89.30%

7

複合サービス事業

11.00%

89.00%

8

情報通信業

11.90%

88.10%

9

運輸業、郵便業

12.30%

87.70%

10

不動産業、物品賃貸業

13.80%

86.20%

11

卸売業、小売業

14.60%

85.40%

12

教育、学習支援業

15.20%

84.80%

13

医療、福祉

15.30%

84.70%

14

生活関連サービス業、娯楽業

18.70%

81.30%

15

サービス業(他に分類されないもの)

19.40%

80.60%

16

宿泊業、飲食サービス業

26.80%

73.20%

平均

15.00%

85.00%

人材定着率の全体平均は85.00%です。11位の「卸売業、小売業」以上であれば、人材定着率は平均より高いと分かります。

参考:厚生労働省|令和4年 雇用動向調査結果の概要

関連記事:離職率が低い業界は?特徴を把握して自社の離職率低下に役立てよう

人材定着率が低い理由

自社の人材定着率が業界別の人材定着率より低いとしたら、何らかの理由があるでしょう。人材定着率が低い理由を紹介します。

業務や社風とのミスマッチ

「入社前の印象と社風が違う」「思っていた業務内容と違う」というように、ミスマッチが起こると、採用した人材は離職を選ぶかもしれません。これにより人材定着率が下がります。

不十分なフォロー

入社直後からすぐに現場で仕事に携わる体制の企業もあるでしょう。研修や面談などのフォローがないままでは「きちんとできているだろうか」と不安を感じる従業員もいます。不安から離職を選ぶケースもあり、低い定着率につながります。

希望と異なる配属

人員計画に沿った配属を行うために、従業員の希望をかなえられないことがあります。希望通りではないことから、離職を選ぶ従業員もいるでしょう。従業員の希望を考慮しない状況や、配属に対する説明が不足している状況では、人材定着率が低くなりがちです。

多すぎる業務量

業務が従業員の対応できる量を超えている場合にも、人材定着率は低くなる傾向があります。多量の業務を片付けるために労働時間が長くなり、心身への負担が大きくなるためです。

不公平な評価

適切な人事評価制度が整っておらず、努力が正当に評価されない場合にも、人材定着率は低くなります。評価の基準が分からず不公平感のある状態に不満をいだき、離職につながりやすくなるためです。

問題のある人間関係

良好な人間関係の構築ができていない職場では、不安や悩みを抱えているときに相談できないことや、業務に必要な質問を気軽にできないことがあります。このような状態では働きにくいため、離職を選ぶ従業員が出てきやすく、人材定着率は下がりがちです。

人材定着率を上げるために役立つ施策

人材定着率を上げるために、企業はどのような施策ができるのでしょうか?具体的にできることを見ていきましょう。

メンター制度の導入

メンター制度とは、年齢の近い先輩従業員が、新たに入社した従業員のサポートをする制度のことです。直属の上司の他にも相談できる先輩がいれば、悩みや不安を1人で抱えることなく解決できるでしょう。

早期離職を減らすことで、人材定着率アップにつながります。

交流会の実施

新しい従業員が入社したとき、早いタイミングで行う交流会も、人材定着率を上げるために役立つ施策です。「職場に受け入れられている」という実感を得やすくなるのはもちろん、職場での人間関係を構築しやすくなります。

配置転換の実施

希望と異なる部署への配属がきっかけで離職を考え始めている従業員に対しては、配置転換を行うと離職を避けられるかもしれません。

配置転換が難しい場合には、なぜその配置になったのか理由を伝えることも有効です。現状では希望の配属が難しい場合には、どのようなスキルや経験を獲得すれば実現できるのか、希望をかなえるまでのロードマップを提示するのもよいでしょう。

キャリアパスの提示

自社で働くとどのようなキャリアパスを描けるのか、イメージを持ちやすいよう分かりやすく提示することも人材定着率アップにつながります。将来的にかなえたいキャリアに向けたステップが明確になっていれば、従業員の「ここで頑張ろう」という気持ちを育めるでしょう。

具体例として先輩従業員のキャリアパスを示したり、先輩従業員の話を聞く機会を設けるのもおすすめです。

教育制度の整備

従業員の段階に合わせた教育制度の整備も、人材定着率の向上に役立ちます。入社直後には入社時研修や自社の事業に関する研修を実施しましょう。OJTで手順とコツを分かりやすく伝えることを徹底したり、マニュアルを整備したりすることもポイントです。

ステップアップしていくタイミングでも研修を実施しましょう。新しい業務に携わるときや、資格を取得するとき、マネジメントを行う立場になったときなど、各段階に合わせた教育が必要です。

待遇の改善

給与や福利厚生など待遇の改善も、人材定着率アップにつながる施策です。業務に見合う給与でなければ、希望の配属や将来のキャリアにつながる業務でも、不満から離職につながるでしょう。

また同程度の給与であれば、福利厚生の充実度が高い企業へ転職する従業員が出てくる可能性もあります。働きやすさにつながる福利厚生の充実も検討するとよいでしょう。

関連記事:人材定着は何に取り組むべき?定着しないときの課題と施策を確認

待遇改善におすすめな「チケットレストラン」

人材定着率を高める施策として福利厚生の充実度アップを行うときには、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。従業員に食事補助を提供できる福利厚生サービスについて紹介します。

使い勝手がよい福利厚生を公平に提供可能

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は全国に25万店舗以上ある加盟店で食事を購入できる食事補助サービスです。使い勝手のよさから、導入した企業では、98%の従業員が利用しており、満足度も93%と高くなっています。

全ての従業員へ公平に提供できるのも特徴です。社食やオフィスに冷蔵庫を設置するタイプの食事補助サービスでは、利用できる従業員はオフィスへ出社する人に限られます。

一方、全国に加盟店のある「チケットレストラン」であれば、オフィスへ出社する人はもちろん、テレワークの従業員や、出先で昼食を済ますことの多い従業員も利用可能です。全ての従業員へ提供できる公平さも魅力といえます。

導入や運営の手間が最小限

手間がかからないのも「チケットレストラン」の特徴です。導入時には契約後に届くICカードを従業員へ配布すれば使い始められます。その後の運営に必要な作業は、1カ月に1度のチャージ作業のみです。

最小限の手間で福利厚生の充実度を高められます。

福利厚生の拡充で人材定着率を高めよう

人材定着率を高めるには、メンター制度や交流会による従業員同士の関係性構築や、希望のキャリアを実現するための配置転換などが有効です。加えて福利厚生による待遇改善も、人材定着率の向上につながります。

福利厚生の導入で人材定着率向上を目指すなら、使い勝手のよい食事補助サービスであるエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。手間をかけずに導入・運営ができる福利厚生を検討してみませんか。

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