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冬のボーナス平均はいくら?夏との比較や気になるボーナス事情を徹底解説!

冬のボーナス平均はいくら?夏との比較や気になるボーナス事情を徹底解説!

2024.10.16

冬のボーナスの支給を控え、多くの企業が戦略的な判断を求められています。不安定な経済状況の中で、ボーナス支給のリスクと人材確保・従業員満足度向上のバランスを取ることに苦労する経営者も少なくありません。

本記事では、冬のボーナスの平均支給額や支給率、産業別の傾向など、冬のボーナスにまつわる基本情報を分かりやすく網羅しています。自社の報酬戦略を検討する際のヒントとして、ぜひご活用ください。

「民間企業」「公務員」冬のボーナスの平均支給額

冬のボーナスの平均支給額はいくらなのでしょうか。ここでは、2023年の実績をもとに、民間企業と公務員それぞれの平均支給額を紹介します。

民間企業の平均支給額

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」によると、2023年の民間企業における冬のボーナス(年末賞与)の平均支給額は395,647円でした。前年が392,975円だったことから、0.7%の増額です。

ただし、この平均値は業種や企業規模によって大きく異なるのが実情です。大企業や好調な業界では高額になる傾向がある一方、中小企業や業績が厳しい業界では低くなる傾向があります。そのため、企業は自社の業績や同業他社の動向を踏まえつつ、従業員のモチベーション維持に配慮して支給額を決定する必要があります。

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等

公務員の平均支給額

内閣官房内閣人事局の発表によると、国家公務員の2023年冬のボーナスの平均支給額は約674,300円でした。前年が652,100円だったことから、約3.4%(約22,200円)の増額です。

公務員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」で構成され、民間企業の賞与動向を参考に人事院勧告を通じて決定されます。民間企業との支給額の差は、算定方法の違いや景気変動の影響を受けにくい業務の特性によるものです。地方公務員のボーナスも、多くの場合、国家公務員に準じて決定されます。

参考:内閣官房内閣人事局|令和5年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給

「産業別」冬のボーナスの平均支給額

 冬のボーナスの平均支給額は、産業によっても大きく異なります。次に示すのは、「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」をもとに作成した2023年における産業別の年末賞与平均支給額です。

産業 2023年
冬季賞与
2022年
冬季賞与
前年比
調査産業計 395,647円 392,975円 0.7%
鉱業,採石業等 581,210円 544,459円 6.8%
建設業 499,260円 498,569円 0.1%
製造業 523,946円 514,074円 1.9%
電気・ガス業 803,194円 805,880円 -0.3%
情報通信業 713,851円 662,768円 7.7%
運輸業,郵便業 411,790円 390,812円 5.4%
卸売業,小売業 367,165円 365,502円 0.5%
金融業,保険業 645,024円 621,410円 3.8%
不動産・
物品賃貸業
548,808円 554,675円 -1.1%
学術研究等 630,490円 634,606円 -0.6%
飲食サービス業等 69,234円 67,605円 2.4%
生活関連サービス等 170,269円 164,324円 3.6%
教育,
学習支援業
535,395円 537,569円 -0.4%
医療,福祉 290,826円 309,224円 -5.9%
複合サービス事業 459,608円 455,815円 0.8%
その他の
サービス業
239,074円 217,774円 9.8%

高額の支給が見られる主な産業として挙げられるのが、「電気・ガス業」「情報通信業」「金融業・保険業」です。これらの産業では、高度な専門性や技術力が要求される傾向にあります。比較的高額なボーナスは、人材確保の手段のひとつと推察されます。

一方で、支給額が低い主な産業として挙げられるのが「飲食サービス業等」「生活関連サービス等」「その他のサービス業」です。労働集約型で利益率が低いサービス業ならではの特性が、ボーナスの低さに反映していると考えられます。

なお、日本の基幹産業である製造業の支給額は523,946円で、調査産業計の平均である395,647円を上回る結果となっています。

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等

ボーナスの種類と計算方法

ボーナスには主に「業績連動型」「基本給連動型」「決算賞与」の3種類があり、それぞれに異なる特徴を持っています。詳しく見ていきましょう。

業績連動型賞与

「業績連動型賞与」は、企業全体や部門、個人の業績に応じてボーナスの金額が変動するボーナスの支給方法です。一般的な計算方法は「基準額×業績係数×個人評価係数」「半期の粗利益×労働分配率−既払いの人件費」などです。

業務連動型賞与は、従業員一人ひとりの努力や成果が直接的に報酬に反映されるため、モチベーションの向上につながりやすい特徴があります。また、業績に応じた柔軟な人件費管理が可能になるのは、企業にとって大きなメリットです。

一方で、業績が悪化した際にボーナスが大幅に減少する可能性があり、従業員の収入が不安定になるデメリットもあります。経団連の調査によると、2021年時点で集計企業328社中181社(55.2%)がこの方式を採用しています。

参考:日本経済団体連合会|2021年「夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」の概要

関連記事:【税理士監修】業績連動型賞与とは?設計方法や導入するメリット・デメリットを解説

基本給連動型賞与

「基本給連動型賞与」は、従業員の基本給を基準にしてボーナス額を決定する方式で「基本給×支給月数」をもとに支給額を決定します。

この方式は計算方法が簡単で、従業員にとって分かりやすく予測がしやすいのが特徴です。また、長期勤続者や役職者に対してより多くの還元ができる点もメリットです。

デメリットとしては、若手従業員や成果を上げた従業員への還元が難しく、モチベーション向上につながりにくい点が挙げられます。さらに、業績にかかわらず一定の支給額が発生するため、企業の柔軟な人件費管理が難しくなる可能性が否定できません。

近年は、成果主義の浸透に伴い、業績連動型や両者を組み合わせたハイブリッド型への移行が進んでいます。

決算賞与

「決算賞与」は、企業の年度決算の結果に基づいて支給されるボーナスです。主に中小企業や個人事業主で採用されることが多く、一般的な計算方法は「当期純利益×一定の割合」です。

企業の業績が直接従業員に反映されるため、従業員の経営参画意識が高まりやすいメリットがあります。また、業績が良好な年には高額のボーナスが期待でき、従業員のモチベーション向上にもつながります。企業にとっては業績に応じた柔軟な人件費管理が可能になる点も魅力です。

一方、決算賞与には、業績が悪化した年にはボーナスが大幅に減少したり、支給されない可能性があるというデメリットがあります。また、決算後まで支給額が確定しないため、従業員の生活設計が立てにくくなるリスクもあります。

関連記事:【税理士監修】決算賞与とは?ボーナスとの違いや社会保険料の計算式

ボーナスは「夏」と「冬」どちらが多い?

夏のボーナスと冬のボーナスでは、どちらの支給額の方が多いのでしょうか。厚生労働省の毎月勤労統計調査をもとに、2020年から2023年の平均支給額をまとめました。

夏季賞与 年末賞与 差額
(夏季−年末)
2023年 397,129円 395,647円 1,482
2022年 389,331円 392,975円 −3,644
2021年 380,268円 380,787円 −519
2020年 383,439円 380,481円 2,958

この表を見る限り、年度によって夏のボーナスが多いケースもあれば、反対のケースもあります。支給額の差がそれぞれ1万円未満に留まっているところを見ても、明確な支給額の差はありません。

年に2回のボーナスを支給する場合、同程度の支給額を用意するのが一般的といえそうです。

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果速報等
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果速報等

ボーナスの支給率は?

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2023年の冬のボーナスの支給率は、調査産業計で69.0%でした。

産業別では「鉱業,採石業等」が100.0%ともっとも高く、次いで「複合サービス事業」の96.0%「電気・ガス業」の92.0%「金融業・保険業」の91.3%と続きます。もっとも支給率が低いのは「飲食サービス業等」で、45.2%との結果になりました。

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等

冬のボーナスはいつ支給される?

冬のボーナスの支給時期は、民間企業と公務員で異なります。ここでは、それぞれの支給日の目安を紹介します。

民間企業

民間企業の冬のボーナス支給日は、多くの場合、12月10日前後から25日頃までの12月中旬です。ただし、企業によっては11月下旬や1月に支給するケースもあります。

支給日は就業規則や雇用契約書に明記されており、従業員はこれらの書類を確認するか、人事部門に直接問い合わせることで正確な支給日を知ることが可能です。企業の決算期が3月でない場合や、業界特有の繁忙期がある場合は、これらに合わせて支給時期を設定することもあります。

公務員

国家公務員の冬のボーナス(期末・勤勉手当)の支給日は、人事院規則により12月10日と定められています。この日が土日や休日に当たる場合は、直前の平日が支給日となります。

地方公務員の支給日は各自治体の条例で定められていますが、多くの場合、国家公務員に準じて12月10日前後です。

公務員のボーナスは「期末手当」「勤勉手当」と呼ばれ、民間企業の賞与相場を参考に人事院勧告を通じて決定されます。この仕組みにより、公務員のボーナスは民間企業の動向を反映しつつ、一定の安定性も確保されています。

ボーナスが支給されない場合の対応策

ボーナスの支給は、従業員のモチベーションや従業員満足度の向上をはじめ、採用力強化にもつながる重要な施策です。しかし、中には経済状況や企業業績の悪化により、十分なボーナスが支給できないケースがあります。このようなケースの代替策として、近年注目を集めているのが福利厚生です。その理由やメリットを詳しく見ていきましょう。

福利厚生がボーナスの代替策として有効な理由

福利厚生がボーナスの代替策として有効な理由にはさまざまなものがあります。以下、主な理由を紹介します。

  • 継続的な従業員満足度の向上:日常的に利用可能で、従業員の生活に密着した支援ができるため、一時的な金銭給付と異なり従業員満足度を高い水準に維持できる
  • 高い柔軟性:食事補助・住宅支援、育児介護支援など、さまざまなオプションを従業員のニーズや企業の状況に応じて提供できる
  • コスト効率の良さ:税制上のメリットがある場合が多く、法人税が軽減されるほか、同額の現金給付よりも従業員の手取りが多くなる可能性がある
  • 企業の魅力向上:充実した福利厚生は人材獲得の強力な武器となり、特にワークライフバランスを重視する若手人材の獲得に有効かつ従業員の定着率向上にも寄与する

これらの多様なメリットにより、福利厚生はボーナスを補完・代替する効果的な施策となります。



食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の活用

ボーナスの代替策として注目される福利厚生の中でも、特に高い人気を集めているサービスに、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」があります。

チケットレストラン」は、一定の利用条件下で利用することにより、加盟店での食事代が半額になる食事補助の福利厚生サービスです。

加盟店は全国25万店を越え、ジャンルもファミレスやコンビニなど豊富に取り揃えられているほか、勤務時間内であれば、利用する時間や場所の制限もありません。

食事という日々の生活を支えるサービスのため、福利厚生としてのアピール度も高く、ボーナスを補完する福利厚生として従業員のモチベーション維持や採用力強化に貢献するサービスとなっています。

関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

企業が考えるべきボーナスと福利厚生のバランス

冬のボーナスの平均支給額は、例年39万円前後で推移しています。夏のボーナスとの差額もほとんどないことから、従業員1人あたり年間78万円程度をボーナスとして支給するのが一般的といえるでしょう。

ただし、ボーナスの支給額は、企業体力や社会情勢に大きく影響されるものです。十分な支給が難しいときに備え「チケットレストラン」のような福利厚生を検討するのもひとつの方法といえるでしょう。

ボーナスと福利厚生とをバランス良く活用し、従業員満足度の向上と企業の持続的成長を同時に目指してはいかがでしょうか。

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