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「生活意識に関するアンケート調査」|日本銀行の調査から見る経済動向と企業戦略

「生活意識に関するアンケート調査」|日本銀行の調査から見る経済動向と企業戦略

2024.08.16

「生活意識に関するアンケート調査」は、生活者の意識や行動を大まかに把握することを目的とし、日本銀行が3カ月おきに行う世論調査です。本記事では、2024年8月時点で最新の「第98回<2024年6月調査>」をもとに「景況感」「暮らし向き・消費意識」「物価に対する実感」の項目に焦点をあて、その内容を解説しています。自社従業員の生活実態を把握し、より良い職場環境を整えるための参考にしてください。

日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」の概要

生活意識に関するアンケート調査」は、日本銀行が3カ月おきに実施している一種の世論調査です。企業を対象にした「企業短期経済観測調査(短観)」とは異なり、生活者の意識や行動を把握することを目的としています。

2024年8月時点での最新調査は、同年7月12日に発表された「第98回(2024年6月調査)」です。この調査は、2024年5月9日から6月4日にかけて、全国の20歳以上の個人4,000人を対象に実施されました。有効回答率は53.2%で、2,126人から回答を得ています。

本記事では、この調査結果の中から「景況感」「暮らし向き・消費意識」「物価に対する実感」に注目し、企業の人事戦略や経営判断に役立つ情報を提供します。

参考:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果

景況感の変化と今後の見通し

景況感とは、景気の状況に対する印象のことで、企業の経営判断や投資決定に大きな影響を与える重要な指標です。今回の調査結果は、現在の経済状況に対する国民の認識と、今後の見通しを明確に示しています。

現在の景況感と前回調査からの変化

最新の「生活意識に関するアンケート調査」によると、現在の景況感(1年前との比較)は悪化しています。「悪くなった」と回答した人の割合は57.5%で、前回3月調査の46.8%から10.7ポイント増加しました。一方、「良くなった」と答えた人は7.7%で、前回の10.7%から3.0ポイント減少しています。

1景況感

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表7)

景況感D.I.(「良くなった」-「悪くなった」)は-49.8と、前回調査から13.7ポイント低下しました。この結果は、消費者の景況感が急速に悪化していることを示しています。D.I.とは、Diffusion Index(変化の指標)の略です。

1年後の景況感予測

1年後の景況感についても悪化が予想されています。「悪くなる」と回答した人の割合は40.3%で、前回調査の30.8%から9.5ポイント増加しました。「良くなる」と答えた人は7.9%で、前回の13.6%から5.7ポイント減少しています。

2景況感|1年後

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表7)

1年後の景況感D.I.は-32.4で、前回調査から15.2ポイント低下しました。この結果は、消費者が短期的な経済回復に対して悲観的な見方をしていることを示しています。

物価上昇に対する国民の実感と予想

物価上昇は、消費者の購買行動や企業の価格戦略に直接的な影響を与える要素です。今回の調査結果は、現在の物価上昇に対する国民の強い実感と、今後の更なる上昇への警戒感を明確に示しています。

現在の物価上昇実感

「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年前と比べて物価が「上がった」と回答した人の割合は95.0%に達しています。内訳を見ると、「かなり上がった」が65.8%、「少し上がった」が29.2%です。

3現在の物価に対する実感4|1年前に比べ現在の物価は

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表11)

1年後・5年後の物価上昇予想

1年後の物価については、87.5%の回答者が「上がる」と予想しています。内訳を見ると「かなり上がる」が33.1%、「少し上がる」が54.4%です。

5|1年後を現在と比べると

6|5年後の物価に対する見方

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表12・13)

また、5年後の物価についても82.0%の回答者が「上がる」と予想しています。これらの結果は、消費者が中長期的にも物価上昇が続くと予想していることを示すものです。

家計の収支状況と消費行動の変化

家計の収支状況と消費行動の変化は、企業の売上や利益に直接影響を与える要素です。今回の調査結果からは、物価上昇が家計に与える影響と、それに伴う消費行動の変化が分かります。

収入の変化と将来予測

7収入1年前との比較と1年後の予想

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表6)

「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年前と比べて世帯の収入が「増えた」と回答した人の割合は15.9%で、前回3月調査の15.6%からわずかに増加しています。一方、「減った」と回答した人の割合は29.6%で、前回の28.5%から1.1ポイント増加しています。

収入D.I.(「増えた」-「減った」)は-13.7と、前回調査の-12.9から0.8ポイント低下しました。この結果は、物価上昇に見合った収入の増加が実現できていないことを示しています。

1年後の収入予想については、「増える」と回答した人の割合が12.2%、「減る」と回答した人の割合が31.0%でした。収入D.I.は-18.8と、前回調査の-15.0から3.8ポイント低下しています。

支出の傾向と消費行動の変化

支出については、1年前と比べて「増えた」と回答した人の割合が58.5%で、前回3月調査の57.2%から1.3ポイント増加しています。「減った」と回答した人の割合は11.7%で、前回の10.7%から1.0ポイント増加しています。

支出D.I.(「増えた」-「減った」)は46.8と、前回調査から0.3ポイント上昇しました。この結果は、全体的な支出が増加傾向にあることを示すものです。

8|支出、1年前との比較

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表7)

今後1年間の支出については、「増やす」と回答した人の割合が10.9%、「減らす」と回答した人の割合が42.1%となりました。1年後の支出D.I.は-31.2と、前回調査の-28.9から2.3ポイント低下しています。

これらの結果は、支出が増加傾向にある一方で、将来的には抑制される可能性を示唆しています。

雇用環境に対する意識と企業に求められる対応

「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年後を見た勤労者の雇用・処遇への不安について、「かなり感じる」と回答した人の割合は30.0%で、前回3月調査の26.6%から3.4ポイント増加しました。「少し感じる」と回答した人の割合は44.5%で、前回の48.2%から3.7ポイント減少しています。

9|1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安

出典:日本銀行 Bank of Japan|「生活意識に関するアンケート調査」(第98回<2024年6月調査>)の結果(図表10)

雇用環境D.I.(「あまり感じない」-「かなり感じる」)は-5.3と、前回調査の-1.6から3.7ポイント低下しています。この結果は、雇用環境に対する不安が高まっていることを示すものです。

企業にとっては、この雇用不安の高まりに対して適切に対応することが重要です。具体的には、雇用の安定性を高める施策や、従業員のスキルアップを支援する制度の充実が求められます。

調査結果を踏まえた企業戦略の方向性

日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」結果は、現在の経済状況と国民の生活実感を明確に示しています。企業は、これらの結果を踏まえて、適切な戦略を立案・実行することが求められます。

人事・福利厚生戦略の重要性

調査結果から、物価上昇や雇用不安が高まっていることが明らかになりました。この状況下で企業が採るべき人事・福利厚生戦略として、重要なポイントは以下のようになります。

  • 適切な賃上げ:物価上昇率を考慮した賃上げを実施し、従業員の実質的な収入を維持・向上させることが重要です
  • キャリア支援:雇用不安が高まる中、従業員のスキルアップやキャリア形成を支援する制度の充実が求められます。これは、従業員の雇用可能性を高めるとともに、企業の競争力向上にもつながります
  • 柔軟な働き方の導入:多様な働き方を可能にする制度を導入することで、従業員の生活満足度を高めることができます
  • 福利厚生の充実:食事補助や住宅手当など、生活に直結する福利厚生を充実させることが効果的です

これらの施策を通じて、従業員の生活満足度と労働意欲を高め、結果として企業の生産性向上につなげることができます。

多様なメリットで人気|食の福利厚生「チケットレストラン」

景況感の悪化や物価の高騰・収入への不安が明らかになる中で、近年注目を集めているのが、食の福利厚生として日本一の実績を持つエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。

チケットレストラン」は、従業員と企業が半額ずつチャージをした専用のICカードで支払いをすることにより、加盟店での食事代が実質半額補助されるサービスです。一定の条件下で福利厚生として経費計上でき、企業の法人税の軽減に寄与します。また、従業員の所得税にも影響しないため、通常の給与として支給するよりも従業員の実質的な手取りを増やすことが可能です。

食費という、生活費のなかでも多くを占める支出を直接的にサポートするチケットレストランのような食の福利厚生の提供は、従業員のエンゲージ向上にも大きく貢献します。

企業側・従業員側ともにメリットが多く、景況感の悪化や物価の高騰・収入への不安といった懸念への対策としても効果的な「チケットレストラン」は、ぜひ検討したい食の福利厚生です。

関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

経済動向を踏まえた企業戦略の重要性と従業員支援の必要性

日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」を見ると、景況感の悪化・物価上昇への強い警戒感・雇用不安の高まりなど、企業を取り巻く環境は厳しさを増していることが分かります。

このような状況下で企業が持続的な成長を実現するためには、経済動向を的確に把握し、適切な戦略を立案・実行することが不可欠です。特に、コスト管理の徹底や新たな需要の開拓、リスク管理の強化などが重要になります。

同時に、従業員の生活満足度と労働意欲を高めるための取り組みも大切です。適切な賃上げはもちろんのこと、「チケットレストラン」のような食の福利厚生サービスの導入も効果的です。これらの施策は、従業員の生活支援だけでなく、企業の生産性向上にもつながります。

経済環境が厳しさを増す中、企業が取るべき最適な戦略は、経済動向を踏まえた中長期的な成長戦略と、従業員支援の両立にあります。この調査結果を活用し、自社の状況に合わせた効果的な戦略を立案・実行しましょう。

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