人手不足倒産とは必要な人材を確保できずに企業が倒産することです。人手不足倒産の件数が増えている今、企業が有効な対策を取れるよう、原因や対策を紹介します。特に人手不足が深刻な業界の、人手不足の理由も見ていきましょう。
人手不足倒産とは
人手不足倒産とは、企業が事業の運営に必要な人材を確保できず倒産することです。
国内では少子高齢化が進行しており、15~64歳の生産年齢人口は減少の一途をたどっています。今後も減少し続ける見通しのため、人材確保がしやすくなるとは考えにくいでしょう。
2022年後半ごろから経済活動が回復し始め、従業員が転職しやすくなったことも、人手不足倒産につながっています。自分の希望に合う職場を探し転職する従業員が増えることで、競争力の低い企業には人材が集まりにくくなったためです。
必要な人材を確保できなければ、企業は商品やサービスを提供できません。仕事があり、黒字であるにもかかわらず、事業を行えなくなり倒産するケースもあります。
関連記事:人手不足の原因は?中小企業の現状や今からできる対策をチェック
人手不足倒産の種類
人手不足倒産には種類があります。4種類の倒産について見ていきましょう。
後継者不足による人手不足倒産
次の経営者や幹部層となる人材がおらず、今の経営者や幹部層の引退により、事業が続けられなくなるケースです。
経営者や幹部層が高齢や病気などを理由に引退を考え始めたときに、人材が十分育っていないこともあり得ます。数年間かけて育成してきた人材が、転職するために辞めてしまうこともあるでしょう。
そもそも人手不足が進行している中、次の経営者候補や幹部候補にふさわしい人材を採用できないかもしれません。
企業や事業を売却すれば、他の経営者が事業を継続することもあります。ただし売却先との契約次第では、組織体制が大きく変わっていくことも考えられるでしょう。
求人難による人手不足倒産
必要な人材を確保するために求人を出しても「期待したほど応募が集まらない」「応募はあるが希望する人材が集まらない」といったことが起こり得ます。このような求人難による人手不足が、倒産につながるケースも少なくありません。
人材市場は求職者の売り手市場のため、他社と比べて給与や福利厚生などの充実度が低いと、募集は集まりにくくなります。
また企業規模も求人難の状況を左右する要因です。リクルートワークス研究所の「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」で従業員規模別の求人倍率を確認してみましょう。
従業員数 |
求人倍率 |
5,000人以上 |
0.34倍 |
1,000~4,999人 |
1.14倍 |
300~999人 |
1.60倍 |
300人未満 |
6.50倍 |
全体平均 |
1.75倍 |
求人倍率とは求人数を求職者数で割った数値です。1人の求職者にどれだけの求人があるかを示しているため、数値が大きいほど企業にとっては求人難の状況といえます。
企業規模別に求人倍率を見ると、従業員数300人未満の企業は6.50倍と極端に求人倍率が高い状態です。規模の小さな企業ほど求人難による人手不足に陥りやすいと考えられます。
参考:リクルートワークス研究所「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」
従業員退職による人手不足倒産
求人に対する応募が十分あり求人難といえない状態でも、従業員の退職が増えれば人手不足倒産につながるでしょう。従業員の退職には、定年退職といった事前に予測できるものと、それ以外の予測が難しいものがあります。
想定外の時期に発生する従業員の退職や、代わりの人材がいないポジションで働いている従業員の退職があると、事業を計画通りに進めるのは困難です。
スムーズに次の人材の採用が決まったり、業務効率化によって人手不足が解消されたりすれば、倒産は避けられるかもしれません。ただし求人難で採用が進まない場合や、思ったように業務効率化ができないときには、人手不足倒産につながるでしょう。
人件費高騰による人手不足倒産
近年、人件費が上昇しています。物価高が続いている状況に対応するために、企業が賃上げを実施する動きが広がっているためです。
2024年の春闘では多くの企業が労働組合の要求へ満額回答をしましたし、中には要求を上回る回答を行った企業もあります。加えて、賃上げの動きが大企業の正社員だけでなく、非正規雇用の従業員や、中小企業にも広がったのが2024年の春闘の特徴です。
ただし全ての企業が賃上げを実施できるわけではありません。他社の給与水準に合わせて賃上げを行いたいと考えていても、そのための資金調達ができない企業もあります。
以前のままの給与では、賃上げを行った他社と比べると待遇が悪く、求人を出してもなかなか応募が集まらないでしょう。
人材採用に向けて賃上げを行うと予算オーバーするかもしれません。また人手不足に対応するために仕事を外注すると、外注費が膨れ上がる可能性もあります。資金繰りの悪化から倒産せざるを得ない事態も起こり得るでしょう。
関連記事:【春闘2024】要求内容を3つのポイントで解説!企業ができることは?
2024年の人手不足倒産の状況
人手不足が深刻化している中、人手不足倒産も増えています。2024年1~5月の人手不足倒産件数は、東京商工リサーチによると118件でした。これは調査が始まった2013年以降最も多い件数です。
人手不足倒産の理由は、求人難50件・従業員退職32件・人件費高騰36件となっています。特に増加割合が高いのは従業員退職による人手不足倒産です。前年同期比だと146.1%も増加しています。
参考:東京商工リサーチ|2024年1-5月「人手不足」関連倒産 118件 「従業員退職」「求人難」の急増で初の100件超
業種別の人手不足倒産
2024年1~5月に発生した人手不足倒産について、業種別の件数も見てみましょう。
業種 |
2024年1~5月 |
2023年1~5月 |
農・林・漁・鉱業 |
2 |
0 |
建設業 |
30 |
12 |
製造業 |
8 |
6 |
卸売業 |
2 |
2 |
小売業 |
8 |
2 |
金融・保険業 |
0 |
0 |
不動産業 |
1 |
0 |
運輸業 |
25 |
15 |
情報通信業 |
4 |
4 |
サービス業他 |
38 |
15 |
前年の同じ時期と比べると、10業種のうち7業種で人手不足倒産が増加しています。特に人手不足倒産の増加率が高いのは、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用された、建設業と運輸業です。
建設業と運輸業はこれまでも人手不足といわれてきています。その人手不足を長時間労働で補っている面がありました。時間外労働の上限規制が適用されることで、長時間労働で人手不足を補えなくなり、人手不足倒産につながっていると考えられます。
以前より問題視されていた2024年問題が表面化してきている状況といえるでしょう。
関連記事:【2024年問題】解説まとめ|背景と課題・企業に必要な対策とは
規模別の人手不足倒産
東京商工リサーチによると、2024年1~4月に人手不足倒産した90件のうち、64.4%にあたる58件が資本金1,000万円未満の小規模企業や零細企業でした。
2024年の春闘では、資本力のある大企業を中心に賃上げの動きが広がっています。中小企業でも賃上げを行うケースがこれまでより増えていますが、賃上げのための資金調達が難しい企業も少なくありません。
資金確保ができず十分な賃上げができていない企業は、求人を出しても募集が集まりにくいですし、今いる従業員はより待遇のよい職場を求めて転職してしまいます。
規模の小さな企業ほど、人手不足の影響で倒産しやすい状況です。
参考:東京商工リサーチ|「人手不足」関連倒産が急増 前年同期の2倍に「2024年問題」が直撃の建設業、運輸業で増加
人手不足の理由を業界別にチェック
働き手となる生産年齢人口が減っている中、人手不足を実感している企業は少なくありません。ただし人手不足感は業界によって異なります。
まずは厚生労働省の「労働経済動向調査(令和6年2月)の概況」で発表されている、正社員等労働者過不足判断D.I.をチェックしましょう。
労働者過不足判断D.I.とは、人手不足という回答の割合から人手過剰だという回答の割合を差し引いた数値のことです。大きいほど人手不足感が強い業界といえます。
順位 |
業界 |
正社員等労働者過不足判断D.I. |
1位 |
学術研究、専門・技術サービ ス業 |
66% |
2位 |
建設業 |
65% |
3位 |
情報通信業 |
62% |
4位 |
医療・福祉 |
59% |
4位 |
運輸業・郵便業 |
59% |
4位 |
サービス業(他に分類されないもの) |
59% |
7位 |
宿泊業・飲食サービス業 |
56% |
8位 |
製造業 |
47% |
9位 |
不動産業・物品賃貸業 |
46% |
10位 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
46% |
11位 |
金融業・保険業 |
37% |
12位 |
卸売業・小売業 |
30% |
調査産業計 |
51% |
ここでは人手不足感が強い「建設業」「情報通信業」「医療・福祉業界」「運輸業・郵便業」「宿泊業・飲食サービス業」が人手不足になる理由を紹介します。
建設業
建設業の人手不足の原因は、就業者の高齢化・低い給与水準・需要の高まりにあります。
国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、建設業就業者のうち36.0%が55歳以上です。全産業の55歳以上の就業者は31.1%のため、他と比べて高齢化が進んでいる業界といえます。
低い給与水準についても「最近の建設業を巡る状況について【報告】」を見ていきましょう。2019年の建設業男性生産労働者は年収462万3,900円でした。製造業男性生産労働者の478万6,900円や、全産業男性労働者の560万9,700円と比べて低い水準であることが分かります。
また国土交通省の「建設労働需給調査結果(令和6年4月調査)」によると、建設業の全ての職種で需要に対して供給が不足している状態です。需要が高まったからといって、すぐに職人が育つわけではないため、人手不足が進行しています。
参考:国土交通省|最近の建設業を巡る状況について【報告】
参考:国土交通省|建設労働需給調査結果(令和6年4月調査)
関連記事:建築業界の人手不足が深刻化!原因と対策を分かりやすく解説
情報通信業
企業がIT化やDX化を進めるときにはエンジニアが必要です。近年では、これまでIT化やDX化が活用されていなかった農業や漁業などの一次産業でも導入されるケースが増え、人手不足が進行しています。
経済産業省の「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」に登場する「2025年の崖」も、情報通信業の人手不足に関わるポイントです。
2025年の崖とは、レガシーシステムとよばれる古い既存システムを新しいシステムへ移行したくても、人手不足から実行するのが難しい状況のことです。
人手不足の中、この移行を行うエンジニアの雇用自体が難しくなっています。加えて十分なスキルを持つエンジニアは人件費が高額で、コストも膨らみがちです。
参考:経済産業省|DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
関連記事:ITエンジニア不足を乗り越える!政府の支援策と効果的な施策を紹介
医療・福祉業界
看護師や介護士など、医療・福祉に携わる人材は増加傾向にあります。ただし高齢者の人口割合が高まっているため、需要に対して供給が追いついていません。
法律で定められている配置基準も医療・福祉業界の人手不足の要因です。入所定員数に対して配置する人数が決まっているため、IT化やDX化で業務効率化しても、事業規模を維持するには人材を確保し続ける必要があります。
加えてDX化の普及率は小規模な病院ほど低い状態です。厚生労働省の「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によると、電子カルテやオーダリングシステムの普及率は、400床以上の病院で90%を超えているのに対し、200床未満では50%程度にとどまります。
病床数の少ない小さな病院では、システムによる業務効率化が行われないまま、人手不足が進行している状況です。
関連記事:【2024年問題】医療現場で直面する課題と取り組みを解説!
運輸業・郵便業
国土交通省の「トラック運送業の現況について」によると、運輸業・郵便業で働くドライバーの平均年齢は、以下に示す通り全職業の平均年齢と比べて高いのが現状です。
職業 |
平均年齢 |
大型トラック |
47.5歳 |
中小型トラック |
45.4歳 |
バス |
49.9歳 |
タクシー |
58.7歳 |
全職業 |
42.2歳 |
上の世代が定年退職を迎えても、すぐに若い人材が集まるわけではないため、人手不足が今後ますます進行していくと予想されています。
2024年4月からは時間外労働の上限規制が適用され、人手不足を長時間労働でカバーできなくなりました。
その上、宅配需要は急激に増加しています。「令和4年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」によると、宅配便の取扱い個数は2022年に50億個を超えました。
複数の要因により人手不足が進行している業界です。
参考:国土交通省|トラック運送業の現況について
参考:国土交通省|令和4年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法
参考:厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署|時間外労働の上限規制わかりやすい解説
関連記事:運送会社が人手不足の理由は?人手不足で倒産しないための対策も確認
宿泊業・飲食サービス業
宿泊業・飲食サービス業の人手不足は、低い給与水準が理由と考えられています。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の平均月収は25万9,500円です。全体の平均月収は31万8,300円のため、約6万円安いことが分かります。
加えてインバウンド需要の高まりからも人手不足は進行中です。日本政府観光局の「訪日外客数(2024年5月推計値)」によると、2024年3~5月はどの月も訪日外客数が300万人を超えています。
訪日外客数はコロナ禍前の2019年よりも伸びており、インバウンド需要に供給が追いついていない状況です。
参考:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査
参考:日本政府観光局|訪日外客数(2024年5月推計値)
関連記事:宿泊業界の人手不足問題とは?想定されるリスクと必要な対策
人手不足倒産への対策
増えつつある人手不足倒産を避けるには対策が必要です。具体的にどのような対策があるのかを見ていきましょう。
求人の出し方を変える
求人を出しても応募が集まらないときには、求人の出し方を変えると応募が集まりやすくなるかもしれません。求人の掲載先を変える、自社サイトに求人ページを設ける、SNSで募集するなど、さまざまな方法を検討しましょう。
職種によってはインターネットへ掲載するより、地元の求人誌の方が反応が集まりやすい可能性もあります。
併せてアピールする内容も検討が必要です。自社の魅力と同時に、入社直後の大変なことや、社内の雰囲気などについても触れると、イメージと現実とのギャップが縮まりやすいでしょう。
先輩従業員へ質問できる機会や、職場見学の機会を設けるのもおすすめです。
入社後のフォローを充実させる
採用した従業員の教育を現場に一任していると、フォローが手薄になりがちです。忙しい現場では、新しく入った従業員の教育が後回しにされることもあるでしょう。
これでは仕事を覚えるまでに時間がかかりますし、無力感を覚えるかもしれません。中には誰にも相談できないまま、退職を決める従業員もいるでしょう。
このような事態を避けるには、入社時研修の実施や、現場への教育担当者の設置、定期的な面談によるフォローアップなどが有効です。
業務効率化を進める
人手不足を回避するには、従業員が働きやすい環境を整えなければいけません。業務の見直しやシステムの導入による効率化を行えば、従業員の残業時間や休日出勤を減らせます。
業務効率化により、これまで5人で行っていた業務を3人でできるようになれば、2人には他の業務を任せることも可能です。新たな人材を採用することなく、人手不足を解消できるかもしれません。
従業員同士のコミュニケーションをサポートする
従業員同士が日常的に会話を交わし、良好なコミュニケーションを取っていると、スムーズな仕事につながりやすくなります。仕事の相談が気軽にできるため、問題が発生したとしても大事になる前に対処できるでしょう。
コミュニケーションをサポートするには、職場内に従業員が集まりやすい休憩スペースを設置するのがおすすめです。コーヒーメーカーやフリードリンクを用意すれば、会話が生まれる憩いの場となるでしょう。
従業員同士の交流が進むよう、食事会やレクリエーションなどのイベントを行うのも有効です。
待遇を改善する
待遇が悪いままでは、従業員は離れていってしまいかねません。給与や福利厚生などを充実させれば、求職者が集まりやすくなりますし、今いる従業員の退職も防げます。
物価高への対応として給与アップを実施するとともに、福利厚生を拡充することで、働きやすさの改善も可能です。
福利厚生の中には、要件を満たすと従業員の税負担を増やすことなく支給できるものもあります。社宅や食事補助などの対象となる福利厚生を充実させれば、従業員の実質的な手取り額アップも可能です。
同額の給与アップと比べると、税額の負担が増えない分、従業員が待遇改善を実感しやすい方法といえます。
関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト
人手不足倒産の対策に役立つ「チケットレストラン」
人手不足倒産の対策には待遇改善が役立ちます。福利厚生による待遇改善を検討しているなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。食事補助の福利厚生サービスである「チケットレストラン」の特徴を紹介します。
従業員に公平に支給できる
待遇改善を目的として福利厚生を充実させるなら、全ての従業員を対象に支給できる公平な制度にしたいと考えている企業も多いでしょう。
全国にある25万店舗以上の加盟店で食事を購入できるエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」なら、全ての従業員が公平に利用可能です。
オフィスに出社して働く従業員にも、営業回りで外に出ていることが多い従業員にも、毎日異なる現場で働く従業員にも、自宅でテレワークをしている従業員にも、食事補助を提供できます。
公平に支給できる食事補助の福利厚生サービスだからこそ、利用率は98%で継続率は99%あり、従業員満足度も93%と高い数値です。
簡単に導入できる
担当する従業員の負担を最小限に抑えつつ導入できるのも、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」ならではです。
導入時には、契約後に届く専用のICカードを従業員へ配布するだけで使い始められます。専用のソフトやアプリのインストールは必要ありません。継続に必要な手続きも、月1回のチャージ作業のみです。
最小限の負担で従業員満足度の高い福利厚生サービスを導入できます。
人手不足倒産を回避しよう
人手不足倒産とは事業運営に必要な人材を確保できず倒産に至ることです。少子高齢化の進行に伴い、さまざまな業界で人手不足感が高まっており、特に建設業や運輸業などでは人手不足倒産が顕著に増えています。
人手不足倒産を回避するには、求人の工夫や業務効率化・社内のコミュニケーションの活発化などによる対策が有効です。待遇改善に向けて福利厚生を拡充するのもよいでしょう。
おすすめは食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」です。
全ての従業員に公平に支給できる「チケットレストラン」は、実質的な手取り額アップにもつながります。人手不足倒産の回避に向けて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。