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【2024年問題】医療現場で直面する課題と取り組みを解説!

【2024年問題】医療現場で直面する課題と取り組みを解説!

2024.01.15

2019年4月1日から「働き方改革」の推進による、労働時間に関する法の見直しが進んでいます。残業規制がゆるやかだった勤務医については経過措置がとられ、法改正が先延ばしになっていましたが、2024年4月1日より規制が開始されます。「医師の働き方改革」を迎えるにあたり、医療現場において、働き方改革に向けて動き出さなければなりません。この記事では、2024年に規制の対象となる医師向けの働き方改革について、医療現場で直面する課題や、その取り組みについて解説していきます。

医療の2024年問題とは?

医療の2024年問題とは、2024年4月から見直される勤務医の働き方に関する法令に向けて、医師や看護師など医療業界の労働環境や働き方を見直すことです。5年前の2019年4月より、多くの業界で残業時間を見直すための「働き方改革」が推奨されました。その際、すぐに労働環境の改善が難しいと考えられる業界・業種である医療業界には猶予期間が設けられています。ついに猶予期間が終わり、本格的に法令が改正されるのが2024年4月です。働き方の見直しが難しかったとされる業界・業種に対する法令整備なので、課題となることが多く「医療の2024年問題」と呼ばれています。

出典・参考:厚生労働省|時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務

医師の働き方改革

医師の働き方改革とは、医療の2024年問題の解消のための柱となる施策です。後ほど解説しますが、医師の労働環境を改善するために、政府は以下の3つの柱を掲げています。

1.労働時間の上限が規制|2024年4月〜

2024年4月より、これまで上限設定がなかった勤務医の労働時間について、上限が設定されます。宿直や休憩時間との区切りが不明確であったり、勤務時間の管理が不十分だったという課題などに取り組み、過剰労働を防ぐことが目的です。

労働時間の上限については、継続的な医療を提供しなければならないことへの配慮から、一律規制はされていません。緊急医療や地域医療を支える医師、技能獲得を目指す医師については、時間外労働の規制は条件により緩和されます。ただし、複数の医療機関で勤務する場合、労働時間の通算が必要です。

医療機関の水準 長時間労働が必要な理由 年上限労働時間
A水準 一般労働者と同程度 960時間
B水準 地域医療の確保 1,860時間
連携B水準 地域医療の確保のための派遣による通算労働 1,860時間

連携Bでは各院で960時間

C-1水準 臨床研修・専行医の研修 1,860時間
C-2水準 高度な技能の習得 1,860時間

出典・参考:厚生労働省|時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務

2.追加的健康確保措置|2024年4月〜

医師の労働時間の上限規制に伴い、追加的健康確保措置が連動して設置されています。追加的健康確保措置とは、時間外労働規制の労働時間を超えざるを得ない場合に、医師の健康・医療の質・安全確保を保つために実施されるものです。

面接指導:健康状態を医師がチェックする

医師の健康を守るため、時間外・休日労働が月100時間以上が見込まれる全医師に対して、面接指導が実施され、健康の確保のための措置を行う必要があります。労働時間の上限が規制のA〜Cすべての水準の医師が対象です。面接指導は義務であり、もし実施しなかった場合は医療法違反となります。面接指導を実施せず、月100時間以上の時間外・休日労働をさせた場合、労働基準法違反にもなるため、事業者は厳守するよう努めなければなりません。

出典・参考:厚生労働省 医政局医事課 医師等医療従事者働き方改革推進室「長時間労働医師への面接指導の実施に向けて

休憩時間の確保:連続勤務時間の制限と勤務間インターバル規制

医師の心と体の健康を守るためには、一定時間以上の連続した休憩時間を確保し、仕事と離れる必要があります。そのために設けられたのが、以下の基本ルールです。

  • 通常の日勤、宿日直許可のある宿日直(※)に従事する場合:始業から24時間以内に9時間の継続した休息時間を取得する(15 時間の連続勤務時間制限)
  • 宿日直許可のない宿日直に従事する場合:始業から46時間以内に18時間の継続した休憩時間を取得する(28 時間の連続勤務時間制限)

※「寝当直」に当たるような業務で、労働基準法上労働時間規制の適用除外とされる業務

休憩時間の確保:代償休息

医療の特性により、緊急性の高い業務が発生した場合は、医師は引き続き対応できます。ただし、医療機関の管理者は、労働時間に相当する時間分を対象となる労働時間が発生した月の翌月末までに代償休息として付与しなければなりません。

出典・参考:厚生労働省 医政局医事課 医師等医療従事者働き方改革推進室「医師の勤務間インターバルの確保に向けて

3.時間外労働割増賃金率の引き上げ|2023年4月〜

2024年に先立って、2023年4月に実施されているのが、時間外労働割増賃金率の引き上げです。過剰労働が問題視される医師の「働き方改革」では、労働時間の負担に見合う賃金が支払われるように法の整備がされました。すでに2023年以前から大企業では開始されていた時間外割増賃金率の引き上げ水準が、医療業界など中小企業にも適用されます。変更前後のポイントは以下のとおりです。

  • 2023年3月31日まで:月60時間超の法定時間外労働の割増賃金率が「25%」
  • 2024年4月1日以降 :月60時間超の法定時間外労働の割増賃金率が「50%」

出典・参考:厚生労働省「中小企業の皆さまへ 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます

看護師の働き方改革|2019年4月〜

医療現場を支える上で、医師とともに欠かせないのが看護師です。看護師の働き方改革については、2019年4月より実施されています。時間外労働の上限について、以下の規制がされ、違反すると労働基準法に違反し罰則が科されます。

  • 原則月45時間
  • 年間360時間以内
  • 特別な事情の場合、年720時間以内・月平均80時間以内・月100時間未満を遵守

看護師の働き方改革は、医師の働き方改革の影響を受ける可能性を考慮する必要があります。医師の労働時間を減らすためには、看護師に一部の業務をタスクシェアすることになるでしょう。たとえば「特定行為に係る看護師の研修制度」を終了した看護師などは、医師が作成した手順書に従って、インスリンの投与量の調整などの特定行為が行えます。

参照:日本看護教会|看護職の働き方改革

参照:厚生労働省|特定行為区分とは

医療現場の現状の問題

働き方改革の推進を政府が猶予をもって進めた医療現場には、働きやすさを妨げる問題が山積みです。ここからは、医療現場の現状の問題をみていきましょう。

時間外労働が多い

令和元年の医師の勤務実態調査によると、医療機関で働く医師の約40%が月80時間以上の残業をしています。

2024年問題 医療現場_1

出典:令和元年「医師の勤務実態調査

時間外労働が多くなってしまう理由についてもみていきましょう。厚生労働省委託事業各種報告書の「Ⅴ 医療機関に対する実態調査及びその分析 」という調査結果によると「患者対応・ケア」が挙げられています。30代の医師の場合「緊急対応」、30代以外の医師については「事務作業」の多さが主な理由です。

2024年問題 医療現場_2

出典:厚生労働省委託事業各種報告書「Ⅴ 医療機関に対する実態調査及びその分析

宿日直勤務・オンコールによる長時間労働

勤務先の病院によって、長時間労働が問題視されています。理由として挙げられるのが、宿日直勤務やオンコール(※)です。宿日直許可の有無や、オンコールの頻度などにより、医療機関ごとに労働時間に含まれるかどうかが異なり、長時間労働を発生させるケースもあると考えられます。

※勤務時間外に、勤務先の病院で患者の急変および救急搬送などで、電話の呼び出しをされること

高ストレスな勤務環境

精神的に高負荷で、高ストレスな勤務環境であるのが課題です。医師は、人の命を預かる責任感のある仕事です。そもそもストレスを感じる機会が多いにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症など未曾有の事態で業務が逼迫したり、人手不足で業務時間外労働が増加したりと、一人ひとりの医師への負担が高まっています。

医療現場の働き方改革実現に向けての5つの取り組み

医療現場の働き方改革の実践における取り組みを紹介します。

1.勤怠管理を適正化

医師の働き方改革における残業時間の上限規制への対応に向けて、整えたいのが勤怠管理制度です。医師にも管理者にも、できる限り負担のない形で、正確に勤怠データを管理する仕組みを整えましょう。ICTの導入・活用などもぜひ前向きに検討してください。管理の手間を減らし、業務負担を軽減できます。

2.タスク・シフティングの推進

医師でなくても可能な業務について、専用の資格を持った看護師や薬剤師などの医療従事者に分担してもらうことがタスク・シフティングです。医師の労働時間削減に貢献する取り組みとなります。

3.ICTの導入による業務効率化

電子カルテの導入やオンライン診療など、ICTの導入による医療業務効率化も、働き方改革によい効果が期待できます。遠隔医療を活用すれば、医療従事者の移動時間を削減でき、働き方を見直すことになるでしょう。事務的負担の軽減に成功すれば、医療現場全体での労働生産性を高められます。

4.福利厚生の導入

より質のよい医療を提供するためには、医師の心身の健康が欠かせません。勤務時間がバラバラな医師でも活用できるような福利厚生を導入し、働きがいをより高めることで、働きやすい勤務環境を作れます。

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、多様な勤務時間の方に利用しやすい食の福利厚生です。コンビニ・カフェなど全国の加盟店で勤務時間中の食事に利用できます。勤務日の食事代を企業が半額負担するため、給与以外の形で従業員に利益を還元することが可能です。98%と利用率も高く、従業員満足度アップやインフレ手当などの目的でも導入実績もあります。働き方改革の成功にも役立てられるでしょう。

5.女性医師のキャリア形成支援の推進

結婚・出産などのライフイベントを経ても、働き続けられるよう女性のキャリア京成を支援する取り組みも重要です。再び医療現場に戻りやすくなる制度を導入し、多様な働き方を受け入れる姿勢が求められています。

医療従事者の笑顔が増える福利厚生で医療の2024年問題に取り組みませんか

「2024年問題」として叫ばれているように、医師の働き方に関する法令の見直しが間近に迫っています。少子高齢化に向けて、残業規制の上限を遵守し、医師が安心して長期的に働ける社会を作っていかなければなりません。

勤怠管理を整えるなどで法令を遵守し、2024年問題を乗り越えましょう。医師・看護師など医療従事者一丸となって取り組むからこそ、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」で、働きやすさを高める実践をしてみてはいかがでしょうか。

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