外国人労働者数は、2024年10月末時点で230万人を突破し、過去最多の増加を記録しました。特定技能の急増や2027年開始予定の育成就労制度など、受け入れの環境は転換期を迎えています。本記事では、厚生労働省の最新データをもとに、在留資格別・国籍別・業種別の受け入れ状況と制度選択のポイントを解説。外国人労働者の採用を検討されている企業が知っておきたい情報をまとめました。
外国人労働者受け入れの現状|よくある質問
外国人労働者の受け入れを検討する企業が増えている一方で、情報や制度について正確に把握できていないケースも少なくありません。ここでは、外国人労働者受け入れの現状について、多く寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。
Q. 2024年現在、日本で働く外国人労働者は何人?
A. 2024年10月末時点で約230万人、過去最多を更新しました。
厚生労働省の発表によると、2024年10月末時点で日本国内の外国人労働者数は約230万人に達し、前年同期比で約25万人増加しました。この増加数は過去最多であり、外国人労働者の受け入れが加速していることを示しています。増加の背景には、特定技能制度の拡充や、少子高齢化による人手不足の深刻化があります。
Q. どの国籍・業種が多い?
A. 国籍別ではベトナム、業種別では製造業が最多です。
国籍別に見ると、ベトナム出身者が約57万人でもっとも多く、次いで中国が約41万人、フィリピンが約25万人となっています。業種別では製造業が約60万人と最多で、次いでサービス業(他に分類されないもの)が約35万人、卸売・小売業が約30万人と続きます。
関連記事:外国人労働者が人手不足解消の切り札?データで読み解く現状と事例を紹介
Q. 特定技能が急増していると聞きましたが?
A. 特定技能の外国人労働者は前年比49.4%増の約20.7万人に達しました。
特定技能制度による受け入れは、2024年10月末時点で約20.7万人となり、前年同期比で49.4%(約6.8万人)増加しました。この急増の背景には、2019年に創設された特定技能制度が企業に浸透してきたこと、技能実習修了者が試験免除で移行できる仕組みが実際に機能し始めたことにあると考えられます。
Q. 受け入れを検討する際のポイントは?
A. 在留資格の選択、受け入れ体制の整備、コミュニケーション支援の3点が重要です。
外国人労働者の受け入れを成功させるには、まず自社のニーズに合った在留資格を選ぶことが重要です。即戦力が必要なら特定技能、長期的な人材育成なら2027年開始予定の育成就労制度が適しています。次に、在留資格申請や生活支援など受け入れ体制を整備し、日本語教育や多言語対応などコミュニケーション支援も欠かせません。
「外国人労働者」受け入れの現状
外国人労働者は、日本社会の中でどのように受け入れられているのでしょうか。ここでは、厚生労働省が2025年1月に公開した「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」をもとに、外国人労働者受け入れの現状を解説します。
参考:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
230万人突破、年間増加数は過去最多の25万人
厚生労働省によると、2024年10月末時点の外国人労働者数は2,302,587人となり、初めて230万人を突破しました。前年同期比で253,912人増加し、増加数・増加率ともに過去最多を記録しています。
この急増の背景にあるのが、コロナ禍からの経済回復に伴う人手不足の深刻化です。製造業、建設業、宿泊・飲食サービス業などで需要が高まり、企業が積極的に採用を進めています。
在留資格別|専門的・技術的分野が初の首位、特定技能は前年比49%増

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)
在留資格別では、「専門的・技術的分野」が718,812人(31.2%)で初めて首位となり、従来トップだった「身分に基づくもの」629,117人(27.3%)を上回りました。
特に注目すべきは「特定技能」の急増です。実に206,995人に達し、前年比49.4%の大幅増となりました。この背景には、即戦力として評価されやすいこと、技能実習からの移行ルートが確立されたこと、対象分野が16分野へ拡大されたことなどがあります。
一方、「技能実習」は47万725人で前年比14.1%増にとどまっています。同制度は、2027年には育成就労制度へ移行する予定です。
関連記事:令和6年外国人雇用実態調査で現状を把握。外国人材の雇用は増える?
国籍別|ベトナム最多だが伸び率ではインドネシア・ミャンマーが上回る

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)
国籍別ではベトナムが570,708人(24.8%)で最多、次いで中国(香港・マカオ含む)408,805人(17.8%)、フィリピン245,565人(10.7%)となっています。
しかし増加率で見ると、ミャンマーが61.0%増、インドネシアが39.5%増、スリランカが33.7%増と、それぞれベトナム(10.1%増)を大きく上回るのが実情です。
伸び率の差が生じている背景には、ベトナムの経済成長による賃金差の縮小、円安の影響、韓国・台湾との人材獲得競争の激化などが指摘されています。
インドネシアやミャンマーは人口が多く労働力が豊富なため、日本企業の新たな人材供給源として注目されています。
業種・地域別|製造業が最多、建設業と宿泊・飲食業の伸びが顕著
出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)
業種別では製造業が598,314人(26.0%)で最多、次いでサービス業(他に分類されないもの)が354,418人(15.4%)、卸売・小売業298,348人(13.0%)です。
前年比では医療・福祉が28.1%増ともっとも高く、介護人材不足を反映しています。建設業も22.7%増と高い伸びを示しており、インフラ整備や再開発需要の影響がうかがえる結果となりました。
地域別では東京都が585,791人(25.4%)で最多ですが、増加率では長崎28.1%、北海道23.8%、福井22.5%と地方での伸びが目立ちます。
また、事業規模別では、小規模事業所(30人未満)が全体の62.4%を占めました。
受け入れが増えている3つの背景
外国人労働者の受け入れが過去最多のペースで増加している背景には、構造的な要因と制度的な要因があります。ここでは、受け入れ拡大を後押ししている3つの主な背景について解説します。
少子高齢化による労働力不足の深刻化
内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、1995年のピーク時には約8,700万人だった生産年齢人口は、2025年には約7,300万人にまで減少しました。リクルートワークス研究所のシミュレーションでは、2040年時点で1,100万人の労働力不足が予測されています。
厚生労働省の「令和6年外国人雇用実態調査」では、外国人労働者を雇用する理由として「労働力不足の解消・緩和のため」と回答した企業が69.0%に達し、前年(64.8%)から増加しました。もはや外国人労働者は補助的な労働力ではなく、事業継続に不可欠な存在となっていることが分かります。
参考:厚生労働省|外国人雇用実態調査
参考:内閣府|令和7年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)
参考:リクルートワークス研究所|未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる|報告書
特定技能制度の拡充と活用促進
2019年4月に創設された特定技能制度は、人手不足が深刻な分野で即戦力となる外国人労働者を受け入れるための制度です。
創設当初は12分野でしたが、2024年に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業が追加され、16分野に拡大しました。対象となる外国人労働者には一定の技能水準と日本語能力が求められ、転職も可能です。
特定技能2号では在留期間の上限がなく、家族帯同も認められます。企業にとっては即戦力として、労働者にとっては長期的なキャリア形成の場として、双方にメリットがある制度です。
参考:出入国在留管理庁|特定技能制度
参考:出入国在留管理庁|特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~
育成就労制度の新設(2027年開始予定)
育成就労制度は、技能実習制度に代わって2027年から開始される新制度です。出入国在留管理庁の資料によると、「人材確保」と「人材育成」を両立させ、3年間の育成期間を経て特定技能への移行を前提としています。
主な特徴として、特定技能への円滑な移行・一定条件下での転籍容認・監理支援機関の許可制への厳格化などが挙げられます。
企業は3年間の育成投資を経て外国人労働者を特定技能人材として雇用でき、育成就労と特定技能1号を合わせて最長8年、特定技能2号に移行すればさらに長期の雇用が可能です。
外国人労働者は転籍要件の緩和によりキャリア選択の自由度が高まります。制度開始に向けた受け入れ体制の見直しが求められています。
参考:出入国在留管理庁|育成就労制度
参考:厚生労働省|育成就労制度の概要
企業が得られる4つのメリット
外国人労働者の受け入れは、企業にさまざまなメリットをもたらします。主なメリットは以下の4つです。
- 人手不足の解消
少子高齢化によって深刻化する人手不足の打開策として有効です。 - 若手人材の確保と組織活性化
意欲的な若手外国人労働者が職場に加わることで、組織に新しい活力や視点がもたらされます。 - 多様性とイノベーションの促進
異なる文化背景を持つ人材との協働により、固定観念にとらわれない柔軟な思考が育まれ、業務改善や新しいアイデアの創出につながります。 - グローバル展開の支援
母国語や文化的背景を生かした海外取引先との円滑なコミュニケーション、インバウンド需要への対応力向上が期待できます。
関連記事:外国人介護人材を受け入れるには?4つの制度と成功のポイント
受け入れ制度の選択ポイント【特定技能 vs 育成就労】
外国人労働者の受け入れにおいて、重要なポイントになるのが在留資格の選択です。自社のニーズに合った制度を選ぶことで、受け入れ後のミスマッチを防ぎ、人材の定着率を高めることができます。
即戦力を求めるなら、適しているのは特定技能です。一定の技能水準と日本語能力(N4レベル以上)が求められるため、入社後すぐに戦力として活躍できます。在留期間は通算5年(特定技能1号)ですが、特定技能2号では上限なく家族帯同も可能です。転職も認められており、柔軟な雇用が特徴です。
一方、長期的な人材育成と定着を重視するのなら、育成就労(2027年開始予定)が選択肢となります。3年間の育成期間を経て特定技能への移行を前提とし、最長8年以上の雇用が可能です。ただし、育成計画の策定や日本人と同等以上の賃金確保など、受け入れ体制の整備が求められます。
参考:出入国在留管理庁|特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~
参考:厚生労働省|育成就労制度の概要
外国人労働者の暮らしを支える福利厚生
外国人労働者の定着を考えるうえで、福利厚生は重要な役割を果たします。福利厚生は国籍や文化に関係なく公平に提供でき、制度理解のハードルも比較的低い点が特徴です。
中でも、毎日利用できる実用性の高い福利厚生は、生活コストの軽減を通じて満足度向上につながります。
なお、外国人労働者をはじめ、従業員の暮らしをサポートする福利厚生として、近年特に注目度を高めているのが、エデンレッドジャパンが提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」です。
「チケットレストラン」を導入する企業の従業員は、企業との折半により、全国25万店舗を超える加盟店での食事を実質半額で利用できます。
加盟店のジャンルは、コンビニ・ファミレス・三大牛丼チェーン店・カフェなど多種多様で、宗教や文化への配慮(ハラール、ベジタリアン対応など)も可能です。従業員同士が食事を通じて交流する機会も増えるため、コミュニケーション促進の機会としても寄与します。
こうした柔軟性の高さが評価され、すでに3,000社を超える企業に導入されている人気サービスとなっています。
【チケットレストランの導入事例】
北海道で自動車の販売・修理・整備を手掛ける日免オートシステム株式会社では、持続可能な整備サービスを推進するため、毎年定期的に外国人採用を行っています。2018年からは、外国人技能実習生や特定技能外国人を受け入れていますが、外国人従業員からも「チケットレストラン」は評判が良いそうです。
▼日免オートシステム株式会社の詳細な導入事例は「こちら」
まとめ|230万人時代、データで見る受け入れの現状と今後
外国人労働者数は230万人を突破し、企業にとって不可欠な存在となりました。特定技能の急増や2027年開始予定の育成就労制度により、受け入れ環境が大きく変化する中、自社のニーズに合った制度選択と適切な受け入れ体制の整備が求められます。
なお、人手不足の解消には、単なる採用ではなく、長期的な定着を前提とした仕組みが必要です。「チケットレストラン」のような福利厚生を含む包括的な支援を進め、外国人労働者が安心して働ける環境を整備しましょう。
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