外国人労働者数は230万人を超え、過去最高を更新しました。多くの企業で人手不足解消の切り札となっている一方、企業が向き合うべき問題も複雑化しています。本記事では、外国人労働者をめぐる4つの主な問題と受け入れのメリット、企業が取り組むべき具体的な解決策をわかりやすく解説。最新の法改正情報も提供します。
外国人労働者問題にまつわるよくある質問
外国人労働者問題について、企業が直面する代表的な疑問を4つのQ&A形式でまとめました。「まずは全体像を把握したい」という方は、こちらから確認してください。
Q1. 外国人労働者問題とは何ですか?
A. 賃金、労働環境、コミュニケーション、法制度の4つの領域にまつわる問題です。
具体的には、低賃金や賃金格差といった賃金面の問題、長時間労働や危険な作業環境といった労働環境の問題、日本語能力不足や文化の違いによるコミュニケーション問題、在留資格の複雑さや技能実習制度の構造的課題といった法制度の問題に分類されます。
Q2. 外国人労働者は現在どのくらいいますか?
A. 2024年10月末時点で約230万人、過去最高を更新しました。
厚生労働省の発表によると、2024年10月末時点での外国人労働者数は2,302,587人で、前年同期比12.4%増となり、届出が義務化された平成19年以降で過去最高を記録しました。人手不足が深刻な業種を中心に、外国人労働者は日本の労働市場において欠かせない存在となっています。
参考:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
Q3. 技能実習制度の何が問題ですか?
A. 建前と実態の乖離、転職制限による劣悪環境からの脱出困難が主な問題です。
技能実習制度は「開発途上国への技能移転による国際貢献」を目的としていますが、実態は人手不足を補う労働力として機能しており、建前と実態の乖離が指摘されています。また、原則として転職が認められないため、劣悪な労働環境に置かれても職場を変えることができず、結果として失踪につながっています。
Q4. 企業が最優先で取り組むべき対策は?
A. 法令遵守と在留資格の確認が最優先です。
外国人労働者を雇用する際は、在留カードで在留資格・在留期限・就労制限の有無を必ず確認することが企業の義務です。2024年6月に成立した改正入管法により、不法就労助長罪は懲役5年以下・罰金500万円以下へと厳罰化されることが決まっています。在留資格の確認を怠ると、企業が重い罰則を受けるリスクがあるため、法令遵守の徹底が何よりも重要です。
関連記事:令和6年外国人雇用実態調査で現状を把握。外国人材の雇用は増える?
外国人労働者問題の現状
厚生労働省の発表によると、2024年10月末時点での外国人労働者数は2,302,587人で、前年同期比12.4%増となり、過去最高を更新しました。
国籍別ではベトナムが570,708人(24.8%)でもっとも多く、次いで中国408,805人(17.8%)、フィリピン245,565人(10.7%)です。
産業別では製造業が598,314人(26.0%)、サービス業354,418人(15.4%)、卸売業・小売業298,348人(13.0%)が上位を占めます。在留資格別では、専門的・技術的分野が718,812人で初めて最多となりました。
こうした増加の背景には、深刻な労働力不足があります。内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、1995年のピーク時には約8,700万人だった生産年齢人口が、2025年には約7,300万人まで減少しました。また、リクルートワークス研究所のシミュレーションでは、2040年には1,100万人の労働力不足が予測されています。
国内人材だけで必要な労働力を確保することが困難な今、外国人労働者は企業の持続的な成長を支える重要な存在となっているのです。
参考:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
参考:内閣府|令和7年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)
参考:リクルートワークス研究所|未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる|報告書
外国人労働者が直面する4つの問題
外国人労働者は、日本で働く中でさまざまな問題に直面しています。ここでは、企業が理解しておくべき主な問題を4つの視点から解説します。
低賃金・賃金格差
外国人労働者がもっとも深刻な問題として直面しているのが賃金問題です。
2017年に法務省が実施した、失踪した技能実習生2870人を対象とする聞き取り調査によると、失踪の動機としてもっとも多かったのが「低賃金」でした。該当者は1,929人で、全体の67.2%にあたります。
最低賃金を下回る賃金や、雇用契約書に記載された額より低い賃金しか支払われないケースのほか、日本人と同じ業務でも外国人には低い賃金が設定されるなど、同一労働同一賃金の原則が守られていない事例も少なくありません。
企業には労働基準法に基づく適正な賃金支払いと、日本人と同等の待遇が求められます。
参考:産経ニュース|「入管局のずさんさが原因」 法務省、失踪実習生めぐる元データを開示(1/2ページ)
関連記事:【社労士監修】2025-2026外国人技能実習生の受け入れで使える助成金・補助金まとめ
過酷な労働環境と労働災害リスク
長時間労働、休日不足、危険な作業環境も深刻な問題です。
特に、建設業や製造業では、安全衛生教育が不十分なまま危険作業に従事させられるケースが多く見られます。言語の壁により安全指示が理解できない場合、労働災害のリスクも否定できません。
企業は労働基準法・労働安全衛生法を遵守したうえで、多言語での安全衛生教育の実施、適切な労働時間管理と休日の確保が求められます。
コミュニケーション・文化の壁
日本語能力の不足は業務の遂行に大きな支障をきたします。
厚生労働省の調査によると、外国人労働者の雇用に関する課題(複数回答)として、もっとも多く挙げられたのが「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい(43.9%)」でした。
業務指示が伝わらない場合、作業ミスが発生したり、安全に関する注意が理解されず事故につながる可能性もあります。
また、時間厳守や報告・連絡・相談といった日本の職場文化や、宗教上の配慮が必要な食事や礼拝時間など、文化の違いによる誤解についても想定しておかなければなりません。
法制度の複雑さと構造的課題
日本には29種類の在留資格があり、それぞれ就労できる業務範囲が異なります。認められた範囲を超えると不法就労となり、企業も罰則の対象です。
技能実習制度は「開発途上国への技能移転による国際貢献」を目的とした制度ですが、実態は人手不足対策として機能しているのが実情です。日本語能力の壁もあり、技能習得を果たせぬまま帰国するケースも珍しくありませんでした。こうした問題を受け、政府は2027年度から育成就労制度へ移行し、より質の高い人材育成や長期的なキャリア形成を推進する予定です。
また、2024年6月に成立した改正入管法により、不法就労助長罪が懲役5年以下・罰金500万円以下へ厳罰化されるため、企業は在留カードでの確認など厳格な法令遵守が求められます。
参考:出入国在留管理庁|在留資格一覧表
参考:厚生労働省|外国人の雇用
参考:e-Gov 法令検索|出入国管理及び難民認定法|第73条の2
外国人労働者を受け入れるメリット
外国人労働者の受け入れには問題もありますが、適切に対応することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
- 人手不足の解消
採用母集団が拡大するため、不足している人員を補填できます。欠員による事業停滞リスクを抑えられるため、製造業や建設業、サービス業など人手不足が深刻な業種で特に有効です。 - 若手人材の確保と組織活性化
意欲的な若手外国人材が職場に加わることで、組織に新しい活力や視点がもたらされます。 - 多様性とイノベーションの促進
異なる文化背景を持つ人材との協働により、固定観念にとらわれない柔軟な思考が育まれ、業務改善や新しいアイデアの創出につながります。 - グローバル展開の支援
母国語や文化的背景を生かした海外取引先との円滑なコミュニケーション、インバウンド需要への対応力向上が期待できます。
関連記事:外国人労働者が人手不足解消の切り札?データで読み解く現状と事例を紹介
【外国人労働者問題】企業が取り組むべき4つの解決策
外国人労働者が直面する問題を解決するためには、企業の積極的な取り組みが不可欠です。ここでは、実務で優先度の高い4つの解決策を解説します。
在留資格の確認と法令遵守の徹底
外国人労働者を雇用するにあたり、在留カードで在留資格・在留期限・就労制限の有無を確認することは企業の義務です。
前述のとおり、就労が認められていない在留資格で働かせたり、認められた業務範囲を超える仕事をさせると不法就労となり、企業も罰則の対象となります。また、ハローワークへの雇用状況届出も企業の義務です。
さらに、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法は国籍に関わらず適用されるため、日本人と同等の待遇・賃金を保証し、同一労働同一賃金の原則を守る必要があります。
参考:厚生労働省|外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。
受け入れ体制の整備(多言語対応・異文化理解)
雇用契約書、就業規則、安全衛生資料など、業務に関わる重要な情報は、外国人労働者の母国語で提供しましょう。特に、安全に関わる情報は、正確に理解されないと重大事故につながる可能性があるため多言語化が不可欠です。
日常的な業務指示では、複雑な表現を避けた「やさしい日本語」や、図解・写真による視覚的な情報提供が効果的です。また、日本人従業員への異文化理解研修の実施も検討しましょう。
外国人労働者が母国語で相談できる窓口を設置し、困りごとを早期に把握する体制も整えることが求められます。
継続的な日本語教育とコミュニケーション支援
日本語能力の向上は、外国人労働者の業務遂行能力とキャリア形成に直結します。企業内で日本語研修を実施したり、外部の日本語教室への参加を支援するなど、継続的な学習機会を提供しましょう。
業務に必要な専門用語やビジネス場面で使われる敬語表現など、実践的な内容が効果的です。あわせて、日本語能力試験の受験費用補助や合格時の報奨金支給も、学習意欲を高める制度として有効です。
また、翻訳アプリの活用や、重要事項については理解度を必ず確認するなど、日々のコミュニケーション支援も欠かせません。特に、安全に関わる内容は、確実に理解されているか丁寧に確認することが求められます。
生活支援と福利厚生の充実
外国人労働者の定着には、業務面だけでなく生活面のサポートが不可欠です。住居探し、銀行口座開設、役所での手続きなど、日本での生活に必要な支援を提供しましょう。
外国人労働者の定着を目標とするのなら、定期的な面談を実施し、困りごとや悩みを早期に発見する仕組みづくりが大切です。さらに、生活コストの削減に直結する福利厚生を提供することで、外国人労働者の直接的な生活サポートができるほか、自社への愛着や貢献意欲の向上も期待できます。
外国人労働者の定着を支える食事補助の福利厚生
数ある福利厚生の中でも、近年特に注目度を高めているのが、エデンレッドジャパンが提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」です。
「チケットレストラン」を導入する企業の従業員は、企業との折半により、全国25万店舗を超える加盟店での食事を実質半額で利用できます。
加盟店のジャンルは、コンビニ・ファミレス・三大牛丼チェーン店・カフェなど多種多様で、宗教や文化への配慮(ハラール、ベジタリアン対応など)も可能です。従業員同士が食事を通じて交流する機会も増えるため、コミュニケーション促進の機会としても寄与します。
こうした柔軟性の高さが評価され、すでに3,000社を超える企業に導入されている人気サービスとなっています。
【チケットレストランの導入事例】
北海道で自動車の販売・修理・整備を手掛ける日免オートシステム株式会社では、持続可能な整備サービスを推進するため、毎年定期的に外国人採用を行っています。2018年からは、外国人技能実習生や特定技能外国人を受け入れていますが、外国人従業員からも「チケットレストラン」は評判が良いそうです。
▼日免オートシステム株式会社の詳細な導入事例は「こちら」
外国人労働者問題への適切な対応が企業成長の鍵
外国人労働者が直面する問題は複雑ですが、企業の適切な対応により解決可能です。法令遵守と在留資格の確認を徹底し、受入体制の整備、コミュニケーション支援、生活支援の4つに取り組むことで、人手不足解消や組織活性化といったメリットが得られます。
また、「チケットレストラン」のような福利厚生を含む包括的な支援が、外国人労働者の定着率向上の鍵となります。多様な人材が活躍できる環境づくりを進め、企業の持続的な成長につなげましょう。
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