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【社労士監修】就職氷河期世代支援プログラム完全攻略|時代に埋もれた優秀な人材を獲得するには

就職氷河期世代支援プログラム完全攻略|時代に埋もれた優秀な人材を獲得するには

2025.08.04

2025年6月、政府は「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」を決定し、企業向け助成金制度を大幅に拡充しました。深刻な人手不足と中間管理職層の空洞化が課題となる中、豊富な経験を持つ氷河期世代の採用が注目されています。本記事では、最新の支援プログラムの全貌から企業が知るべき採用のメリット、成功のポイントまで、人事・総務担当者向けに分かりやすく解説します。

「就職氷河期世代支援プログラム」とは?

2025年6月、政府は「新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組み」を決定しました。このプログラムは「就労・処遇改善に向けた支援」「社会参加に向けた段階的支援」「高齢期を見据えた支援」の3本の柱からなるもので、従来の取り組みを大幅に拡充し、企業にとっても重要な採用機会となる包括的な支援策です。まずは、3本の柱の具体的な内容を解説します。

参考:内閣官房|就職氷河期世代等支援
参考:新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組み

就労・処遇改善に向けた支援

第1の柱となる「就労・処遇改善に向けた支援」では、以下の取り組みを実施します。

  1. 相談対応等の伴走支援
  2. リスキリングの支援
  3. 就労を受け入れる事業者の支援
  4. 家族介護に直面する者の介護離職防止に向けた支援
  5. 公務員・教員としての採用拡大
  6. 業種別の就労支援(農業、建設業及び物流業)
  7. 地方における就業等の支援

企業への直接的な支援が充実し、人材開発支援助成金の拡充(正規転換訓練の助成率70%→75%)やトライアル雇用助成金により、採用コストを抑えながら氷河期世代を雇用できる環境が整っています。

また、両立支援等助成金の強化によって家族介護を抱える従業員の離職防止も図られているため、企業にとって人材の定着率向上が期待できます。

社会参加に向けた段階的支援

第2の柱である「社会参加に向けた段階的支援」では、当事者一人ひとりの状況に応じたきめ細かい支援を継続します。

  1. 社会とのつながり確保の支援
  2. 就労に困難を抱える者の職業的自立に向けた支援
  3. 柔軟な就労機会の確保の支援

ひきこもり支援の拡充や地域若者サポートステーション(全国179カ所)での専門相談体制強化、認定就労訓練事業(中間的就労)のあっせん強化などにより、すぐに一般企業で働くことが難しい人も段階的に就労を目指せる環境が整備されます。

企業にとっても、支援を経て基礎的なスキルと就労意欲を身につけた多様な人材との接点が生まれるメリットがあります。

高齢期を見据えた支援(新設)

新設された第3の柱「高齢期を見据えた支援」では、氷河期世代の多くが高齢期を迎えることを踏まえ、将来を見据えた支援を実施します。

  1. 家計改善・資産形成の支援
  2. 希望に応じた就業機会の確保
  3. 高齢期の所得保障
  4. 住宅確保の支援

金融リテラシー向上支援や65歳超雇用推進助成金の拡充、短時間労働者への被用者保険適用拡大、セーフティネット登録住宅の普及などを通じ、氷河期世代の老後不安を軽減します。

企業にとっても、従業員の将来不安解消は定着率向上につながる重要な要素です。シニア雇用の環境を整備することで、経験豊富な人材を長期活用できる体制が構築されます。

氷河期世代が直面する現状

一般的に「就職氷河期世代」とは、1993年から2004年に就職活動を行った、2025年現在で42歳から55歳前後の世代を指します。

この世代が就職活動を行ったバブル崩壊後の長期不況では、有効求人倍率が1.0を大きく下回り、大学卒業者の就職内定率も60%台まで落ち込みました。

当時、正規雇用に就けなかった新卒者の多くは非正規労働者や無業者となり、2024年時点でも困難な状況に直面している人が多数存在します。

正規・非正規の収入格差が深刻であるのはもちろんのこと、引きこもり状態にある人も多く、8050問題も懸念されている状況です。これは個人の問題を超えた社会課題であり、包括的な支援が求められています。

参照:厚生労働省|就職氷河期世代の方々への支援について-就職氷河期世代の方々への支援のご案内

企業が氷河期世代採用に注目すべき理由

少子高齢化による人材不足が叫ばれる中、氷河期世代の採用に注目する企業が増えています。以下に氷河期世代を採用する主なメリットをまとめました。

1. 豊富な実務経験と危機管理能力

20年以上の社会人経験により業界を問わず幅広い実務スキルを習得していることに加え、リーマンショックやコロナ禍といった複数の経済危機を乗り越えた経験から、限られたリソースで最大限の成果を出すノウハウを持っています。急激な市場変化や予期しないトラブルに対する冷静な判断力と、長年培った業界知識・人的ネットワークも大きな魅力です。

2. 責任感と組織への強い貢献意識

就職難を経験した氷河期世代は、正規雇用への感謝の気持ちが強く、会社に対する忠誠心と貢献意識が非常に高い傾向があります。安定志向が強く長期勤続を前提として考えているため、短期間での離転職リスクが低く、組織を長期的に支える重要な基盤となります。

3. 若手社員への指導・メンター効果

豊富な実務経験を生かし、技術スキルからビジネスマナー、危機管理まで幅広い分野で後輩指導が可能です。管理職世代と若手社員の間に位置する世代間の橋渡し役として、組織全体の一体感向上や世代間ギャップの解消に貢献するほか、実践的な知識・ノウハウの伝承により組織のスキルレベル向上も期待できます。

4. 新卒採用と比較したコストメリット

新卒採用に比べ、採用費用を大幅に圧縮できます。基本的なビジネススキルが身についているために研修期間も短縮され、即戦力として活躍可能です。安定志向が強く、長期的な定着も期待できます。

氷河期世代の採用を成功させるためのポイント

氷河期世代の採用・定着を成功に導くためには、採用から定着まで一貫した戦略が必要です。この世代は他の世代とは異なる背景や価値観を持っているため、それらを理解した上で適切な配慮とアプローチを行うことが求められます。

求人・選考プロセスの最適化

氷河期世代に響く採用を実現するためには、求人段階から明確なメッセージを発信することが大切です。

例えば求人票では「経験不問」「年齢不問」を明記し、キャリアギャップがあっても評価される環境であることを示しましょう。職歴に空白があったとしても、育児や介護・資格取得・職業訓練など実際には貴重な経験を積んでいるケースもあるため、画一的な評価ではなく個々の背景を理解した評価が必要です。

また、過去の経験やスキルが現在の業務にどの程度適用できるか、新しい知識や技術に対する学習意欲があるかを慎重に見極めることで、入社後の活躍度合いを適切に予測できます。

面接では転職に至った経緯や動機に耳を傾け、企業文化や職場環境との適合性を確認することが、採用成功の鍵となります。

働きやすい職場環境の整備

氷河期世代は、子育てや介護といったライフイベントに直面している世代でもあります。定着率向上には、働きやすい職場環境の整備が欠かせません。

具体的な施策としては、フレックスタイムやリモートワーク・時短勤務などの導入が効果的です。これにより、家庭との両立を支援する柔軟な働き方が可能となります。

また、社内での世代を超えたチームワークを構築するため、相互理解を促進する機会づくりも必要です。歓迎会や懇親会の開催・メンター制度の導入・定期的な面談の実施など、コミュニケーションを活発化させる施策を積極的に取り入れましょう。

さらに、氷河期世代の豊富な経験を生かせる役割設計を行い、指導役やプロジェクトリーダーなど責任のあるポジションを任せることで、やりがいと成長機会を提供できます。

福利厚生の充実による待遇向上

経済的な不安を抱えがちな氷河期世代の採用にあたっては、福利厚生を含めた待遇を充実させる必要があります。

中でも注目したいのが、食事補助や家事代行サービスの利用補助のような、生活に密着した福利厚生の拡充です。これらの福利厚生は、従業員へ「会社から大切にされている」実感を抱かせ、エンゲージメントやモチベーションの向上にもつながります。

なお、一定の基準を満たす福利厚生は、所得税の非課税枠の活用が可能です。同額を賃金として支給するよりも従業員の実質手取り額を増やすことができ、企業側の法人税削減にも寄与します。

福利厚生で幅広い世代が気持ちよく働ける職場づくりを実現|ダイナミックマッププラットフォーム社の取り組み

自動運転向け高精度3次元地図データを手掛ける「ダイナミックマッププラットフォーム株式会社」では、福利厚生を活用したシニア雇用支援に成功しています。

同社は20代から60代まで幅広い世代が活躍するIT企業ですが、60歳超の嘱託社員のモチベーション維持が重要な課題でした。

シニア雇用では、定年前よりも給与が下がるのが一般的です。同社では、この給与ダウンのギャップを緩和するため、手取り面でメリットのある食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を正社員と同様に適用しています。

これにより、嘱託社員も気持ちよく働ける環境を実現し、多世代が活躍する組織づくりが推進されています。

チケットレストラン」の詳細は「こちら」からお問い合わせください。

関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

参考:パート・アルバイト・契約社員 にも「第3の賃上げ」を!ラウンドテーブルを開催~“年収の壁”を抱える非正規雇用にも、福利厚生で実質手取りアップを実現~

まとめ

就職氷河期世代支援プログラムを活用した氷河期世代の雇用促進は、単なる同世代の救済策にとどまらず、企業にとっても若手指導や危機管理能力の向上など多くのメリットをもたらす魅力的な施策です。

採用を成功させるには、政府の支援制度の活用や、求人・選考プロセスの最適化、働きやすい職場環境の整備といった施策が求められます。併せて「チケットレストラン」をはじめとする福利厚生の充実を図ることにより、採用市場での競争力を高めることができるでしょう。

氷河期世代の持つポテンシャルを最大限に生かし、企業の持続的成長と社会課題解決の両立を目指してはいかがでしょうか。

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参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
    :「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!

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エデンレッドジャパンブログ編集部

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