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【2023春闘まとめ】そもそも春闘とは?争点は賃上げ?2023の動向や回答と結果をまとめて紹介!

2023.07.13

毎年、年明け前後からビジネスシーンで話題となるのが、次年度の春闘の動向です。2023年度の春闘も集中回答日を受け結果が出揃いつつあります。しかし、メディアなどで春闘の話題を見かけても、自分に関係のあることとして捉えていないかもしれません。そこで本記事では「春闘とはなにか」「春闘の争点や影響」を解説します。さらに「2023春闘」をまとめた結果をふまえ、今後の生活や労働環境がどう変わるのか予測に役立てましょう。

2023春闘とは?

春闘とは、労働者と企業(使用者)、労使双方が賃金や労働条件の改善について話し合う交渉イベントのことです。春闘は毎年春に開催されるため、正式名称を「春季生活闘争」とし、略して「しゅんとう」と読みます。「2023春闘」では、2023年度の労働条件について討論、交渉が行われました。

「2023春闘」を解説する前に、春闘そのものについて理解を深めましょう。

春闘とは?

春闘は、労働者側からすると「労働者の権利保護」「賃金の適正化」、企業側からすると「生産性向上」を巡る討論の場です。春闘は日本のビジネスシーン特有の文化であり、主に労働組合(単組)と企業間での交渉がメインとなるため、労働組合を有する大企業が主役と考えられています。

しかし、春闘で決まった賃金相場や労働条件が日本全体の労働における、あらゆる「平均」を左右することもあります。中小企業や中小企業に勤める従業員、パートや派遣社員といった不正規雇用者への労働条件にも影響を与えるため、社会的に注目されています。

春闘のスケジュール

春闘は、新年度を迎える4月からの労働条件を巡った討論となるため、労働組合は企業に2月までに要求を提出します。企業からは、3月中に回答が出るのが通例で、2023年は3月15日が、回答が相次ぐ集中回答日となりました。春闘では単体の労働組合やひとつの企業だけで、正しい判断を下したり要求を通したりするのは負担が大きいため、多くの場合、業界や業種ごとに連合を組み、春闘に挑みます。

そのため、労働者側は前年の夏から要求の内容について議論を重ね、同年の12月に方針を決定、内外に向けた発表や連合への提出を終えます。その後、各産業別に連合が全体方針に基づいた具体的な要求水準を決定し、企業の労働組合に戻し、労働組合は連合が決めた水準に沿った内容を企業に要求します。

春闘の歴史

厚生労働省の資料によると、現在の春闘の形式は1956(昭和31)年から始まったとされ、半世紀以上の歴史があります。春闘が生まれた背景には、戦後の混乱や労使のパワーバランスの不均衡などが絡んでいます。労働者が不利益な環境や不健全な労働を強いられずに済むために、春闘が生まれたのです。

春闘が生まれる前は、労働条件についての要求や交渉を進めるために、労働者や労働組合はデモやストライキを行うのが一般的でした。こうした直接行動に出ることで、サービスや商品の生産が滞り、企業や経済界は打撃を受けました。春闘は、労使双方の公式交渉の場として生まれたイベントであり、企業や日本経済を守る役割も担っているのです。

参考:厚生労働省 春闘

春闘の具体的な内容

春闘で交渉される内容は、あらかじめ大枠が決まっています。主にどのような内容が話し合われるのか、まとめてみていきましょう。

賃金の向上(ベア)

春闘で議題のメインとなるのは、一定の賃金アップです。この賃金アップは、基本給の引き上げ、つまり社会全体の給与水準の引き上げであることから「ベースアップ」と呼ばれ「ベア」と略すのが一般的です。年齢や勤続年数などをもとに給与がアップする定期昇給とは別物と捉えましょう。

ベアは、日本社会全体の給与水準にも影響するため、毎年注目され、今後の労使の関係性や方向性さえも左右しかねない重要な項目です。ただし、ベアは企業の業績だけでなく、景気の動向や社会情勢などからも影響を受けます。

労働時間の見直し

現在企業には、従業員のワークライフバランスの充実や健康維持、改善に対する責任が問われています。労働時間の実情の洗い出しや見直しも春闘で交渉される争点です。

原則として労働基準法で定められている労働者の労働時間は1日8時間、1週間では40時間以内です。近年、働き方改革により長時間労働の見直しや労働時間短縮への奨励も行われていますが、実際には時間外労働による長時間労働が常態化する企業もあります。

過労死や過重業務によって引き起こされた健康不良などのニュースがメディアを騒がせる中、労働時間短縮についての春闘での議論も熱を帯びています。ただし、この動きにより、従業員の時間外労働を記録させないサービス労働を黙認する企業も現れ、問題視されています。今後の春闘では、法定の労働時間を企業がどう徹底するかが焦点になると見られています。

福利厚生の充実

春闘では労働環境の改善などについても交渉されます。労働組合などから労働環境改善に向けた課題のひとつとして福利厚生の充実が求められることも多いです。春闘が始まった1950年代から職場環境の改善を求める声はありましたが、近年は健康経営の視点から従業員の心身の健康作りを補う福利厚生や、人的資本経営の視点から従業員の育成やスキルアップにつながる福利厚生などを求められる傾向にあります。

株式会社エデンレッドジャパンが2020年に行った、ビジネスパーソンと企業を比較した「働き方・待遇に関する意識調査」では「今後、待遇・働き方について自社に望むこと」という質問に対し、全国の中小企業に勤める30~50代の正社員男女600名の回答者が「基本給のアップ」「賞与額のアップ」「手当の充実」といった金銭面の次に「福利厚生の充実」を望んでいるという結果が出ました。

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出典:株式会社エデンレッドジャパン 「働き方・待遇に関する意識調査」

そこでおすすめなのが、電子カード配布型の食事補助サービス「チケットレストラン」です。チケットレストランを導入する企業では、利用率99%・継続率98%・満足度90%と重宝されている様子が伺えます。チケットレストランへの加盟店は、2023年5月現在25万件を超え、さまざまな好みや食に関する特性がある人でも平等に利用できるサービスとして広がりを見せています。

また、チケットレストランは2023年3月より Uber Eats ともサービスを連携し、リモートワークや近所に飲食品を扱う店舗がない施設に勤める人でも手軽に利用できます。チケットレストランの導入により、どのような働き方をする社員でも「会社は自分の健康や生活に配慮してくれている」と感じられる効果が期待できます。ワークエンゲージメントにつながり、従業員のロイヤルティにも良い効果があるでしょう。資料請求はこちら

福利厚生に活用できる助成金とは?種類や特徴とおすすめ施策を紹介!補助金との違いも解説

賞与アップや支給の有無

福利厚生の充実とともに、待遇改善の一環として春闘で取り上げられるのが賞与です。賞与は定期的に支給される給与とは異なり、企業の業績や従業員個人の成果などによって支給の有無や支給額が変化します。春闘では、主に賞与の支給の有無や夏と冬などの賞与額や配分が交渉されます。

原則として春闘は、労働組合を有する大企業や業界に勤める従業員と企業との交渉の場なので、傍観する企業や人も存在します。しかし、春闘を経て示された賞与に対する指針が中小企業に勤める従業員や非正規雇用の従業員の賞与を左右することもあります。昨今の物価上昇を受け、企業が従業員の生活支援に賞与額のアップを盛り込むケースが増えているため、社会全体が関心を寄せるべき項目です。

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非正規雇用の待遇改善

アルバイトやパート、契約社員など有期雇用契約などを結ぶ、非正規雇用者の労働力は、多くの企業にとって欠かせないものです。非正規雇用の労働者は、同じ企業に勤めていても正規雇用の正社員に比べて賃金や福利厚生面での労働条件が著しく不利に設定されている企業もあります。

非正規雇用者の労働力に支えられている業界や企業では、不平等な待遇が全体の生産性をも揺るがしかねません。春闘でも「同一条件同一賃金」に代表される、非正規雇用の待遇の見直しが、近年の大きなテーマとなっています。

【春闘2023】まとめ

春闘の成り立ちや意義、争点について理解が深まったところで、2023年の春闘はどのような流れだったか、日本労働組合総連合会が2023年5月8日に発表した「中小組合の奮闘で「賃上げの流れ」の広がりが明らかに ~2023春季生活闘争 第5回回答集計結果について~」を基に、2023春闘の結果をまとめます。

月例賃金改善

4,833組合が要求した月例賃金改善案については76.2%の3,686組合が妥結しました。内訳では、賃金改善を獲得した組合は2,146組合(58.2%)をマークし、ここ10年で最も高い水準です。 3,681組合が妥結した平均賃金方式では平均で10,923円(3.67%)、昨年同時期比4,763円(1.57ポイント増)の賃金アップを獲得しました。

300人未満の中小組合2,478組合は8,328円(3.35%)増を獲得し、4月末時点の結果としてはいずれも、2013闘争以降、額・率とも最も高い賃上げの流れ」を示す結果となりました。

賃上げ分が明確に分かる2,518組合の賃上げ平均額は6,047円(2.14%)、うち中小組合1,500組合は5,104円(2%)増を獲得しています。4月末時点で2%を上回ったのは、賃上げ分の集計を開始した2015春闘以降初めてだそうです。

非正規雇用の待遇改善

 有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は、平均で時給56.48円(同31.94円)、月給8,849円(同3,773円)増となりました。引上げ率は、概算で時給が5.35 %、月給が3.96%の増となり、正規雇用労働者への増加率を上回りました。これは、2015春闘以降で最も高い結果だそうです。

2023春闘の特徴

2023年の春闘では、金融機関の労働組合が加入する全国金融労働組合連合がキャッチフレーズのひとつとして「物価上昇に合わせ 賃金の底上げを勝ち取ろう 23春闘!」を発表するなど、昨今の急速な物価上昇から賃上げへの声が高まっている傾向が如実に現れました。

また、2023春闘では すべての労働者の立場にたった「働き方」の改善やジェンダー平等、多様性の推進に向けた取り組みについても多くの争点が生まれました。これも2023春闘の特徴といえます。

参考:https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/yokyu_kaito/
参考:http://www.kinyu-roren.jp/

2023春闘を受けた施策には「チケットレストラン」

2023年春闘は、急激な物価上昇を受け、トヨタや日立といった自動車業界や電子機器業界、大企業をはじめとし、過去10年で類を見ないレベルの賃上げを約束する企業が相次ぎました。非正規雇用者への賃上げや労働環境改善の機運も高まりを見せ、長年停滞していた日本経済も新たな動きが期待できる状況です。

2023春闘の結果を踏まえて、何らかの施策を打たないと企業が市場から取り残される可能性もありますが、相場についていけない企業もあるでしょう。税制優遇措置を受けられたり、従業員の身心に直接的な好影響を与えたりする福利厚生サービスを取り入れるのが早道です。ぜひ「チケットレストラン」を検討しましょう。