資料請求
English

Workers Bistro

-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

【社労士監修】福利厚生に使える助成金と補助金!種類や特徴とおすすめ施策を紹介

2024.10.01

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

福利厚生の充実に活用できる助成金や補助金があるのをご存じですか?たとえば、厚生労働省では、毎年企業の雇用支援のために助成金制度を設けています。福利厚生を充実させることで助成対象となる制度もあります。今回は、まず助成金と補助金の違いを明確にし、企業が福利厚生充実のために活用できたり、福利厚生の充実が助成の要件になったりする助成金の種類などを紹介します。助成金を申請、受給してでも整えるべき理由や従業員のためになる福利厚生の施策も参考にしてください。

福利厚生には助成金が出る

従業員の福利厚生にかかる費用に対し、特定の条件をクリアすることで国の省庁や自治体から助成金や補助金を受給できる場合があります。独立行政法人中小企業基盤整備機構のポータルサイトJ‐netによると、助成金も補助金も「国や地方公共団体(民間の団体で行っているものもあります)から支給されるお金」と明記されています。つまり返済の義務はないお金です。

ただし、助成金や補助金の財源は公的資金です。助成金や補助金の受給にいたるには、一定の条件が設けられており、申請や審査が必要です。福利厚生に対する助成金や補助金を申請する前に、まず助成金と補助金の違いを理解しましょう。

助成金とは

助成金は、厚生労働省が管轄しているケースが多く、要件を満たせば高い確率で受給できるものです。企業の福利厚生に対しての助成金は、経営層や企業の人事規定に関する目標をクリアすることで受給対象になります。所定の様式に従って申請を行い、要件を満たせば原則として給付されます。ただし、この「要件」がとても厳しいものであったり、証明にさまざまな書類が必要だったりするため注意が必要です。

補助金とは

補助金は、民間団体や経済産業省、地方自治体などが管轄しているケースがほとんどです。補助金と助成金とのもっとも大きな違いは、要件を満たして所定通りに申し込みをしても、必ず受給できるとは限らない点です。

「助成金は申請」「補助金は応募」とイメージすると分かりやすいかもしれません。補助金は、もともと「支給枠」が決まっていることが多く、応募の中から支給先を選びます。運営元に補助金の支給が妥当だと判断され、選ばれなくてはならないので、応募の要件である書類や提案などが助成金よりさらに重要だといわれています。

助成金を受給し福利厚生を充実させるメリット

助成金や補助金を受給するためには、要件を満たしたり申請に必要な書類や制度をそろえたりと、手間がかかる作業もあります。また、助成を申請するための準備やコスト、申請から助成金を得るまでの期間が企業にとって負担になる場合もあるでしょう。経営層や人事などの担当部署は、助成金の申請と受給要件を整えるために仕事が増える側面もあります。

しかし、助成金を得て福利厚生を充実させると、企業に多くのメリットがもたらされます。福利厚生を充実させることで得られる主なメリットを見ていきましょう。

従業員満足度(ES)の向上

助成金を福利厚生に活用することで、従業員満足度(ES)が向上する可能性があります。従業員満足度を最短で向上させるには、給与や職場環境、福利厚生など「従業員にとっての自社で働くメリット」を充実させることが欠かせないからです。

しかし、給与や会社の設備を従業員の希望通りに整えるには莫大な予算が必要です。そこで福利厚生の充実を図り、その施策に対する助成金を得るというのが、企業と従業員双方にとってメリットが高く、従業員満足度の向上に直結しやすい施策といえます。

エデンレッドジャパンが2020年に行った、ビジネスパーソンと企業を比較した「働き方・待遇に関する意識調査」では「今後、待遇・働き方について自社に望むこと」という質問に対し、全国の中小企業に勤める30~50代の正社員男女600名の回答者が「基本給のアップ」「賞与額のアップ」「手当の充実」といった金銭面の次に「福利厚生の充実」と回答しました。

また、少し古いデータになりますが、2015年にマンパワーグループが行った福利厚生についての調査では「実際にあってよかった会社の福利厚生」の第一位が「食堂・昼食補助」という結果でした。「会社の福利厚生として良いと思うもの」との設問では「食堂・昼食補助」は2位でしたが、従業員に喜ばれる福利厚生であることは明白です。

そこでおすすめなのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。「チケットレストラン」は専用のICカード配布型の食事補助の福利厚生サービスです。大手飲食店・コンビニエンスストア・ファミレス・三大牛丼チェーン店など、全国に25万店を超える幅広いジャンルの加盟店で利用できます。資料請求はこちらから

出社する従業員はもちろん、リモートワークやワーケーション・交代制シフトや出張など、さまざまなスタイルで働く全国の従業員が利用できるため、平等で使い勝手が良いサービスだと好評を得ています。2023年3月からは Uber Eats と提携し、マクドナルドやスターバックスなどの人気チェーン店も利用可能となりました。これは、食事補助サービス企業初の試みです。

さらに、勤務に関わる食事であれば、好きな時に好きな店舗で利用できる自由度の高さや、また導入にコストがかからない点も広く好評を得ています。

関連記事:従業員満足度を上げる取り組み施策例とは?従業員満足度(ES)の重要性も解説!
関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

採用活動に有効

株式会社マイナビの研究機関マイナビキャリアリサーチLABが公開した2025年卒 大学生 活動実態調査(3月)」によると、「企業に対して安定性を感じるポイント」との質問に対し、もっとも多い55.0%の学生が「福利厚生が充実している」と回答しました。

つまり、福利厚生を充実させることが「企業経営の安定」をアピールすることにつながり、優秀な人材の確保に有効だといえます。

中小企業向けの福利厚生とは?低予算でも人が集まる福利厚生を導入しよう

人的資本経営への好影響

福利厚生の充実は、企業が人的資本経営に乗り出していることを示す、投資家に対する強力なアピールポイントです。結果として多くの投資家から評価されることになり、福利厚生に投ずる費用を上回る資金を集められる可能性があります。

なお、厚生労働省は、人的資本経営について次のように定義しています。

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。

出典:METI/経済産業省|人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~ 

令和5年3月より、有価証券報告書への人的資本情報記載が義務づけられたことから、多くの企業が福利厚生の充実を図っている最中です。

人的資本経営の実現を目指すにあたっては、リスキリングに関する制度や福利厚生が注目されがちです。しかし、「エンゲージメント」「健康・安全」の項目を満たし、従業員が安心して社会生活を営める環境づくりの一環として、健康や食事に関する福利厚生の有効性も重視されています。

関連記事:人的資本経営とは?事例を用いて解説!メリットや導入のステップ

健康経営の実現

経済産業省では「健康経営優良法人認定制度」を制定し、該当の企業には、健康経営銘柄として選定する制度や金融機関や地方自治体を絡めたインセンティブを与えるなど、健康経営の推進にも注力しています。「健康経営」は企業が目指すべき企業運営の在り方で、安定した企業運営のためにも企業の財産でもある人材の健康増進を図る経営戦略のひとつです。

健康経営では「法令遵守・リスクマネジメント」をベースに「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」がフレームワークとして設定されています。この5点は、健康経営優良法人認定の評価基準ともなっています。

参考:ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)|健康経営とは
関連記事:健康経営とは?いつから?定義や取り組み方・施策例もわかりやすく解説

福利厚生のための助成金とは

厚生労働省が企業支援のために用意する助成金は「雇用関係助成金」と呼ばれ、主に雇用促進のために制定されています。雇用関係助成金は、毎年、種類や要件に変更があります。

2024年度、福利厚生の充実のために企業が申請できる助成金には、主に従業員のスキルアップを支援する「人材開発支援助成金」、主に中小企業が対象の育児や介護をしている従業員がいる企業に対して何らかの優遇措置をとった場合に支給される「人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)」と従業員の育児や介護と仕事の両立を支援する「両立支援等助成金」が当てはまります。

2022年度までは、労働生産性を向上させた企業に対し助成金が割り増しされる「生産性の要件」と呼ばれる規定がありましたが、2023年4月1日より廃止され、支給額に変更はあったものの、より公平性が高まりました。

厚生労働省の「事業主の方のための雇用関係助成金」を参考に、それぞれどのようなものか順に説明します。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、企業が事業運営に必要なスキルを持つ従業員を育成するにあたり、職業能力開発計画を立てたうえで、 計画に沿った職業訓練を実施した場合に得られる助成金です。特に、 新卒入社の従業員に対し、事業に必要な資格取得のための知識技能を習得させる目的で支給されるものです。この助成金は、 ベテラン社員の退職により有資格者が少なくなり、即戦力が必要となった企業にとっては心強いものでしょう。

人材開発支援助成金は、取り組みにあわせて6つのコースが用意されています。各コースの名前は次の通りです。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース

それぞれ、訓練にかかる経費、賃金の一部を助成します。社会人のリスキリングは、政府も推進する政策の一つです。特に、新規事業の立ち上げやデジタル人材の育成などを支援する目的で設立されました。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金

人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)

現在、多くの中小企業では、採用活動や人材の定着に困難を抱えています。そこで、人材確保のために、雇用管理の改善に取り組み、努力する企業に支給されるのが人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)です。

助成金を申請する事業協同組合等は、まず人材確保や従業員の職場定着を支援するための改善計画を策定します。改善計画が認定され、計画の実行が認められた場合に助成金が支給されます。支給額は計画実行に際し、かかった経費の2/3が目安です。団体の規模に応じて上限額600~1,000万円とまとまった金額が支給されます。企業規模にもよりますが、採用活動や定着率アップ、離職率低減を図るのに十分な施策を計画できる額です。

計画や施策の基本指針の7項目があります。

「⑤募集・採用の改善」以外の項目に対し、計画や実行が必要とされます。採用活動の効率化や従業員のエンゲージメント強化に、有効で迅速に効果を発揮する福利厚生についても「④ 福利厚生の充実」「福利厚生施設の設置または整備、福利厚生制度の充実による、労働者の生活の安定と福祉の増進のためのハード・ソフト面の整備 」と、重要な指針として明記されています。従業員や今後の人材確保のために福利厚生の充実を図ろうという事業協同組合等は、申請を検討しましょう。

両立支援助成金

両立支援助成金は、従業員の育児や介護の両立や育児や介護が理由の休職、離職した従業員の復職を支援する中小企業に支給される助成金です。2024年度の両立支援助成金は、下記の5コースに分かれています。

  • 出生時両立支援コース
  • 介護離職防止支援コース
  • 育児休業等支援コース
  • 育休中等業務代替支援コース
  • 柔軟な働き方選択制度等支援コース
  • 不妊治療両立支援コース

2024年度より、育児を行う労働者の柔軟な働き方を支援する制度として、「柔軟な働き方選択制度等支援コース」が新設されています。

参考:厚生労働省|両立支援等助成金

助成金活用におすすめの福利厚生施策例

前項でご紹介した雇用関係助成金を活用して整えるべき福利厚生とは、どのような施策でしょうか?企業の雇用に良い影響を与える福利厚生がおすすめです。特に、おすすめの福利厚生の施策例を紹介します。

食事補助

既に本記事で紹介した通り、福利厚生の中でも食事補助の福利厚生は、企業で働く従業員に高い評価を得ています。特に、コロナ禍やウクライナ情勢の影響で起こった急激なインフレにより、従業員のために食事補助の福利厚生を導入する企業や食事補助の福利厚生を求める従業員の声が急激に増えたといわれています。

2024年9月、エデンレッドジャパンは、ビジネスパーソンを対象としたアンケート調査「ビジネスパーソンのランチ実態調査2024」を公表しました。調査によると「ここ1年、節約を意識していますか。」との問いに対し、「とても意識している・やや意識している」と回答した人は実に全体の8割以上にあたる(84.9%)にあたります。

また「ここ1年、生活費の中で節約を意識している項目」については、もっとも多い73.1%の人が「食費」と回答しました。

これらの調査結果からは、従業員の抱える経済的な不安を解消すべく、直接的に従業員を支えられる福利厚生が求められていること、また、中でも食費をサポートできる「食事補助」が効果的であることが分かります。

企業が仕事中のランチをはじめとする食事補助の提供は、従業員の生活と健康支援に直結するものです。従業員にとっても身近で、恩恵を実感しやすいことから、食事補助の福利厚生の提供は、ワークエンゲージメントの強化にも寄与するでしょう。

実際に食事補助の福利厚生を導入するのなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。人材確保等支援助成金の対象となるほか、一定の条件を満たすことにより、経費として計上できます。法人税の節税ができるほか、給与として支給するよりも実質的な従業員の手取り額を増やせます。

参考:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

リスキリング制度

従業員の学びをサポートするリスキリング制度では、手厚い助成が受けられます。研修やセミナー、教材などの費用のほか、資格取得にかかる費用・リスキリング中の従業員への賃金・リスキリング制度を広め理解する活動などに助成金を活用できます。

うまく活用できれば、従業員のエンゲージメント向上や企業内の知見、資格保有者の数に反映され、企業成長につながります。助成金を活用しながら、自社のリスキリング制度を整えていきましょう。

多様な働き方の推進

仕事と育児・介護の両立を図る従業員のために、Web会議システムの導入やリモートワークに必要な設備支援などが有効です。

オンラインでの会議参加やリモートワークが認められれば、通勤や移動時間の削減になり、多くの従業員にとって働きやすい環境を整えられます。

また、多様な働き方を認めることは、企業のブランディングや採用活動へのアピール・交通費やオフィスの光熱費・家賃等経費削減にもつながります。

助成金を活用して福利厚生の充実を図ろう

助成金は、補助金と異なり要件を満たして申請すれば、原則として支給されるお金です。企業に対する助成金は主に雇用を支援するために設定されており、食事補助やリスキリング、環境整備などの福利厚生に活用できます。

労働人口の減少や世界的な情勢不安による不景気など、企業にとっても、働く従業員にとっても不安の種は尽きません。しかし、企業がこうした助成金を活用し、職場環境を整えることで、双方にとってよい未来に近づくでしょう。

資料請求はこちら