資料請求
English

Workers Bistro

-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

2024年春闘の結果は?連合の回答集計や企業ごとの回答をチェック

2024年春闘の結果は?連合の回答集計や企業ごとの回答をチェック

2024.05.23

New call-to-action

2024年春闘ではインフレを受けて、2023年を上回る賃上げを実施する企業が多くありました。実際にどのような回答が得られたのでしょうか?全体の状況を把握できるよう、連合の回答集計結果や各企業の回答を見ていきましょう。

2024年春闘の特徴や結果を確認

2024年春闘では、30年振りに高水準の賃上げといわれた2023年を超える賃上げを実施する企業が多くありました。2024年春闘にはどのような特徴があり、日本労働組合総連合会の回答集計結果では、どのような傾向が見られたのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

経団連会長の集中回答日のコメント

集中回答日とは、労働組合の要求に対する企業の回答が集中する日のことです。例年3月12日が集中回答日になります。2024年春闘の集中回答日には経団連から十倉会長のコメントが発表されました。

コメントによると、経団連ではデフレからの脱却を目指すため、積極的な賃上げを呼びかけているそうです。その結果として、多くの企業から早い段階で2023年を上回る回答が出されています。

労働組合の要求に満額で応じるケースや、それ以上の回答をしているケースも多く、賃金と物価の好循環につながっていくことが期待されているそうです。

この好循環実現には、物価上昇を超える賃上げの継続が必要と考えられており、来年以降も経団連では賃上げの勢いを維持・増進できるよう取り組むことにも触れられています。

コメントから、2024年の賃上げが高い水準で行われていることが分かります。また来年も同水準の賃上げが行われるよう、必要な取り組みが実施される見込みだそうです。

参考:日本経済団体連合会|2024年春季労使交渉・集中回答日における十倉会長コメント

連合の回答集計結果

日本労働組合総連合会(連合)では、春闘の回答結果を集計しています。ここでは2024年5月8日に発表された「2024 春季生活闘争 第5回回答集計結果」を見ていきましょう。

全体の賃上げ額は定期昇給を含めて1万5,616円、賃上げ率は5.17%です。企業規模別の数値も確認しましょう。比較すると、企業規模が大きいほど賃上げ額・賃上げ率が高いと分かります。

企業規模

定期昇給を含む賃上げ額

賃上げ率

全体

1万5,616円

5.17%

1,000人以上

1万6,368円

5.23%

300~999人

1万4,533円

5.15%

100~299人

1万2,499円

4.80%

99人以下

1万73円

4.18%

時給で働く有期・短時間・契約等労働者の賃上げについても、回答の集計結果を紹介します。こちらは2023年と比較してみましょう。2023年を上回る賃上げ額で妥結していることが分かります。

 

賃上げ額(加重平均)

平均時給(加重平均)

2023年

56.48円

1,102.55円

2024年

65.72円

1,158.07円

参考:日本労働組合総連合会|中小の奮闘で定昇除く賃上げ分 3%超えが続く!~2024 春季生活闘争 第5回回答集計結果について~

非正規雇用の賃上げ動向

2024年の春闘では、これまで正社員ほど交渉が活発に行われてこなかった、非正規雇用の賃上げも進んでいます。パートやアルバイトを販売員や工場作業員として多く雇用している企業を中心に、大幅な賃上げが行われました。

例えばイオングループでは7%、ウエルシアホールディングスでは7.95%の賃上げを実施しています。

2023年に始まった非正規春闘の動きが活発化しているのも特徴です。これまで勤務先に労働組合がない場合、賃上げの要求をするのはハードルの高いものでした。

非正規春闘では企業を問わず個人で加盟できる労働組合ユニオンを通して、賃上げの交渉ができる仕組みです。

加えて経済の好循環のためには、非正規雇用の従業員に対する賃上げが必要という見方が広まったことで、賃上げに応じる企業が増加しています。

関連記事:非正規雇用の賃上げをした企業一覧を紹介!賃上げ目的の福利厚生とは?

2024年春闘の各企業の回答

物価上昇を経済の好循環を目指す契機と捉えた今年の春闘では、多くの企業が2023年と同水準かそれ以上の賃上げで労働組合の要求に回答しています。各企業の回答を確認しましょう。

トヨタ

4年連続で満額回答しているのはトヨタです。平均賃上げ額は2023年の1.4倍の1万4,074円で、2000年以降最も高い金額となりました。加えて年間一時金の平均は5.11カ月分で、2023年より0.21カ月分多い金額です。

トヨタはグループ企業全体で満額回答が続いています。例えばデンソーは1万8,100円の、豊田自動織機は1万8,000円の賃上げという回答でした。

日産自動車

日産自動車は労働組合の要求1万8,000円に対し満額回答しています。満額回答は4年連続です。賃上げ率は5.0%となり、2023年から6,000円引き上げられています。成果主義による賃金体系になってからは、過去最高水準の賃上げです。

加えて年間一時金の要求に対しても、2023年から0.3カ月分引き上げており、5.8カ月分と満額回答しました。

ホンダ

ホンダも労働組合の要求に満額回答しています。定期昇給とベースアップの合計額は月2万円、年間一時金は7.1カ月分です。加えて過去に春闘で合意した、従業員の能力開発に対する投資1,500円も付加することが決まっています。

パナソニック

パナソニックは労働組合の要求に対し満額回答しました。ベースアップとして月1万3,000円の賃上げを行う内容です。2023年の7,000円を上回る賃上げで、ベースアップ分のみで3.4%、定期昇給と合わせると5.5%の賃上げとなります。

賃上げは11年連続で行われており、満額回答も2年連続です。

シャープ

シャープは労働組合の要求に対して、2023年を上回る賃上げを実施すると回答しました。労働組合の試算によると、賃上げは月1万円のベースアップと考えられています。要求1万3,000円には届きませんでしたが、電機連合の最低妥結額での回答です。

満額とならなかったのは、液晶ディスプレー事業の赤字や、家電事業での苦戦により、2期連続で最終赤字となっていることと関係しています。

村田製作所

村田製作所は3年連続の満額回答です。ベースアップに相当する賃上げを、労働組合が要求する1万3,000円で実施します。2023年の回答を7,000円上回る結果でした。

また優秀な人材の獲得を目指すために、新卒の初任給の賃上げを、労働組合の要求を上回る水準で回答しています。大学・大学院卒は2万円、高卒は9,000円の賃上げです。

サントリーホールディングス

人材を重要な経営基盤と位置付けているサントリーホールディングスでは、2024年も2023年と同水準の月額ベース7%の賃上げを決定しました。2年連続の賃上げにより、優秀な人材の確保を期待していると考えられます。

キリンホールディングス

キリンホールディングスは春闘にて、ベースアップを平均月1万3,000円で実施すると満額回答しました。賃金改定と合計すると、約7.5%の賃上げ率です。さらに若手従業員には、労働組合の要求を上回る最大2万円のベースアップを実施します。

イオングループ

イオングループはパートやアルバイトなどの非正規雇用で働く従業員が、グループに約40万人在籍しています。パートと正社員の格差是正に向けて、2024年春闘では賃上げ率7%にあたる時給75円の賃上げで妥結しました。

7%という高い水準での賃上げは2年連続です。さらに今後も高水準の賃上げを実施していく考えであることも示しています。

スギホールディングス

スギホールディングスは、正社員はもちろんパートも高水準の賃上げで妥結しました。正社員は平均1万5,982円、パートは時給79.4円の賃上げが行われます。賃上げ率では正社員4.89%、パート6.93%です。

関連記事:2024年の賃上げを表明した企業一覧。第3の賃上げについても解説

賃上げの注意点

2024年春闘では労働組合の要求に満額回答する企業が多く、連合の発表する賃上げ率も平均で5.17%でした。これだけの賃上げが行われれば、賃上げにも十分対応でき経済の好循環が生まれることも期待できます。

ただし注意点もあるため確認していきましょう。

ベースアップは物価上昇に追いついていない可能性

連合の「2024 春季生活闘争 第5回回答集計結果」によると、賃上げ率は平均5.17%と算出されています。これは基本給を上げるベースアップに、年齢とともに上がる定期昇給分をプラスした賃上げ率です。

定期昇給を実施しても、勤続年数が長く給与の高い従業員が定年を迎え、給与の低い新卒者が入社すれば、企業や国全体の給与額はほぼ一定に保たれます。これでは全体の給与額は変わりません。

全体の給与額を上げるには、基本給を上げるベースアップが重要です。ここで「2024 春季生活闘争 第5回回答集計結果」から、ベースアップと定期昇給の金額が明確に分かる組合の集計結果でベースアップの賃上げ率を見てみましょう。

企業規模

賃上げ率

全体

3.57%

1,000人以上

3.61%

300~999人

3.58%

100~299人

3.30%

99人以下

2.90%

ベースアップの賃上げ率も、全体で見れば2023年の物価上昇率3.0%を超えています。ただし企業規模別に見ると、99人以下の規模の小さな企業では、ベースアップの賃上げ率が2.9%と3.0%に届いていません。

中小企業庁によると、2021年6月時点で国内の企業のうち約84.5%が、従業員数20人以下の小規模企業です。ベースアップの賃上げ率と照らし合わせると、大多数の企業がベースアップの賃上げ率が物価上昇率に追いついていない可能性があります。

参考:日本労働組合総連合会|中小の奮闘で定昇除く賃上げ分 3%超えが続く!~2024 春季生活闘争 第5回回答集計結果について~

参考:中小企業庁|中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します

中小企業の実質的な手取り額アップに役立つ福利厚生

中小企業ではベースアップの賃上げ率が、2023年の物価上昇率に追いついていないこともあるでしょう。ただしベースアップのみで賃上げを実施するのが難しいケースもあるかもしれません。

そのようなときに役立つのが、福利厚生を活用した実質的な手取り額アップです。エデンレッドジャパンでは、定期昇給を「第1の賃上げ」、ベースアップを「第2の賃上げ」、福利厚生による実質的な手取り額アップを「第3の賃上げ」と定義づけました。

ここでは第3の賃上げの仕組みや、導入に役立つサービスを紹介します。

関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

第3の賃上げの仕組み

第3の賃上げで活用するのは、一定の要件を満たすことで所得税が非課税となる福利厚生です。福利厚生として手当を支給する場合、手当は原則として給与とみなされ所得税がかかります。

ただし特定の福利厚生は一定の要件を満たすことで、所得税がかかりません。この仕組みを利用すると、同額の定期昇給やベースアップを行ったときのように税額を増やすことなく、従業員の実質的な手取り額を増やせます。

昇給 手取り 減少_02参照:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

一定の要件を満たすと所得税がかからない福利厚生には、社宅や食事補助が挙げられます。

関連記事:【税理士監修】所得税が非課税になる手当を一覧で確認!非課税となる要件も解説

第3の賃上げには「チケットレストラン」がおすすめ

これから第3の賃上げを行いたいと考えているならエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。導入するだけで所得税が非課税となる一定の要件を満たしつつ、食事補助を提供できます。

使い勝手がよく、従業員満足度が93%と高いのも特徴です。全国にある25万店舗以上の加盟店で利用できるため、オフィスへ出社する従業員はもちろん、テレワークの従業員や、勤務場所がその日によって異なる従業員でも利用しやすいでしょう。

またパートやアルバイトに支給すれば、給与を上げずに実質的な手取り額を増やせるため、社会保険料の負担が発生する年収の壁を意識することのない待遇改善が可能です。

2024年春闘は満額回答続出

2024年春闘では、大企業を中心に労働組合の要求へ満額回答する企業が続出しました。ただし定期昇給とベースアップを別々に見ると、従業員99人以下の小規模な企業ではベースアップの賃上げ率が物価上昇率に追いついていません。

中にはこれ以上のベースアップによる賃上げは難しいと考える企業もあるでしょう。そのようなときに役立つのが福利厚生による第3の賃上げです。

例えばエデンレッドジャパンが提供する食事補助サービスの「チケットレストラン」を導入すれば、従業員の食事代をサポートすることで、実質的な手取り額を上げられます。一定の要件を満たしているため、給与として支給するとかかる所得税がかからないのもポイントです。

従業員の待遇改善に向けてエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を検討してみませんか。

資料請求はこちら

New call-to-action