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【賃上げ2026】5%アップでも実質マイナス?中小企業が今すべき3つの対策

【賃上げ2026】5%アップでも実質マイナス?中小企業が今すべき3つの対策

2025.12.04

2026年の春闘では、連合が3年連続で「5%以上」の賃上げ目標を設定し、専門機関の予測も5%前後で一致しています。人手不足の深刻化と物価高の継続が賃上げを後押しする一方、中小企業の価格転嫁率は39.4%と過去最低を記録し、賃上げ原資の確保が課題に。本記事では、最新データに基づく2026年賃上げの見通しと、実質賃金プラス転換の条件、そして限られた原資で従業員満足度を高める戦略を解説します。

【2026年春闘の賃上げ予測】5%前後で着地か

連合は、2025年11月20日に公表した「2026春季生活闘争 闘争方針(案)」において、「賃上げ(ベースアップ)分3%以上、定昇相当(定期昇給)分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上」の賃上げ目標を設定しました。

これは2024年、2025年に続く3年連続同水準の目標設定であり、高水準賃上げの継続に対する強い意欲の表れといえます。

なお、中小企業については、企業規模間の格差是正を目的に「5%に格差是正分 1%以上を加えた 18,000 円以上・6%以上」との目安が別途示されています。

専門機関の予測も連合目標を裏付けており、第一生命経済研究所が5.20%、浜銀総合研究所が4.9%、日本経済研究センターのESP調査が4.81%と、いずれも5%前後で見通しが一致する結果となりました。

注目すべきは連合が「実質賃金1%上昇」を新たな賃上げのノルムとして明記した点です。

参考:連合|労働・賃金・雇用 春季生活闘争 2026年春闘
参考:第一生命経済研究所|新家 義貴|2026年・春闘賃上げ率の見通し ~25年比でやや鈍化も、高い伸びが持続と予想。キーワードは「さらなる定着」~
参考:浜銀総合研究所|「2026年春闘も5%弱の高い賃上げ率が実現化」
参考:公益社団法人 日本経済研究センター|ESPフォーキャスト 

高水準の賃上げが継続される3つの要因

2026年も5%前後の賃上げが見込まれる背景には、「深刻な人手不足」「物価高の継続」そして「企業収益の二極化」という3つの要因があります。詳しく見ていきましょう。

深刻な人手不足

令和4年版高齢社会白書」によると、日本では少子高齢化の進行により、労働力の中心となる生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が減少を続けています。

1995年のピーク時には約8700万人だった生産年齢人口が、2021年には約7400万人まで減少しました。いまや、人手不足は一時的な現象ではなく構造的な課題となっています。

また、総務省の「労働力調査(詳細集計)2024 年(令和6年)平均結果の要約 」によると、2024年の転職者数は331万人となり、3年連続で増加しました。若年層を中心に転職が活発化する中、企業は既存人材のつなぎ止めと新規採用の両面で賃上げ圧力にさらされています。

また、帝国データバンクの調査では、2025年1〜7月に判明した人手不足倒産のうち、「従業員退職型」は74件でした。前年同期(46件)から約6割の増加です。

このように、人材確保は企業の存続に直結する課題となっており、2026年も賃上げによる人材確保を実施せざるを得ない環境が続くと見られます。

参考:内閣府|令和4年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)|1 高齢化の現状と将来像
参考:統計局ホームページ/労働力調査(基本集計)年平均結果
参考:株式会社 帝国データバンク[TDB]|「従業員退職型」の倒産動向(2025年1-7月)|(2025年8月6日)

物価高の継続

総務省によると、2025年10月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は112.1で、前年同月比3.0%の上昇となりました。

一方、「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年9月分結果速報等」から同月の実質賃金を見ると、前年同月比1.4%減と、9カ月連続のマイナスとなっています。

2024年、2025年と「歴史的な賃上げ」が実現したにもかかわらず、物価上昇がそれを上回るため、働く人々は生活向上を実感できていないのが実情です。

こうした現状を踏まえ、従業員の生活を支える賃上げは、企業にとって社会的責任のひとつとなっているのです。

参考:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要)
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 2025(令和7)年9月分結果速報等

企業収益の二極化

企業収益は、業種によって明暗が分かれています。非製造業では、価格転嫁の進展もあり業績は安定して推移している一方、製造業では後述するトランプ関税の影響などで一部に懸念が見られる状況です。

ただし、全体としては収益の水準は高く、特に大企業では労働分配率※が低水準にとどまっていることから、賃上げの余力は十分に存在するものと考えられています。

業績の伸びが鈍化している企業でも、人手不足という構造的な問題を抱える中、賃上げを見送ることは難しいのが実情です。そのため、2026年も高水準の賃上げが実現する可能性が高いと見られています。

※企業が生み出した付加価値に占める人件費の割合

賃上げにともなう価格転嫁の課題

賃上げを実施しても、それを販売価格に転嫁できなければ企業の収益を圧迫します。帝国データバンクの最新調査では、価格転嫁の難しさが一層深刻化している実態が明らかになりました。

過去最低の価格転嫁率

帝国データバンクの「価格転嫁に関する実態調査(2025年7月)」によると、企業がコスト上昇分を販売価格にどの程度転嫁できているかを示す「価格転嫁率」は39.4%となり、調査開始以来最低を記録しました。

これはコストが100円上昇した場合に、わずか39.4円しか販売価格に反映できないことを意味します。つまり、残りの6割超を企業が負担している計算です。

前回調査(2025年2月)の40.6%からも1.2ポイント低下しており、価格転嫁は頭打ちの状態です。また「全く価格転嫁できない」と回答した企業は12.5%と、8社に1社が全くコストを転嫁できていません。顧客との力関係が存在する中小企業では、より深刻な事態に陥っていることが予想されます。

参考:株式会社 帝国データバンク[TDB]|価格転嫁に関する実態調査(2025年7月)|(2025年8月28日)

人件費の価格転嫁はわずか31%

同じく帝国データバンクの調査では、項目別の価格転嫁率も明らかになっています。原材料費の転嫁率が48.2%であるのに対し、人件費は32.0%、物流費は35.1%、エネルギーコストは30.0%と、人件費は転嫁しづらいコストとなっています。

原因として考えられるのが、顧客や取引先にとって、原材料費の上昇は理解が得られやすい一方、人件費やエネルギーコストといった間接的なコスト増は説明が難しく、価格転嫁への抵抗が強い傾向にある点です。

さらに、度重なる値上げにより顧客の抵抗感が強まっており、「これ以上値上げすると顧客が離れる」という懸念から、企業は価格転嫁を躊躇している状況です。

関連記事:賃上げ疲れ実態調査2025~7割以上の企業が春闘による“賃上げ圧力”を実感~

賃上げ時代に企業がとるべき戦略

人手不足が構造的な問題である以上、待遇改善としての賃上げは避けられません。限られた原資の中で、どう従業員満足度を最大化するかは、企業にとって経営上の重要課題です。ここでは、価格転嫁交渉のポイントと、福利厚生の活用を組み合わせた効果的な戦略について解説します。

価格転嫁交渉の実践ポイント

価格転嫁を成功させるには、自社の付加価値を明確に示すことが重要です。単なる値上げではなく、品質や納期の安定性、技術力など、価格に見合う価値を顧客に伝える必要があります。

また、取引適正化に向けた交渉では、政府が推進する「パートナーシップ構築宣言」を活用し、サプライチェーン全体での適正な利益配分を求めることも有効です。単独での価格転嫁が難しい場合には、業界内で協調して価格戦略を立てることも選択肢となります。

中小企業向けの支援策も活用しながら、適正価格への見直しを進めることが求められます。

参考:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

福利厚生で実質待遇を改善する「第3の賃上げ」

名目賃金を引き上げても、前述のように、実質賃金の改善は物価次第で不透明です。

ここで注目されるのが、福利厚生を活用した実質的な待遇改善です。一定の条件を満たす福利厚生は所得税の非課税枠を活用できるため、給与として支給するよりも従業員の実質的な手取りを増やす効果があります。この賃上げ効果は、「第3の賃上げ※」として広く浸透しつつあります。

なお、福利厚生の中でも、特に注目されるのが、食事補助や住宅補助、育児・介護を含む家事代行補助などの日常生活で活用しやすい制度です。これらの制度は従業員へのアピール度が高いために従業員満足度に直結しやすく、ひいては従業員の定着率向上や、採用活動での優位性につながるからです。

※「第3の賃上げ」とは(株式会社エデンレッドジャパンが定義)
第1:勤続年数、年齢、従業員の成績など企業が定めた基準で行われる定期昇給。
第2:基本給が引き上げられるベースアップ。
第3:家計の負担軽減を果たし、“実質手取りを増やす”ことができる福利厚生サービスを活用した実質的な“賃上げ”のこと。

参考:「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

3,000社以上が導入する食の福利厚生「チケットレストラン」

エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、企業と従業員との折半により、全国25万店舗を超える加盟店での食事を実質半額で利用できる、食事補助の福利厚生サービスです。

加盟店のジャンルは、コンビニ・ファミレス・三大牛丼チェーン店・カフェなど幅広く、利用する人の年代や嗜好を問いません。 Uber Eats を通じ、モスバーガーやスターバックスなどの人気ファストフードも利用可能です。

内勤の従業員はもちろんのこと、出張中やリモートワークの従業員も平等に利用できる柔軟性や、コスパの良さが高く評価され、すでに3,000社を超える企業に導入されている人気サービスです。

2026年賃上げと企業の選択

2026年の春闘は、5%前後の高水準賃上げが実現する公算が大きい一方、実質賃金のプラス転換は物価動向次第で微妙なラインにあります。

特に中小企業は価格転嫁率39.4%と過去最低水準の中、賃上げ圧力と収益圧迫の板挟みに直面しています。こうした状況では、大幅な賃上げに踏み切るのは現実的ではありません。

とはいえ、価格転嫁交渉を進めたり、「チケットレストラン」のような福利厚生を活用したりと、現状を打開するための方法は複数存在します。自社に最適な選択をし、多くの優秀な人材に選ばれ、成長し続ける企業を目指しましょう。

関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

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