企業の働きがいを測る上で、影響力のある指標の一つが、OpenWorkの「働きがいのある企業ランキング」です。ランキングは現従業員・元従業員の口コミ評価を集約し、8つの評価項目で企業を評価します。
評価を向上させるためには、各項目が具体的に何を測り、どのように改善できるのかを理解することが重要です。本記事では、8つの評価項目それぞれについて、実際に測定可能な指標を紹介し、効果的な改善の方向性を示します。
OpenWorkの「働きがいのある企業ランキング」とは
OpenWorkは、転職・就職を考える方々が利用する情報プラットフォームです。現従業員や元従業員(1年以上の勤務経験がある場合に限定)からの評価やレビューをもとに、企業の職場環境を8つの項目で評価し、ランキング化しています。
求人応募前の事前リサーチ段階から入社まで、就職活動の全フェーズで活用されています。そのため、ランキングでの高評価は、採用・定着・離職に好影響を与えるのが特徴です。一方で、ネガティブな情報が記載されるリスクもあります。
なお、ガイドラインに沿った投稿のみがサイトに掲載されるため、レポートは健全性が保たれています。
出典:OpenWork|AWARDS 働きがいのある企業ランキング2025
OpenWorkの「働きがいのある企業ランキング」評価を高める4つのメリット
ランキングにおける高評価で企業が得られるメリットを、4つのポイントで説明します。
1. 企業の採用活動をサポート
企業の魅力を効果的に伝えられる口コミプラットフォームとして、OpenWorkは採用活動を強力にサポートします。具体的な職場の雰囲気や、数値では表現できない企業の特徴が、リアルな従業員の声を通じて伝わるため、企業カルチャーに共感する求職者からの応募増加が期待できます。
近年は、学生ユーザー数も増加傾向です。2025年卒業予定の学生では、約3人に2人が「OpenWork」を利用しており、新卒採用を強化する企業からも注目されています。
参考:KYODO NEWS PRWIRE|Press Release OpenWork の学生ユーザー数、初の 30 万人を突破 就活生の「約3人に2人」以上が社員クチコミを活用
2. 採用コストの最適化
OpenWorkの「働きがいのある企業ランキング」で高評価を得ることで、企業の実態が口コミを通じて可視化されるため、自社に合った人材からの応募が増えます。入社後のギャップも少なくなるため、早期離職リスクが低減され、採用コストの最適化につながります。
3. 従業員への好影響
OpenWorkの「働きがいのある企業ランキング」で高評価を獲得することは、自社の魅力が社会に認められている証であり、従業員の誇りやモチベーション向上につながります。また、良い評価を維持するために、職場環境の改善に対する意識が高まり、従業員同士で改善アイデアを出し合うなど、建設的な対話が自然と増える効果も期待できます。
4. 経営改善のヒントに
OpenWorkの「働きがいのある企業ランキング」での評価を高めるプロセスを通じて、8つの評価項目から自社の強み弱みが明確になり、他社との比較で具体的な改善ポイントも見えてきます。さらに、口コミ評価を定期的にモニタリングすることで、組織改善の進捗を測る指標としても活用できます。
OpenWorkが評価する8つの項目と評価指標
OpenWorkでは、従業員の働きがいを構成する要素として、以下の8項目で企業を評価しています。
- 待遇面の満足度
- 従業員の士気
- 風通しの良さ
- 従業員の相互尊重
- 20代成長環境
- 人材の長期育成
- 法令順守意識
- 人事評価の適正感
8つの項目は、従業員の満足度や組織の健全性を測る上で有効な指標です。各項目の状態を把握し改善することで、働きがいのある職場づくりを実現できます。ここからは、各項目の具体的な評価指標を解説します。
1. 待遇面の満足度を知る指標
待遇とは、給与、勤務時間、福利厚生などを指し、雇用する側の勤務者に対する取り扱いを意味します。待遇面の満足度を示す指標には、以下があります。
【給与水準】
- 前年度比賃上げ率
- 業界平均給与との比率
- 従業員一人あたりの平均年収
【福利厚生】
- 福利厚生費用の従業員一人当たり金額
- 福利厚生制度の利用率
【労働時間】
- 平均残業時間
- 有給休暇取得率
【満足度評価】
- 従業員アンケートによる待遇満足度スコア
- 従業員満足度
- 待遇を理由とした離職率
これらの指標は、金銭的な待遇から働き方に関する待遇まで、従業員の満足度を総合的に測るものです。客観的な数値(給与水準など)と従業員の主観的な評価(従業員満足度など)の両面から把握することで、より正確な実態が把握できるようになります。
2. 従業員の士気を知る指標
従業員の仕事に対する意欲や組織への積極的な関与を間接的に示す指標から、従業員の士気がわかります。
【組織への帰属意識】
- 自己都合による離職率
【日常的な勤務態度】
- 欠勤率
- 遅刻率
- 時間外労働時間
【組織活動への参画】
- 企業内イベントの参加率
- 1on1などの面談実施率
これらの指標は、勤務態度や組織活動への参加状況など、様々な角度から従業員の意欲や組織への関与度を把握するものです。
3. 風通しの良さを測る指標
風通しが良い企業は、経営層と従業員との双方向のオープンで率直なコミュニケーションが活発です。評価指標には、次のようなものがあります。
【公式なコミュニケーション】
- 経営層と従業員の対話会参加率
- 1on1などの面談実施率
【従業員の声を上げやすい環境】
- 企業内アンケートの回答率
- 内部通報件数
- ハラスメント報告件数(少ないほど良好)
【組織の壁を超えた交流】
- 部署を超えた異動率
上記指標から、公式な対話の場の活用度から、従業員が意見や課題を発信できる環境、さらには人材の流動性まで、組織内のコミュニケーションの実態を総合的に把握できます。
4. 従業員の相互尊重を示す指標
従業員の相互尊重とは、互いの価値観や立場を認め合い、良好な関係性を築ける職場環境を指します。具体的な指標を見てみましょう。
【組織の信頼関係】
- 経営陣・管理職への信頼度
- 360度評価における評価得点
【職場環境の健全性】
- ハラスメント報告件数
- 従業員満足度
【チームワークの状態】
- 企業内イベントへの参加率
- エンゲージメントスコア
これらの指標は、経営層との信頼関係から、日常的な職場環境、チーム活動への参加まで、従業員同士が互いを尊重し合える組織かどうかを総合的に表します。
5. 20代成長環境の整備状況がわかる指標
20代の成長環境とは、若手従業員が知識・スキルを習得し、実践を通じて成長できる場を指します。指標には、以下があります。
【育成制度の活用】
- 資格取得支援制度の利用率
- 新卒者向け研修の年間実施時間数
- 研修参加率
【成長支援の仕組み】
- メンター制度の有無と実施率
- 1on1などの面談実施率
- 上司からのフィードバック頻度
【実践機会】
- プロジェクト参加率
- 若手従業員の部門異動数
- 社内公募制度の応募率
【成長実感】
- エンゲージメントスコア
- 昇進率
ここで挙げた指標により、研修などの学びの機会、メンターによる指導、実際の仕事での挑戦機会など、若手が着実に成長できる環境が整っているかを具体的に測れます。
6. 人材の長期育成を示す指標
人材が組織に留まり、成長し続けているかどうかを定量的に理解するには、以下のような指標が役立ちます。
【定着状況】
- 勤続年数の平均値
- 定着率(3年・5年・10年)
【キャリア形成】
- 管理職登用までの平均年数
- 昇進比率
【成長の実態】
- 企業ごとに求めるスキルの保有者数や保有率
- エンゲージメントスコア
これらの指標は、従業員がどれだけ長く働いているかという数字だけでなく、キャリアを重ねながら実際に成長を実感できているかも表しています。
7. 法令順守意識の状況がわかる指標
コンプライアンス意識の定着度を測る主要な指標を以下にまとめます。
【知識・理解度】
- コンプライアンス研修の受講率
- 研修テストの平均点・合格率
- ガイドライン理解度
【制度の整備】
- マニュアルの更新状況
- リスク評価の更新頻度
【実践状況】
- 内部通報制度の認知度、相談件数
- コンプライアンス違反件数
上記指標は、規定関係の整備状況から、従業員の理解度、日常的な行動まで、コンプライアンスが組織に実際に根付いているかを総合的に示すものです。
8. 人事評価の適正感を示す指標
人事評価は、従業員の実績や能力を公平に評価し、適切な処遇や育成につなげるための重要な仕組みです。評価が適正に行われているかを測るため、数値上での評価の分布と従業員の評価に対する信頼感・納得感の双方を確認する指標があります。
【評価の仕組み】
- 360度評価の導入率
- 評価者研修の実施状況
- 評価基準の数値化率
【評価プロセス】
- 評価面談の実施率
- 部門間の評価差異
- 評価の分布バランス
【評価の受容度】
- 評価結果への納得度
- 評価不服の申立数
- 評価への満足度
これらの指標で、評価制度の設計から運用実態、そして従業員の受け止め方まで、人事評価の信頼性を総合的に把握できます。
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働きがい向上に向けた基本的なアプローチ
評価項目ごとの具体的な指標を把握することで、企業の現状を客観的に理解し、必要な改善施策に取り組めるようになります。OpenWorkでの掲載がある場合は、評価項目の弱点を探して、どの指標を改善するかを特定しましょう。
掲載がない場合は、従業員の声を集め、各指標の現状を確認し、具体的な改善を進めていきます。8つの評価項目に沿って着実に改善を重ねることで、OpenWorkの評価向上だけでなく、真に働きがいのある企業の実現を目指せます。
働きがいは、日々の小さな満足から
従業員の働きがい向上には、待遇面での満足度が土台となります。特に福利厚生については、日々の生活に密着したサポートが効果的です。
例えばエデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生サービスは、従業員が日常的に利用でき、福利厚生の充実を実感できる施策として既に3,000社で導入されています。
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「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!
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