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企業風土とは?生産性向上とモチベーションアップに寄与!どう醸成するか解説

企業風土とは?生産性向上とモチベーションアップに寄与!どう醸成するか解説

2024.11.28

企業風土が良い、企業風土が悪い、という表現は事業に成功している場合や逆にうまくいっていない場合に耳にすることが多い表現です。本記事では、企業経営とも密接に関わってくる企業風土について、良い場合の影響やそうでない場合の影響、企業風土醸成のための取り組みを紹介します。

企業風土とは?その意味

企業風土とは、組織内で共有される価値観、行動様式、そして雰囲気の総体のことを指します。企業の競争力や従業員の満足度に直結する要素です。企業の歴史、経営理念、業界特性、従業員の特徴などによって形成され、組織の文化的アイデンティティともいえます。次のような要素が含まれます。

  • 組織の価値観
  • 意思決定のプロセスや方法
  • コミュニケーションのスタイル
  • リーダーシップの特徴
  • 仕事に対する態度・姿勢
  • 従業員間の人間関係や雰囲気

企業風土の重要性

Uniposの2024年「就職と企業風土・カルチャーに関する実態調査」によると、転職経験者の約60%が「企業風土」を退職の要因として挙げており、従業員にとって企業風土がいかに重視されているかを示します。さらに、同調査では就職先選びの約60%が「企業風土・カルチャーを重視する」と回答しており、求職者にとっても企業風土が重要な判断基準となっていることがわかります。

出典:Unipos|“入社後ギャップ”を感じるのは6割以上「就職と企業風土・カルチャーに関する実態調査」実施 ~採用ミスマッチを防ぐためにチェックすべき情報や対策もリサーチ~

企業風土と類似概念の整理

概念が掴みにくい「企業風土」という言葉は、類似する言葉と実務上の使われ方を比べると理解がスムーズです。概念の違いと実務における活用方法をみていきましょう。

「企業風土」と「組織風土」の違い

企業風土は企業全体の価値観や雰囲気を表す概念であり、採用面接での企業説明などの全社的な特徴を示す際に使用します。一方、組織風土は部門やチーム単位での特性を表現する際に適しており、部門やチーム単位での特性を表現するなど局所的な文脈で使います。

「企業風土」と「企業文化」の違い

企業風土は日常業務の中で自然に形成される企業内の雰囲気です。企業文化は、経営層が意図的に形成・発信する価値基準や行動規範を指します。企業文化は明文化でき、戦略的な変更もできる点が特徴的です。企業文化として新たな方針を明確化し、それを基に段階的に企業風土の変革を図るといった場合にも使われます。

「企業風土」と「社風」の違い

企業風土は「イノベーションを重視する企業風土」「顧客第一主義の企業風土」など、企業の意思決定や行動を示す際に適する表現です。一方、社風は一般的な文脈で企業の特徴を表す際に用いられます。「風通しの良い社風」「チャレンジ精神旺盛な社風」といった表現は、採用活動において応募者との対話を円滑にする効果があり、企業の特徴をわかりやすくラフに伝えるときに適した表現です。

企業風土が良いときの影響・メリット

企業風土が組織に与える影響は、企業の競争力や持続可能性を高める要素に関わります。ここでは、企業風土がもたらす影響とメリットを説明します。

従業員のモチベーション向上

企業風土が良いと、自社への愛着が沸き、仕事への高いモチベーションにつながります。

生産性の向上

オープンなコミュニケーションが増えたり、共通の目標や価値観を持ったりすることで従業員の意欲が高まり、業務効率が向上します。また、チームワークが強化されることで、効率的な業務遂行が可能です。

イノベーションの促進

オープンなコミュニケーションと挑戦を奨励する企業風土は、新しいアイデアの創出を促進します。結果として、市場での競争力が強化されます。

人材の定着率向上

良好な企業風土は優秀な人材を引きつけます。従業員の帰属意識が高まることで、離職率も低下します。

顧客満足度の向上

従業員の満足度が高まることで、顧客サービスの質が向上します。

企業ブランド力の強化

企業風土が良いと「働きがいのある会社」として社外からの評判も高めます。優秀な人材の獲得や顧客からの信頼向上にも寄与します。

企業風土が悪いときの影響・デメリット

企業風土に問題がある場合の影響についても把握しておきましょう。

生産性の低下

閉鎖的な企業風土は、部門間の情報共有を阻み、業務効率の低下を招きます。情報共有が遅れ、非効率な作業プロセスに気がつけなかったり、顧客ニーズへの対応が遅れたりすることもあるでしょう。結果として、組織全体の生産性低下につながります。

イノベーションの停滞

リスクを避ける文化は、新しいアイデアの創出や挑戦の機会を逃す要因になります。企業が適切なタイミングで新規事業や新製品の開発を行わないと、競争力を失い、存続が危うくなるかもしれません。

人材流出

従業員が居心地が悪いと感じる企業風土は、優秀な人材が離れていく原因の一つです。働きにくい環境やコミュニケーション不足が続くと、従業員は他の職場を探し始めます。その結果、組織は貴重なスキルや経験を持った人材を失い、競争力が低下することになるでしょう。優秀な人材が流出することで、業務の効率や創造性も損なわれ、最終的には企業の成長にマイナスの影響を与えます。

ストレスの増加

過度な競争や長時間労働を是とする企業風土は、従業員のメンタルヘルスに悪影響を与えます。メンタル面での不調者が増えたり、ワークライフバランスが崩れた従業員が増えたりすることで、組織全体の活力が低下し、業績悪化につながります。

企業風土の醸成方法

企業風土の醸成とは、組織全体が一丸となって取り組むべき重要なプロセスのことです。良好な企業風土を育てるためには、以下のような具体的な方法を実践してみましょう。

経営層が先頭に立つ

経営層が自らの行動で自社の企業風土を大切にしている姿勢を見せることで、従業員もその思いに共感しやすくなります。リーダーが積極的にコミュニケーションをとり、従業員の声に耳を傾けることで、信頼関係が築けます。

目指すビジョンを共有する

企業の理念や目指すべき姿を企業内の全員で共有しましょう。目標を明確にすることで、一体感が生まれます。定期的にビジョンを振り返り、認識を再確認する時間を設けるのも効果的です。

オープンなコミュニケーションを促進する

オープンなコミュニケーションは、企業風土を育む大切な要素です。ランチミーティングや定期的なチームビルディングイベントなど、楽しい場を設けて交流を深めましょう。リラックスした雰囲気で話しやすくなると、自然と意見交換も活発になります。

成長の機会を提供する

従業員が成長できる環境を整えることも大事です。研修やワークショップなど、新しいスキルや知識を学ぶ機会を提供します。成長へのサポートがあると、従業員は自信を持って仕事に取り組むことができます。

小さな成功体験を積み重ねる

企業風土改革は一朝一夕には実現しませんが、小さな成功体験を積み重ねることでモチベーションが高まります。たとえば「今月はこの目標達成しよう!」とチームで決めて取り組むことで、達成感が得られます。

フィードバックを大切にする

定期的にフィードバックの場を設けて、従業員同士で意見や感想をシェアし、「良かった点」「改善点」を話し合うことで、次へのステップが見えてきます。また、フィードバックはポジティブなものとして捉えるようアドバイスし、前向きな成長につなげていくことを心がけます。

福利厚生を導入する

企業風土の醸成には、法定外の福利厚生を戦略的に活用することが有効です。法令で定められた基準を超える福利厚生は、企業が独自に内容を設計できるため、その企業が大切にする価値観を従業員に伝える手段となります。

とりわけ「食」に関する福利厚生は、従業員の日常に深く関わり、その効果が実感しやすいでしょう。独自の福利厚生を通じて「従業員を大切にする文化」を具体的に示すことは、働きがいのある職場づくりにもつながります。さらに、人材確保が課題となる今、特色ある福利厚生は採用活動でも強みとなり、企業の持続的な成長を支える基盤となるのです。

関連記事:食事補助とは?福利厚生に導入するメリットと支給の流れ

企業風土が良い影響を与えた事例

「企業風土が良い」とは具体的にどういうことなのか、事例をヒントに掴んでいきます。

株式会社コーセー

コーセーは、「英知と感性の融合による価値創造」という企業理念のもと、グローバルな美の創造企業への進化を続けています。

その原動力となっているのが、独自の人材育成プログラムです。キャリア開発研修や自己申告制度、人材公募制度などを通じて、従業員一人ひとりの成長意欲を支援。特にDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の分野では、多様なバックグラウンドを持つ人材の積極的な登用を推進しています。

こうした取り組みは、個性豊かな人材が活躍できる企業風土を醸成するため、創造性とイノベーションを産む原動力になるのです。コーセーは、この独自の組織文化を基盤に、新たな美の価値創造に挑戦し続けています。

出典:KOSE|人材育成・キャリア形成

株式会社中城建設

宮城県に根差す中城建設は、従業員約40名の地域密着型建設会社ながら、「健康経営優良法人」の認定を受けるなど、従業員の健康を大切にする企業風土づくりに挑戦しています。

特徴的な取り組みが、全国25万店舗以上で利用できる「チケットレストラン」の導入です。内勤・外勤を問わず全従業員が利用できる公平性と、24時間利用可能な柔軟性により、導入後の利用率は9割に達しています。

この制度により、従業員は健康に配慮した食生活ができるという変化がありました。さらに、共に食事をする機会が増えたことで部署間の交流が活発化し、組織の一体感も醸成されました。特に、勤務時間帯の異なる建設現場のスタッフ同士でも、同じICカードを使用することで帰属意識が高まるなど、コミュニケーションツールとしても機能しています。

導入事例:中城建設株式会社様

カルビー株式会社

スナック菓子で人気のカルビー株式会社では、素直で真面目な従業員が多く、自ら踏み込んでいくことに躊躇する傾向がみられるのが課題でした。そこで2023年、社長参加の「車座ミーティング」を国内外の拠点で順次実施し、企業風土改革を促します。目的は、挑戦する企業風土を広めることです。社長自ら、カルビーグループが誇るブランド力は、小さな一歩を踏み出す挑戦から始まったことを強調しながら「失敗を恐れず新しいことに挑戦して欲しい」というメッセージをさまざまな機会で呼びかけています。

出典:Calbee|カルビーグループ統合報告書2023

企業風土が悪い影響を与えた事例

企業風土が原因で事件や不祥事が生じてしまった失敗事例には学びのポイントが隠されています。

三菱自動車工業株式会社

2000年代初頭に発覚した大手自動車メーカー三菱自動車のリコール隠し事件があります。企業信用の失墜を受け、同社は社外有識者による企業倫理委員会を立ち上げ、「カスタマー・ファースト・プログラム」(CFP)を柱とした意識改革に着手しました。

しかし、この取り組みは表面的な改革に終始します。2016年に発覚した燃費をよく見せるデータ改ざん事件では、「上司の顔色を窺う」「不都合な報告を避ける」という組織の体質が、依然として根強く残っていたことが明らかになりました。

出典:三菱自動車|三菱自動車 CSRレポート2014
出典:日本経済新聞|三菱自動車が燃費データ不正 遠のく信頼回復

大王製紙株式会社

トップへの過度な忖度が招いた企業風土の崩壊事例として、2011年に発生した製紙大手、大王製紙株式会社の不祥事は象徴的です。

当時の会長による106億円の私的流用は、表面的には個人の不正行為に見えました。しかし、その背景には「創業者には意見できない」「経営トップの判断に異を唱えられない」という閉鎖的な組織文化が根付いていました。本来であれば機能するはずの内部統制も、この企業風土の前では形骸化していたのです。

出典:企業法務ナビ|大王製紙前会長による巨額借り入れ事件
出典:政経電論|大王製紙が犯した間違い 巨額借入事件はなぜ起こったか<「政経電論」編集長 佐藤尊徳>

小さな努力の積み重ねで良い企業風土を醸成

良好な企業風土の醸成は、一朝一夕には実現できません。しかし、日々の小さな取り組みの積み重ねが、組織に大きな変化をもたらします。企業理念の共有やオープンなコミュニケーションの促進といった基本的な施策を行い、企業の雰囲気に変化がみられるまで努力を継続しましょう。

「食」を通じた取り組みも効果的です。事例で取り上げた「チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生サービスは、勤務形態や場所を問わず、すべての従業員が利用できるため、企業の従業員重視の姿勢を明確に示せます。また、「チケットレストラン」をきっかけとした自然なコミュニケーションの機会を増やし、明るく活気のある職場づくりを実現することができます。

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