ソニー損害保険株式会社(ソニー損保)の調査によると、2024年夏のボーナスが過去最高額を記録する一方で、お小遣いが増えたサラリーマンの割合はわずか13.4%に留まっています。本記事では、同調査結果をもとに、サラリーマンの収入増がお小遣いに反映されない理由や、従業員の手取りを増やすために企業ができる施策について紹介しています。従業員を大切にする働きやすい職場づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
2024年夏|サラリーマンのお小遣い事情
サラリーマンのお小遣い事情は、国の経済状況をありのまま反映するものです。まずは、2024年夏時点でのサラリーマンのお小遣い事情について「一般財団法人 労務行政研究所」と「ソニー損害保険株式会社」の調査結果をもとに解説します。
過去最高を記録した2024年夏のボーナス
「一般財団法人 労務行政研究所」が2024年5月8日に公開した「東証プライム上場企業の2024年 夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」によると、2024年夏の賞与・一時金の平均金額は84万6,021円となり、2023年の80万8,508円から4.6%増加しました。これは1970年の調査開始以来の最高額です。
この背景には、コロナ禍からの経済的な回復や、物価高が従業員の生活に影響を最小限に留めようとする企業努力があると考えられています。
ボーナス増加とお小遣いの実態
ボーナスが過去最高を記録する一方で、依然として変化が見られなかったのが、サラリーマンのお小遣いです。
ソニー損害保険株式会社(以下「ソニー損保」)は、2024年5月、20代〜50代の全国の持ち家家庭、かつお小遣い制の800名を対象に「2024年夏の最新お小遣い事情に関する調査」をおこないました。
同調査によると「値上げラッシュが始まる前の2020年と比較して、あなたのお小遣いはどう変化しましたか」との質問に対し「増えた」と回答した人はわずか13.4%でした。残りの86.6%は「変わらない(70.0%)」もしくは「減った(16.6%)」と回答しています。
この結果は、ボーナスの増加が必ずしもサラリーマン個人の可処分所得の増加(お小遣いの増加)に直結していないことを示しています。
世代別・性別のお小遣い格差
ソニー損保の調査から、お小遣いの実態をより詳しく見ていくと、性別と世代で大きな差があることが分かります。
同調査によると、お小遣い額の平均は全体で27,735円でした。しかし性別で見てみると、男性平均が29,284円・女性平均が26,186円と、実に約3,000円もの差が生じているのが現状です。
さらに年代別では、20代が29,669円・30代が24,473円・40代が29,890円・50代が26,910円となっており、特に30代のお小遣い額が低いことが分かります。この背景には、30代のライフステージ(結婚・出産・住宅購入など)特有の支出増加があることが推測されます。
サラリーマンの家計を取り巻く経済環境
ボーナスは増加しているにもかかわらず、お小遣いが増えないという現象の背景には、サラリーマンの家計を取り巻く経済環境の変化があります。
ソニー損保の調査結果によると、83.1%の人が、2020年の値上げラッシュ前と比較して、商品・サービスの価格が高くなったと感じています。
物価が上昇していると、たとえボーナスや給与が増加したとしても、実質的な手取りは額面通りには増えません。場合によっては減少する可能性すら考えられます。
こうした現状は、サラリーマンの将来に対する不安やお金に対する意識にも大きな影響を与えるものです。実際に、同調査では86.4%の人がお金に対して不安を感じていると回答しています。
不安を感じる具体的な理由としては、やはり「円安や物価高だから」が65.0%と最も多く、次いで「老後に年金がもらえるかわからないから」が41.2%「支出が増えて貯蓄ができないから」が40.5%です。この将来への不安は、消費の鈍化や、貯蓄意識の高まりを促します。
サラリーマンのお小遣いを増やすために企業がおこなうべき施策
将来への不安が高まる中、企業が従業員のお小遣いを増やすための施策を講じることは、従業員満足度の向上やモチベーションの向上をはじめ、企業としての生産性の向上にもつながります。以下、具体的な施策について紹介します。
従業員のニーズを満たす福利厚生の充実
福利厚生の充実は、従業員のお小遣いを増やす=実質的な可処分所得を増やすための効果的な方法です。
福利厚生は、給与とは別の形で提供される報酬の一種です。一定の条件を満たした福利厚生は経費として計上できるため、企業の法人税が削減されるほか、従業員の所得税への影響も軽減できます。つまり、企業側のコストを抑えつつ、従業員の実質的な収入を増やすことができるのです。
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費用対効果の高い福利厚生「食事補助」
福利厚生の種類にはさまざまなものがありますが、中でも特に注目を集めているものに「食事補助」があります。以下、食事補助を福利厚生として導入することで企業が得られる主なメリットを紹介します。
- 従業員の生活を直接的にサポートできる
- 規則正しくバランスの良い食事をサポートすることで、従業員の健康をサポートできる
- 従業員の満足度が高まることにより、生産性や業績の向上が期待できる
- 食事を共にする機会が増えることで、社内コミュニケーションの促進効果が期待できる
- 他社との差別化により、採用力の強化が期待できる
このように、食事補助の福利厚生は、福利厚生としてのアピール度も高く、優れた費用対効果が見込まれる施策といえます。
注目の食事補助の福利厚生「チケットレストラン」
食事補助の福利厚生サービスとして、日本一の実績を持つのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。
「チケットレストラン」は、全国25万店舗以上の加盟店での食事が半額になるサービスです。加盟店のジャンルはコンビニ・カフェ・ファミレスなど幅広く、利用する人の年代や嗜好を問いません。また、勤務時間内であれば時間や場所の制限がないため、夜勤やリモートワークの従業員も平等に利用できます。
「チケットレストラン」の導入後、運用に必要な作業は、毎月1回のチャージのみです。バックオフィスの負荷を最小限に押さえられるのも「チケットレストラン」が広く支持される大きな理由のひとつとなっています。
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従業員の不安を解消し、生産性を高める新たな施策を検討しよう
2024年のソニー損保の調査結果から、ボーナス支給額が過去最高を記録する一方、サラリーマンのお小遣いの平均は増えておらず、多くの人が将来に不安を感じている実態が明らかになりました。
こうした状況を踏まえ、企業には、従業員の暮らしをサポートする具体的な施策が求められています。従業員を支える積極的な姿勢は、従業員の企業に対する満足度や仕事へのモチベーションの向上、ひいては企業の生産性向上にも寄与します。
「チケットレストラン」のような福利厚生サービスをはじめ、企業と従業員が共にメリットを得られる新たな従業員サポートを検討してはいかがでしょうか。