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企業倒産の最新動向を解説!話題のインフレ倒産や効果的な対策も

企業倒産の最新動向を解説!話題のインフレ倒産や効果的な対策も

2024.08.15

2024年上半期の企業倒産件数が10年ぶりの高水準を記録しました。特に注目を集めているのが、物価の上昇を主原因とする物価高倒産、いわゆる「インフレ倒産」の急増です。

本記事では、帝国データバンクの最新レポートをもとに、企業倒産とインフレ倒産の実態を分析しています。さらに、企業の存続戦略や、効果的な従業員支援策についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2024年上半期の企業倒産動向

帝国データバンクが2024年7月5日に発表した「全国企業倒産集計2024年上半期報」によると、2024年上半期の企業倒産件数は10年ぶりの高水準となりました。特に、インフレの影響を受けたいわゆるインフレ倒産の増加が目立つ状況となっています。まずは、2024年上半期の企業倒産の動向について、分かりやすく解説します。

参考:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計2024年上半期|倒産集計(2024年7月5日)

倒産件数と負債総額の推移

1|2024年上半期倒産動向

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

2024年上半期(1-6月)の倒産件数は4,887件で、前年同期比22.0%増となりました。これは2014年上半期(4,756件)以来、10年ぶりの高水準です。

一方で、負債総額は6,810億1,500万円で、前年同期比24.9%減少しています。この数字から、比較的小規模な企業の倒産が増加していることがうかがえます。

中長期的な視点から見ると、2020年以降の倒産件数は増加傾向です。特に、2023年から2024年にかけて急激な上昇を示しています。この背景には、新型コロナウイルス感染症の影響や、インフレの進行など、さまざまな要因があると考えられます。

2|倒産件数の推移

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

業種別倒産動向

3|業種別倒産件数

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

2024年上半期の倒産状況を業種別に見ると、全7業種中6業種で前年同期を上回りました。特に注目すべきは以下の業種です。

  • サービス業:1,228件(前年同期比28.2%増)
  • 小売業:1,029件(前年同期比23.4%増)
  • 建設業:917件(前年同期比15.3%増)

サービス業では、「専門サービス」の増加が顕著で、経営コンサルタントなどの倒産が目立ちます。小売業では、「飲食店」の倒産が2000年以降で最多となりました。建設業では、資材価格の高騰や人手不足の影響を受け、特に「職別工事」と「総合工事」の増加が目立ちます。

インフレ倒産(物価高倒産)の実態と影響

インフレ倒産は、近年の経済環境の変化を反映する重要な指標となっています。物価上昇が企業経営に与える影響は多岐にわたり、その実態を理解することは極めて重要です。ここでは、インフレ倒産の定義から具体的な影響まで、詳しく見ていきましょう。

インフレ倒産の定義と件数

4|インフレ倒産件数推移

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

「インフレ倒産」または「物価高倒産」とは、物価上昇(インフレーション)が主な要因となって引き起こされる企業の倒産を指します。

帝国データバンクの調査によると、2024年上半期のインフレ倒産は484件発生し、前年同期比29.1%増となりました。年半期で450件を超えたのは初めてのことです。この数字は、現在の経済環境がいかに厳しいものであるかを如実に示しています。

業種別インフレ倒産の傾向

5|インフレ倒産業種別内訳

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

インフレ倒産の影響は、業種によって異なる傾向を示しています。2024年上半期のデータを見ると、以下の業種でインフレ倒産が多く発生しています。

  • 建設業:124件
  • 製造業:109件
  • 運輸・通信業:91件

資材価格やエネルギー価格の高騰の影響を特に受けやすい業種において、経営状況が悪化している現状が分かる結果となっています。

インフレが企業経営に与える影響

インフレーションは、企業経営に多面的な影響を与えます。主な影響として、以下の点が挙げられます。

  • コスト増加:原材料費・エネルギー費・人件費などの上昇
  • 利益率低下:コスト増加分を価格に転嫁できない場合の利益圧迫
  • 資金繰り悪化:運転資金の増加需要と金利上昇による借入コスト増
  • 需要変動:消費者の購買行動変化による売上への影響
  • 為替リスク:輸出入企業における為替変動の影響増大

これらの影響は、企業の規模や業種によって異なりますが、多くの企業にとって無視できない課題となっています。特に中小企業では、企業間の力関係や企業体力面から価格転嫁が難しく、利益率の低下が著しい傾向にあります。

企業倒産の主要因分析

企業倒産の要因を詳細に分析することは、経営リスクを軽減し、持続可能な経営を実現するために不可欠です。2024年上半期のデータを見ると、複数の要因が複雑に絡み合って倒産を引き起こしていることが分かります。主な倒産要因を整理していきましょう。

販売不振による倒産

6|倒産主因

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

販売不振は、依然として企業倒産の最大の要因です。帝国データバンクの調査によると、2024年上半期の倒産のうち、「販売不振」を主因とするものは、全体の80.8%を占める3,951件です。前年同期比で26.2%増となっており、経済環境の厳しさを反映しています。

販売不振の背景として挙げられるのが、消費者の購買意欲の低下・競争の激化・市場の縮小などです。特に、インフレの影響で消費者の購買力が低下していることが大きな要因となっています。

人手不足倒産の増加

7|人手不足倒産

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

「人手不足倒産」は、近年急増している倒産要因の一つです。2024年上半期には182件(前年同期比65.5%増)発生し、初めて180件を超えました。

この数字は、日本の労働市場が直面している深刻な課題を反映しています。人手不足倒産の背景には、以下のような要因があります。

  • 少子高齢化による労働人口の減少
  • 特定業種・職種における求人と求職のミスマッチ
  • 労働条件の不満による離職率の上昇
  • 技術革新に伴う必要スキルの変化

特に、建設業や運輸業・サービス業などで人手不足が顕著です。この人手不足は、企業が人材を確保するためのコスト増を招き、経営のさらなる悪化を引き起こす要因となります。

後継者難倒産の現状

8|後継者難倒産

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|全国企業倒産集計 2024 年上半期報 2024年6月報(2024年7月5日)

「後継者難倒産」は、主に中小企業が直面する深刻な課題です。2024年上半期には268件発生し、高水準で推移しています。この数字は、日本の企業、特に中小企業が直面している継承問題の深刻さを示すものです。後継者難倒産の主な要因には以下のようなものがあります。

  • 経営者の高齢化
  • 家族経営の減少と後継者不在
  • 事業の将来性に対する不安
  • 相続税などの税制問題

業種別では、建設業(56件)・サービス業(44件)・卸売業(43件)・小売業(43件)で多く発生しています。業種の特徴として、個人の技術やノウハウに依存する部分が大きく、事業承継が難しいことが主な原因と考えられます。

インフレが従業員に与える影響

インフレのリスクを抱えるのは、企業だけではありません。インフレは従業員の生活にも直接的な影響を与え、間接的に企業の生産性や業績にも波及します。

インフレにより、食費・光熱費・交通費・住居費などの生活コストが増加すると、従業員の可処分所得が減少します。これは、生活の質の低下や、将来への不安を引き起こす大きなリスクです。

また、生活コストの上昇によって家計が圧迫された従業員は、心身の状態や仕事へのモチベーションが低下しがちです。結果として、企業の生産性や業績にも影響を及ぼす可能性があります。

さらに、よりよい環境を求め、優秀な人材が流出する可能性も否定できません。この場合、生産性や業績がますます悪化することが予想されます。

企業存続のための戦略

倒産数が増加する中、企業が存続し成長を続けるためには、適切な戦略の立案と実行が不可欠です。ここでは、企業存続のための重要な戦略について解説します。

財務管理と業務効率化

企業存続の基盤となるのが、健全な財務管理と効率的な業務運営です。具体的な戦略としては、次のようなものが挙げられます。

  • コスト削減:不要な経費の見直しや、業務プロセスの最適化によるコスト削減を行う
  • 資金繰り改善:キャッシュフロー管理を徹底し、必要に応じて金融機関との関係強化を図る
  • 業務プロセス見直し:デジタル化やAIの活用により、業務の効率化と生産性向上を目指す
  • 価格戦略の再考:原価計算を見直し、適切な価格設定と価格転嫁を検討する
  • リスク管理:為替リスクや原材料価格変動リスクに対する戦略を立てる

これらの戦略を適切に実行することで、企業の財務基盤を強化し、不測の事態にも対応できる体制を整えることができます。

優秀な人材の確保・定着

企業の持続的な成長には、優秀な人材の確保と定着が不可欠です。人手不足倒産が増加している現状を踏まえ、以下の戦略を検討しましょう。

  • 魅力的な労働環境の整備:ワークライフバランスの推進や柔軟な働き方の導入を行います。
  • 人材育成プログラムの強化:従業員のスキルアップを支援し、キャリアパスを明確にします。
  • 適切な評価・報酬制度の構築:公平で透明性の高い評価制度と、それに基づく報酬制度を設計します。
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進:多様な人材が活躍できる環境を整備します。
  • 企業文化・ビジョンの明確化:従業員が共感できる企業理念や将来ビジョンを明確に示します。

これらの取り組みにより、人材の確保・定着を図り、企業の競争力を高めることができます。

従業員支援策としての福利厚生の充実

インフレ下において、従業員支援策としての福利厚生の重要性が高まっています。適切な福利厚生は、従業員の満足度向上や生産性向上につながり、企業の存続と成長に寄与します。以下、福利厚生を充実させる主なメリットをチェックしていきましょう。

  • 従業員の生活支援:福利厚生の充実は、従業員の生活を直接的に支援します。例えば、住宅手当や家族手当などの経済的支援は、インフレによる生活コストの上昇を緩和する効果があります。また、保育サービスや介護支援などは、従業員の仕事と生活の両立を助け、ストレスの軽減が可能です
  • 人材の確保と定着:充実した福利厚生は、求職者にとって魅力的な要素となり、優秀な人材の獲得に寄与します。また、既存の従業員にとっても、会社への帰属意識を高め、長期的な就業意欲を促進する効果があります。結果として、人材の定着率が向上し、採用・育成コストの削減が可能です
  • モチベーションと生産性の向上:従業員が福利厚生の恩恵を受けることで、会社への愛着や帰属意識が高まります。これは、仕事へのモチベーション向上につながり、結果として生産性の向上をもたらすものです。また、福利厚生を通じて従業員間のコミュニケーションが活性化されることで、チームワークの向上も期待できます
  • 企業イメージの向上:充実した福利厚生は、企業の社会的責任(CSR)の一環としても評価されます。従業員を大切にする企業として認知されることで、企業イメージが向上し、ブランド価値の向上にもつながります

このように、福利厚生の充実は従業員と企業の双方にとって多くのメリットをもたらします。特にインフレ下においては、従業員の生活支援という直接的な効果に加え、人材の確保・定着や生産性向上といった間接的な効果も期待できます。企業は、自社の状況や従業員のニーズを適切に把握し、効果的な福利厚生制度を設計・実施することが重要です。

注目を集める食の福利厚生「チケットレストラン」

インフレ下における効果的な福利厚生として、食事補助サービスが注目を集めています。食費の上昇が家計を圧迫する中、企業が食事補助を提供することは、従業員の生活支援と満足度向上に寄与するからです。

中でも人気度が高く、食の福利厚生として日本一の実績を持つサービスに、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」があります。

チケットレストラン」は、ICカード型の食の福利厚生です。加盟店での支払いに専用のICカードを使用することにより、食事代の半額が補助される仕組みです。

加盟店舗数は全国に25万店舗以上でジャンルも幅広く、勤務形態や年代・嗜好を問わず平等に利用できます。

また、福利厚生として経費計上をすることにより、企業の法人税を削減できます。これは、経営に不安を抱える企業にとって特に大きな魅力です。

関連記事:導入実績3,000社以上!チケットレストラン導入によるメリット・デメリット

企業の持続的成長に向けて|インフレ時代の経営戦略

企業倒産が増加する中、自社の未来について不安を抱く経営層は少なくありません。インフレ倒産も注目され、さまざまな業界で倒産のリスクが高まりつつある今、自社の持続的成長を実現するためには、従来の経営戦略の見直しが不可欠です。

具体的には、財務管理と業務効率化・優秀な人材の獲得と定着・福利厚生の充実といったトピックが重要になるでしょう。

なかでも福利厚生の充実は、従業員・企業の双方にメリット多い施策として注目度を集めています。食の福利厚生は特に人気が高く、「チケットレストラン」の導入企業はすでに3,000社を超えています。

従業員との信頼関係をベースに、混乱の時代を生きぬく企業として、自社の経営戦略の見直しを進めてみてはいかがでしょうか。

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