外国人雇用実態調査は、外国人材の雇用形態・賃金などに関する情報を明らかにする資料です。最新の調査結果を元に、外国人材の雇用に関する現状を見ていきましょう。あわせて、企業が外国人材を雇用するメリットや課題も解説します。
外国人材の雇用についてわかるQ&A
外国人材の雇用について概要を押さえられるよう、Q&A形式でよくある質問を紹介します。
外国人雇用実態調査とは?
外国人雇用実態調査とは、外国人材の雇用について調べるために、厚生労働省が毎年実施している調査です。外国人材を雇用している事業所を対象に、雇用形態・雇用管理の状況・雇用している外国人材の学歴などがわかります。
企業が外国人材を雇用するメリットは?
企業が外国人材を雇用するメリットには「人手不足の解消」「外国人材ならではの活躍」「ダイバーシティの推進」があります。
関連記事:人手不足対策に外国人労働者を!受け入れメリット・デメリット 成功事例も紹介
外国人材雇用の課題は?
外国人材雇用の課題は「コミュニケーションや文化の違いによる摩擦」「在留資格の申請や仕組み」が代表的です。
関連記事:外国人介護人材を受け入れるには?4つの制度と成功のポイント
外国人材の定着に向けて企業がすべきことは?
外国人材の定着には「言語の壁を取り除く」「相談窓口を設置して利用方法をアナウンスする」「福利厚生の拡充で暮らしをサポートする」といった取り組みが有効です。
例えば「福利厚生の拡充で暮らしをサポートする」なら、エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」が向いています。
従業員の働きやすい環境整備や、エンゲージメント向上を目的に「チケットレストラン」を導入した日免オートシステム株式会社(導入事例をチェックする)では、外国人技能実習生や特定技能外国人を受け入れています。「チケットレストラン」はこれらの外国人材にも好評だそうです。
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令和6年外国人雇用実態調査で現状をチェック
2024年に調査が行われた最新の「外国人雇用実態調査」や「外国人雇用状況」を元に、外国人材の雇用について現状をチェックしましょう。
参考
:厚生労働省|「令和6年外国人雇用実態調査」の結果を公表します
:厚生労働省|外国人雇用状況の届出状況について(報道発表)
外国人労働者数の推移
まず紹介するのは、外国人材を雇用する全ての事業所に届け出の義務がある「外国人雇用状況」で見る、外国人労働者数の推移です。ここ10年で外国人労働者は倍増しています。
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年 |
外国人労働者数 |
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2024年 |
230万2,587人 |
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2023年 |
204万8,675人 |
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2022年 |
182万2,725人 |
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2021年 |
172万7,221人 |
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2020年 |
172万4,328人 |
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2019年 |
165万8,804人 |
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2018年 |
146万463人 |
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2017年 |
127万8,670人 |
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2016年 |
108万3,769人 |
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2015年 |
90万7,896人 |
外国人労働者数の現状
2024年に調査が行われた最新の「外国人雇用実態調査」によると、外国人労働者数は182万4,646人です。こちらの調査は外国人労働者を1人以上雇用している、雇用保険被保険者数5人以上の事業所が対象のため、「外国人雇用状況」とは人数が異なります。
業種ごとの外国人労働者数も見ていきましょう。業種別では、製造業で働く人材が多い状況です。
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業種 |
外国人労働者数 |
|
全体 |
182万4,646人 |
|
建設業 |
15万2,411人 |
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製造業 |
56万950人 |
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情報通信業 |
7万9,924人 |
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運輸業、郵便業 |
4万9,389人 |
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卸売業、小売業 |
19万3,824人 |
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金融業、保険業 |
1万1,576人 |
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不動産業、物品賃貸業 |
1万6,976人 |
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学術研究、専門・技術サービス業 |
6万6,420人 |
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宿泊業、飲食サービス業 |
12万6,097人 |
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生活関連サービス業、娯楽業 |
2万1,902人 |
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教育、学習支援業 |
6万9,354人 |
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医療、福祉 |
10万9,307人 |
|
複合サービス事業 |
5,389人 |
|
サービス業(他に分類されないもの) |
32万1,751人 |
また在留資格の種類ごとに見ると、高度専門職、経営・管理、医療、研究などの在留資格を含む専門的・技術的分野が70万9,114人と最多となっています。
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在留資格 |
外国人労働者数 |
|
専門的・技術的分野 |
70万9,114人 |
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技能実習 |
36万8,287人 |
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留学 |
12万8,986人 |
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身分に基づくもの |
50万3,507人 |
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その他 |
11万4,753人 |
外国人材の雇用が進んでいる企業
企業規模別に見ると、外国人材の雇用は従業員数1,000人以上の企業で最も進んでおり、次いで100~499人の企業で多くなっています。
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企業規模 |
外国人労働者数 |
|
1,000人以上 |
48万6,578人 |
|
500~999人 |
15万7,858人 |
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100~499人 |
46万666人 |
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30~99人 |
36万4,760人 |
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5~29人 |
35万1,829人 |
外国人雇用実態調査からわかる企業のメリット
2024年に調査が行われた最新の「外国人雇用実態調査」で、企業が外国人材を雇用する理由をチェックしましょう。ここでは回答した企業の割合が10%以上の理由を紹介します。ここではこの結果を元に、企業が外国人材を雇用するメリットを紹介します。
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外国人材を雇用する理由 |
回答した企業の割合(複数回答) |
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労働力不足の解消・緩和 |
69.0% |
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日本人と同等かそれ以上の活躍への期待 |
54.7% |
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事業所の国際化、多様性の向上 |
15.8% |
|
日本人にはない知識、技術の活用への期待 |
13.2% |
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従業員や知人からの紹介 |
11.3% |
人手不足の解消
「外国人雇用実態調査」で、外国人材を雇用する理由として、最も回答した企業の割合が高いのは「労働力不足の解消・緩和」でした。
2025年7~9月の「中小企業景況調査報告書」によると、従業員過不足DIは以下の通りで、業種を問わず人手不足感が強い状況です。
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業種 |
従業員過不足DI |
|
全産業 |
-23.0 |
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製造業 |
-17.1 |
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建設業 |
-42.4 |
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卸売業 |
-20.3 |
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小売業 |
-14.1 |
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サービス業 |
-26.0 |
このような状況を反映するように、「令和6年度中小企業実態調査事業 中小企業・小規模事業者の実態把握に関する調査研究」では、中小企業や小規模事業者が最も重視する経営課題は「人材確保」となっています。
人手不足感が強い中、その解決策として外国人材を雇用している企業は約70%です。
参考
:経済産業省|令和6年度中小企業実態調査事業 中小企業・小規模事業者の実態把握に関する調査研究 調査報告書
:中小機構|中小企業景況調査|第181回(2025年7-9月期)中小企業景況調査報告書
外国人材ならではの活躍
また外国人材を雇用する理由として次いで多いのは「日本人と同等かそれ以上の活躍への期待」です。さらに「日本人にはない知識、技術の活用への期待」から外国人材を雇用している企業も13.2%あります。
外国人材活躍ポータルで公開している「外国人材の受け入れ事例集」から、外国人材ならではの活躍が見られる有限会社上田電機の事例を紹介します。
有限会社上田電機では、約10年前に同業他社で外国人材が活躍しているのを知ったことがきっかけで、ベトナムでの事業拡大に向けてベトナム人の雇用を開始しました。
これにより従業員が外国人材と働くことに慣れたため、ベトナムに設立した現地法人へ日本から応援に行く際も、仕事をスムーズに進められたそうです。今後はベトナムから周辺国への取引拡大を見据え、複数国からの人材雇用を計画しています。
参考:外国人材活躍ポータル:高知でかなえる、あなたの未来|「外国人材の受け入れ事例集」を公開しました
ダイバーシティの推進
「外国人雇用実態調査」によると「事業所の国際化、多様性の向上」を理由に、外国人材を雇用している企業は15.8%です。このことから、ダイバーシティの推進もメリットの1つといえます。
ダイバーシティは、2023年3月から情報公開が義務化された人的資本の7分野の1つです。環境・社会・ガバナンスを指標として投資を行うESG投資を行う投資家の増加により、企業経営にとって重要な取り組みとして認識されています。
関連記事:ダイバーシティ推進で企業価値向上!取り組み事例や経営上のメリットを解説
外国人雇用実態調査からわかる外国人材雇用の課題
2024年に調査が行われた最新の「外国人雇用実態調査」によると、外国人材の雇用に関する課題として10%以上の企業があげているものを見ていきましょう。
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外国人材の雇用に関する課題 |
回答した企業の割合(複数回答) |
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日本語能力などのためにコミュニケーションが取りにくい |
43.9% |
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在留資格申請などの事務負担が面倒・煩雑 |
24.7% |
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在留資格によっては在留期間の上限がある |
21.5% |
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文化・価値観・生活習慣などの違いによるトラブル |
20.9% |
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生活環境の整備にコストがかかる |
19.9% |
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在留資格によっては任せられる業務が限定される |
16.0% |
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採用・定着にコストがかかる |
15.6% |
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ニーズに合う人材からの応募がない |
14.8% |
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離職・転職が懸念される、定着しない |
14.6% |
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受け入れた職場での負担が大きい |
14.1% |
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入国審査・在留資格制度がわかりにくい |
12.7% |
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外国人材を採用するための情報やネットワークが限られている |
11.6% |
これらの課題の中で回答している企業の多い、「コミュニケーションや文化の違いによる摩擦」「在留資格の申請や仕組み」について見ていきましょう。
コミュニケーションや文化の違いによる摩擦
外国人材は日本語が母語ではないことから、コミュニケーションが取りにくいことがあります。「外国人雇用実態調査」を見ると、外国人材の日本語能力(会話)は以下の通りです。
85.0%は日常的な会話であればできるレベルの日本語能力を身につけていますが、母語ではない言葉でスムーズな意思疎通をするのは難しいこともあるでしょう。
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日本語能力 |
割合 |
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母語が日本語または母語と同等レベル |
7.0% |
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幅広い話題について自由に会話できる |
17.6% |
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会話の場面に応じた言葉を使うことができる |
13.0% |
|
長い会話に参加できる |
8.9% |
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身近な話題についての会話はできる |
13.9% |
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日常的なことなら短い会話に参加できる |
24.6% |
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基本的な挨拶の会話はできる |
12.8% |
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日本語で会話はほとんどできない |
1.8% |
|
不明 |
0.4% |
また10.9%の外国人材が「就労上のトラブルがある」と回答しています。トラブルとして多いのは「紹介会社の費用が高い(18.6%)」「トラブルや困ったことをどこに相談すればよいかわからない(14.9%)」「事前の説明以上に高い日本語能力を求められた(8.8%)」です。
在留資格の申請や仕組み
外国人材を雇用する場合には申請が必要です。採用前には、その時点で居住している場所に合わせて「在留資格変更許可申請」や「在留資格認定証明書交付申請」が必要ですし、採用後には氏名や在留資格をハローワークへ届け出なければいけません。
国内の人材を採用するケースと比べて担当者の負担が増えます。また社内での対応が難しいと感じる場合には、行政書士への依頼も検討しなければいけません。
また在留資格には複数の種類があり、在留期間や任せられる仕事に違いがあります。この違いを把握して人材採用に取り組まなければ、ニーズに合う採用は難しいでしょう。
今後の外国人材の受け入れ動向
外国人材の採用には、人材不足の解消や外国人材ならではの活躍などのメリットがある半面、コミュニケーションや申請の複雑さといった課題もあります。このような中、企業の経営者は外国人材の雇用についてどのように考えているのでしょうか。
日本経済新聞が行った「社長100人アンケート」によると、外国人材の受け入れを拡大することについて「賛成」は34.8%、「どちらかといえば賛成」は63.0%で、合計97.8%が前向きに検討しているそうです。
加えて、今後3年間で「積極的に採用する」「必要に応じて採用する」と回答した経営者の割合は99.2%でした。
この調査結果から、今後も外国人材の受け入れは拡大していくことが予想されます。
参考:日本経済新聞|〈社長100人アンケート〉外国人材増「賛成」9割超
採用した外国人材の定着に向けて企業ができること
外国人材を採用しても定着につながらなければ、人手不足の解消や外国人材ならではの活躍は期待できません。外国人材の定着に向けて、企業にできる取り組みの具体例を見ていきましょう。
言語の壁を取り除く
言葉や文化の違いがある外国人材のスムーズな受け入れと定着には、言語の壁を取り除く取り組みが有効です。社内標識を多言語対応にする、翻訳機器を導入する、などの取り組みで外国人材が働きやすい環境を整えられます。
また「長く働いてほしい」と考えているなら、研修やセミナーの受講などによる日本語教育の実施を検討する他、日本人の従業員が外国人材の理解しやすい会話の仕方を学ぶとよいでしょう。
相談窓口を設置して利用方法をアナウンスする
仕事や生活に関する困りごとが発生したときに、相談できる窓口を設置することも、外国人材の定着につながる取り組みです。困りごとの早期解決によって、外国人材がストレスなく仕事に集中しやすくなります。
また、設置した窓口の利用方法も、わかりやすくアナウンスしましょう。
福利厚生の拡充で暮らしをサポートする
外国人材が日本で暮らしやすくなるよう福利厚生によるサポートを充実させるのも、定着につながる方法の1つです。
例えば借り上げ社宅を提供して住宅支援を行ったり、バランスの良い食事をとりやすくなるよう食事補助を提供したりするとよいでしょう。
エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」は英語対応もしており、導入企業では外国人材からも好評のサービスです。
「チケットレストラン」の詳細については、こちらの「資料請求」からお問い合わせください。
外国人材の定着には福利厚生の整備も検討を
外国人材は年々増加しており、今後も増えていくことが考えられます。人手不足の解消などのメリットを生かすために、採用を検討している企業もあるでしょう。言語・コミュニケーション・申請手続きなどの課題を知った上で、自社の状況と照らし合わせて検討しなければいけません。
また外国人材の定着には、企業による「言語の壁を取り除く」「相談窓口を設置して利用方法をアナウンスする」「福利厚生の拡充で暮らしをサポートする」といった取り組みが必要です。
例えば福利厚生の拡充を行うなら、英語にも対応しているエデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を検討してみませんか。
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