資料請求
English

Workers Bistro

-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

4号特例見直しの影響をわかりやすく解説!2025年法改正の狙いとは

4号特例見直しの影響をわかりやすく解説!2025年法改正の狙いとは

2024.10.25

建築業界に携わる方々にとって、2025年4月に迫る建築基準法「4号特例見直し」は避けて通れない重要なトピックです。本記事では、4号特例の法改正が業界にもたらす影響と、企業として取りたい対策を解説します。

建築基準法「4号特例」とは何か?

まず、4号特例について確認します。4号特例とは「審査省略制度」のことであり、建築基準法第6条の4に基づき、小規模な木造建築物(主に2階建て以下の一般住宅)について、建築確認の審査の一部を省略できる制度です。この制度は1983年に導入され、当時高度経済成長期であったことから、住宅供給の促進と行政の負担軽減に大きく貢献してきました。

4号特例の対象となる4号建築物は、木造で2階建て以下、延べ床面積500㎡以下、高さ13m以下、軒高9m以下の建築物です。これらの条件を満たし、かつ建築士が設計した建物では、構造計算書の提出が不要となるなど、手続きが大幅に簡略化されていました。

なぜ4号特例が見直されるのか?

主に2つの大きな背景があり、4号特例は見直されます。

住宅の安全性向上

1988年に建築基準法が改正されて、建築確認・検査が民間に解放されました。その結果、建築確認の実施率は向上したものの、4号特例を悪用する形で、構造強度が不足した建築物が見られるようになります。重大な構造瑕疵を責任追及する際、提出する資料がなければ被害が立証できません。

このような課題に対応するため、国土交通省は4号特例の見直しを決定し、2025年4月からの施行を予定しています。

出典:ONE ASIA LAWYERS|日本における建築確認審査の省略対象縮小(4号特例縮小)について

住宅の省エネ化促進

2050年カーボンニュートラル実現に向けて、住宅分野でも省エネ化が急務となっています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。現行の4号特例では、省エネ基準への適合チェックが十分に行えないことから、見直しが必要となりました。

なお「4号特例の見直し」と同じタイミングである2025年4月には、すべての新築住宅・非住宅に「省エネ基準適合」も義務付けられます。建築確認の際に省エネ基準への適合性審査も実施されるようになります。

参考記事:2025年省エネ基準適合の義務化で建築・住宅業界はどう変わる?わかりやすく解説

「4号特例見直し」の具体的な内容

では、具体的にどのような変更が行われるのでしょうか。主な変更点は以下の3点です。

1.建築物の分類変更

現行の4号建築物は、新2号建築物と新3号建築物に再分類されます。新2号建築物は木造2階建てまたは延べ面積200㎡超の木造平屋、新3号建築物は延べ面積200㎡以下の木造平屋が該当します。

4号特例 見直し03

出典:国土交通省|4号特例が変わります

2.審査項目の拡大

新2号建築物については、これまで省略されていた項目も含め、すべての審査項目が対象となります。屋根や外壁の防火性、居室の採光や換気、建築材料の品質などが新たに審査対象となる予定です。新3号建築物については、引き続き4号特例の対象となります。

出典:国土交通省|4号特例が変わります

3.提出図書の変更

新2号建築物については、従来の確認申請書・図書に加えて、構造関係規定等の図書と省エネ関連の図書の提出が必要となります。設計段階での作業量の大幅増加が予想されます。

4号特例 見直し04

出典:国土交通省|4号特例が変わります

「4号特例見直し」の建築業界への影響

4号特例の法改正は、建築業界全体に大きな影響を及ぼすことが予想されます。とくに、ハウスメーカーやリフォーム関係の企業、工務店など住宅建築に携わる企業は、大きな変化に直面することになるでしょう。

1. 業務量の増加

最も顕著な影響は、業務量の増加です。省略できない業務が増えることで、単純に業務量が増加します。ここでは、2024年4月にアンドパッド社が実施した「2025年ショックに関する調査」に注目しましょう。2つの法改正の影響を受ける20〜69歳の住宅業従事者の声をまとめると、1現場あたりの業務時間が大幅に増加すると予測されています。設計管理業務で平均11時間、事務作業で平均12時間の増加が見込まれました。

しかも、数字上には見えにくいですが、単純な時間の増加だけでなく、業務の質的な変化もあります。構造計算や省エネ性能の詳細な検討が必要となるなど、より高度な専門知識が求められるからです。

4号特例 見直し01

出典:ANDPAD|住宅業界「2025年ショック」アンドパッド独自調査

2. 人材ニーズの変化

業務の高度化に伴い、必要とされる人材のスキルも変化します。これまで以上に構造計算や省エネ設計に精通した設計者の需要が高まるでしょう。複雑化する法規制に適切に対応できる法務知識を持つ人材も必要です。

3. コストの上昇、住宅価格の高騰

業務量の増加と人材ニーズの変化は、必然的にコストの上昇をもたらします。追加の人員配置や既存従業員の教育・研修費用、さらには設計・施工プロセスの見直しに伴うシステム投資なども必要です。これらのコスト増により、最終的に住宅価格への転嫁も懸念されます。

4号特例 見直し05出典:ANDPAD|住宅業界「2025年ショック」アンドパッド独自調査

なお、アンドパッド社の同アンケートでは、4号特例の見直しなど「2025年ショック」におけるDXの重要性を質問し、46%の住宅業従事者がDXが重要と回答しています。役所へ提出する書類の作成、工程の調整、現場写真の撮影と整理といった新たな業務には、DXでの業務改善という方法が効果的です。

4号特例 見直し02

出典:ANDPAD|住宅業界「2025年ショック」アンドパッド独自調査

4. 工期の長期化

審査項目の増加や提出図書の追加により、設計から施工までの全体的な工期は長期化が予想されます。確認申請から着工までの期間が延びることで、年間の施工件数にも影響を与えるでしょう。

5. 品質・安全性の向上

一方で、4号特例見直しがもたらすポジティブな影響も見逃せません。建築にあたって審査と厳格な基準適用により、住宅の構造安全性や省エネ性能は向上します。長期的には、住宅関連企業の評判がよくなり、顧客満足度にもよい結果をもたらすでしょう。

関連記事:2025年ショックで建設・住宅業界の人手不足が深刻化?解決策と対応事例

2025年4月予定「4号特例見直し」に向け企業ができる対策

新たな業務が増えるという変化に対応するため、企業としてできる対策はあるのでしょうか。企業ができる対策を見ていきましょう。

人手不足対策のための人材の育成・確保

2025年4月に予定されている4号特例廃止に向けて、建築業界では多角的な対応が求められています。構造計算や省エネ設計のスキルを持つ人材の育成・確保は急務です。法規制に詳しい専門家の採用も検討事項となります。あわせて、全従業員を対象とした新制度の内容理解のための研修実施も不可欠です。

関連記事:建築業界・IT情報通信業界における人手不足の現状と対策!人材確保が重要

業務改善と法改正への対応

業務面では、設計から施工までの全プロセスを見直し、効率化が可能な業務を特定・改善する必要があります。DX推進もその方法の一つです。

また、施主と呼ばれる顧客に対しては、法改正の影響や対応策について丁寧に説明し、品質・安全性向上のメリットを訴求するとともに、価格上昇への理解を促す必要があるでしょう。

人材採用の強化・従業員満足度向上が食の福利厚生で実現

建設業界における4号特例見直しに伴い、人材の確保と育成が業界の課題となっています。この課題解決に向けて、食の福利厚生、たとえばエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」の導入が効果的です。

チケットレストラン」は、従業員に専用のICカードを支給し、その支払いを通して食事を補助する福利厚生サービスです。全国25万店舗以上ある加盟店での支払いにおいて、従業員は配布されたICカードが利用できます。

その際、食事補助の税の非課税枠を活用し、一定の条件下で食事代が半額になる仕組みです。ICカードへチャージされた金額は、福利厚生費として取り扱えます。給与で還元される場合と比べると、従業員は所得税の対象外になるメリットが、企業は福利厚生費(経費)として計上できるメリットが得られるのです。

従業員は、同じ金額を給与で上乗せされるよりも手元に残る金額が多いというメリットを得ながら、毎日の食事にプラス1品、息抜きにコーヒーを楽しむ、などの柔軟な使い方ができます。

建設業界は、さまざまな勤務場所や不規則な勤務形態などの理由から、決まった場所や時間に食事をとることが難しいのが現状です。チケットレストランは、全国各地にあるコンビニで使えるため、いつでもどこでも使える点が便利です。また、人材確保が困難な状況下であるからこそ、採用活動で他社との差別化ができます。

従業員のつながり強化に食の福利厚生が活躍した事例

宮城県の地元密着型の総合建設会社中城建設株式会社(従業員数40名、2022年4月導入)の事例では「チケットレストラン」導入により、従業員間のつながり強化を実感したそうです。

導入後、従業員同士が一緒に食事に行く機会が増え、以前は静かだった昼休みが会話で賑わうようになりました。部署を越えた交流が促進され、組織への帰属意識も高まっています。夜間工事の現場でも利用可能なため、さまざまな勤務形態の従業員に対応できているそうです。

4号特例の見直しでは、新しい業務が増えるため、企業内でのコミュニケーションがとりやすいなど、働きやすい勤務環境がより一層求められます。「チケットレストラン」導入により共通の話題が増え、会話もはずむようになるでしょう。

さらに、独自性の高い福利厚生をもつ魅力ある企業として、求人時のアピールポイントにもなり、人材確保にも貢献しているそうです。

なお、同社ではランチにサラダも追加するなど、食事面からも健康促進を図れるようになったという「健康経営優良法人」認定との相乗効果もありました。

企業ホームページ:https://nakashiro.co.jp/
導入事例:中城建設株式会社様

人手不足懸念の2025年に向け着実な準備を

4号特例見直しは、業務の増加、スキル人材の確保・育成など確かに大きな課題をもたらしますが、同時に業界全体の質的向上につながる機会でもあります。法改正を前向きに捉え、自社の競争力強化につなげていくことが、今後の経営において重要です。

チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生を導入することで、企業の資産である従業員のモチベーションアップ、生産性向上などが実現できます。帰属意識を高める効果もあり、企業での定着率アップ、長期的活躍も促すでしょう。本記事で紹介した導入事例である中城建設株式会社のように、従業員の満足度向上と企業の競争力強化を「チケットレストラン」で同時に実現しませんか。

資料請求はこちら