「健康経営」は経営手法のひとつで、10年ほど前から大企業を中心に実践する企業が増えています。健康経営優良法人に認定されると、社会的な評価が高まり採用や業績をプラスになるなど、各企業で効果が出ています。
また、健康経営に取り組むことは、企業が従業員を大切にしていることをストレートに伝えられる手段であるため、従業員の健康意識の改善だけでなく、従業員のモチベーションやコミュニケーションの活性化にも役立ちます。今回は「健康経営優良法人」に認定されるメリットについて解説します。
健康経営優良法人とは?
まず、「健康経営」とは、従業員の健康維持と増進に対するサポートを”企業の経営課題”として取り組む経営スタイルのことを指します。「健康診断の受診」で終わらせるのではなく、企業の経営課題として健康経営を実践することで、一人ひとりの生産性が向上し、ひいては組織の活性化など将来的な収益性を高める投資になります。
「健康経営優良法人」とは、「健康経営」を実践する企業の中で、”経済産業省お墨付きの優良企業”を指します。また、「健康経営優良法人」の大規模法人部門で認定された法人の上位500法人を「ホワイト500」と呼んでいます。日本よりひと足早く「健康経営」に注目していたアメリカで成功事例が認められたことから、経済産業省も積極的に推進しています。
健康経営優良法人になるメリット
少子高齢社会で働き手が少なくなる中、従業員の健康維持はますます重要になっており、若い世代では「働き方に配慮している企業」に就職を希望する割合が増えています。このような背景もあり、「健康経営優良法人」は注目を集めています。また、健康経営に積極的に取り組むことで、社会貢献・企業の利益・従業員を守ることができ、結果として企業イメージを高めることもできます。
企業視点でのメリット
・医療費負担の軽減
・株価を含めた企業の収益性向上
・企業イメージの向上
・国、地方自治体からのインセンティブ
・採用時のPRポイント
従業員視点でのメリット
・健康意識の向上
・仕事のパフォーマンス向上
・働き方改善で休みを取りやすくなったり、家庭事情で退職する必要がなくなる
健康経営優良法人に認定された企業の取り組み例
健康経営優良法人2019に認定された青森県の「株式会社東京堂」(従業員数46人)は、オフィス環境のプランニングや介護用品の販売などをしている企業で、以下のような取り組みを行っています。
・100通り以上のシフトを制定、子育てや介護をしている従業員が働きやすいよう労働環境を改善
・1時間単位で有給休暇を取得可能
・運動促進のための部活動を推奨、社内に室内トレーニング施設を設置
・青森県で男女問わず多い大腸がんの検診を会社負担で全員受診
・自社独自の禁煙対策「禁煙バトン」を実施(すでに4人が禁煙成功)
これにより、同企業の認知度が高まり、取扱商品の販売促進や採用アピールへの効果が出ています。
健康経営優良法人に認定されるには?
健康経営優良法人の認定基準は、以下のような大項目をクリアする必要があります。その後、申請し認定されると認定ロゴや各地方自治体からのインセンティブを受けられるなどのメリットを享受できるようになります。
1. 健康宣言
2. 組織体制
3. 制度・施策
4. 評価・改善
5. 法令遵守・リスクマネジメント
具体的には、社内外に「健康経営」に取り組むことを宣言し、加入している協会けんぽなど保険者の宣言事業に参加することが第一歩になります。次に、社内に健康づくり担当者を置きます。健康経営優良法人として認定されるには、自社の健康課題を把握し、16項目ある施策や制度から最低7つ取り組む必要があります。詳細項目はこちらも合わせてご覧ください。
まとめ
健康経営を実践している企業は21%と少ないものの、国からのお墨付きや社会的な評価、インセンティブを受けられるようになることから、今後取り組む企業はますます増えていくでしょう。
参考資料
平成30年「中小企業への健康経営の普及」 / 経済産業省 ヘルスケア産業化
健康経営優良法人(中小企業部門)の取組事例 / 経済産業省
まとめ
このテキストはサンプルです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。
Shift + Enterで通常の改行となります。Enterのみの場合はhtmlタグ(p)が生成され、テキストの間に余白ができます。