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ワーキングケアラーに有効な支援策を解説。介護離職を防ぐには?

ワーキングケアラーに有効な支援策を解説。介護離職を防ぐには?

2025.03.26

ワーキングケアラーとは仕事をしながら介護を担う人のことで、ビジネスケアラーともいいます。ワーキングケアラーが仕事と介護を両立させるためには、どのような支援策が必要なのでしょうか?ワーキングケアラーの実態を確認した上で、企業が取り組める支援策を解説します。

ワーキングケアラーの実態

仕事をしながら介護を担うワーキングケアラーについて知るために、まずは複数の調査を元にワーキングケアラーの実態を確認しましょう。

ワーキングケアラーは365万人

経済産業省の「令和4年就業構造基本調査」によると、ワーキングケアラーは約365万人です。介護者全体が約629万人のため、介護を担う人のうち58.0%と半数以上がワーキングケアラーであることが分かります。

参考:総務省統計局|令和4年就業構造基本調査

40・50代のワーキングケアラーは212万人

経済産業省の「令和4年就業構造基本調査」を元に、ワーキングケアラーの年代別人数も見ていきましょう。

年代

ワーキングケアラーの人数

30歳未満

13万1,000人

30~39歳

21万8,000人

40~44歳

20万人

45~49歳

39万5,000人

50~54歳

70万4,000人

55~59歳

82万2,000人

60~64歳

62万8,000人

65~69歳

31万人

70歳以上

23万9,000人

この表によると、40~50代のワーキングケアラーは212万1,000人です。365万人いるというワーキングケアラーの中でも、働き盛りといわれる40~50代の割合は約58.1%と半数を超えていることが分かります。

参考:総務省統計局|令和4年就業構造基本調査

ワーキングケアラーは当たり前

仕事と介護の両立に関する経営者向けガイドライン」によると、要介護者と介護者の続柄は、2004年には配偶者・子・子の配偶者がそれぞれ約20%でした。この20年間ほどで配偶者と子の配偶者の割合は減少しており、子が介護を担うケースが増加しています。

要介護者の子世代は、現役世代として働いているケースが多いことから、仕事をしながら介護を担うワーキングケアラーの存在は当たり前のものとなってきています。

参考:経済産業省|仕事と介護の両立に関する経営者向けガイドライン

介護離職を選ぶ人の54.5%が介護休暇・介護休業を利用せず

ワーキングケアラーの中には、介護と仕事の両立が難しく離職を選ぶ人もいます。東京商工リサーチの「介護離職に関するアンケート」調査によると、2022年9月~2023年8月に介護離職が発生した企業は10.1%でした。

このうち54.5%の企業では、介護離職したワーキングケアラーが介護休暇・介護休業を利用していないことが分かっています。

また同調査によると、企業の38.0%は「仕事と介護の両立支援が十分ではない」と回答しているそうです。

十分な支援ができていない理由は「代替要員を確保しにくい」ことや、「自社に前例がない」こと、「介護休業制度が従業員に浸透していない」ことの割合が高くなっています。

参考:東京商工リサーチ|「介護離職に関するアンケート」調査

ワーキングケアラーの支援が必要な理由

1日8時間の労働時間で週5日間勤務するフルタイムの働き方では、介護と仕事の両立は難しいでしょう。通院や通所などにより、突発的に休暇を取らなければいけない場合もあります。

ワーキングケアラーが日々の介護を行いながら働き続けられるようにするには、企業の支援が必要です。この支援に企業が取り組むべき代表的な理由を見ていきましょう。

経済的な損失を避けるため

介護と仕事の両立は難しく、物理的・精神的な負担から労働生産性が低下したり、介護離職につながったりする可能性があります。

仕事と介護の両立に関する経営者向けガイドライン」によると、ワーキングケアラーがこれまで通りに働き続けられなくなることで発生する経済的な損失は、2030年には9兆1,792億円に達するそうです。

企業ごとの損失額は、年間に大企業6億2,415万円・中小企業773万円と計算されています。この損失を避けるには、従業員がワーキングケアラーになっても、これまで通りの働きが可能な支援が欠かせません。

参考:経済産業省|仕事と介護の両立に関する経営者向けガイドライン

人材不足を防ぐため

少子高齢化が進む中、業種を問わず人材不足が深刻化してきています。このような中、従業員がワーキングケアラーになることで労働時間が減ったり、介護離職したりすれば、人材不足はますます進行しかねません。

東京商工リサーチの「介護離職に関するアンケート」調査では、今後「介護離職は増えると思う」と回答した企業が64.5%となっています。介護と仕事の両立が困難なことによる人材不足を回避するには、企業の支援が重要です。

参考:東京商工リサーチ|「介護離職に関するアンケート」調査

関連記事:人手不足が深刻化する日本の現状|統計データのわかりやすい解説と企業の対応策

ワーキングケアラーの介護離職を防ぐ支援策

ワーキングケアラーが働きやすい環境を整えて介護離職を防ぐには、具体的にどのような支援策が有効なのでしょうか?ここでは介護と仕事の両立に役立つ支援策を紹介します。

介護休暇・介護休業など介護支援制度の周知

2017年4月1日に施行された「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を担う労働者の福祉に関する法律(育児介護休業法)」により、対象となる従業員は介護休暇や介護休業を取得できる制度ができました。

厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」を見ると、従業員数100人以上の事業所では、介護休暇・介護休業共に制度を設けている企業の割合が90%を超えています。

このような状況があるにもかかわらず、日本ケアラー連盟の「ワーキングケアラーの就業継続の実態に関する調査報告書」によると、19.7%のワーキングケアラーが「職場に介護のための支援制度は特になし」と回答しています。

利用できる制度があっても、従業員が制度の存在を知らなければ利用できません。ワーキングケアラーが介護と仕事を両立できる体制を作るには、制度の周知が必要です。

参考:
日本ケアラー連盟|ワーキングケアラーの就業継続の実態に関する調査報告書
厚生労働省|令和4年度雇用均等基本調査

独自の介護支援制度の整備

育児介護休業法に定められている制度や措置のみでは、介護と仕事の両立が無理なくできる状況の実現は難しいケースもあります。このような場合には、自社の状況に合わせて、独自の介護支援制度を設けるのが有効です。

例えばJTでは、介護や育児などを理由に本社の通勤圏外に住んでいても、定められた条件を満たせばリモートワークで本社勤務が可能となる「リモートキャリア制度」を設けました。

リモートキャリア制度を利用すれば、本社勤務の従業員が遠方にある実家での介護のために転居したとしても、本社勤務を継続できます。また地方在住で介護を理由に本社勤務が難しい従業員も、本社勤務のキャリアにチャレンジ可能です。

参考:JT|働き方を進化させる「リモートキャリア制度」を新たに導入~多様な人財の更なる活躍推進~

関連記事:【社労士監修】リモートワークにおすすめの福利厚生|働き方に合わせた制度の整備を

柔軟に働きやすい勤務制度の整備

介護離職を防ぐには、状況に合わせて柔軟に働き方を変えられる勤務制度を整備するとよいでしょう。

例えばフレックスタイム制度を導入すれば、通院や通所などの用事が済んでから出社できるため、時間に余裕をもって通勤できます。

リモートワークを導入すれば、通勤にかかる時間がない分、介護との両立がしやすくなりますし、自宅での介護が必要なワーキングケアラーも仕事を続けやすいでしょう。

制度を利用しやすい環境づくり

制度の導入とともに、制度を利用しやすい環境づくりをすることも重要です。ワーキングケアラーが必要に合わせて制度を利用できなければ、制度がないのと変わりません。

自社にはどのような制度があり、どのようなときに利用できるのかを、従業員に周知しましょう。加えてワーキングケアラーが気兼ねなく制度を利用できるよう、日ごろから有給休暇をはじめとする制度を利用するよう上司から働きかけることも重要です。

育児介護休業法の改正について

2025年4月から改正された育児介護休業法が施行されます。

今回の改正で、介護休暇がより取得しやすくなりました。加えて企業には、介護離職防止に向けた雇用環境整備の措置や、利用できる制度に関する個別の周知が義務化されます。

さらに、ワーキングケアラーがリモートワークで働けるよう措置を講じることが、努力義務となります。

改正された育児介護休業法の施行に合わせて、自社の制度をアップデートしていきましょう。

関連記事:【社労士監修】育児介護休業法の改正をわかりやすく解説。2025年から何が変わる?

ワーキングケアラーの両立支援に取り組もう

仕事をしながら介護に取り組むワーキングケアラーは、全国に365万人存在しており、今後も増えていくと予想されています。従業員がワーキングケアラーになることによる労働生産性の低下や介護離職などによる経済的な損失は、2030年に9兆1,792億円になるそうです。

ワーキングケアラーの増加による人材不足や経済的な損失を避けるには、企業による支援が重要です。今ある制度の整備や、自社の業務に合致した独自の制度の導入、柔軟に働きやすい勤務制度の導入などで、ワーキングケアラーが働きやすい環境づくりを行いましょう。

働きやすい環境づくりを考えるときには、福利厚生の充実度アップも検討してみてはいかがでしょうか。

ワーキングケアラーもそれ以外の従業員も、対象者全員が公平に利用できる福利厚生なら、エデンレッドジャパンの提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。

参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~

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