ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントにはどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの特徴と違いに加え、共通のメリットも紹介します。企業にプラスに働くワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントを高める方法も見ていきましょう。
ワークエンゲージメントとは何か
ワークエンゲージメントは従業員の心理状態を表しています。「活力」「熱意」「没頭」がそろい、モチベーションを高く保てている状態です。
「活力」「熱意」「没頭」の意味も確認しましょう。
- 活力:いきいきと仕事をしている状態
- 熱意:仕事にやりがいや誇りを感じている状態
- 没頭:深く集中し仕事に取り組んでいる状態
仕事に対するやる気があり、十分な仕事量もこなし、それにより充実感も得ています。
仕事への意欲も活動量も多い状態
「活動水準」と「仕事への態度・認知」の2軸を交差させてできる4つのスペースで、ワークエンゲージメントは右上に位置します。仕事へのやる気やモチベーションが高く、行動量も多い状態です。
一方、対極の左下にある「バーンアウト(燃え尽き)」は、仕事に対する認識がマイナスで行動量も少ない状態です。もともと積極的に仕事に取り組んでいる人でも、疲労感から燃え尽きてしまう可能性があります。
左上は「ワーカホリズム」です。強迫観念から仕事に取り組んでいます。活動量はワークエンゲージメントと同じくらい多いですが、仕事への気持ちはネガティブで、自発的にやりがいを持って取り組んでいるわけではありません。
右下に位置する「職務満足感」は、仕事上の立場や役割に対する満足度は高いけれど仕事量は少ない状態です。生産性の向上や業績アップへの貢献は期待できません。
従業員エンゲージメントとは何か
従業員エンゲージメントは、企業理念や会社のビジョンに共感した従業員の「会社へ貢献したい」という意欲です。「理解度」「帰属意識」「行動意欲」の3つの要素で構成されるといわれています。
企業のビジョンへの「理解」
自然な気持ちから従業員が「会社へ貢献したい」と感じるようになるには、まず企業の掲げる理念やビジョンへの「理解」が必要です。企業が向いている方向はどちらなのかを理解し、その方向性に賛同できる場合に、従業員エンゲージメントが高まります。
企業への「帰属意識」
「帰属意識」も従業員エンゲージメントの重要な要素です。帰属意識が薄い場合、企業理念やビジョンを理解しても、共感度はそこまで高まらないでしょう。従業員が「自分はこの企業の一員だ」という意識により、共感が生まれやすくなります。
企業のために動く「行動意欲」
企業が描くビジョンを実現できるよう、「どうすれば達成できるだろうか?」と自ら考え動く「行動意欲」も従業員エンゲージメントの要素の1つです。従業員へ効果的なフィードバックの実施や、必要とされていることを実感できるような声掛けにより、行動意欲の高い従業員を増やせます。
ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントの違い
言葉が似ているワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントですが、意味は異なります。ワークエンゲージメントは仕事そのものに対するポジティブな意欲です。一方、従業員エンゲージメントは企業への帰属意識や愛着から出てくる、自発的に役立とうとする気持ちを意味します。
どちらも積極的に仕事に取り組むため表面上は同じように見えるかもしれません。ただし行動がどこから発生するものか、という点には違いがあります。
またワークエンゲージメントが学術的に定義されているのに対し、従業員エンゲージメントは学術的に定義されていないのも違いです。
共通のメリット
ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントは違うものですが、企業にとってはどちらにもメリットがあります。特に両者に共通するメリットについて見ていきましょう。
業績アップ
積極的に仕事に取り組むという行動面では、ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントは共通しています。
ワークエンゲージメントが高い従業員であれば、仕事に対し熱意を持って取り組むでしょう。従業員エンゲージメントの高い従業員は「どうすれば企業にプラスになるか?」と考え自発的に仕事をします。
結果的にどちらが高い場合にも、企業の業績アップが期待できます。
顧客満足度アップ
ワークエンゲージメントも従業員エンゲージメントも、高いと業績アップが期待できると分かりました。業績アップの過程では、よりよい商品やサービスが開発されているでしょう。顧客への対応の改善も行われているかもしれません。
よりよいものを購入できるようになり、顧客満足度が上がることも考えられます。
従業員のモチベーションアップ
従業員が仕事に対するモチベーションを高く保ちやすいことも、メリットとしてあげられます。ワークエンゲージメントが高い従業員はメンタルヘルスが良好で、ダメージを受けてもすぐに回復しやすい状態です。精神的な健康状態がよいため、モチベーションをキープしやすくなります。
また従業員エンゲージメントが高いと、自分の取り組んでいる仕事に価値を見出しやすくなるのが特徴です。働きがいを持って取り組めるようになるため、モチベーションアップにつながります。
従業員の定着率アップ
離職する従業員が減り、定着率が高まるのもメリットです。ワークエンゲージメントの向上で従業員の定着率が高まるのは、「よりよいものを作れないだろうか?」「改善の余地はないだろうか?」と積極的に仕事に取り組み始めるためです。おもしろい仕事のために働き続けたいという気持ちから、従業員定着率の向上が見込めます。
従業員エンゲージメントの向上で定着率が高まるのは、帰属意識によるものです。企業そのものや部署、上司、先輩、同僚など、さまざまなつながりを感じることで、転職より今の職場で頑張る道を選ぶ人が増えます。
ワークエンゲージメントを高める方法
企業の業績や顧客満足度などにつながるワークエンゲージメントを高めるには、「仕事の資源」と「個人の資源」の両方を増やすとよいでしょう。
- 仕事の資源:周りからのサポート、仕事へのフィードバック、能力開発のための研修など
- 個人の資源:自己効力感、自尊心、楽観性など
片方を増やすともう一方も増える相乗効果を得やすいのもポイントです。例えば周りからサポートを受けながら大きなプロジェクトを達成したとき、自尊心や楽観性が育まれます。以前よりリラックスした気持ちで仕事に取り組めるようになり、さらに成果を出しやすくなるでしょう。
ここでは2つの資源を増やすためにできる方法を紹介します。
人員配置や報酬の見直し
従業員が仕事におもしろさを感じ積極的に取り組む状態を作るには、スキルや技術を生かした人員配置を行わなければいけません。従業員一人ひとりの持つ能力を正しく見極め、適材適所に配置できているでしょうか?人員配置の見直しが必要なケースもあります。
成し遂げた仕事に対し適正な報酬が支払われる仕組みも必要です。頑張ればその分報酬に反映される仕組みで、従業員の意欲を引き出しやすくなります。
コミュニケーションの取りやすい関係の構築
困ったことが起こったときや悩みがあるときに、気軽に相談できる人間関係も、ワークエンゲージメントの向上につながります。従業員同士の良好なコミュニケーションには、会話が生まれやすい場所の提供が有効です。
例えばコーヒーやお茶など飲み物を飲める休憩スペースを設置すれば、利用した人同士で挨拶やちょっとした会話が始まり、仕事の相談をしやすい関係作りが期待できます。
職場環境の整備
オンとオフを切り替えやすい職場環境の整備もポイントです。仕事に集中して取り組むには、リラックスする時間が欠かせません。職場に仕事をするスペースしかない場合、職場にいる間中気が休まらず、集中力を保ちにくくなる可能性があります。
集中力を発揮し仕事に取り組みやすい環境作りが、集中力の面からワークエンゲージメントの向上に役立ちます。
従業員エンゲージメントを高める方法
従業員エンゲージメントは企業に対する帰属意識から発生するため、高めるには企業理念への理解が欠かせません。その上で働きやすい環境整備にも取り組ます。
企業理念の浸透
まずは従業員へ企業理念やビジョンを伝えます。1度伝えて終わりではなく、機会があるごとに繰り返し何度も説明しましょう。日ごろ目に入る場所へ分かりやすく掲示するのもおすすめです。
従業員の中には最初はピンとこなかったけれど、何度も説明を受け理解できたという人もいるでしょう。企業理念を正確に理解することで帰属意識も抱きやすくなります。正しい理解があるからこそ、何が企業に役立つか考え行動できるようになるでしょう。
ライフワークバランスを取る
テレワークや時短勤務などさまざまな働き方を整え、仕事とプライベートのバランスを取りやすくすることも重要です。従業員が自身のライフスタイルやライフステージ合うよう柔軟に働き方を変えられれば、仕事に対するモチベーションの向上が期待できます。
限られた時間を効率的に使い仕事に取り組むことで、労働生産性も上がるかもしれません。
自由に発言できる環境作り
従業員エンゲージメントを高め、従業員一人ひとりが自発的に仕事に取り組む状態を目指すとき、思ったことを自由に発言できる環境が重要です。
失敗したときに非難される職場では、従業員は発言を求められても話したくないでしょう。この状態では従業員主導で仕事が回る状況にはほど遠いですし、よいアイデアが出てきにくくなってしまいます。
福利厚生の充実
従業員のことを考え大切にしている姿勢を示すには、待遇を充実させるとよいでしょう。給与や賞与以外に魅力的な福利厚生の提供も、従業員エンゲージメントの向上に役立ちます。
ただし自社のみで福利厚生を新たに導入する場合、何をどのように取り入れるか計画することも、実際に導入したあとの管理にも手間がかかります。できるだけ負担をかけずに福利厚生を充実させるには、福利厚生サービスの導入がおすすめです。
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ワークエンゲージメントも従業員エンゲージメントも企業にプラス
ワークエンゲージメントは仕事に対しポジティブな意欲を持ち活動的に取り組む状態です。一方、従業員エンゲージメントは企業理念を理解し賛同した上で、自発的に「企業に役立ちたい」という気持ちを表します。
どちらも表面に表れるのは積極的な行動です。従業員が自発的に動く状態ができるため、業績アップも期待できます。
企業にプラスに働くワークエンゲージメントや従業員エンゲージメントを高めるには、職場環境や待遇の改善が欠かせません。福利厚生の充実もその1つです。
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