2025年、私たちの暮らしを直撃する「値上げラッシュ」が加速しています。年度始めとなる4月には多くの品目で値上げや価格改定が公表されました。この勢いは止まることなく、5月以降も続きます。
本記事では、2025年5月から実施される値上げ情報を紹介します。
2025年の値上げ状況
2月28日に公表された帝国データバンクの分析「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2025年3月」によると、2025年の値上げ品目数は8月までの公表分で既に1万797品目に上っており、前年より4か月も早いペースで進行しています。
2025年に入ってからは1月、2月、3月と右肩上がりで値上げ品目が増え、3月だけでも2343品目もの値上げとなりました。これは前年同月比を3か月連続で上回る(+1576品目、+205.5%)という驚異的な勢いです。値上げ傾向が続けば、2025年の値上げ総数は2万品目に達する可能性があるとの見通しが示されています。
出典:帝国データバンク|「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年3月
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2025年5月から値上げされる主な商品一覧
食料品、日用品、たばこ、サービス料金など、日々の生活に直結するものから嗜好品までさまざまな商品の値上げが予定されています。
食品
企業名 | 対象 | 商品例 | 値上げ率 |
ハウス食品 | ルウ製品、レトルト製品、その他製品 | 「バーモントカレー中辛」、「ククレカレー中辛」、「マロニーちゃん」 | 平均8〜15% |
伊藤ハム | ハム・ソーセージ、調理加工食品(乳製品含む)60品目 | 「朝のフレッシュあらびきポークウインナー 90g×2」、「キリクリーミーポーション 6個入り」 | 約2%~18% |
米久 | ハム・ソーセージ、調理加工食品 35品目 | 「串つきフランクフルト」 | 約2%~23% |
ハウス食品は、家庭用カレー製品を中心に値上げ予定です。また、2025年8月1日納品分から「200g フルーチェ イチゴ」などのデザート製品も価格改定する方針を公表しています。
伊藤ハム米久ホールディングスでは、原材料費や人件費、物流費の高騰を理由として価格改定および原材料を見直す規格変更を実施します。
出典:
ハウス食品グループ本社株式会社|家庭用製品の価格改定のお知らせ
伊藤ハム米久ホールディングス株式会社|価格改定のお知らせ(伊藤ハム)、価格改定のお知らせ(米久)
菓子・チョコレート
企業名 | 対象 | 商品例 | 値上げ率 |
ネスレ日本 | 菓子(キットカット)12品 | 「キットカット 11枚」、「キットカット 大人の甘さ 10枚」 | 約15〜16% |
明治 | 菓子(チョコレート)2品 | 「きのこの山」、「たけのこの里」 | 価格据え置き、内容量変更10〜約11%減 |
ネスレ日本では主力商品の「キットカット」12品目を値上げします。「キットカット 11枚」は、税込で685円から788円へと価格が見直されます。長期的な円安に加えてカカオ豆の高騰が続き、企業努力での吸収が困難となったためです。
チョコレート菓子などを中核とする明治は、5月20日出荷分より「きのこの山」を74gから66g、「たけのこの里」を70gから63gへ価格据え置きの実質値上げを行い、内容量を変更します。
出典:
ネスレ日本株式会社|ネスレ日本 菓子製品の価格改定について
株式会社明治|価格改定および内容量変更のお知らせ
飲料
企業名 | 対象 | 商品例 | 値上げ率 |
不二家 | 飲料商品 4品 | 「ネクターこだわり白桃」、「レモンスカッシュ」 | 約8〜13% |
UCC上島珈琲 | 家庭用レギュラーコーヒー19製品、飲料22製品 | 「UCC ゴールドスペシャル スペシャルブレンド」、「UCC 職人の珈琲 無糖」 | 約15〜30% |
洋菓子以外にも缶、PETボトル飲料の卸売も手がける不二家では、国内外の原材料価格の高騰、包装資材コストや運送コスト上昇を理由に、 5月1日出荷分より飲料商品4品目を値上げします。
UCC上島珈琲は、異常気象や世界的需要増で供給量の減少を受け、生豆相場が過去最高水準に到達するなど、調達価格の高騰を理由に約30%の値上げに踏み切ります。なお、2025年3月にも値上げを実施しており、今年に入って2度目です。
出典:
株式会社不二家|飲料商品の価格改定のお知らせ
UCC上島珈琲株式会社|家庭用一部製品の価格改定について
たばこ
企業名 | 対象 | 商品例 | 値上げ率 |
日本たばこ産業 | たばこ24銘柄 | 「キャメル・クラフト・14・ボックス」、「メビウス・プレミアムゴールド・レギュラー・ウィズ用」 | 約8〜13% |
出典:JT|一部銘柄の小売定価改定の認可申請について
日本たばこ産業(JT)では、紙巻きたばこ「キャメル・クラフト」全18銘柄、加熱式たばこ「ウィズ」全6銘柄について財務省に値上げ申請を行いました。財務大臣の認可を受けられれば、5月1日より20円値上げ予定です。たばこ消費の減少と、原材料費の高騰を理由としています。
日用品・家庭紙製品
企業名 | 対象 | 商品例 | 値上げ率 |
日本製紙クレシア | 家庭紙製品を含む同社製品全般 | 「クリネックス ティシュー 5箱パック」、「スコッティ ティシュー 5箱パック」 | 10%以上 |
日本製紙クレシアは、原材料や物流コストの上昇などを理由として、5月1日出荷分より順次値上げを実施します。家庭紙製品の価格改定は業界全体で広がっており、同社は追随する形となりました。トイレットロールやティッシュは生活必需品です。各企業で家庭紙製品全般の値上げとなると、家計への影響は避けられず、厳しい状況が予想されます。
【2025年4月実施の家庭紙製品の値上げ一覧】
- 大王製紙(エリエールブランド):2025年4月1日出荷分より10%以上値上げ
- カミ商事(エルモアブランド):2025年4月21日出荷分より10%以上値上げ
- 王子ネピア(ネピアブランド):2025年4月21日出荷分より10%以上値上げ
出典:
日本製紙クレシア株式会社|製品の価格改定に関するお知らせ
大王製紙株式会社|家庭用・業務用紙製品の価格改定について
カミ商事株式会社|家庭紙製品の価格改定について
王子ネピア株式会社|家庭紙製品の価格改定に関するお知らせ
設備・機器
企業名 | 対象 | 商品例 | 値上げ率 |
リンナイ | 給湯機器などを含む国内販売商品 | ふろ給湯器、ビルトインガスコンロ、ガスファンヒーター | 平均2〜16% |
リンナイは、取引先からの価格改定要請を受け入れ、サプライチェーン全体のコスト上昇に対応すべく、5月1日より値上げを行います。中小企業などの取引先をパートナーとして捉える姿勢は評価に値しますが、値上げの結果は現実的です。
出典:リンナイ株式会社|価格改定のお知らせ
サービス料金
2025年5月、ゴールデンウィークと重なるタイミングでサービス料金の値上げも加速します。
企業名/サービス名 | 対象 | 変更例 | 値上げ率、または額 |
JAL、ANA | 2025年4月~5月に発券される航空券に適用する燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ) | ・「北米・欧州・中東・オセアニア」3万3,000円(現行2万9,000円) ・「韓国」3,500円(現行3,000円) |
500円〜4,000円 |
ウォルト・ディズニー・ジャパン | 公式動画配信サービス「ディズニープラス」 | ・ディズニープラススタンダード
1,140円/月、11,400円/年(現行990円/月、9,900円/年) ・ディズニープラスプレミアム1,520円/月、15,200円/年(現行1,320円/月、13,200円/年) |
約15% |
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン | USJ入場券 | ・「1デイ・スタジオ・パス」の最高価格(大人)11,900円(現行10,900円) | 1,000円 |
コストコホールセールジャパン | コストコ年会費 | ・ゴールドスター(個人会員)5,280円(現行4,840円)
・エグゼクティブ会員(個人・法人) 1万560円(現行9,900円) |
約10% |
燃油サーチャージは、燃油価格の変動に応じて2か月ごとに見直されます。4月1日から5月31日にかけては、500円から最大4,000円の負担増で、航空運賃の実質的な値上げとなります。
「ディズニープラス」の月額利用料は、年額にすると2か月お得な現状の料金体系を維持しつつ、約15%の値上げとなりました。新規加入は4月より、現在加入中の場合は5月から新料金が適用されます。
USJ入場券の最高価格は1万1,900円になる見込みです。これは東京ディズニーリゾートを超える価格設定であり、ゴールデンウィーク利用にも影響を与えるでしょう。
会員制の大型スーパーとして人気のコストコも5月から年会費を値上げします。同社は商品とサービスの質と価値を高めていくためと説明しています。
出典:
日本航空株式会社|国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
ANAホールディングス|燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社|「ディズニープラス」 料金改定のお知らせ
日本経済新聞|USJ入場券の最高価格、1000円上げ1万1900円 TDR超え
コストコホールセールジャパン株式会社|重要なお知らせ 2025年
今後の値上げ見通し
2月28日に公表された帝国データバンクの分析「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2025年3月」によると、2025年の値上げ品目数は早ければ4月にも前年実績(1万2520品目)を上回り、年間累計では2万品目前後に達する見通しです。
現状、1ドル150円前後という円安水準が長期化しており、輸入食材の値上げ圧力が高まる一方で、国内調達の原材料でもコメなど生鮮食材の価格上昇が続いています。企業努力では補いきれない分につき価格転嫁が行われるため、今夏にかけて断続的な値上げラッシュの発生が見込まれます。継続的な家計管理がより一層求められることになるでしょう。
出典:帝国データバンク|「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年3月
値上げラッシュにどう対応するかが課題
2025年5月、値上げラッシュは続いています。この傾向は前年に比べて強まっているようです。値上げの要因は複合的で、原材料高だけでなく、物流費や人件費、さらには下請け企業からの要請などさまざまなコスト増加要因が重なっています。
消費者は計画的な家計管理がより一層重要になる一方、企業においては従業員の生活負担をサポートする取り組みが急務となっています。
企業ができる支援策として注目されているのが食事補助などの福利厚生です。2025年に入って相次ぐ食料品の値上げに対して、直接的な効果が期待できます。
例えば「チケットレストラン」は全国のコンビニやカフェで使えるICカードを通じて食事を補助できるサービスです。一定の利用条件下で福利厚生費(経費)として非課税扱いが可能なため、従業員の実質的な手取りを増加させられます。このような仕組みは賃上げの代替策としても有用です。値上げラッシュ対策に「チケットレストラン」を導入してみてはいかがでしょうか。
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