資料請求
English

エデンレッドブログ

-働く人と働きたい人のための福利厚生ブログ-

【2025年】介護職の賃上げ動向と今後の展望をチェック

【2025年】介護職の賃上げ動向と今後の展望をチェック

2025.01.14

介護業界では深刻な人材不足を背景に、給与水準の改善が継続的に進められています。2024年には新たな処遇改善加算が導入され、さらなる賃上げが実施されました。
本記事では2024年から2025年にかけての介護職の賃上げ動向と、収入アップのための具体的な方法を紹介します。

2024年度の介護職賃上げの実績

2024年の前半に、政府主導による介護職の賃上げが実施されています。内容をみていきましょう。

2024年前半(2月~5月)の賃上げ

2024年2月から5月にかけて、政府は「介護職員処遇改善支援補助金」として介護職員1人あたり月額平均6,000円程度の賃上げを支援しました。6,000円の数値は、収入を2%程度引き上げるための値です。

この措置は2024年4月から施行された介護報酬改定に先駆けて行われており、介護職員の処遇改善を目的としていました。また、介護職員ベースアップ等支援加算を取得している事業所の介護職員であれば、支給額は事業所判断とはなるもののパート従業員も支給対象に含まれます。

【令和6年2月からの介護職員処遇改善支援補助金の要点】

  • 対象期間:2024年2月~5月の賃金引き上げ分
  • 賃上げ額:介護職員一人当たり月額平均6,000円程度
  • 対象者:介護職員(パート職員も労働時間に応じて対象)
  • 適用条件:介護職員ベースアップ等支援加算を取得している事業所

出典:厚生労働省|令和6年2月からの介護職員処遇改善支援補助金について

2024年後半(6月以降)の賃上げ

2024年6月からの介護報酬改定(6月からの新処遇加算の施行)により、さらなる処遇改善が実施されています。厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」によると、2024年の介護報酬改定における改定率1.59%のうち、0.98%が介護職員、0.61%が管理者や他職種など介護職員以外の処遇改善に充てられています。

政府は新たな処遇改善加算の創設により、2024年は2.5%、続く2025年は2.0%のベースアップを目標設定しました。たとえば、月額給与が32万円の場合、月額約8,000円の増加となり、年間増加額は約96,000円となります。

出典:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改定事項について

2025年度の介護職賃上げ見通し

介護職の給料は年々増加しているため、今後も賃上げが続く可能性が高いとされています。ここでは、2025年度の賃上げ見通しの判断材料となる2つのトピックスを取り上げます。

2025年の賃上げ目標は2.0%

先ほど触れたとおり、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」では、2025年も2.0%のベースアップ目標が明記されており、政府は介護職の処遇改善を推し進める意向です。

また、2024年度の介護報酬改定に関する「大臣折衝事項」(2023年12月20日)を引用する形で、3年目の対応については2年目までの処遇改善の実施状況等や財務とあわせて2026年(令和8年)度の予算編成過程で検討することも述べられました。今後の政府による介護職の処遇改善は2026年度の予算編成のときに注目されるでしょう。

出典:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改定事項について

2025年問題への対応で待遇改善強化

日本は団塊の世代が75歳以上を迎え、超高齢社会を迎える「2025問題」への対応として、介護需要が急激に拡大します。介護サービスの需要拡大に伴い、介護人材確保のための待遇改善が強化される見込みです。

内閣府の「令和6年版高齢社会白書」では、2025年には75歳以上が2,154万人、2030年には2,261万人になると予測されています。

介護職 賃上げ出典:内閣府|令和6年版高齢社会白書

介護職の賃上げを給与推移で確認

介護職の賃上げはどのような推移を辿っているのでしょうか。ここでは常勤介護職員の給与推移から、実態を確認します。

介護職員(月給・常勤)の給与推移(厚生労働省調査より)

常勤の介護職員平均給与についての給与推移は以下のとおりです。2016年から2022年にかけて、6年間で約2万円増加しています。

年月 平均給与額 前年との差
2016年(平成28年)9月 28万9,780円 -
2017年(平成29年)9月 29万7,450円 7,670円
2018年(平成30年)9月 30万970円 3,520円
2020年(令和2年)9月 31万5,850円 14,880円
2021年(令和3年)9月 31万6,610円 760円
2022年(令和4年)9月 31万7,540円 930円

出典:厚生労働省|介護従事者処遇状況等調査 平成28年度平成29年度平成30年度令和2年度令和3年度令和4年度

介護職の賃上げを実現する4つの方法

2025年に職員の賃上げを実現するには、どのような方法があるのでしょうか。ここからは企業ができる施策を具体的に紹介します。

資格取得によるキャリアアップを推進

介護職員がキャリアアップを目指すには、資格取得の推進が重要です。介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネージャー)などの資格を取得することで、より専門的なスキルを証明し、高い業務に就くことが可能です。

給与については資格がある方が高い水準となることが「令和4年度介護従事者処遇状況等調査 」では示されました。無資格者の月給26万8,680円に対し、介護職員初任者研修修了者は月給30万240円、介護福祉士取得者は月給33万1,080円と、資格の有無によって大きな給与差があることが示されています。

資格 平均給与額
保有資格あり全体 32万540円
介護福祉士 33万1,080円
社会福祉士 35万120円
介護支援専門員 37万6,770円
実務研修者 30万2,430円
介護職員初任者研修 30万240円
(参考)保有資格なし 26万8,680円

出典:厚生労働省|令和4年度介護従事者処遇状況等調査

長期的キャリア形成の支援

同一職場で長期勤続することで、給与や待遇は向上する可能性が高まります。さらに、リーダーシップを発揮し、チームを率いる役割や管理職として施設運営に関わる立場にステップアップすることも可能です。

令和4年度介護従事者処遇状況等調査 」では、前述のとおり令和4年9月の全体での介護職員の平均給与額は31万7,540円、1年目では28万550円、5年目では30万5,970円、10年目では32万2,990円、20年以上では37万1,640円となりました。勤続年数が平均給与額に影響していることを示しています。

研修導入などでステップアップする機会を提供しつつ、介護職員の長期的なキャリアを支援することが重要です。

出典:厚生労働省|令和4年度介護従事者処遇状況等調査

処遇改善加算の活用

2024年6月から新たな「介護職員等処遇改善加算」が始まり、これまでの3つの処遇改善制度(介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算)が一本化されました。制度改正により事務負担が軽減され、より多くの施設での加算取得が期待されています。

なお、厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、91.3%の事業所が加算対象事業所となる見込みです。

出典:厚生労働省|令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

関連記事:介護報酬改定2024をわかりやすく解説!企業が取り組むべきことは?

福利厚生制度の活用

介護職員の収入アップには、国の処遇改善加算による基本給の引き上げだけでなく、各事業所が提供するさまざま手当や福利厚生制度の活用もポイントとなります。とくに夜勤手当は1回あたり3,000~6,000円の収入増が見込め、月4〜5回の夜勤で大きな収入アップにつながるでしょう。

多くの介護施設では、資格手当、職務手当、通勤手当、住宅手当などの制度を設けているほか、食事補助や育児支援なども充実させている傾向です。直接的な収入増と実質的な家計の負担軽減につながる福利厚生制度は、給与の見直しが難しい介護職で重要な役割を果たします。

関連記事:手当にはどんな種類がある?会社が支給する手当を一覧でチェック

食の福利厚生で満足度向上と賃上げを実現「チケットレストラン」

生活に直結する福利厚生では、日常的に使用可能な食事補助が人気です。エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、導入実績3,000社以上を誇る食事補助の福利厚生サービスであり、専用のICカードが使える加盟店であれば、全国どこでも使用できる利便性の高さを備えています。

介護・高齢者施設の経営と運営を行う株式会社ハートコーポレーションの場合、休憩時間に外食することが難しく、職員の多くが出社前にコンビニで食事を購入していることに注目し、「チケットレストラン」を導入しています。夜勤の日は2食分購入するといった柔軟性を備えている点が、介護職員の勤務スタイルとマッチし、満足度向上に寄与しました。「プチ贅沢を楽しめる」といった賃上げ効果を喜ぶ声も届いており、人材定着にも貢献しています。

企業ホームページ:https://www.heartco.jp/
導入事例ページ:株式会社ハートコーポレーション様

関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

介護職の賃上げでは他者と差別化できる対策も検討

介護職の給与は、国の施策により着実な上昇が見込まれています。2024年から2025年にかけての継続的な賃上げに加え、個人の努力による収入アップの機会も広がっています。資格取得推進やキャリアアップ、福利厚生の活用など、複数の方法を組み合わせることで、さらなる処遇改善を目指すことが可能です。

ただし、介護報酬は明確な基準がある以上、簡単に収入増が叶わないケースもあるでしょう。本記事で紹介した「チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生であれば、給与以外の方法で職員に還元できます。介護職員の満足度向上、賃上げ、そして人材採用・定着の差別化にも貢献する「チケットレストラン」の導入を検討してみませんか。

資料請求はこちら