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令和6年版厚生労働白書概要―こころの健康と向き合う社会を目指して―

令和6年版厚生労働白書概要―こころの健康と向き合う社会を目指して―

2024.10.31

2024年8月27日に、令和6年版の厚生労働白書が公表されました。令和6年度版のテーマは「こころの健康と向き合う社会を目指して」です。本記事では「令和6年版行動計画白書」の概要を解説します。

厚生労働白書とは?令和6年版の概要

厚生労働白書は、厚生労働省が毎年発行する行政報告書で、厚生労働行政の現状や将来展望を国民に分かりやすく伝えることを目的としています。

白書は2部構成です。第1部は、年度ごとに設定される特集テーマに基づき、社会の動向を踏まえた内容です。第2部では、現在の重要政策課題について、最新の取り組みや施策の進捗状況を詳しく解説します。

令和6年度版厚生労働厚白書の概要は以下のとおりです。

【第1部】テーマ「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」
・こころの健康を取り巻く環境とその現状について考察しています。
・こころの健康に関する取り組みの現状を整理しています。
・上記を踏まえ、「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会」への方向性を提示しています。

【第2部】「現下の政策課題への対応」
子育て、雇用、年金、医療・介護など、厚生労働行政の各分野について、最近の施策の動きをまとめています。

引用元:厚生労働省|「令和6年版厚生労働白書」を公表します

本記事では上記の構成に沿って、部や章ごとの概要を掴んでいきます。

第1部 こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

第1部の冒頭では、こころの健康とはどういうことなのか、定義を確認します。

はじめに:「こころの健康」と「こころの不調」について

令和6年版の厚生労働白書(以下、白書とする)は、「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」がテーマです。白書では、WHOの定義に基づき、「こころの健康」を「人生のストレスに対処しながら、自らの能力を発揮し、よく学び、よく働き、コミュニティにも貢献できるような、精神的に満たされた状態」と位置付けています。

注目したいのは、「こころの健康」と「こころの不調」という概念が示された点です。こころの不調がない人であっても、こころの健康の水準が低いことがあること、こころの不調を抱える人であっても、こころの健康の水準が高いことはありうる、という関係性が示されました。精神障害の有無にかかわらず、こころの健康の水準が低い状態になりうることを示しています。

厚生労働白書 令和6年01出典:厚生労働省|令和6年版厚生労働白書(概要)

第1章 こころの健康を取り巻く環境とその現状

第1章では、こころの健康を取り巻く環境とその現状を分析します。精神障害や自殺など、こころの不調の背景には、個人差はもちろん多様なストレス要因があります。統計を元に、個人の置かれた状況を丁寧に見ていく必要性が強調されました。

増加する精神疾患患者と労災認定

2020年の精神疾患を有する外来患者数は約586万人に達しており、この20年間で2.5倍以上増加しています。また、精神障害による労災請求は増加の一途をたどっており、2022年度の支給決定(認定)件数は710件と過去最多を記録しました。

厚生労働白書 令和6年02出典:厚生労働省|令和6年版厚生労働白書(概要)

深刻な自殺の現状

2023年の自殺者数は21,837人となっており、とくに小中高生の自殺者数が513人と過去2番目に多い数値を記録したことは、社会として早急な対応が必要と課題認識されました。さらに、G7諸国との比較において、日本の自殺死亡率は最も高く、なかでも女性の自殺率が突出して高いことが指摘されています。

第2章 こころの健康に関する取組みの現状

第2章では、こころの健康に関する取り組みの現状を紹介します。地域や学校での取り組み、職場での対策、そして社会全体を捉えた施策まで、幅広い視点から現状を分析します。

また、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的なコミュニティや地域社会の実現こそ、地域共生社会の実現に向かう上で欠かせない仕組みと強調されました。

厚生労働白書 令和6年03出典:厚生労働省|令和6年版厚生労働白書(概要)

ライフステージごとのストレス要因

成長期である幼年期から青年期には、家庭環境や学校での人間関係など、人格形成の基盤となる環境からのストレスに直面しています。とくに、進学などの人生の転換点における精神的負担は影響力があります。

続く壮年期・中年期のストレス要因は、職場での責任や人間関係、結婚・出産といったライフイベント、そして仕事と家庭生活の両立など、社会的役割の多様化に伴う傾向です。親の介護という新たな負担が加わることが多い時期とも言えます。

高齢期・老年期では、退職による社会的役割の喪失や、配偶者との死別体験といった喪失体験が大きなストレス要因となります。また、活動量の低下による心身機能の衰えも、精神的健康に影響を与える重要な課題になると指摘されました。

現代社会特有の課題

白書では、現代社会特有の課題「デジタル化による孤独・孤立」「社会的障壁」についての分析もしています。

急速なデジタル化への戸惑いや、つながりの希薄化による孤独・孤立が、新たなこころの健康リスクとして浮かび上がっています。とくにコロナ禍を経て、その課題は一層顕著となっていると指摘されました。

また、差別や偏見(スティグマ)、社会的排除といった社会的障壁も、こころの健康に大きな影響を与える要因として挙げられました。

【参考】こころの健康を脅かすリスクはストレス

厚生労働省の意識調査によると、「総合的な健康状態にとって最もリスクとなること」として「精神病を引き起こすようなストレス」を選ぶ人の割合が、2004年の5.0%から2024年には15.6%へと20年間で3倍以上に増加しました。メンタルヘルスへの社会的関心の高まりと、その重要性の認識の広がりを示しています。

厚生労働白書 令和6年04出典:厚生労働省|令和6年版厚生労働白書(概要)

【参考】こころの健康を支える人間同士のつながりの重要性

白書では、こころの健康によい影響を与える存在として「同居の家族」を挙げる回答が最も多く、67.3%(「よい影響を与えている(36.5%)」+「どちらかといえばよい影響を与えている(30.8%)」)に達することが判明しています。一方で、「居住地域の近隣の人」については30.5%にとどまり、地域コミュニティの希薄化が見られました。

特筆すべきは、単身者の場合、個人的な友人・知人との関係性が家族の代替として機能している可能性が示唆されている点です。多様な形態での「つながり」の重要性を示す結果となっています。

厚生労働白書 令和6年05出典:厚生労働省|令和6年版厚生労働白書(概要)

第3章 こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

第3章では、ライフステージ全般でこころの健康と向き合うことが重要だと強調します。「隣人のこころの健康にも留意する」「自己決定の幅を広げる」ことも掲げ、個人と社会の相互作用でよい影響を与えながら、健やかに暮らすことのできる社会になる必要性を述べます。

健康づくりの方向性

こころの健康づくりに向けて、地域、職場、そして社会全体での包括的な取り組みの方向性が示されました。強調されたのは、こころの不調を抱える人々の意思を尊重し、積極的に地域社会に参加してもらうことが重要であることです。当事者の参加が、互いに支え合う関係性の構築や、社会的な理解促進につながると考えられています。

厚生労働白書 令和6年06出典:厚生労働省|令和6年版厚生労働白書(概要)

第2部 現下の政策課題への対応

続いて「現下の政策課題への対応」について言及する第2部を見ていきましょう。各章では話題をピックアップする形で概要を捉えます。

はじめに:我が国の人口動態:本格的な「少子高齢化・人口減少時代」へ

第2部の冒頭では、現在の社会が抱える課題を3つの統計を用いた切り口で紹介します。

  • 合計特殊出生率:2023年に過去最低を記録した出生率が示す深刻な少子化
  • 日本の総人口の推計:2070年までの人口推計が描く厳しい未来
  • 人口ピラミッド:少子高齢化が急速に進む人口構造の変容

2022年12月の全世代型社会保障構築会議では、少子化を「国の存続そのものに関わる問題」と位置付け、強い危機感を示しています。厚生労働省は、「少子高齢化・人口減少時代」を迎えるという課題に対応するため、子育て支援の充実や働き方改革など、経済社会の多様性や持続可能性を支える取り組みを進めています。

特集 令和6年能登半島地震への厚生労働省の対応について

2024年1月1日に発生した能登半島地震は、発生後直ちに厚生労働省での「特定災害本部」が設置され、今でも施策に取り組んでいる事例として白書で特集が組まれました。災害時における医療・介護・福祉の高いニーズと特別な対応は、大規模災害発生に向けての学びでもあります。

特別な対応としては、第1に、高齢化が進む地方部での大規模災害という特徴が挙げられます。被災地の人口構造を反映し、要配慮者への対応に課題が生じました。避難所生活の長期化による健康悪化リスクが深刻化し、医療・介護ニーズへの迅速な対応を要する状況だったためです。

第2に、被災地の地理的特性による支援の難しさが明らかになっています。道路の寸断により被災地へのアクセスに制限が生じ、医療支援や物資供給に遅延が発生しました。これに対し、DMAT(災害派遣医療チーム)やDPAT(災害派遣精神医療チーム)、DWAT(介護関係職員のチーム)など、複数の専門職チームを組織的に投入し、包括的な支援体制を確立しています。

第3に、被災者支援における新たなアプローチが実践されました。ICTを活用した避難所の健康管理や、要配慮者の二次避難を重点的に推進するなど、きめ細やかな支援策が実施されました。

第1章 働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など

2023年の日本の労働市場では、非正規雇用者が2,124万人と全雇用者の約4割を占め、とくに「不本意非正規(希望がかなわず非正規雇用である労働者)」が25~34 歳の若年層で13.1%に達する状況となっています。そのため、非正規雇用の課題に対し、労働環境の改善と雇用の質の向上に向けた取り組みが進行中です。

正規雇用従業員へ転換と非正規雇用の待遇改善の推進として、キャリアアップ助成金で事業主への助成を行っています。

同一労働同一賃金の実現に向けては、2023年11月からは「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき、基本給・賞与の差について不十分な企業等に文書で指導を行い、経営者に対応を求めるなど、踏み込んだ指導を実施しました。

労働時間についても、時間外労働の上限規制が導入され、2024年4月から建設業や医師、自動車運転者にも適用が拡大されています。

また、テレワークの導入支援や副業・兼業の促進、フリーランス支援など、多様な働き方を推進する施策として人材確保等支援助成金(テレワークコース)も展開されました。

第2章 女性、若者、高齢者等の多様な働き手の参画

人口減少社会における労働力確保に向け、女性・高齢者・若者・外国人など多様な人材の活躍を促進する総合的な支援策を展開しています。

総務省統計局「労働力調査(基本集計)」によると、2023年の女性労働力人口は3,124万人(前年比28万人増)を記録しました。そこで、全国206か所のマザーズハローワークでの子育て世代支援や、職場での差別解消、両立支援の強化に取り組んでいます。

高齢者の活躍も進展しており、65歳までの雇用確保措置が21人規模以上企業の99.9%で実施され、70歳までの就業機会確保も努力義務として推進しています。シルバー人材センターを通じた地域での活躍の場も広がりました。

若者支援では、新卒就職率が大卒97.3%(前年比1.5ポイント上昇)、高卒98.0%(前年比 0.1 ポイント上昇)と改善傾向にあります。フリーターやニートへの自立支援に加え、就職氷河期世代向けには専門窓口を設置し、正規雇用の従業員化支援を強化しました。

外国人材については、専門的人材の受け入れを促進する動きが見られました。EPA(経済連携協定)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れや技能実習制度の適正運営にも力を入れています。

出典:総務省統計局|労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要

第3章 自立した生活の実現と暮らしの安心確保

生活困窮者の自立支援と生活保護制度の適正実施を通じ、社会保障の充実に取り組んでいます。

生活困窮者自立支援制度では、2023年3月末までに全国の相談窓口で約286万人の新規相談に対応しました。継続支援を受けた約73.7万人のうち、約27万人が就労・増収を達成し、約8割に自立に向けた改善が見られています。生活困窮者への収入面・支出面を支える「就労準備支援業」と「家計改善支援業」の実施率は8割を超えました。2023年度は物価高騰対策として支援員増員やアウトリーチ支援も強化されています。

生活保護の状況は、2024年2月時点で受給者数が約202万人(保護率1.63%)と2015年9月以降約8年連続で減少傾向です。一方で2024年2月時点での生活保護受給世帯数は約165万世帯と、2022年5月以降増加に転じました。世帯としては、高齢者世帯が横ばい、母子世帯が約11年連続で減少、その他世帯がコロナ禍以降増加傾向です。

第4章 若者も高齢者も安心できる年金制度の確立

年金制度は、デジタル化による利便性向上と若者への理解促進を軸に、全世代が安心できる制度へと着実に進化を遂げている点が強調されました。

国民生活の基盤である日本の公的年金制度は、2022年度末時点で6,744万人の被保険者を抱えています。約7割が会社員・公務員等、残りを自営業者・学生等と被扶養配偶者が占めており、全人口の3割となる約3,975万人が受給権を持ちます。

将来にわたる年金制度の持続可能性についても確認されました。2019年に実施された財政検証では、経済成長と労働参加が進むケースにおいて、所得代替率50%以上が確保できると示されたためです。

デジタル化により、利便性の向上が着実に進みつつあります。厚生年金の電子申請率は約7割に上昇し、年金記録等を確認できる「ねんきんネット」の利用者は約1,100万人(2024年3月末時点)に達しました。2023年からはスマホ決済アプリでの保険料納付も可能です。

次世代を担う若い世代への啓発にも重点的に取り組んでいます。親しみやすい年金教育図書(年金漫画)の制作や全国の大学での対話集会の開催、さらには将来の年金額を手軽に試算できるシミュレーターの提供(公開約2年で約620万回利用)など、制度への理解促進に向けた取り組みを積極的に展開しています。

厚生労働白書 令和6年07出典:厚生労働省|令和6年度版厚生労働白書

第5章 医療関連イノベーションの推進

医療においては、超高齢社会に対応し、医療のデジタル化と医療技術革新の加速に向けた施策を推進しています。

医療DXでは、2023年6月に策定された「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、2024年12月からの健康保険証廃止に向けたマイナ保険証への移行が進行中です。全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化により、医療現場の効率化と質の向上へ向けた取り組みが展開されています。

医薬品・医療機器の開発においては、15の臨床研究中核病院を中心とした治験環境の整備を完了しました。今後は、医療関係産業の活性化に向け、緊急承認制度の導入や小児用・希少疾病用医薬品の開発促進を強化する予定です。

第6章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

日本の医療・介護提供体制は、国民皆保険制度の下で整備されてきましたが、高齢化の進展により大きな変化に直面しています。2025年には団塊世代がすべて75歳以上となり、65歳以上人口が急増する一方で、生産年齢人口の減少が加速する状況です。

厚生労働省では、地域医療構想に基づき、医療機能の分化・連携を推進しています。また、医師の偏在対策として医師確保計画を策定し、救急、小児、周産期など地域医療体制の整備も進めています。

医療保険制度改革推進としては、全世代対応型の持続可能な制度を目指し、2023年4月より出産育児一時金の増額(42万円から50万円)や高齢者医療制度の負担見直し等を実施しました。また、介護予防・健康づくりの推進や医療費適正化にも取り組んでいます。

介護保険制度と地域包括ケアにおいても動きが見られました。高齢者が住み慣れた地域で暮らせるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。2023年には認知症基本法が成立し、認知症施策も強化中です。

一方で、介護人材不足は深刻であることから、ICT化や介護ロボットの活用による生産性向上を推進しています。なお、2024年度介護報酬改定では、処遇改善や働きやすい職場づくりを重点的に進めました。

第7章 健康で安全な生活の確保

厚生労働省では、国民の健康と安全な生活を守るための対策を実施しています。

健康危機管理では、新型コロナウイルス感染症対策として、感染症法上の5類感染症への移行や、次の感染症危機に向けた体制整備を進めています。2025年には国立健康危機管理研究機構を設立予定です。

食品安全では、食品汚染物質対策を背景として、食品衛生法に基づく規格基準の設定や監視指導の実施、HACCPに沿った衛生管理の制度化、食中毒対策等も行っています。

予防接種施策では、定期接種の対象疾病の拡大や、HPVワクチン接種の積極的勧奨を再開しました。

その他、医薬品・医療機器の安全対策、薬物乱用対策、生活衛生関係営業の振興、原爆被爆者やハンセン病元患者等への支援など、幅広い施策を展開しています。

第8章 障害者支援の総合的な推進

障害のある人が地域で安心して暮らせるよう、医療、福祉、就労など様々な分野での支援体制の整備を図っています。

障害者総合支援法等の一部改正法が2024年4月より施行されました。改正の主な内容は、グループホームでの一人暮らし支援の明確化や、就労アセスメント(※)を活用した就労選択支援の創設です。地域生活支援体制の充実や就労支援の強化、精神障害者支援の整備などが進められました。

発達障害支援では、全都道府県に発達障害者支援センターを設置し、相談支援や情報提供を行うとともに、医療機関のネットワーク構築や初診待機解消事業を実施しています。

精神保健医療福祉では、医療保護入院制度の見直しや虐待防止措置の義務化など、権利擁護の観点からの改革を進めています。

依存症対策については、アルコール、薬物、ギャンブル等の各種計画に基づき、専門医療機関の整備や相談支援体制の構築、普及啓発活動を推進しました。

(※)就労系サービスの利用意向がある障害者との協同による、就労ニーズの把握や能力・適性の評価及び就労 開始後の配慮事項等の整理

第9章 国際社会への貢献

厚生労働省は国際社会への貢献として、保健医療、労働、社会保障などの分野で積極的な国際協力を推進しています。

2023年は日本がG7議長国を務め、5月に長崎で保健大臣会合を実施し、健康危機への対応やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成について協議が行われました。なお、4月には倉敷で労働雇用大臣会合が開催されており、「人への投資」をテーマとした労働市場政策等の検討が進められました。

さらに、WHOやILOなどの国際機関の活動への参画を通じ、国際社会における課題設定や合意形成に寄与しています。開発途上国への支援においては、医療保健、水道、社会福祉、労働環境整備、人材開発などの分野で、日本の知識・経験を活かした技術協力が展開されています。

第10章 行政体制の整備・情報政策の推進

厚生労働省は、2022年に策定した統計改革工程表に基づき、以下5つの柱を軸とした改革を進行中です。

  • ガイドラインの作成と PDCA サイクルの着実な実施
  • 情報システムの適正化
  • 組織改革・研修の拡充等
  • データの利活用・一元的な保存の推進
  • EBPM の実践を通じた統計の利活用の促進

さらに、行政のデジタル化において、2023年度にはRPAの活用拡大や地方自治体の業務システム標準化を実現しました。

マイナンバー制度における年金・医療保険・介護保険等の分野での情報連携により、行政手続きの効率化も図られています。

<本記事は以下を参考に作成しています>
出典:厚生労働省|令和6年度版厚生労働白書(概要版)
出典:厚生労働省|令和6年度版厚生労働白書

こころの健康と向き合う社会に向けて企業ができること

令和6年度版厚生労働白書の第1部は「こころの健康」を特集テーマとしています。これは、個人のこころの不調が経済活動や社会の安定性に影響を与え、日本の持続的な発展にも関わる重要な課題として認識されているためです。人々のメンタルヘルスの維持・向上は、個人の幸福だけでなく、社会全体の未来にも深く関係するテーマとして位置づけられています。

こころの健康維持には、適切な食事を含む基本的な生活習慣も大切です。企業による食事補助は、従業員の健康管理支援と福利厚生を両立させる効果的な取り組みとなりえます。たとえばエデンレッドジャパンの提供する食の福利厚生サービス「チケットレストラン」を活用すれば、勤務中の食事がより豊かなラインナップになるでしょう。従業員の健康増進、ひいてはこころの健康維持にもよいサイクルを生み出せます。

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