身の回りで続く物価上昇により、どのようなサービスも「高い」と感じることが増えています。一方で、「ワンコインランチ」を提供し、働き手のお財布事業に寄り添ったサービスを提供する飲食店もあるようです。本記事では、物価高でもワンコインランチを提供する飲食店の企業努力や、福利厚生での食の拡充などを通して、企業ができる従業員への生活支援について解説します。
【ランチ事情の実態】ランチ代が減少、欠食するケースも増加
従業員のランチ事情を見てみましょう。エデンレッドジャパンの「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」によると、物価高が急激に進んだ2022年から2023年を比較して、ランチ代が減少した割合は約4割です。実際、従業員のランチ代は、2022年よりも36円も減少しています。平均ランチ代は400円と、ワンコインランチを選ばざるを得ない厳しい状況にあります。
さらに4人に1人は「ランチを食べていない」こともわかりました。なかには週4回以上も欠食する従業員もいて、食事を切り詰めるあまり、健康面での不安も無視できない状況と言えます。
出典:エデンレッドジャパン|ビジネスパーソンのランチ実態調査2023
食事代は節約対象になりやすい
経済アナリストの坂口孝則氏によると「物価高で2024年の家計の負担は2023年よりも5万〜8万円負担増の見込み。1週間に1000円以上節約しないといけない状況。見直すべきところは飲食の部分になるのでは?」と、切り詰めやすい飲食部分が対象になっているとの見解です。つまり、毎週ランチ代を1,000円節約すれば、年間5万円が節約できます。
従業員のお小遣いは、SBI新生銀行が2023年に調査した「2023年会社員のお小遣い調査」によると、2023年の男性従業員のお小遣い額は40,557円、女性従業員の場合は35,001円と、3万円〜4万円が多いようです。1日に使用できる金額は1,500円〜2,000円程度となるため、交通費やスマートフォンの支払いを考えると、ランチ代が節約対象になるのはやむを得ません。
出典:SBI新生銀行|男性会社員のお小遣い額は前年比微増の40,557円、女性会社員も増加の35,001円 「2023年会社員のお小遣い調査」結果について
出典:TBS NEWS DIG|物価高の「ワンコインランチ」事情 4人に1人は「食べない」決断も 会社員のランチ代平均400円 前年比36円マイナスに【Nスタ解説】(2024年4月17日)
飲食店側の企業努力で継続の「ワンコインランチ」
物価高騰に伴う消費者の節約志向の高まりから、「ワンコインランチ」の提供が外食チェーンの重要な戦略になっています。以下のとおり、多くの企業が500円程度のランチを企業努力で提供しているのです。
【牛丼チェーン】
企業名 | ランチ戦略 |
松屋 | ・牛丼並価格:400円
・最安500円の野菜つきランチメニュー(並盛牛めし、みそ汁、生野菜セット)を提供 |
すき家 | ・牛丼並価格:430円
・「牛丼ランチセット」が580円と割高だが、個別注文より50円安い |
吉野家 | ・牛丼並価格:468円
・W定食(牛皿・鉄板牛焼肉定食)908円でボリュームを重視 |
【その他チェーン】
企業名 | ランチ戦略 |
ジョイフル | ・日替わりランチ500円を提供 |
サイゼリヤ | ・500円メニューを提供(サラダとスープが付いたスパゲッティ、ドリア) |
マクドナルド | ・500円〜の「ちょいセット」を提供 |
ガスト | ・日替わりランチを520円〜770円で提供 |
【コンビニ】
企業名 | ランチ戦略 |
セブン‐イレブン | ・399円の弁当を強化、飲み物と合計500円程度 |
ファミリーマート | ・298円、358円のメニューを用意、安価なペットボトル飲料と合計500円程度 |
ローソン | ・300円代の弁当を用意、飲み物と合計500円程度
・プライベートブランドのカップラーメン200円、飲み物、おにぎりで500円程度 |
マイボスコムによる2021年2月実施の昼食に関するアンケート調査では、ランチの予算を500円以下と回答した割合は7割以上を占めており、各社とも価格競争を強いられています。しかし、500円を守り続けるためには、メニュー開発や原価管理など、企業側の努力が欠かせません。ランチタイムにおける「ワンコインランチ」の継続には、今後も飲食店側の工夫が重要になるでしょう。
一方で、従業員が食事代に余裕が持てるように、企業が従業員に還元する努力も求められていると言えそうです。
出典:マイボスコム株式会社|【昼食】に関するアンケート調査(第6回)
企業は生活支援のための福利厚生拡充を検討
企業側も従業員の厳しい実態を重く受け止めています。エデンレッドジャパンの「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」では、経営層の6割以上が「福利厚生による生活支援がさらに必要」と感じていることがわかっています。
同アンケートでは、物価高対策として最も支持されたのが「食事補助制度」でした。従業員自身の半数以上(55.0%)も、「食事補助制度」が有効だと感じていることがわかっています。
また、食事補助制度を採用する企業の7割近くが、「食事補助は自社の魅力アップにつながる」と実感していることも明らかになりました。福利厚生を拡充することは、単純に従業員の生活支援につながるだけでなく、優秀な人材の確保と定着化にも貢献するのです。
出典:エデンレッドジャパン|ビジネスパーソンのランチ実態調査2023
食事補助は健康経営と人材確保の秘訣
物価高の直撃を受ける従業員たちにとって、食事への補助はまさに生活を維持する"命綱"となりえます。企業が食事補助制度を導入すれば、従業員の健康と生活を守るだけでなく、人材確保の強力な武器にもなるでしょう。
「健康で長く働ける従業員」こそ企業の永続的な成長を支える原動力です。経営者は、従業員の健康を損なわせないよう、福利厚生を充実させることにエネルギーを注ぐことが重要です。
食事補助は、従業員の心身の健康を守り、ひいては生産性の向上にもつながります。さらに、質の高い人材の獲得や、人材の定着にも効果的です。人と人をつなげる"食事"の役割を活かすことで、コミュニケーションを活性化させ、企業への帰属意識醸成にもつなげられる可能性もあります。物価高騰が続く今こそ、福利厚生の充実として食事補助を導入し、従業員の健康向上と人材確保の両立を目指すことが求められています。
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」に期待
食材価格の高騰が続けば、今後もランチ事情はさらに深刻化するでしょう。そのようななか、福利厚生の食事補助サービスで日本一の導入実績数を持つエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」に注目が集まっています。
「チケットレストラン」は、加盟するレストランやコンビニエンスストアで使える専用のICカードを通して提供する食事補助サービスです。企業が食事補助として半額分を支給するため、勤務時間のランチを実質半額で食べられます。加盟店は全国25万店舗以上、 Uber Eats での利用も可能です。導入企業は2,000社以上、1日の利用者数は15万人超と食事補助の福利厚生でトップクラスのシェアを誇っています。
参考記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も
導入事例:ワンコイン弁当の値上がりを「チケットレストラン」が解決
コスモ環境設計の場合、物価高で食事代を節約する従業員が増えたことを背景として「チケットレストラン」の導入に踏み切りました。従業員のなかで人気があった近場のワンコイン弁当が値上がりし、500円で購入できなくなったそうです。
食事は仕事のパフォーマンスを左右する要素です。午後も精力的に働くためには、満足できる食事のためのサポートが必要と考え、代表取締役自らがかつてお金に余裕がない時期に助けられた「チケットレストラン」を導入しました。
ランチ代を半額補助したことで、栄養バランスにも配慮した食事を選ぶ従業員が増えたり、仕事へのモチベーションがアップしたりと、嬉しい効果があったそうです。「チケットレストラン」は、日常的に使える福利厚生であり、ランチを通じて直接的に従業員をサポートできます。そのため、実際に利用したときにその便利さ、よさを実感しやすく、物価高で負担が高まっている従業員に喜ばれます。
導入事例:コスモ環境設計
物価高こそ食事補助の提供で企業の魅力を向上
物価高による家計の圧迫は、まだまだ続きそうです。企業は自社の課題や従業員の勤務環境に対応できる柔軟な食事補助を検討する必要があるでしょう。
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、コンビニエンスストアや飲食店などでの対面だけでなく、 Uber Eats によるデリバリーでも利用できる食事補助であり、利便性の高さを備えています。加盟店の豊富さで、全国で働く従業員への食事補助が可能です。
ワンコインランチの提供を求める声がやまない時代には、ランチ代そのものを福利厚生の充実でサポートすることが求められています。エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」のような魅力ある食事補助制度の導入を通じて、従業員の健康増進と人材確保の両立を目指しましょう。