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【社労士監修】派遣社員の食事補助完全ガイド|法的要件から導入メリットまでわかりやすく解説

【社労士監修】派遣社員の食事補助完全ガイド|法的要件から導入メリットまでわかりやすく解説

2024.10.28

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

派遣社員への食事補助は、同一労働同一賃金の観点から重要性が高まっています。本記事では、派遣社員への食事補助に関する法的要件や提供方法・導入するメリットなど、気になる情報をわかりやすく解説します。日本一の実績を持つ食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

派遣社員の待遇|知っておくべき法律の基本

2020年4月に施行されたパートタイム・有期雇用労働法により、派遣社員の待遇に関する法的要件が大きく変わりました。同一労働同一賃金の原則が適用されることになり、派遣社員の福利厚生を含む待遇全般について、正社員との不合理な差別が禁止されることになったのです。まずは、その詳細について詳しく解説します。

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは、同じ企業で働く正社員と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)の間で、不合理な待遇差を設けることを禁止する考え方です。この原則は、基本給や賞与だけでなく、各種手当や福利厚生にも適用されます。

派遣社員の場合、派遣先の正社員との比較が求められることがあります。たとえば、派遣先の正社員が利用できる給食施設や休憩室などの福利厚生施設は、原則として派遣社員も利用できるようにしなければなりません。食事補助についても、正社員に提供されている場合、派遣社員にも同等の待遇を検討する必要があります。

参考:厚生労働省|同一労働同一賃金ガイドライン

関連記事:【社労士監修】同一労働同一賃金で派遣社員の働き方はどう変わる?企業のメリットも

派遣社員の待遇を決める2つの方法

派遣社員の待遇を決める方法には、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つがあります。どちらの方式を選択するかによって、食事補助を含む福利厚生の提供方法が異なります。

派遣先均等・均衡方式

「派遣先均等・均衡方式」では、派遣先の正社員と派遣社員の待遇を比較し、均等・均衡を図ります。具体的には、職務の内容や責任の程度・配置の変更の範囲などを考慮し、派遣先の正社員との間に不合理な待遇差が生じないようにしなければなりません。

この方式では、派遣先の正社員に食事補助が提供されている場合、派遣社員にも同等の食事補助を提供する必要が生じる可能性が高くなります。ただし、勤務時間や勤務日数の違いなどを踏まえ、合理的な範囲で差をつけることは認められています。

労使協定方式

「労使協定方式」は、派遣元企業の労使間で結ばれた協定に基づいて、派遣社員の待遇を決定する方式です。この方式では、一般の労働者の平均的な賃金水準と同等以上の待遇を確保することが求められます。

食事補助については、労使協定の中で具体的な提供方法や金額を定めることができます。派遣先の正社員の待遇に直接連動せずに決定できるため、派遣元企業にとっては運用がしやすいのが特徴です。

ただし、派遣先の福利厚生施設(給食施設など)の利用については、派遣先均等・均衡方式と同様に、派遣社員にも利用の機会を与える必要があります。

参考:派遣労働者の≪同一労働同一賃金≫の概要

派遣元と派遣先|それぞれの役割は?

派遣社員の待遇に関して、派遣元と派遣先にはそれぞれ異なる役割と責任があります。

◆派遣元企業の役割

  1. 派遣社員の雇用主として、法令に基づいた適切な待遇の決定
  2. 派遣社員への待遇に関する説明義務
  3. 派遣先との情報共有や交渉

◆派遣先企業の役割

  1. 派遣元企業への必要な情報提供(正社員の待遇情報など)
  2. 福利厚生施設の利用機会の提供
  3. 適切な就業環境の整備

食事補助に関しては、派遣元企業が主体となって制度を設計し運用しますが、派遣先企業の協力も重要です。不合理な待遇差が生じることのないよう、両者が連携して取り組むことが求められます。

派遣社員の福利厚生|具体的な提供方法とポイント

派遣社員への福利厚生の提供は、法的要件を満たすだけでなく、効果的に運用することが重要です。ここでは、派遣社員に提供可能な福利厚生の種類と提供する際のポイントについて解説します。

派遣社員が利用可能な福利厚生の種類

派遣社員に提供可能な主な福利厚生には以下のようなものがあります。

  • 給食施設の利用:社員食堂などの利用
  • 休憩室・更衣室の利用
  • 健康診断:年1回以上の定期健康診断
  • 各種休暇:年次有給休暇、慶弔休暇など
  • 各種手当:通勤手当、住宅手当など
  • 食事補助:食事代の一部補助

特に食事補助は、毎日の生活に直結する福利厚生として注目されています。派遣社員にとっても、経済的な負担軽減や健康管理の面でメリットが大きい制度です。

提供方法としては、社員食堂での割引や食事チケット(カードを含む)の配布・食事手当の支給などが一般的です。

派遣社員に福利厚生を提供する際のコツと注意点

派遣社員に福利厚生を提供する際は、以下のポイントに注意が必要です。

  1. 情報共有の徹底:派遣元と派遣先で、福利厚生の内容や運用方法について十分に情報共有をする
  2. 公平性の確保:派遣社員間や正社員との間で不合理な差が生じないよう、提供内容を慎重に検討する
  3. 柔軟な対応:派遣社員の勤務形態や就業場所が多様であることを考慮し、できるだけ多くの派遣社員が利用しやすい制度設計をする
  4. 明確な説明:福利厚生の内容や利用方法について、派遣社員にわかりやすく説明を行う
  5. 定期的な見直し:法改正や社会情勢の変化に応じて、定期的に制度の見直しを行う

食事補助に関しては、派遣先の正社員との均衡を考慮しつつ、派遣社員の勤務形態に合わせた柔軟な運用が求められます。

たとえば、固定の社員食堂だけでなく、外食やコンビニエンスストアでも利用できる食事補助制度を導入するなど、幅広い選択肢を用意することが効果的です。

派遣社員へ福利厚生を提供するメリット

派遣社員への福利厚生の提供は、法令遵守の観点だけでなく、企業にとっても多くのメリットがあります。ここでは、特に食事補助を中心に、具体的なメリットについて解説します。

優秀な人材を確保できる

福利厚生の充実は、優秀な人材の獲得と定着率の向上に直結します。特に食事補助は、日々の生活に直接関わる福利厚生であり、派遣社員にとって魅力的な待遇のひとつです。

「同じ仕事をするのであれば、より待遇の良い企業を選びたい」というのが、労働者の基本的な心理です。他社との差別化を図り、採用市場での競争力を高める上で、食事補助をはじめとする充実した福利厚生は大きな武器といえます。

生産性がアップする

食事補助をはじめとする福利厚生の充実は、派遣社員の満足度を高め、結果として生産性の向上にもつながります。具体的には以下のような効果が期待できます。

  • モチベーションの向上:待遇への満足度が上がることで、仕事へのモチベーションが向上する
  • パフォーマンスの向上:適切な食事摂取により、業務パフォーマンスが向上する
  • コスト削減:派遣社員の健康を維持・促進することで医療費や人的コストを削減する

また、福利厚生の充実は企業イメージの向上にもつながるため、企業としてのブランディング効果も期待できます。派遣社員を大切にする企業として評価が高まれば、より優秀な人材の獲得にもつながる好循環を生み出すことも可能です。

正社員とのコミュニケーション促進が期待できる

食事補助の提供は、派遣社員と正社員とのコミュニケーション促進にも効果があります。具体的には、社員食堂を共に利用したり、食事補助が利用できる加盟店で共に食事を楽しんだりといった機会が生まれるでしょう。

このようなコミュニケーションの増加は、以下のような効果をもたらします。

  • 情報共有の促進:業務に関する情報交換がスムーズになる
  • チームワークの向上:派遣社員と正社員の壁が低くなり、協力体制が強化される
  • 職場の雰囲気改善:コミュニケーションが活発になることで、職場全体の雰囲気が良くなる

派遣社員と正社員が一体となって業務に取り組む環境が整い、より成果を出しやすく、働きやすい組織づくりが可能となります。

法的リスクを軽減できる

適切な福利厚生の提供は、法的リスクの軽減にもつながります。同一労働同一賃金の原則に基づき、派遣社員と正社員の間の不合理な待遇差を解消することで、以下のようなリスクを回避できるでしょう。

  • 労働紛争の予防:待遇差に関する訴訟や労働審判のリスクを低減
  • 行政指導の回避:労働基準監督署などからの是正勧告の防止
  • 風評リスクの軽減:SNSなどでの批判的な声を抑制

特に、食事補助についてはその金額や提供方法が可視化されやすいため、正社員との間に不合理な差がある場合、課題として取り上げられやすい傾向があります。「同一労働同一賃金ガイドライン」に従った対応は、こうした法的リスクを軽減し、企業としての信頼性を保つために不可欠です。

効果的な福利厚生としての「食事補助」

食事補助は、派遣社員に対する効果的な福利厚生のひとつとして注目されています。ここでは、食事補助が特に効果的である理由や、導入のしやすさについて解説します。

福利厚生で「食事補助」を提供するメリット

食事補助の提供は、派遣社員に以下のようなメリットをもたらします。

  • 経済的負担の軽減:毎日の食費が抑えられる
  • 健康増進:適切な食事摂取により、健康が促進される
  • 時間の有効活用:昼食の準備時間が短縮され、時間を有効に使える

また、企業にとっても以下のようなメリットが期待できます。

  • 従業員満足度が向上する:日々利用できる福利厚生を提供することで、従業員満足度が向上する
  • 低コストで利用できる:少額から利用できるため、企業規模を問わず導入しやすい
  • 企業イメージの向上:健康経営に積極的に取り組む企業として企業イメージが向上する

食事補助は、派遣社員と企業の双方にとって多くのメリットをもたらす福利厚生といえます。



日本一の実績を持つ食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」

食事補助の福利厚生の中でも、近年特に注目度を高めているサービスが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。

チケットレストラン」は、一定の条件下で利用することにより、全国25万店舗以上かつ幅広いジャンルの加盟店での食事が半額になるサービスです。

勤務時間内であれば時間や場所に制限がないため、リモートワークや出張中でも通常どおり利用できます。常勤・非常勤・派遣社員・出向社員・アルバイトなど、直接雇用契約のある従業員であれば、雇用形態も問いません。

また、一定の条件を満たすことで福利厚生として経費計上できるため、企業の法人税が削減できるほか、従業員の実質的な手取りアップにも貢献します。

こうした数々の魅力が評価され「チケットレストラン」は、すでに3,000社を超える企業に導入される人気サービスとなっています。

関連記事:チケットレストランでモスバーガーが買える?使えるお店や魅力を紹介

派遣社員の食事補助|よくある質問

派遣社員への食事補助について、企業の人事担当者や経営層が抱きがちな疑問をQ&A方式で回答します。

食事補助の上限はいくら?

食事補助を経費として計上できる(非課税枠)について、国税庁は以下の条件を定めています。 

(1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2)次の金額が1か月当たり3,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)

出典:国税庁|No.2594 食事を支給したとき

この金額を超える部分については、給与所得として課税対象となりますので注意が必要です。ただし、これらの金額はあくまで非課税の上限であり、企業の判断でこれ以上の金額を食事補助として提供することは問題ありません。

なお、「チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生サービスを利用する場合、これらの上限を考慮した設定が可能です。詳細については、関連記事【「チケットレストラン」の上限はいくら?人気の秘密を徹底解説!!】をご参照ください。

食事手当とはどう違う?

食事補助と食事手当は、似て非なるものです。主な違いは以下の通りです。

比較項目 食事補助 食事手当
課税の扱い 一定のルールの下で非課税(月額3,500円まで) 全額が給与所得として課税対象
支給方法 現物支給(食事の提供)や食事券の配布など 現金で支給されることが多い
使途の制限 食事に限定して使用可能 使途の制限なし(給与の一部として扱われる)
福利厚生としての
位置づけ
福利厚生の一環として扱われることが多い 給与の一部として扱われることが多い

企業の状況や従業員のニーズに応じて、適切な方式を選択することが重要です。

食事補助で派遣社員が働きやすい職場づくりを

派遣社員に対する食事補助は、法的要件を満たすだけでなく、企業にとっても即効性の高い優れた福利厚生です。

具体的には、経済的負担の軽減や健康増進といった派遣社員の満足度向上に加え、社内のコミュニケーションを促進し、チームワークの強化にも貢献します。また、同一労働同一賃金ガイドラインに従った福利厚生の提供は、法的リスクの軽減と企業ブランドの向上をもたらします。

さらに「チケットレストラン」のようなサービスを導入することにより、リモートワークや出張時にも柔軟に対応可能な食事補助を提供でき、かつ非課税限度額を活用した効率的な報酬設計も実現可能です。派遣社員が働きやすい職場づくりに向けて、ぜひ食事補助の導入を検討してはいかがでしょうか。

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