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【社労士監修】リテンションマネジメントの重要性とは?事例や実施のポイントを紹介

【社労士監修】リテンションマネジメントの重要性とは?事例や実施のポイントを紹介

2024.02.26

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監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

リテンションマネジメントとは人材の定着率を高めるための取り組みです。人材不足が顕著になってきている今、企業は今いる人材が長く働きやすいよう、制度や環境を整える必要が出てきています。リテンションマネジメントの重要性を理解した上で、自社の取り組みに生かせるよう、事例やポイントを見ていきましょう。

リテンションマネジメントとは

今働いている従業員が長く働き続けられるよう実施する管理手法のことをリテンションマネジメントといいます。従業員が「ここで働き続けたい」と思うのは、働きやすい環境が整っていることや、仕事に対するやりがいを実感できることと関係していると考えられます。

企業にできることは、仕事とプライベートのバランスを取りやすいよう制度を作り、制度が機能するよう環境を整えることです。加えて従業員が目指すキャリアへ向けてステップアップできるように実施するサポートも役立ちます。

リテンションマネジメントによって従業員の定着率が高まれば、採用や教育にかかる費用や手間を抑えられます。長く勤務しているベテラン従業員が増えることで、業務の効率アップや業績アップにつながることも期待できる取り組みです。

リテンションマネジメントはなぜ必要?

リテンションマネジメントの重要性が高まっているのは、人材の確保が以前より難しくなっているためです。企業にリテンションマネジメントが必要な理由として、生産年齢人口と人材流出について解説します。

生産年齢人口の減少

少子高齢化が進んでいる日本で、15~64歳の生産年齢人口は今後ますます減少していくそうです。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、2020年に7,509万人いる生産年齢人口は、2040年には6,213万人、2060年には5,078万人になると予測されています。

生産年齢人口が減れば、人材不足から十分な従業員を確保できない企業は増えるでしょう。リテンションマネジメントを実施し、従業員の定着率を上げることで、生産年齢人口の減少による人材不足への対策が可能です。

参考:内閣府|令和5年版高齢社会白書

人材流出の予防

これまで日本は終身雇用を前提とした働き方が基本でした。1度企業へ就職すると定年退職まで働き続けるのが一般的だったため、リテンションマネジメントを実施しなくても、企業は人材確保をしやすい状況といえます。

ただし近年は状況が変わってきています。マイナビの「転職動向調査2023年版(2022年実績)」によると、2022年の転職率は7.6%と、2016年以降最も高い数値です。

給与や職場の人間関係・仕事内容などを理由に転職を行う人材が増えています。今いる従業員に長く働き続けてほしいと考えるなら、制度や環境を整えるリテンションマネジメントが欠かせません。

参考:マイナビ|転職動向調査2023年版(2022年実績)

リテンションマネジメントの事例

自社でリテンションマネジメントを実施するときの参考になるよう、厚生労働省の「若者が定着する職場づくり取組事例集」からリテンションマネジメントの事例を紹介します。

参考:厚生労働省|若者が定着する職場づくり取組事例集

研修の充実度アップで離職率ダウン「カネテツデリカフーズ株式会社」

カネテツデリカフーズ株式会社では入社3年以内の離職率が50%前後の状態が続いていました。高い離職率の原因は、これまでの「見て学ぶ」指導方法にあると考え、研修の充実度を上げるべく、以下の制度を作ったそうです。

  • 新入社員指導員制度:若手従業員を指導員として新入社員に対してマンツーマンで指導を行う制度
  • フォローアップ研修:新入社員の課題に対応した内容を学ぶ
  • 食品衛生・安全研修:食品衛生に関する内容を学ぶ

併せて月1回実施する労使協議会を通して、両立支援の実施や手当の拡充などを行い、待遇も改善しています。分かりやすく教える体制や働きやすい環境づくりによって、入社3年以内の離職率は10%前後へ大幅に減少しました。

配属後の面談・フォローで離職者が減少「株式会社ホットランド」

「築地銀だこ」をはじめとする飲食店を展開する株式会社ホットランドは、17人入社すると、1年以内に5人が離職する状況でした。

離職する従業員への面談を実施すると、フォロー体制が不足している点が課題として明らかになったため、新卒1年目の従業員に対するフォローとして、個別面談を行っています。

個別面談を開始した2017年は、15人が新卒入社し、同年11月時点で離職したのは1人だったそうです。面談によるフォローで離職を減らせた事例といえます。

シスター制度で精神的な負担を軽減「株式会社ラヴィアンローズ」

エステティック事業を展開する株式会社ラヴィアンローズでは新入社員研修に注力しており、現場配属までに約200時間の研修を行っています。ただし以前は入社後3年までにほぼ全ての従業員が退職するという状況で、定着に大きな課題を抱えていました。

課題を解決するために導入したのがシスター制度です。新入社員1人に対してシスターとよばれる先輩社員が1人つき、配属から6カ月の間サポートします。

新入社員が悩みを抱えているときにはシスターが相談に乗ることで、不安の解消にもつながっているそうです。社内のコミュニケーションが良好になり、精神的な負担の軽減につながることで、入社1年以内の離職率は30%以上から16.2%へと改善しています。

雇用形態を変えライフステージの変化に対応「Hair room DOOR」

Hair room DOORは従業員6人の美容室です。従業員は全員が女性ですが、妊娠・出産・育児に関する制度が不十分なことから「ライフステージの変化への対応が難しいのでは?」と不安に感じる声があったそうです。

出産・育児を控えている従業員もいることから、短時間正社員制度・希望により一時的にパートタイマーに変更できる制度・フレックスタイム制度を導入しました。併せて働き方別に労働時間や給与がどのように変化するか比較表も作成し、希望に合う選択をしやすいよう整えています。

制度を整備したあとは採用がスムーズにできるようになり、若い従業員が育児をしながら働くイメージを持ちやすくなったそうです。

メンター制度でモチベーションアップ「美的感覚集団 美髪堂株式会社」

美的感覚集団 美髪堂株式会社は美容院を展開していますが、新卒・中途ともに美容師の応募が減っており人材確保が難しいと感じていました。入社する人材が減っている中、定着にも課題がある状況を改善するために実施したのが、メンター制度の導入です。

日本メンター協会の講座を受講したメンターが若手従業員と定期的に面談を行うことで、1人で悩みを抱え込むことがなくなったと感じています。講座の受講によりコミュニケーションをスムーズに取りやすくなり、面談の効果が高まっているようです。

若手従業員のモチベーションアップにもつながっており、今後の離職率低下が期待できます。

リテンションマネジメントの効果を最大化する方法

従業員の離職を防止するためのリテンションマネジメントにつながる施策は複数あります。自社に合う方法でリテンションマネジメントを行うには、現状把握と課題設定が欠かせません。効果的にリテンションマネジメントを実施するために、取り組み方を紹介します。

現状を把握する

まず必要なのは現状把握です。離職率が高いなら、なぜ従業員が辞めてしまうのか原因を知った上で対策を立てなければいけません。そのために必要なのが現状を把握することです。

従業員が社内のどのようなところに不満を抱いているのか、どのような点に困っているのかといった部分を知るには、アンケートを実施すると役立ちます。従業員満足度調査を行えば、今ある制度の満足度やその理由を明確にした上でリテンションマネジメントに取り組めるでしょう。

また離職する従業員と面談し、なぜ辞めようと思ったのか、理由をヒアリングするのも効果的です。「引き止められるのではないか?」と疑われないよう、退職の手続きが完了してから面談をすると、本音を引き出しやすくなります。

課題を設定する

アンケートや離職する従業員の面談を行ったら、満足度の低い制度や項目を洗い出し、理由とともにまとめます。例えば「評価が公平ではないと感じる」といった声が多ければ、評価制度や評価者に課題があると考えられるでしょう。

課題を解決する方法として、評価制度の見直しや、評価者への研修の実施などが考えられます。何に取り組めば離職防止につながりやすいか、自社の課題を設定することで明確に捉えることが可能です。

リテンションマネジメントのポイント

リテンションマネジメントを行うときには、自社の現状把握と課題設定を行うことに加え、ポイントを押さえることも重要です。ここではリテンションマネジメントの10のポイントを解説します。

ワークライフバランス

従業員が「働き続けたい」と感じる企業にするには、ワークライフバランスを改善するための制度や環境の整備が役立ちます。

毎日のように多くの従業員が残業している、休日出勤で何とか仕事を期日に間に合わせている、といった状況なら、全体の業務を見直すタイミングかもしれません。業務は効率よく進められているか、部署や担当者の業務配分は適切か、といった点を確認します。

機械化やシステムの導入で効率化できる箇所は、積極的に効率化して業務の配分を調整すれば、全従業員が仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるでしょう。

休暇制度の整備もワークライフバランスの改善につながります。いつでも自由に休める制度があれば、プライベートで急用があり休まなければいけないときにも、周りに気を遣うことなく休暇を取得可能です。

結婚・妊娠・出産・介護などで仕事とプライベートの配分を調整し直したいというときにも、休暇制度を利用できれば離職を選ばず仕事を継続しやすいでしょう。

また単に制度を作るだけでなく、実際に使える制度として運用される必要もあります。全従業員が休暇を取得しやすいよう、上司が率先して休むといった行動もポイントです。

従業員エンゲージメントの向上

従業員が企業の理念に共感し、自ら理念の実現のため「貢献したい」と思う意欲が従業員エンゲージメントです。従業員エンゲージメントが高い状況では、従業員は自社への貢献度が高く、自分の仕事に対して誇りも持っています。

同じ目標に向かって努力するメンバーがいる環境で、企業のために自律的に働くため、離職率の低下が期待できる状態です。

関連記事:社員エンゲージメントとは?向上のための施策や調査に使う指標も解説

心身の健康への配慮

リテンションマネジメントでは従業員の心身の健康にも配慮が必要です。従業員本人が「働き続けたい」と希望していても、体調不良やメンタル不調がある状態では離職を選ばざるを得ないこともあります。

健康管理には定期的な健康診断が、メンタルの状態を管理するにはストレスチェックが効果的です。

働きやすい職場環境

働きやすい環境が整っていることも、リテンションマネジメントでは重要です。例えばいつまでも古いパソコンで仕事をする環境では、処理に時間がかかり作業がなかなか進みません。業務を効率化できるシステムやアプリケーションがあっても、性能が低いパソコンでは利用できないこともあります。

新しいパソコンを支給すれば、従業員の働きやすさが改善し、業務効率化にもつながるかもしれません。

働きやすい環境づくりには、柔軟な働き方を実現する制度も必要です。例えば出勤時間を調整しやすいフレックスタイムや、自宅で働けるテレワークを導入すれば、仕事を続けやすいと感じる従業員の増加が期待できます。

希望に合う人員配置

従業員の希望に合う人員配置を意識することも、リテンションマネジメントにつながる取り組みです。自身が目指すキャリアと、企業の目標が一致していれば、従業員は高いモチベーションを維持して働き続けやすくなります。

ただし今すぐに希望通りの人員配置がかなわない状況もあるでしょう。従業員本人の能力が現段階では不足している場合には、必要な研修や実践の機会を設けるのが効果的です。

現時点でポジションに空きがなく希望の人員配置をかなえられないときには、今後希望のポジションに就けるよう調整していくといった計画を説明します。

希望のキャリアパスに向けた能力開発

従業員が希望しているキャリアパスをかなえられるよう、能力開発の機会を設けてサポートすることも、リテンションマネジメントにつながります。将来の目標に向かうために必要な機会を企業が提供すれば、従業員のモチベーションアップにつながるためです。

能力開発は先輩や上司によるOJTの他に、社外で行われる研修や通信教育などのOFF-JT、従業員が自ら学ぶ自己啓発があります。これらを組み合わせて実施すると効果的です。

マネジメント層の能力向上

リテンションマネジメントを行うときには、マネジメント層の適切な働きかけが欠かせません。能力不足で適切なマネジメント実施できない上司では、従業員の意欲が低下して離職につながることもあります。

適切なマネジメントができるよう、マネジメント層を対象とした社内研修を充実させることも重要です。

客観的な評価制度

同じように結果を出していても、評価者によって差が出ているようであれば、従業員のモチベーションは低下します。従業員のモチベーションを高め「働き続けたい」という気持ちを呼び起こすには、公平な評価制度が必要です。

制度に基づき適切な評価が行われていると従業員が感じるよう、誰が評価しても同じ結果となる制度づくりをする必要があります。

働きに見合う給与

公平公正な評価制度を整えたら、働きに見合った給与を支給する仕組みづくりも行います。頑張りがより良い給与につながると実感できる給与体系は、従業員の「次も頑張ろう」という意欲を引き出すきっかけのひとつです。

充実した福利厚生

福利厚生を充実させることによってもリテンションマネジメントを実施できます。充実した福利厚生で働きやすさが整えば「働き続けたい」と考える従業員が増えるかもしれません。

新たに導入する福利厚生をリテンションマネジメントに生かすには、従業員に喜ばれる福利厚生を取り入れるのがポイントです。

働く男女501人を対象に実施した「あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査」は、従業員に喜ばれる福利厚生を知るための参考になります。調査をもとに作成した福利厚生ランキングをチェックしましょう。

ランキング

あったら嬉しい福利厚生

1位

家賃補助・住宅手当

2位

特別休暇

3位

旅行・レジャーの優待

4位

社員食堂・食事補助

5位

スポーツクラブの利用補助

6位

資格取得・教育支援

7位

保養所

8位

生理休暇

9位

慶弔金の支給

10位

通勤手当

生活する上で必要な費用をサポートする手当や、休暇を楽しむための優待などが人気です。

参考:ビズヒッツ|あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査

関連記事:人材定着は何に取り組むべき?定着しないときの課題と施策を確認

実質手取りアップには福利厚生を活用

従業員の離職を防止するリテンションマネジメントを行うときには、働きに見合う給与の支給が役立ちます。ただし企業の状況によっては、定期昇給やベースアップによる賃上げが難しいこともあるでしょう。このようなときには、福利厚生を活用した「第3の賃上げ」を実施することで、実質手取りアップと福利厚生の充実度アップを実現できます。

「第3の賃上げ」とは?

エデンレッドジャパンでは賃上げを以下のように分類し「第3の賃上げ」を定義しました。

  • 第1の賃上げ:勤続年数や従業員の成績などの基準に基づいて行われる定期昇給
  • 第2の賃上げ:基本給が上がるベースアップ
  • 第3の賃上げ:実質的な手取り額を増やせる福利厚生サービスを活用した賃上げ

賃上げ 企業一覧2024

出典:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

企業が従業員に支給する給与や手当は原則として所得税が課税されます。ただし特定の福利厚生は要件を満たす税金がかかりません。「第3の賃上げ」は福利厚生と非課税枠を活用し、実質手取りを上げる仕組みです。

一方「第1の賃上げ」「第2の賃上げ」は実施すると税額や社会保険料も上がります。天引きされる金額が増える分、賃上げの実感を従業員が得にくいこともあるでしょう。同額の費用をかけた場合、実質的な手取り額は税金がかからない「第3の賃上げ」の方が高くなります。

「第3の賃上げ」には「チケットレストラン」がおすすめ

福利厚生を活用して実質的な手取り額を上げる「第3の賃上げ」を行うなら、エデンレッドジャパンの提供する食事補助サービス「チケットレストラン」がおすすめです。

全国に25万店舗以上ある加盟店や「 Uber Eats 」による配達を利用できるため、全従業員が公平に利用できます。導入した企業では98%以上の従業員が利用しており、満足度が93%と高いのも特徴です。

導入するだけで「第3の賃上げ」を実施するために必要な、所得税が非課税となる要件を満たせるのもポイントといえます。

リテンションマネジメントには福利厚生の活用を

人材不足が進行している中、従業員の離職を防ぐリテンションマネジメントに注目が集まっています。従業員が「この先もずっと働き続けたい」と思う企業を目指し、制度や環境を整える取り組みです。

リテンションマネジメントの具体的な施策は複数あります。例えば働きに見合う給与を支給して離職を防ぐには「第3の賃上げ」の活用も有効です。非課税枠のある特定の福利厚生を導入することで、実質的な手取り額を上げられます。

「第3の賃上げ」にはエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。全従業員が公平に利用できる食事補助サービスの導入を検討してみませんか。

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