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飲食店の人手不足の原因は?「辞めたい」という従業員を減らす方法

飲食店の人手不足の原因は?「辞めたい」という従業員を減らす方法

2024.01.30

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飲食店の人手不足は、他の業種と比べても深刻です。なぜ従業員は「辞めたい」と感じるのでしょうか?従業員が足りず店舗の運営が難しいと感じている飲食店に役立つよう、人手不足の原因を明らかにした上で、人手不足対策を解説します。対策の実施に役立つ助成金についても見ていきましょう。

飲食店が人手不足になる原因

飲食店が人手不足に陥るのは「給料が安い」「研修の充実度が低い」「休憩の時間が定まらない」「希望する日に休日を取りにくい」「責任が重い」といった原因があります。

自社で運営する飲食店の人手不足対策をするには、原因を特定しておくとスムーズです。飲食店の状況を振り返り、客観的に判断するときに役立ちます。

給与が安い

安い給与は人材不足につながります。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」で飲食サービス業と他の業種の賃金を比べてみましょう。

業種

賃金

宿泊業、飲食サービス

257万4,000円

鉱業、採石業、砂利採取業

347万4,000円

建設業

335万4,000円

製造業

301万5,000円

電気・ガス・熱供給・水道業

402万円

情報通信業

378万8,000円

運輸業、郵便業

285万4,000円

卸売業、小売業

314万6,000円

金融業、保険業

374万円

不動産業、物品賃貸業

339万5,000円

学術研究、専門・技術サービス業

385万5,000円

生活関連サービス業、娯楽業

271万6,000円

教育、学習支援業

377万7,000円

医療、福祉

296万7,000円

複合サービス事業

298万8,000円

サービス業(他に分類されないもの)

268万4,000円

全ての業種の中で、宿泊業、飲食サービス業が最も低い賃金です。給与が安いことから、他の業種を選ぶ求職者も少なくないと考えられます。

さらに同じ飲食店と比較しても給与を安く設定している場合には、より好条件を求める求職者が他店での就職を選ぶかもしれません。

参考:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査

研修の充実度が低い

入社後の研修が不十分だと、従業員は仕事を十分理解しないまま実践しなければいけなくなります。忙しい時間帯には、入社したばかりでも1対1でお客様の対応をしなければいけないシーンもあるかもしれません。

研修が少ないことで失敗が続けば、モチベーションの低下から退職を選ぶ従業員が出てくることもあります。

研修が充実していなければ、そもそも求職者が集まらないかもしれません。学情が20代の社会人363人へ行ったアンケート調査によると、入社研修を意識すると回答したのは89.3%、入社研修が充実していると志望度が上がると回答したのは86.5%でした。

初日からOJTで先輩について接客をするといった研修のみでは、人材不足に陥りやすい状況と考えられます。

参考:PRTIMES|入社研修の有無や充実度を意識する20代が、9割に迫る。「自己学習と研修の両軸で、スキルを習得したい」の声

休憩の時間が定まらない

休憩の時間が決まっていないことも人手不足につながる要因のひとつです。アイドルタイムのない店舗であれば、空いている時間帯に順番で休憩を取るため、決まった時間に休憩できないこともあります。

場合によっては休憩時間を中断し、お客様や電話の対応をしなければいけないこともあるでしょう。決まった時間に定められた休憩時間を取れないことが、職場の魅力低下につながっているのかもしれません。

希望する日に休日を取りにくい

シフト制で勤務することの多い飲食店では、希望通りに休日を取れないこともあります。同じ日に複数の従業員が休むと、店舗の仕事がまわらなくなってしまうためです。話し合いで調整し、当初とは異なる日にちが休日になることもあります。

また土日や祝日は飲食店を利用する人が増えるため、なかなか休めません。家族や友人の休日が土日祝日の場合に、予定を合わせにくいことも、飲食店の仕事を避ける要因になっていると考えられます。

責任が重い

飲食店では、新人がベテランと同程度の仕事を任されることや、アルバイトやパートが正社員と同程度の仕事を担っていることもあります。スキルや働き方によらず、重い責任を持つことをストレスに感じる従業員もいるでしょう。ストレスから退職につながる恐れもあります。

飲食店の人手不足の現状

帝国データバンクが人手不足の状況に関して行った「人手不足に対する企業の動向調査(2023年7月)」によると、2023年7月の飲食店の人手不足割合は以下の通りです。

雇用形態

飲食店

全体

正社員

66.3%

51.4%

非正社員

83.5%

30.5%

正社員も非正社員も全業種の人手不足割合と比較して、高い割合となっています。特に非正社員の不足割合は調査の対象となっている10業種の中で最も高く、2位の旅館・ホテルの68.1%と比べても高い水準です。

調査結果からも分かる通り、飲食店は深刻な人手不足に陥っています。少ない人数で工夫をしながら運営している飲食店が多いと分かる結果です。

参考:帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2023年7月)

飲食店の人手不足対策

安い給与や入社後の研修の少なさなどによる働きにくさから、飲食店の人手不足は深刻な状況に陥っています。求職者を集め、離職する従業員を減らす、人手不足対策にはどのような取り組みが有効なのでしょうか?ここでは6種類の対策を紹介します。

給与を改善する

求人を出しても求職者が集まらない場合、給与の水準が低い可能性があります。同じエリアにある他の飲食店の求人を見て、どのような条件で従業員を募集しているかチェックしましょう。

競合他店の給与が高いようであれば、同じ程度の給与にすることで、人手不足を解消できるかもしれません。給与の改善が難しい場合には、働きやすさの面で求職者がメリットに感じられる仕組みを導入できないか考えるのも有効です。

例えば午前中を中心に働ける人を採用したいなら、主婦層が働きやすいようシフトを幼稚園や保育園のお迎えに間に合う時間帯に限定すると良いでしょう。子どもの体調不良で急なシフト変更が必要になったとき、いつでも対応可能な状況を作っておくことも、魅力アップにつながります。

公平公正な評価制度をつくる

公平公正な評価制度の構築は、給与の改善とともに取り組むと効果的です。それぞれの仕事に対して、どのように実施しどのような結果を出すことが期待されているのかを明確にすれば、従業員は給与アップに向けて効果的に仕事に取り組めます。

頑張りが結果につながり評価されることで、従業員のモチベーションを高められる仕組みです。「給与アップに向けてもっと頑張ろう」とプラス思考で仕事に取り組めるため、従業員の離職につながりにくい制度といえます。

福利厚生を充実させる

人手不足の解消には福利厚生の充実度アップもポイントです。例えば時給が同じでも、交通費が出る仕事の方が実際の手取り額は多くなります。通勤による負担が減り、求職者や従業員の働きやすさにつながる制度です。

他にも従業員が「あったらいいな」と感じる福利厚生を導入することで、職場としての魅力を高められます。

ビズヒッツが働く男女501人を対象に実施した「あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査」で10位以内にランクインしている福利厚生は以下の通りです。

  • 家賃補助・住宅手当
  • 特別休暇
  • 旅行・レジャーの優待
  • 社員食堂・食事補助
  • スポーツクラブの利用補助
  • 資格取得・教育支援
  • 保養所
  • 生理休暇
  • 慶弔金の支給
  • 通勤手当

ランキングを参考にしつつ、自社に合う福利厚生の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:ビズヒッツ|あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査

働きやすい環境づくりをする

従業員の働きやすさを考えた環境づくりも重要です。新たに従業員を採用できても、働きやすい環境が整っていない場合、早いタイミングで退職してしまう恐れがあります。

働きやすい環境づくりには設備の整備が有効です。清潔で使いやすい厨房は業務効率を上げますし、落ち着いた雰囲気の休憩室があればリラックスした休憩時間を過ごせます。

また教育体制を整えることで、新たに入社した従業員がスムーズに店舗の仕事に取り組めるようになります。オペレーションに関するマニュアルを作成するのも有効です。

加えて仕事のバランスを見直せば、今いる従業員の働きやすさも改善できます。特定の従業員に仕事が集中しすぎているようであれば配分し直しましょう。仕事の工程を見直せば、無駄な仕事を省いて従業員の負担を減らせるかもしれません。

多様な人材を活用する

日本国内の生産年齢人口は減少の一途をたどっています。内閣府の発表する「令和4年版高齢社会白書」によると、生産年齢人口は今後も減り続け、2065年にはピーク時の約半数である4,500万人ほどになる見込みです。

飲食店 人手不足出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書

15~64歳の生産年齢人口が減る中、人手不足の解消には多様な人材の活用が注目されています。例えば定年退職後のシルバー人材や外国人材、障害や病気を持つ人などです。

多様な人材が活躍できる環境や制度を整えて受け入れることで、人材不足の解消につなげられます。

DXを行う

DXとはデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革することです。DXの実施により業務効率化が実現すれば、従業員の負担をこれまでより低く抑えられます。

一人ひとりの負担が少なくなることで、快適に働きやすい環境整備が可能です。また新たな従業員を採用することなく、人材不足を解消できるかもしれません。

飲食店のDXとして代表的な取り組みに、注文や会計のシステム導入があげられます。例えばお客様がタブレットやスマホで注文から会計までを行うセルフオーダーシステムを導入すれば、注文を取りに行ったり会計のためにレジへ行ったりする必要がありません。

売上の計算が自動で行われるため、従業員の集計によって発生していた計算ミスといったヒューマンエラーが出ないのもメリットです。これらの業務に時間がかからなくなる分、お客様へのサービスや営業活動に力を注げるようになります。

対策の実施に役立つ助成金や補助金をチェック

6つの人手不足対策は、実施するのに予算が必要なものも少なくありません。自社で用意できる予算のみで実施が難しい場合には、助成金の利用がおすすめです。

例えば「人材確保等支援助成金」の「中小企業団体助成コース」を利用すれば、規模によって600万~1,000万円を上限に、労働環境向上事業の実施にかかった費用の3分の2の支給を受けられます。

また「IT導入補助金」を利用すると、業務効率化のために実施したDXの費用のうち、最大450万円の補助金を受け取れます。

助成金や補助金を活用すれば、自社のみでは実施が難しい対策も実施可能です。

食事補助の導入もおすすめ

飲食店の人手不足対策には、食事補助の導入もおすすめです。毎日の食事にかかる費用を企業が負担する食事補助を実施すれば、従業員の負担を抑えられます。

福利厚生のひとつである食事補助の導入は、従業員満足度の向上につながり、離職率の低下に役立つ制度です。充実した福利厚生は求職者へのアピールポイントにもなり、新たな従業員に採用にもつながるかもしれません。

具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

まかないと食事補助の違い

飲食店が従業員へ提供する食事に関する福利厚生は、まかないと食事補助に分類できます。まかないは飲食店で余った食材を使い、従業員へ食事を提供することです。多くの場合、飲食店の設備を使って作り、従業員はその場で食べます。

一方、食事補助は従業員の食事にかかる費用の一部を企業が負担する福利厚生です。飲食店では一般的に通常メニューを割引価格で食べられる制度のことをさします。例えば600円で提供しているサンドイッチを200円で食べられる、といった制度です。

食事補助には自社のメニューを割安で食べられる制度の他に、もう1種類あります。従業員が他店で食べた食事にかかった費用の一部を企業が負担する制度です。

他店で食事をしたときに補助があれば、従業員は勤務している飲食店と異なるメニューを食べられます。限られたメニューの中で毎日食事し続けていると飽きることもありますが、他店で食べられれば飽きることなく食事ができます。

他店へ行くために仕事場を離れることで、良い気分転換になることもあるでしょう。

関連記事:食事補助とまかないの違いとは?経営者が考えるべきポイント、飲食店で働く・アルバイトをするときのポイント

健康経営にもつながる

物価上昇が続く中、支出を抑えるために食事代を減らしている従業員もいます。食事補助を提供すれば、従業員は割安な価格で自店のメニューを食べたり、企業の一部負担によって他店で食事をしたりできます。

バランスの良い十分な量の食事は、健康の維持にとって重要です。従業員が質の良い食事をとれるようサポートする食事補助は、従業員の健康管理を経営の観点から計画的に行う健康経営につながります。

従業員が常に健康で良好なコンディションであれば、お客様により良いサービスを提供可能です。飲食店の売上アップにもつながることが期待できます。

企業にもメリットのある「チケットレストラン」

従業員が他店で食べた食事の費用のうち、一部を企業が負担する食事補助を導入するなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。

全国展開しているファミレスやコンビニなど、全国25万店舗の加盟店で利用できるため、従業員の食事のバリエーションが増えます。給与を上げるのが難しい場合には、食事補助を提供することで、従業員が自由に使える給与を増やすことも可能です。

チケットレストラン」は従業員にはもちろん企業にもメリットがあります。一定の条件で運用すれば、かかった費用は福利厚生費として計上可能です。福利厚生費は法人税額を算定するための課税所得を計算するときに、益金から差し引ける損金として処理できます。

益金が同額であれば、損金が大きいほど課税所得は少なくなるため、法人税額も少なくなる計算です。

導入や運用にかかる手間を抑えられるのもメリットといえます。導入時にソフトウエアをインストールする必要がありませんし、運用するときに行うのは月1回のチャージ作業のみです。担当者の業務負担を抑えつつ導入できます。

飲食店の人材不足対策は待遇や環境の改善が有効

飲食店の人材不足は深刻な状況です。対策するには、給与や福利厚生などの待遇を改善し、働きやすい環境を整えましょう。DXによる業務効率化によって、従業員の負担を減らし人材不足を解消する方法もあります。

人材不足対策にはまとまった費用がかかることもあるため、助成金や補助金を活用するのがおすすめです。

福利厚生を充実させて従業員満足度を高め、離職する従業員を減らすには、食事補助の導入を検討しても良いでしょう。エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」なら、約1カ月で使い始められます。人材不足対策に活用してみませんか。

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