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【社労士監修】職場定着支援助成金は人材確保等支援助成金へ統合済み!各コースを解説

【社労士監修】職場定着支援助成金は人材確保等支援助成金へ統合済み!各コースを解説

2023.11.12

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

職場定着支援助成金は2018年4月1日から人材確保等支援助成金へ統合されています。廃止されたコースや、新規受付を休止しているコースもあるため、2023年11月時点で受け付けている7コースについて見ていきましょう。魅力的な職場作りによって、人材確保に役立つ助成金です。

職場定着支援助成金は人材確保等支援助成金へ統合

職場定着支援助成金は、以下の4コースからなる人材確保のための助成金です。

  • 雇用管理制度助成コース
  • 介護福祉機器助成コース
  • 保育労働者雇用管理制度助成コース
  • 介護労働者雇用管理制度助成コース

ただし2018年4月1日に人材確保等支援助成金へ統合されました。これから人材確保に向けて助成金を申請するときには、人材確保等支援助成金の利用を検討するとよいでしょう。

人材確保等支援助成金とは

人材確保等支援助成金は従業員にとって魅力的な職場を作ることで、人材確保を目指すための助成金です。

国内の人材不足は少子高齢化の影響で進行しています。不足する人材を補うには、職場環境の整備による働きやすい職場作りが欠かせません。

従業員にとって魅力ある職場作りをするには、設備や制度の充実度アップが必要ですし、それにはコストがかかります。ただし十分な費用をかけられる企業ばかりではないでしょう。

魅力ある職場作りに取り組みたいけれど、手持ちの資金のみでは実行が難しい、という場合に利用できるのが人材確保等支援助成金です。

2023年11月時点では、以下の7コースの計画申請を受け付けています。

  • 介護福祉機器助成コース
  • 中小企業団体助成コース
  • 建設キャリアアップシステム等普及促進コース
  • 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
  • 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
  • 外国人労働者就労環境整備助成コース
  • テレワークコース

各コースの詳細を見ていきましょう。

介護福祉機器助成コース

介護福祉機器助成コースには機器導入助成・目的達成助成の2種類がありましたが、現在申請できるのは目的達成助成のみです。以下の受給要件を満たした上で、介護福祉機器の導入で離職率の低下に取り組み、目標値を達成した場合に助成金が支給されます。

  • 導入・運用計画について労働局長から認定を受ける
  • 導入・運用計画に基づき機器を導入し適切に運用する
  • 導入・運用計画期間が終わってから1年間の離職率を、計画提出前1年間より下表の目標値以上下げる

対象事業所の雇用保険一般被保険者の人数区分

低下させる離職率の目標値

1~9人

15%

10~29人

10%

30~99人

7%

100~299人

5%

300人以上

3%

支給されるのは移動・昇降用リフト、装着型移乗介助機器、体位変換支援機器、特殊浴槽の導入費用や保守契約費・機器の使用に必要な研修費用の合計額の20%(賃金要件を満たすと35%)で、上限は150万円です。

参考:厚生労働省|人材確保等支援助成金介護福祉機器助成コースのご案内

中小企業団体助成コース

中小企業団体助成コースの対象となるのは、中小企業者で構成される事業協同組合といった事業主団体です。以下の要件を満たした団体が対象事業を実施したときに助成金を受けられます。

  • 改善計画を作成し都道府県知事の認定を受けた事業主団体であること
  • 計画策定・調査事業、安定的雇用確保事業、職場定着事業、モデル事業普及活動事業から構成される1年間の中小企業労働環境向上事業の実施計画を策定し労働局長の認定を受けること
  • 事業主団体の構成員である中小事業者のために中小企業労働環境向上事業を行うこと

受けられる助成金は中小企業労働環境向上事業の実施に必要な経費の2/3です。限度額は事業主団体の規模によって定められています。

事業主団体の区分

支給される助成金の限度額

大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上)

1,000万円

中規模認定組合等(同100以上500未満)

800万円

小規模認定組合等(同100未満)

600万円

参考:厚生労働省|人材確保等支援助成金中小企業団体助成コースのご案内

外国人労働者就労環境整備助成コース

言語や雇用慣行の違いから、外国人との間には労働条件や解雇に関するトラブルが起こりやすい傾向があります。

外国人労働者就労環境整備助成コースは、以下の要件を満たす事業主が外国人を雇用するときに必要な配慮ができるよう、就労環境を整えた場合に受け取れる助成金です。

  • 外国人の従業員を雇用している
  • 認定を受けた就労環境整備計画に基づき、外国人の従業員が働きやすいよう、社内規程やマニュアルの多言語化・一時帰国のための休暇制度の整備などを実施している
  • 就労環境整備計画期間が終了してから一定期間経過後の外国人従業員の離職率が10%以下である

要件を満たすと以下の支給額を受け取れます。

区分

支給額(上限額)

賃金要件を満たしていない

対象となる経費の1/2(上限額57万円)

賃金要件を満たしている

対象となる経費の2/3(上限額72万円)

※賃金要件とは、外国人従業員の賃金が、最も遅い就労環境整備措置の実施日から1年以内に5%以上増えていること。

参考:厚生労働省|人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック

テレワークコース

テレワークの導入により人材の雇用や定着を目指す場合には、テレワークコースを活用できます。

機器等導入助成では、テレワークに関する就業規則の整備や対象の従業員がテレワークを実際に行うことなどの要件を満たすと、対象となる経費の30%を受け取れます。ただし100万円か20万円×対象となる従業員数のいずれか低い金額が上限額です。

目標達成助成の助成金は、評価期間後1年間の離職率が定められた基準以下の場合に受け取れます。支給額は対象となる経費の20%もしくは35%で、100万円または20万円×対象となる従業員数のうち低い方が上限額です。

参考:厚生労働省|人材確保等支援助成金(テレワークコース)のご案内

建設分野が対象の3コース

かねてからの従業員の高年齢化に加え、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用される建設業界では、人材不足がますます進行することが予想されています。人材確保を目指すには、魅力ある職場作りがポイントです。人材確保等支援助成金には、建設分野を対象とした3つのコースが設けられています。

建設キャリアアップシステム等普及促進コース

建設キャリアアップシステム等普及促進コースは、建設事業主団体が中小構成員へ「建設キャリアアップシステム(CCUC)」への登録や登録にかかる費用のサポート、利用するために必要な機器やアプリの導入を促す事業を行ったときに受けられる助成金です。

対象となる経費の2/3を、中小建設事業主団体以外の建設事業主団体は対象となる経費の1/2を受給できます。

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースで助成金の支給対象になる事業と、助成金の金額を見ていきましょう。

若年および女性を雇用し定着させるための事業を行った建設事業主や建設事業主団体は、以下の支給額を受け取れます。加えて雇用管理研修等を受講させると、1人あたり1日8,550円を最長6日間加算可能です。

事業主団体の区分

支給される助成金額

中小建設事業主

対象の経費の3/5 ※賃金要件が認められる場合は3/4

中小建設事業主以外の建設事業主

対象の経費の9/20 ※賃金要件が認められる場合は3/5

※賃金要件とは対象となる従業員の賃金上昇率が5%以上であること。

また建設工事の作業について訓練を推進する活動を行う広域的職業訓練を実施する職業訓練法人は、対象となる経費の2/3を助成金として受け取れます。

作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

従業員に対して宿舎を用意した場合に受け取れる助成金です。3種類の事業ごとに支給額が異なります。

助成金の対象となる団体

支給される助成金額

岩手県・宮城県・福島県の被災三県にある作業員宿舎・作業員施設・賃貸住宅を賃借した中小建設事業主

対象となる経費の2/3

自ら施工管理する建設工事現場に女性専用の作業員施設を賃借した中小元方建設事業主

対象となる経費の3/5 ※賃金要件が認められると3/4

認定訓練の実施に必要な施設や設備の設置・整備を行った広域的職業訓練を実施する職業訓練法人

対象となる経費の1/2

職場環境を整備し従業員の定着につなげよう

従業員の定着には職場環境の整備が欠かせません。人材の採用や定着に向けて取り組むには、人材確保等支援助成金が役立ちます。

また職場環境の整備には福利厚生の充実度アップも有効です。例えば従業員に食事補助を提供できるエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を検討してもよいでしょう。

全国にある25万店舗以上の加盟店で食事を購入できる「チケットレストラン」なら、全従業員へ公平に食事補助を提供できます。利用しやすい福利厚生を、職場の魅力につなげませんか。

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