食事補助の歴史を時系列で確認
1975年から始まった「食事補助」ですが、それ以前も食事が非課税になる制度はありました。対象となるのは現物支給に限られていたのが特徴です。時系列に沿って、食事補助の歴史を振り返ります。
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1945~1974年:現物支給のみ対象
1975年の制度開始前にも食事代が非課税となる仕組みがありました。ただしこのとき非課税の対象となったのは、食事を現物で支給したときのみです。例えば飲食店で従業員へ出す「まかない」は対象になりますが、従業員が飲食店で払った代金を企業が後から従業員へ支給すると対象になりませんでした。
また、非課税になる上限は月700円です。今の価値に換算すると、1,800~3,300円ほどと計算できます。
参考:日本銀行|昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?
1975年:食事補助が始まる
食事補助が制度として始まったのは1975年です。企業の補助額の上限は従業員1人あたり月2,500円と定められています。
また支給した食事補助が非課税となるのは、企業の出した補助額と同額以上を従業員が負担した場合です。
1984年:食事補助制度の改正
1984年には当時大蔵大臣を努めていた竹下登氏のもと、食事補助制度の改正が行われました。それにより企業の補助額は、従業員1人あたり月3,500円(税抜)に引き上げられます。
改正後も食事補助が非課税となるには、従業員が同額以上を負担していなければなりません。
この改正時には、その後も実態調査を行い、必要に応じて非課税限度額の引き上げを実施するとされました。ただし実態調査が行われたのは1984年の改正時のみで、それ以降は一度も実施されていません。
「従業員がどのくらいの食事代を負担していたのか」「従業員の負担額に対して適性な補助額が設定されていたのか」などは把握しきれていないのが現状です。
2025年:非課税限度額引き上げの要望を提出
1,139の飲食店・食事補助利用企業・食事補助サービス事業者で構成されている「食事補助上限枠緩和を促進する会」(代表 株式会社エデンレッドジャパン)は、2025年の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に向けて、自民党「物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直しPT」へ食事補助の所得税非課税上限の緩和についての要望書を提出しました。
2025年6月13日の閣議決定を目指す経済財政運営と改革の基本方針に、食事補助の非課税限度額緩和が盛り込まれることが期待されます。
関連記事:
自民党「物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直しPT」に食事補助の上限枠緩和の要望の申し入れを行いました
経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)とは|提出された提言や要望も
食事補助の実態は?
日本における食事補助の歴史を確認すると、40年以上制度が全く変わっていないことが分かります。
2020年の消費者物価指数を100.00とした場合、1984年は82.16、2024年は108.50です。1984年と2023年を比べると、26.34ポイントも2024年が高い数値を示しています。
これだけ消費者物価指数が変化した現在、食事補助の実態はどのようになっているのでしょうか?
参考:
世界経済のネタ帳|日本の消費者物価指数の推移(1980~2023年)
総務省|2020年基準消費者物価指数 全国2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均
食事補助で1日いくらまかなえる?
一定の利用条件下で所得税が非課税になる食事補助の上限は月3,500円です。1カ月の出勤日が20日間だとすると、1日あたりの金額は175円と計算できます。175円のみでは、コンビニでおにぎりを1個買える程度です。
参考:セブン₋イレブン|おにぎり
昼食代の平均は424円
「ビジネスパーソンのランチ実態調査2025」によると、企業で働く人の昼食代の平均は424円です。非課税になる食事補助の1日あたりの金額175円との差額は249円と計算できます。
昼食代の平均額と非課税になる食事補助の1日あたりの金額の差額である249円を、出勤日数20日間分で計算すると4,980円です。インフレがこのまま進行し続ければ、昼食代の平均額が上がることも考えられます。
従業員の昼食代の負担額は増加していくでしょう。
関連記事:ビジネスパーソンのランチ実態調査2025~コメ高騰でランチの主食危機⁉ 7割近くが“影響あり”と回答~
日本の食事補助は法定外福利
加えて日本の食事補助は、導入が義務付けられていない法定外福利のため、実施状況は企業ごとにさまざまです。食事補助を充実させている企業もあれば、全く行っていない企業もあります。
食事補助を導入していない企業では、昼食代にかかる従業員の負担はさらに大きく、424円を全額を負担しなければいけません。20日間出勤すると8,480円です。
関連記事:【社労士監修】 福利厚生とは何か?種類別に分かりやすく意味を解説
実質的な手取りアップつながる「チケットレストラン」
インフレが進んでいる中、企業規模を問わず賃上げの動きが広がっています。ただし実質賃金は下がっており、労働者の生活は厳しい状況といえるでしょう。
一定の利用条件下であれば所得税が非課税になる食事補助の支給は、従業員にとって実質的な手取りアップにもつながる制度です。
エデンレッドジャパンの提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を導入した企業の中には、福利厚生による経済的なサポートにより、採用や離職防止につながった事例もあります。
「チケットレストラン」の詳細や、実質的な手取りアップにつながる仕組みなどについては、こちらの「資料請求」からお問い合わせください。
関連記事:サンデーステーションでも話題!「第3の賃上げ」で手取りをアップ
詳細な導入事例はこちら:
株式会社ほねごり
株式会社sumarch
食事補助を実施するなら「チケットレストラン」がおすすめ
現状の食事補助の制度は、他の国と比べて決して充実しているとはいえません。ただし導入することで、従業員の実質的な手取りアップにつながり、企業の人材確保がスムーズに進みやすくなることが期待できます。
食事補助を導入するときには、導入や運営にかかる手間を最小限に抑えつつ利用できる「チケットレストラン」を活用するとよいでしょう。実質的な手取りアップにより、人材の採用・定着・モチベーションアップなどに役立つ食事補助サービスの導入を検討してみませんか。
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