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【社労士監修】家賃補助で従業員の実質収入アップ|福利厚生を活用した新時代の報酬戦略

【社労士監修】家賃補助で従業員の実質収入アップ|福利厚生を活用した新時代の報酬戦略

2024.10.24

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

家賃補助の福利厚生は、従業員の生活支援と企業の人材確保戦略をともにかなえる注目の施策です。本記事では、その定義から最新のトレンド・導入のメリットまで徹底解説します。従来型と新型サービスの比較や「第3の賃上げ」としての活用法に加え、合わせて検討したい食事補助の福利厚生サービスについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

家賃補助の福利厚生とは?

家賃補助の福利厚生は、従業員の住居費用の一部、または全部を企業が負担する制度です。近年、従業員の生活支援と企業の人材確保戦略として注目を集めています。まずは、その概要から整理していきましょう。

家賃補助の種類と支給方法

「家賃補助」とひとくちにいってみても、該当する制度は企業によって異なるのが実情です。ここでは、家賃補助の一般的な種類と支給方法を紹介します。

借上げ社宅・社員寮の提供

企業が物件を借り上げ、従業員に提供する方法です。家賃の一部を従業員が負担し、残りを企業が補助します。

住宅手当の支給

従業員の給与に住宅関連の手当を上乗せする方法です。具体的には、以下のような支給方法があります。

  • 一律支給
  • 給与に応じた支給
  • 勤続年数に応じた支給
  • 役職に応じた支給
  • 世帯構成に応じた支給
  • 地域に応じた支給

住宅ローン補助

持ち家購入時のローン返済の一部を補助する方法です。

家賃補助と住宅手当の違い

「家賃補助」と「住宅手当」は同じものとして扱われがちですが、厳密には異なる施策です。

家賃補助は、従業員が実際に支払う家賃に対して直接的に補助を行う制度です。一方、住宅手当は、従業員の住居費用全般をサポートするために給与に上乗せして支給される手当をいいます。

家賃補助の場合、実際の家賃の支払いに対する補助として、使途が明確です。企業は従業員の実際の住居費用を把握し、それに応じた補助を行うことができます。一方、住宅手当は給与の一部として支給されるため、従業員の裁量で使用できる柔軟性が特徴です。

さらに、税務上の取り扱いも異なります。家賃補助は、一定の条件を満たせば非課税となる可能性がありますが、住宅手当は原則として課税対象です。このため、企業は制度設計の際に税務面での影響についても考慮する必要があります。

家賃補助を導入するメリット

家賃補助の福利厚生を導入することは、企業と従業員の双方にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、主要なメリットについて詳しく解説します。

従業員の生活支援

家賃補助のメリットとして、まず挙げられるのが、従業員の生活支援です。住居費は、多くの人にとって最大の支出項目のひとつです。その負担を軽減することは、従業員の生活の質の大幅な向上につながります。

家賃補助によって可処分所得が増加すると、従業員の生活にゆとりが生まれます。これは、単に経済的な面だけでなく、精神的な安定にも寄与するものです。また、より良い住環境を選択する余裕が生まれることで、仕事とプライベートのバランスが取れた生活を送ることができるようになります。

さらに、家賃補助は従業員の将来設計にも影響を与えます。住居費の負担が軽減されることで、貯蓄や自己投資に回せる資金が増え、長期的なキャリアプランや人生設計を立てやすくなるでしょう。

特に、大きい都市部で働く若手従業員や単身赴任者など、家賃の負担感が大きい従業員へもたらす効果は大きなものといえます。

人材確保・定着率向上

家賃補助は、企業の人材戦略においても重要な役割を果たす施策です。

求職者にとって、家賃補助は魅力的な福利厚生のひとつです。特に、住居費の高い都市部での就職を検討する求職者にとって、家賃補助の有無は企業選びの重要なポイントです。

また、家賃補助による安定した住環境の提供は、離職率の低下にも寄与します。従業員の長期的な勤務が期待できるほか、企業への帰属意識や満足度の向上にもつながります。

企業の持続的な成長に、人材の確保と定着は欠かせません。家賃補助はこの両面でポジティブな効果をもたらし、企業の競争力を高める施策です。

企業イメージ向上

家賃補助の導入は、企業イメージの向上にも大きく貢献します。充実した福利厚生を提供することにより、社会的評価が高まる効果が期待できます。

なぜなら、充実した福利厚生の提供は「従業員を大切にする企業」としてのブランディングに効果的だからです。これは採用市場での競争力強化のみならず、企業価値の観点からも重要です。また、従業員の生活をサポートする姿勢は、社会的責任を果たす企業としての評価にもつながります。

このように、家賃補助の導入は、単なる福利厚生の一環にとどまらず、企業の総合的な価値向上につながる重要な施策なのです。

従来型の家賃補助制度の特徴と課題

従来型の家賃補助制度は、多くの企業で長年にわたり実施されてきました。ここでは、その特徴と課題について詳しく見ていきます。

従来型家賃補助の企業規模別平均額

従来型の家賃補助制度の導入状況について、厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」のデータをもとに解説します。

令和2年生活手当平均支給額

出典: 令和2年就労条件総合調査 結果の概況

上記データによると、住宅手当は、単身赴任手当や別居手当(47,600円/月)に次いで高額な生活手当です。このデータから「住宅手当など」をピックアップしてまとめたものが以下の表です。

企業規模 住宅手当の平均支給額(月額)
全体平均 17,800円
1,000人以上 21,300円
300~999人 17,000円
100~299人 16,400円
30~99人 14,200円

住宅手当の支給額は、企業規模が大きくなるほどに高くなる傾向にあることが分かります。

参考:厚生労働省|令和2年就労条件総合調査 結果の概況

従来型家賃補助の課題

従来型の家賃補助制度には、いくつかの課題が指摘されています。以下、主な課題をピックアップして紹介します。

  • コスト負担: 従来型の家賃補助は、企業にとって大きな財政的負担となる可能性があります。特に、一律支給の場合、大企業ほど負担が増します
  • 公平性の確保: 従来の制度では、従業員の個別の住居事情や生活環境を考慮せず、一律または役職に応じた金額を支給する傾向にありました。この場合、実際の住居費用と補助額のバランスが取れず、従業員間で不公平感が生じるリスクがあります
  • 管理の手間: 従来型の制度では、従業員の住居状況の変更や、補助金額の調整などの管理業務が発生します。これらの業務にまつわる人的コストが、特に中小企業で大きな課題となっています
  • 効果測定の難しさ: 従来の制度では、家賃補助が実際にどれだけ従業員の満足度向上や定着率改善に貢献しているかを定量的に測定することが難しい傾向にありました。そのため、制度の効果を正確に評価し、改善につなげることが困難でした。

これらの課題を克服するために、近年では新しい形の家賃補助サービスや、より柔軟な制度設計が注目されています。次のパートでは、そうした新しいアプローチについて詳しく見ていきます。

新しい形の家賃補助|借上げ社宅型サービス

従来型の家賃補助制度の課題を解決し、より効果的な福利厚生を提供するため、新しい形の家賃補助サービスが登場しています。その代表例が「借上げ社宅型サービス」です。ここでは、freee株式会社が提供する借上げ社宅型の福利厚生サービス「freee福利厚生」を例に、この新しいアプローチについて詳しく解説します。

借上げ社宅型サービスの仕組み

「freee福利厚生」は、従業員がもともと済んでいる物件や、新規契約物件を企業名義に切り替えることにより、住宅を従業員に現物支給する仕組みです。この方式には以下のような特徴があります。

  • 法人契約への切り替え: 従業員が現在住んでいる賃貸物件や、これから入居する物件の契約を法人名義に変更します。企業が借主となり、従業員に住居を提供する仕組みです
  • 給与の一部を住宅費用に充当: 従業員の給与の一部を住宅費用として充当(給与から天引き)します。給与の現金支給額は減少しますが、そのぶんが非課税の現物給与として扱われます
  • 柔軟な物件選択: 従業員は自身のニーズに合わせて物件を選択できます。現在の住居をそのまま利用するほか、新規に物件を探すことも可能です
  • システム化された管理: クラウドベースの管理システムにより、煩雑な事務作業を効率化できます

この仕組みを活用することで、従来型の家賃補助が抱えていた多くの課題を解決し、より効果的な家賃補助を実現することが可能になります。

参考:freee福利厚生

従来型との比較

借上げ社宅型サービスと従来型の家賃補助を比較すると、以下のような違いがあります。

項目 従来型家賃補助 借上げ社宅型サービス
コスト負担 企業の直接負担が大きい 給与の一部充当で抑制
税制上の取り扱い 課税対象 非課税扱いが可能
柔軟性 制度上の制約が多い 自由な物件選択が可能
管理の手間 手続きが煩雑 システム化で効率化
効果測定 測定が難しい 手取り増加が明確

借上げ社宅型サービスは、単なる家賃補助にとどまらず、企業が従業員の生活支援を通じて実質的な手取りを増やす新しい手法でもあります。このような「給与に依存しない収入増」の考え方は、近年注目されている「第3の賃上げ」の代表的な例です。

「第3の賃上げ」としての家賃補助

近年、「第3の賃上げ」という概念が注目を集めています。これは、従来の賃上げとは異なるアプローチで従業員の実質的な収入を増やす方法です。家賃補助、特に借上げ社宅型サービスは、この「第3の賃上げ」の代表的な例として注目されています。

第3の賃上げ」とは、給与以外の方法で従業員の実質的な収入増を図る新しい賃上げの形態です。従来の賃上げ方法と比較すると、以下のようになります。

  • 第1の賃上げ:定期昇給(勤続年数・年齢・従業員の成績など企業が定めた基準で行われる)
  • 第2の賃上げ:ベースアップ(基本給の引き上げ)
  • 第3の賃上げ:福利厚生サービスを活用した実質的な手取り増加

第3の賃上げ」の意義は、主に以下の点にあります。

  • コスト効率:企業の負担を最小限に抑えつつ、従業員の実質的な収入を増やせる
  • 税金の控除:適切に設計すれば、非課税や税制優遇の対象となる可能性がある
  • 柔軟性:従業員のニーズに合わせた多様な形態を選択できる
  • 従業員満足度:金銭的メリットだけでなく、生活の質向上にもつながる

第3の賃上げ」は、特に中小企業や成長途上の企業にとって、従業員の待遇改善と企業の持続可能な成長を両立させる有効な手段です。

関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

家賃補助以外の「第3の賃上げ」の可能性

第3の賃上げ」は家賃補助以外の福利厚生でも実現できます。ここでは、主要な生活手当のひとつ「食事補助」について解説します。

食事補助の重要性

食事補助は、従業員の生活支援と健康維持に大きく貢献する重要な福利厚生のひとつです。食事補助を提供することにより、企業は以下のようなメリットが期待できます。

  • 日常的な従業員の生活支援: 食事は毎日の必需品であり、継続的な支援が可能です。これにより、従業員は日々の生活でメリットを実感できます
  • 健康促進: 栄養バランスの取れた食事の提供や、健康的な食事の選択を促すことで、従業員の健康維持・増進に寄与します
  • コミュニケーション促進: 食事の機会を提供することにより、部署を超えた従業員間のコミュニケーションを促進できます
  • 生産性向上: 適切な食事補助により、従業員の集中力や生産性の向上が期待できます

具体的な食事補助の方法としては「社員食堂」「設置型社食」「宅配弁当」「食事券の配布(カード型を含む)」等があります。

関連記事:食事補助とは?福利厚生に導入するメリットと支給の流れ

日本一の実績を持つ食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」


数ある食事補助の福利厚生の中でも、近年特に注目度を高めているのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。

チケットレストラン」は、一定の条件下で利用することにより、全国25万店舗以上かつ幅広いジャンルの加盟店での食事が半額になるサービスです。一定の条件を満たすことで福利厚生として経費計上できるため、第3の賃上げとしても効果が期待できます。

勤務時間内であれば使用する時間や場所は自由なサービスのため、リモートワークや出張中など、利用時のシチュエーションを問いません。日常的に使用する食事を福利厚生として提供することにより、従業員のエンゲージメントやモチベーションを高める効果が期待できます。

こうした数々の魅力が評価され「チケットレストラン」は、すでに3,000社を超える企業に導入される人気サービスとなっています。

関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

これからの時代に求められる家賃補助と福利厚生

家賃補助の福利厚生は、従業員の生活の質を向上させ、企業の競争力を高める重要な施策です。

従来の家賃補助制度は企業の負担が大きく、税制上も課税対象になるのが一般的でした。しかし、近年は借上げ社宅型サービスのような新しい形態が登場しています。このサービスを通じ、企業は従業員に対し非課税の現物支給を行い、実質的な手取りを増やす「第3の賃上げ」を実現することが可能です。

第3の賃上げ」を進める手段としては、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」も効果的です。従業員のニーズに応じた柔軟な制度を整備し、実質的な収入を増やす取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

 


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