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【社労士監修】2025年改正!育児・介護休業法とは?最新情報・実務ポイントを解説

【社労士監修】2025年改正!育児・介護休業法とは?最新情報・実務ポイントを解説

2024.08.19

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

近年、働き方改革や少子高齢化対策の一環として、育児・介護休業法が度々改正されています。企業における人事担当者には、この法律の理解と適切な運用は非常に重要な課題です。本記事では、育児・介護休業法の基本から最新の改正内容まで、わかりやすく解説していきます。

育児・介護休業法とは

育児・介護休業法は、正式名称を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といいます。この法律は、働く人々が仕事と育児や介護を両立できるよう支援することが目的です。

具体的には、育児休業や介護休業の取得、短時間勤務制度の導入、子の看護休暇や介護休暇の付与など、様々な制度や措置を定めています。これらの制度や措置により、従業員が安心して働き続けられる環境を整備することが、企業に求められています。

育児・介護休業法の目的と意義

育児や介護を担う人を支援し、仕事と家庭との両立を目的にした法律が育児・介護休業法です。仕事と家庭との両立という目的を達成するためには、以下のような現在の社会問題についての配慮が求められます。

  • 少子高齢化対策
  • 労働力の確保と生産性の向上
  • 男女共同参画社会の実現

男性の育休取得などジェンダー平等を推進する育児・介護休業法は、単に休業を認めるだけではありません。従業員のワークライフバランスを実現し、企業の持続的な成長にも寄与することを目指していることがポイントとなります。

たとえば、育児や介護を理由とした離職を防ぐことで、貴重な人材の流出を防ぎ、企業の競争力維持になるでしょう。また、男性の育児参加を促進することで、女性の活躍推進にも寄与します。育児・介護休業法は、多様な人材の活用という観点からも、企業にとって重要な意味を持つ制度なのです。

以下は、厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」を引用したもので、育児・介護休業法の目的と意義がわかりやすく記されています。

育児及び家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて、我が国の経済及び社会の発展に資することを目的としているものです。

出典:厚生労働省|育児・介護休業法のあらまし 育児・介護休業法における制度の概要

育児・介護休業法の主な内容

さらに具体的な内容を確認します。育児・介護休業法で定められている主な制度は以下です。

  1. 育児休業制度
  2. 介護休業制度
  3. 子の看護休暇制度
  4. 介護休暇制度
  5. 所定外労働の制限
  6. 時間外労働の制限
  7. 深夜業の制限
  8. 所定労働時間の短縮措置

これらの制度について、詳しく見ていきましょう。

1.育児休業制度

育児休業制度は、子どもが1歳になるまでの期間、労働者が休業できる制度です。両親がともに育児休業を取得する場合は、子どもが1歳2か月に達するまでの間に、通算1年間取得できる「パパ・ママ育休プラス」制度もあります。

また、2022年10月からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、子どもの出生後8週間以内に、4週間まで分割して2回取得できるようになりました。

2.介護休業制度

介護休業制度は、要介護状態にある家族を介護するために、労働者が休業できる制度です。対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して取得できます。

3. 子の看護休暇制度

子の看護休暇制度は、小学校就学前の子どもを養育する労働者が、子どもの病気やけがの世話をするために取得できる休暇制度です。子ども1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日を限度として取得できます。

※2025年4月施行による改正内容

2024年公布、2025年4月からは、対象となる子の範囲が小学校3年生まで拡大されます。また、利用する事由についても、柔軟性が高まりました。子の学校行事(運動会や授業参観など)や感染症に伴う学級閉鎖での利用も可能になります。

4.介護休暇制度

介護休暇制度は、要介護状態にある家族の介護や世話をするために取得できる休暇制度です。対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日を限度として取得できます。

5.所定外労働の制限

3歳未満の子を養育する労働者、介護を行う労働者は、所定労働時間を超えて働かせることを免除するよう請求できます。

※2025年4月施行による改正内容

対象となる労働者について、子の年齢が3歳未満から小学校就学前まで拡大します。

6.時間外労働の制限

小学校就学前の子を養育する労働者、または要介護状態にある家族を介護する労働者は、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働を制限するよう請求できます。

7.深夜業の制限

小学校就学前の子を養育する労働者、または要介護状態にある家族を介護する労働者は、深夜(午後10時から午前5時まで)に働かせることを制限するよう請求できます。

8.所定労働時間の短縮措置

3歳未満の子を養育する労働者について、1日の所定労働時間を原則6時間とする時短勤務制度を設けることが事業主に義務付けられています。

出典:厚生労働省|育児・介護休業法のあらまし 育児・介護休業法における制度の概要

育児・介護休業法の改正履歴

育児・介護休業法は、1992年4月の施行以来、社会情勢の変化に応じて度々改正されてきました。ここでは、近年における主な改正履歴を紹介します。

  • 2017年10月:育児休業期間の延長、介護休業の分割取得
  • 2021年1月:子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得
  • 2022年4月:育児休業を取得しやすい雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
  • 2022年10月:産後パパ育休(出生時育児休業)の創設、育児休業の分割取得
  • 2023年4月:育児休業取得状況の公表義務化(常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主)

これらの改正により、より柔軟な制度利用が可能になるとともに、とくに男性の育児参加を促進する取り組みが強化されてきました。

参考:厚生労働省|育児・介護休業法について

関連記事:【社労士監修】2025年4月育児・介護休業法改正とは?ポイント、改正履歴を解説

2025年改正の育児・介護休業法のポイント

2025年4月には、さらなる改正が予定されています。主なポイントを見ていきましょう。

【2025年改正ポイント1】子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充

3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し、事業主は以下の5つの措置のうち2つ以上を講じることが義務付けられます。

  1. 始業時刻等の変更:フレックスタイム制度やシフト勤務など
  2. テレワーク:1か月10日
  3. 短時間勤務:1日の所定労働時間を短縮
  4. 新たな休暇の付与:子育て関連の特別休暇など
  5. その他働きながら子を養育しやすくするための措置:事業所内保育施設の設置、保育サービス利用など

上記以外にも、年齢ごとの措置が講じられています。3歳未満の子を養育する労働者に対し、事業主はテレワークを可能とするための努力義務が課されました。

前述したとおり、以下の2つの措置も設けられています。

  • 所定外労働免除の対象範囲が、小学校就学前の子を養育する労働者に拡大
  • 子の看護休暇の対象年齢が小学校3年生までに引き上げられ、行事参加等でも取得可能

【2025年改正ポイント2】育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化

育児休暇の取得状況の実測値の公表が義務化されれば、多くの企業で取得推進が進みます。そのため、以下の2つの事業主に当てはまる場合について、公表義務が追加、拡大されました。

  • 育児休業取得状況の公表義務:常時雇用する労働者数が300人以上の事業主に拡大
  • 育児休業の取得状況や労働時間の状況について、数値目標の設定が義務付け:常時雇用する労働者数が101人以上の事業主

また、仕事と家庭両立の実数値での実現に向けて、企業の行動計画の策定を義務付ける「次世代育成支援対策推進法」の有効期限が2035年3月31日まで10年間延長されます。

関連記事:【社労士監修】2025年育児・介護休業法改正のポイントをわかりやすく解説!

【2025年改正ポイント3】介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

高齢化が進むことを背景に介護離職が増えています。防止策としての支援が強化されました。

  • 従業員から家族介護に直面した旨の申し出があった際、事業主は両立支援制度について個別に周知・意向確認することが義務化
  • 介護に直面する前の早い段階(例:40歳等)での情報提供と雇用環境整備(研修実施、相談窓口の設置等)が事業主に義務化
  • 介護休暇の勤続6か月未満の労働者を除外する仕組みが廃止
  • 家族介護中の従業員に対し、事業主はテレワークを可能とする(努力義務)

これらの改正により、子育てや介護をしながら働く従業員への支援がさらに強化されることになります。企業においては、改正内容を踏まえて、自社の制度や運用の見直しを検討することが肝要です。

出典:厚生労働省|令和6年改正法の概要
出典:厚生労働省|リーフレット「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正のポイント」

育児・介護休業法の実務対応のポイント11

2025年の改正が直近で実施されるように、企業は実務で法律を遵守することが求められます。ここからは、育児・介護休業法に基づく制度を適切に運用するためのポイントを解説します。

1.就業規則の整備

法改正に合わせて、就業規則を適切に更新することが重要です。育児休業、介護休業、短時間勤務制度などについて、最新の法律に準拠した内容となっているか確認し、必要に応じて改定を行いましょう。

2.制度の周知と利用促進

従業員に対して、各種制度の内容や利用方法を積極的に周知することが大切です。2025年改正では、介護に直面した場合などにおいて、個別周知・意向確認が義務化されます。効果的な周知方法を施行前から検討しておくことが大切です。たとえば、以下のような方法が考えられます。

  • 企業内ネットワークシステムや社内報での情報発信
  • 制度説明会の開催
  • 管理職向け研修の実施
  • 個別面談の実施

3.柔軟な働き方の促進

テレワークや時差出勤など、柔軟な働き方を可能にする制度の整備が求められています。育児や介護と仕事の両立を支援するため、業務の性質に応じて可能な範囲で柔軟な勤務体制を検討しましょう。

4.代替要員の確保と業務の見直し

育児休業や介護休業を取得する従業員が出た場合に備えて、代替要員の確保や業務の再分配を計画的に行うことが重要です。また、業務の棚卸しを行い、業務の効率化や不要な業務の削減を検討することで、休業取得者が出ても対応しやすい体制を整えましょう。

5.管理職の意識改革

制度を適切に運用するためには、管理職の理解と協力が不可欠です。管理職向けの研修を実施し、育児・介護休業法の趣旨や重要性、具体的な対応方法などについて理解を深めておくことが重要です。

6.復職支援の充実

育児休業や介護休業から復職する従業員に対して、スムーズに職場に戻れるようサポートすることが大切です。復職前の面談や、短時間勤務の活用、業務の引き継ぎサポートなど、個々の状況に応じた支援を検討しましょう。

7.両立支援制度利用者の評価

育児や介護のために両立支援制度を利用している従業員の評価について、不利益が生じないよう配慮することが重要です。短時間勤務や時間制約がある中でも、成果を適切に評価できる仕組みが整備されていなければ、十分に制度が活用されない可能性があります。

8.男性の育児参加促進

男性の育児休業取得を促進するには、複合的なアプローチが効果的です。まず、経営層が育児休業の重要性を積極的に発信し、組織全体の意識改革を図ることが重要です。次に、実際に育児休業を取得した従業員の体験談を共有することで、具体的なイメージを醸成できます。さらに、男性管理職など影響力のある立場の人が率先して育児休業を取得し、ロールモデルとなることで、他の従業員の背中を押す効果が期待できます。職場全体で育児休業を当たり前のこととして受け入れる雰囲気をつくり、取得への心理的障壁を下げることが大切です。

9.介護に関する情報提供

介護は突然始まることが多いため、事前の情報提供が大切になります。40歳など、介護に直面する可能性が高まる年齢の従業員に対して、介護保険制度や企業の支援制度について、適切なタイミングで情報提供を行いましょう。

10.数値目標の設定と進捗管理

2025年改正では、育児休業取得率等の数値目標設定が義務化されます。自社の現状を把握し、適切な目標を設定するとともに、定期的に進捗を確認し、必要に応じて施策を見直すPDCAサイクルを回していくことが重要です。

11.福利厚生の拡充

育児・介護休業法の改正に伴い、従業員の仕事と家庭の両立支援がより一層重要となっています。法令遵守はもちろんのこと、従業員の福利厚生を充実させることで、真に働きやすい職場環境を整備し、企業の競争力を高める絶好の機会となっています。

一口に福利厚生といっても多様です。次に、働きやすい職場づくりで定評のある、食事補助の福利厚生を紹介します。

働きやすい職場づくりに役立つ食事補助の福利厚生

多様な福利厚生がある中、働きやすい職場づくりに役立つのがエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。食事補助の福利厚生サービスとして、従業員の食事代を実質半額支援するもので、育児や介護に携わる従業員にとって大きな助けとなります。

チケットレストランの特徴・メリット

チケットレストラン」は、従業員の食生活をサポートする食事補助の福利厚生サービスです。毎日でも使いたくなる「利便性」と勤務時間や好みに応じて利用店舗を選択できる「柔軟性」を備えているのが最大の特徴となっています。

企業にも嬉しいメリットがあります。事前にチャージされたICカードを従業員に配布するだけで、支払い時に簡単に利用できるため、導入や運用も容易です。全国25万店舗の加盟店があり、コンビニ、ファミレス、さらにはUber Eatsなどのデリバリーサービスまでカバーしているため、従業員の多様な食事ニーズに対応できます。

チケットレストラン」のメリットは食事代の補助にとどまりません。勤務時間内であれば飲み物代やおやつ代など、幅広い用途で活用できるため、従業員の日々の生活をより豊かにサポートします。育児や介護に携わる従業員にとっては、栄養バランスの取れた食事を手軽に摂ることができ、体力や活力の向上につながります。食事の準備にかかる時間と労力を節約できるため、仕事と家庭の両立に大きく貢献するでしょう。

このように「チケットレストラン」は、従業員の健康管理や時間の有効活用を促進し、結果として職場の生産性向上にも寄与するなど、多面的な効果を持つのが魅力です。

従業員を大事にする企業からチケットレストランが選ばれる理由

チケットレストラン」の導入は、従業員の仕事と育児・介護の両立を実質的にサポートする有効な手段となります。従業員がより健康的でエネルギッシュに働ける環境を整えることで、生産性の向上や優秀な人材の確保・定着にもつながるでしょう。実際の導入事例では、喜びの声が確認できます。

育児・介護休業法への対応とともに、福利厚生を導入することで、従業員に寄り添った、真に効果的な両立支援体制を構築できます。「チケットレストラン」を、従業員の日々の生活を支える具体的かつ即効性のある支援策として、ぜひご活用ください。

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育児・介護休業法への対応で企業価値を向上

育児・介護休業法への適切な対応は、従業員が安心して働き続けられる環境を整備することを意味します。結果として、優秀な人材の確保・定着、従業員のモチベーション向上、多様な人材の活用による組織の活性化 、企業イメージの向上、そして生産性の向上などが期待できるでしょう。このようなメリットがあるからこそ、長期的には企業の競争力強化につながります。育児・介護休業法への対応を、コストではなく投資として捉え、積極的に取り組んでいくことが重要です。

同時に、従業員一人ひとりの事情に寄り添い、個別のニーズに対応できるよう、柔軟な姿勢を持つことも大切です。育児や介護と仕事の両立支援は、今後ますます重要性を増していくでしょう。エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」のような、仕事と家庭の両立支援につながる福利厚生の導入も、従業員への支援策の一つとなります。

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