食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を展開する株式会社エデンレッドジャパンでは、実質的に従業員の手取りを増やす効果があり、企業の税負担も抑えられる福利厚生サービスを「第3の賃上げ(※1)」として定義し、それを広げていくためのプロジェクト「#第3の賃上げアクション」を展開しています。「第3の賃上げ」は、中小企業や非正規雇用者の処遇改善やいわゆる年収の壁(※2)に課題を抱える企業にとって、有効な選択肢です。
この取り組みの一環として、2024年7月10日に賛同企業や株式会社アルバイトタイムスと共同でラウンドテーブルを開催しました。本記事ではパート・アルバイト・契約従業員に喜ばれる形で手取りアップを実現できる「第3の賃上げ」をラウンドテーブルの内容を元に紹介します。
(※1 )「第3の賃上げ」:プロジェクトが定義した造語で、従来の賃上げ方法とは異なる、新しいアプローチのこと。定期昇給が第1の賃上げ、ベースアップが第2の賃上げ。
(※2 )年収の壁:一定の年収を超えると社会保険料や税金が急増し、手取りが減少する問題。
非正規雇用にも適用可能な「第3の賃上げ」とは
従来の賃上げ方法では対応が難しかった非正規雇用者の待遇改善に、効果的なアプローチが「第3の賃上げ」です。福利厚生を活用することで実質的な手取りアップを実現します。
とくに注目すべきは、この「第3の賃上げ」が非正規雇用者にも適用可能な点です。パート・アルバイト・契約従業員など、従来の賃上げでは恩恵を受けにくかった層にも、実質的な収入増加の効果があります。
非正規雇用の賃上げの現状
2024年春闘での賃上げ率は5%以上と歴史的高水準となった一方で、労働組合の組織率が1程度にすぎない中小企業や非正規雇用の従業員への影響は限定的と言われています。総務省統計局「労働力調査(基本集計)(2023年平均結果の概要)」では、非正規雇用の従業員は雇用者全体の4割近く(37.0%)を占めるなど貴重な労働力であることが示されていますが、適切な還元ができているとは言えない状況です。
総務省統計局の「令和4年就業構造基本調査結果」によると、宿泊業や飲食サービス業では、非正規従業員の割合は7割以上と非常に高くなっています。インバウンド市場の活性化や夏に向け、多くの労働力が求められる今、人手不足に悩む企業は多いです。
しかし、時給を上げても年収の壁という問題が生じ、働き控えにつながるなど、半数近くの企業が採用、定着率や離職率、賃上げのいずれかに課題を感じています。「第3の賃上げ」に取り組む企業が増えている背景には、このような社会問題が潜んでいるのです。
出典:総務省統計局|労働力調査(基本集計)(2023年平均結果の概要)
出典:総務省統計局|令和4年就業構造基本調査結果
チケットレストランで実現する「第3の賃上げ」の仕組み
「チケットレストラン」は福利厚生で食事を補助するという単純なメリット以上の効果があることで注目されています。「チケットレストラン」を通じて提供する食事補助は、一定の要件を満たせば非課税で処理できます。これにより、給与で還元する場合と比べて、従業員の実質手取りを増やすこと(=第3の賃上げ)が可能です。さらに、企業側にとっても税負担の軽減につながるメリットがあります。
「第3の賃上げ」による手取りアップの具体例
実際にチケットレストランを活用した第3の賃上げは、どれほどの効果があるのでしょうか。
年収127万円のパートタイマー(社会保険未加入)に対し、年間42,000円(時給換算で約35円程度)の待遇改善を行う場合を考えます。
出典:エデンレッドジャパン|パート・アルバイト・契約社員 にも「第3の賃上げ」を!ラウンドテーブルを開催
通常の賃上げ(時給アップ)の場合:
- 42,000円を給与として支給
- 年収が130万円を超え、社会保険加入義務が発生
- 社会保険の加入負担分が生じ、結果として手取りが大幅に減少
チケットレストランによる第3の賃上げの場合:
- 42,000円食事補助(チケットレストラン)を提供
- 年収130万円の壁を超えず、社会保険加入義務なし
- 所得税は非課税のため、42,000円がそのまま手元に残る
結果として、「チケットレストラン」を活用した第3の賃上げの方が、164,110円の手取りが増加します。
「第3の賃上げ」がもたらす多面的なメリットにも注目
「チケットレストラン」を活用した第3の賃上げは、手取りアップを実現するだけではありません。以下にポイントを解説します。
- 実質的な収入増加:従業員の手取りが実質的に増えます。
- 公平性の高さ:正規従業員、パート、アルバイトなど、雇用形態に関係なく提供できます。
- 導入のしやすさ:少額から始められ、企業規模に関わらず取り入れやすい制度です。
- 生活支援:従業員の日常生活をサポートできるため、直接的な生活支援につながります。
- 従業員満足度向上:福利厚生の充実は従業員のエンゲージメントを高めます。
- 採用競争力の強化:充実した魅力的な福利厚生は、採用力向上につながります。
ラウンドテーブルでエデンレッドが語った「#第3の賃上げアクション」への思い
第3の賃上げへの思いを語るエデンレッドジャパン天野代表
ラウンドテーブルでは、エデンレッドジャパンの代表取締役社長の天野総太郎氏より「第3の賃上げアクション」への思いが語られました。非正規雇用者が全雇用者の約4割を占める現状があること、年収の壁問題でやむなく働き控えをしていること、それが非正規雇用の定着やエンゲージメントの課題につながっていることを指摘した上で、「誰もが長く働きやすい環境づくりに第3の賃上げを役立てて欲しい」と思いを語りました。
今、企業に求められているのは、雇用形態を問わず、誰もが貴重な戦力として、長く働いていただけるような環境を整えることではないでしょうか。そのためのアクションとして、ぜひ「第3の賃上げ」を活用いただきたいと思っております。
「第3の賃上げ」を実践する3社の声
賛同企業3社とのトークセッションの様子
実際に第3の賃上げとして「チケットレストラン」を活用中の企業からは、具体的な効果や感想が寄せられています。
「年収の壁」のある非正規雇用者の手取りに少しでも貢献したい
関西エアポートオペレーションサービス株式会社(空港サービス関連)の人事担当者は、年収の壁がある従業員の手取りアップに貢献でき、従業員の帰属意識向上にもつながっている、と評価しています。
従業員への還元が叶うと同時に採用力強化に貢献
8割以上が子持ちのママが活躍中という株式会社サニクロ(部品検査関連)では、パートタイマーに対して第3の賃上げを実施しました。従業員への還元が叶うと同時に、採用面でも他社との差別化になっているメリットを実感しているそうです。
導入事例:株式会社サニクロ様
シニア層がモチベーションを維持して働ける環境づくりを
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社(IT関連)では、60歳超の嘱託従業員のモチベーション維持にチケットレストランを活用しました。定年前後の給与ギャップを緩和し、シニア層のモチベーション維持に貢献できていると評価しています。
アルバイトタイムスが解説する、非正規雇用の現状と「第3の賃上げ」の可能性
株式会社アルバイトタイムスの小堤課長は非正規雇用の現状を解説
採用市場が変化する中、非正規雇用の分野で新たな課題が浮上していると、株式会社アルバイトタイムスの営業企画課小堤課長は解説します。ポイントとなるのは、中小企業では人材確保問題が深刻化していること、そして非正規雇用の場合、単純な時給アップだけでは他社との差別化が難しくなっていることです。
「第3の賃上げ」は、働きやすさを重視する非正規雇用者の傾向に効果的に対応できる点に注目すべきと言及されました。以下のコメントで、企業のファンを育てる「第3の賃上げ」の有用性を評価しています。
実は、(第3の賃上げは)非常に有効な手段になると感じます。非正規雇用の従業員の方々は給与よりも働きやすさを重視する傾向にあります。そのため、会社の魅力をきちんと発信し、いかにファンになっていただくかが大切。「第3の賃上げ」となる福利厚生は企業が大切にしている理念を伝える強いメッセージになるのではないでしょうか。
第3の賃上げで実現する新しい働き方
「チケットレストラン」を活用した第3の賃上げは、福利厚生を活用するなど、従来の賃上げの枠を超えた新しい待遇改善の形を提示しています。手取りアップという直接的な効果だけでなく、従業員のエンゲージメント向上や企業の採用力強化など、多様な形で従業員を大切にできる取り組みです。
とくに、非正規雇用者や中小企業にとっては、画期的な選択肢となり得るでしょう。年収の壁や税負担の問題に悩まされることなく、従業員の待遇を従業員の希望に寄り添った形で改善できるためです。
今後、労働市場がますます多様化していく中で、「第3の賃上げ」による待遇改善が業界の標準を新たに定義する可能性もあります。「チケットレストラン」を活用した第3の賃上げをぜひ非正規雇用者への還元策として取り入れてみませんか。
出典:パート・アルバイト・契約社員 にも「第3の賃上げ」を!ラウンドテーブルを開催~“年収の壁”を抱える非正規雇用にも、福利厚生で実質手取りアップを実現~