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帝国データバンクの調査から見る賃上げの動向|おすすめの代替案も

帝国データバンクの調査から見る賃上げの動向|おすすめの代替案も

2024.05.31

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2024年の春闘は、大手企業の積極的な賃上げが牽引し、平均賃上げ率が5.24%と33年ぶりの高水準になりました。一方、帝国データバンクが行ったアンケート調査では、全体の3社に2社が賃上げ率5%に届いていません。本記事では、帝国データバンクが行った「<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」をもとに、リアルな賃上げの実態を解説します。自社の賃上げを検討するにあたってのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

【2024年春闘】は大手企業の賃上げが牽引、33年ぶりの高水準に

2024年の春闘は、大手企業の積極的な賃上げが牽引役となり、大きな盛り上がりを見せました。まずは、その詳細と、数字の裏に見える実態について整理していきましょう。

参考:株式会社 帝国データバンク[TDB]|<緊急調査>2024年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート(2024年4月18日)

「賃上げ率5%」に届かない企業が67.7%

2024年の春闘は、「賃上げ率5%以上」という、連合が掲げた高い賃上げ目標に注目が集まりました。4月4日に発表された第3回集計結果では、平均賃上げ率で5.24%という、実に33年ぶりの高水準を記録し、賃上げ目標を達成する結果となっています。

しかし、帝国データバンクのアンケート調査を見ると「賃上げ率5%以上」を実現した企業は全体のわずか26.5%に過ぎません。67.7%の企業が賃上げ率5%未満に留まる結果となりました。

2024年賃上げ実績

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート(2024年4月18日)

賃上げ率の内訳を見ると「3%増加」とした企業が22.0%、次いで「5%増加」が15.0%・「2%増加」が12.4%と続きます。

一方で、賃上げを行わなかった企業も一定数存在し「0%(据え置き)」は16.6%・「賃下げ」は0.6%でした。この調査結果からは、「賃上げ率5%」が、多くの企業にとってハードルの高い目標であることが浮き彫りとなっています。

これらの数字が示すのは、賃上げ率の平均値である5.24%が、一部の企業の奮闘により平均値が押し上げられた結果である事実です。賃上げの重要性は理解しつつも、思い切った実行に踏み切れない企業の事情が垣間見える結果となりました。

企業規模で明暗が分かれた賃上げ実施率

2024年の春闘は、平均賃上げ率5.24%となり、連合が掲げた「5%以上」という賃上げ目標を達成しました。しかし、帝国データバンクのアンケート調査から詳細を見てみると、企業規模によって賃上げ実施率に大きな差が生じていることが分かります。

企業規模別 賃上げ割合

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート(2024年4月18日)

大企業と中小企業の賃上げ実施率は、ともに77%前後と拮抗しています。しかし、小規模企業に限って見ると、賃上げ実施率はわずか65.2%です。

これらの数字からは、人件費負担への懸念から、思い切った賃上げに二の足を踏まざるを得ない小規模企業の苦しい実情が浮かび上がります。体力のある大手と、増える負担に喘ぐ小規模企業との明暗が、くっきりと分かれた結果となっています。

小規模企業が賃上げに踏み切れない背景

小規模企業が、大企業や中小企業に比べて賃上げに踏み切りにくい背景には「価格転嫁の難しさ」があります。

賃上げを行うには、原資が必要です。原資の補填は、製品やサービスの価格へ賃上げ分を上乗せする(=価格転嫁)ことで行われるのが一般的です。

しかし、小規模企業の場合、受注先との力関係において弱い立場であることが多く、思い切った要求ができません。受注減や取引停止といったリスクを恐れた結果、賃上げをためらってしまう現実があるのです。

新卒採用でも二極化が鮮明に

「大企業・中小企業」と「小規模企業」とのあいだで見られた賃上げ率の二極化は、新卒採用の場でも鮮明となっています。詳しく見ていきましょう。

新卒採用を行うのは大企業76.2%|小規模企業は23.7%

同じく帝国データバンクが行った「<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」から、2024年度の新卒社員の採用状況を見ると、「採用あり」と回答した企業は全体の45.3%に留まり、「採用なし」が53.1%と上回りました。

企業規模別に見ると、「採用あり」と回答した企業の割合は、大企業で76.2%・中小企業で40.9%でした。一方で、小規模企業では23.7%と、大企業の3分の1以下に留まっています。

2024年新卒採用状況

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート(2024年4月18日)

このアンケート結果からは、新卒採用における企業規模の二極化が浮き彫りとなりました。

初任給の格差も拡大|新卒の3社に1社が「20万円未満」

新卒採用を行った企業に初任給の金額を尋ねたところ、「20~24万円」が57.4%でした。次いで多いのが「15~19万円」の33.3%で、15万円未満の企業も1.9%存在します。つまり、全体の3社に1社にあたる35.2%の企業では、初任給が「20万円未満」ということです。

2024年度初任給

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート(2024年4月18日)

初任給の金額も、企業規模によって傾向が変わります。2024年度の新卒採用では、人手不足解消の一手として、「ANA」や「長谷工コーポレーション」など、多くの企業が初任給の引き上げを行いました。しかし、これも企業体力に余裕がある大企業が中心です。

企業規模による初任給格差は一段と拡大し「大手の初任給アップについていけない」と危機感を募らせる経営者も少なくありません。優秀な新卒人材の獲得を巡り、企業規模による明暗が分かれつつあります。

関連記事:2024年の賃上げを表明した企業一覧。第3の賃上げについても解説

初任給の大幅アップで思わぬ弊害も

優秀な新卒社員を獲得する上で、初任給の引き上げは非常に効果的です。賃金面で同業他社と差別化ができれば、より優秀な若手社員を獲得できる可能性が高まるからです。

一方で、初任給に引き上げには思わぬ弊害も潜んでいます。既存社員の賃上げを行わず、初任給のみを引き上げた場合、即戦力となっている先輩社員と新卒社員の給与が変わらないといった事態を引き起こしかねません。初任給の引き上げ率によっては、給与が逆転するケースも考えられます。

実際にこうした事態を招き、貴重なノウハウを持つ中堅社員が続々と退職している企業の話題も聞かれます。初任給を引き上げるのであれば、同時に既存社員の待遇も並行して改善する必要がありそうです。

帝国データバンクの調査で分かったことまとめ

今回取り上げた帝国データバンクのアンケート調査「<緊急調査>2024 年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」で明らかになったことを以下にまとめます。

  • 2024年度に77.0%の企業が賃上げを実施。全体の3社に2社は「賃上げ率5%」に届いていない
  • 「小規模企業」の賃上げ実施率は65.2%に留まり、全体の賃上げ実施率と大きな差がある
  • 2024年度に新卒採用を行う企業の割合は45.3%。「大企業」76.2%・「小規模企業」23.7%と二極化の傾向がある
  • 新卒初任給は、3社に1社にあたる35.2%の企業が20万円に届かず。企業規模による格差拡大が懸念されている

賃上げができないことで生じるデメリット

帝国データバンクのアンケート調査からも分かるように、賃上げができる企業とできない企業は、主に企業規模による二極化が進んでいます。では、賃上げができない場合、企業に生じるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

優秀な人材の獲得・定着が困難になる

賃上げができないことで、まず懸念されるのが、優秀な人材の獲得・定着が困難になることです。

賃金は労働条件の中でも特に重要な要素のため、賃上げに積極的な同業他社と比べ、自社の賃金水準が低い場合、優秀な人材から敬遠されてしまうのは必至です。同時に、「働くなら、やはり賃金の良い企業を選びたい」との心理から、既存社員の離職リスクも高まるでしょう。

賃上げが困難な企業にとって、いかに魅力的な職場環境を整え、人材を引き付けるかが大きな課題となります。

従業員のモチベーションが低下する

賃上げを期待する空気が社会全体に広がる中、自社の賃上げがない場合、従業員のモチベーションの低下を招くことも危惧されます。

「他社では賃上げがあるのに」と、社会の動向と自社の対応とのギャップに不満を募らせる従業員も表れるでしょう。

賃金の伸び悩みは、仕事へのやる気の低下にもつながります。「頑張っても給料は上がらない」そんな諦観が職場に蔓延すれば、生産性の低下は避けられません。従業員のモチベーションを高く保つためにも、賃上げは企業にとって重要なテーマです。

業務の非効率化や機会損失が発生する

賃上げができず、必要な人材を獲得できない場合、企業の生産性は低下します。低賃金のアルバイトやパートなどの非正規従業員に依存することにより、業務の非効率化を招くかもしれません。

また、労働力の低下が原因で、受注が増えたにもかかわらず、人手不足で断念せざるを得ない状況に陥る可能性も考えられます。

業務の非効率化と機会損失は、いずれも企業の成長を阻む大きな要因です。時間の経過と共に生じる損失も大きくなるため、早急な対策が必要です。

賃上げ代替として注目される福利厚生

中小企業を中心に、厳しい経営環境に苦しむ多くの企業から、賃上げの代わりを担う施策として注目を集めているのが「福利厚生の拡充」です。給与だけでなく、従業員の生活や働きがいに直結する福利厚生の充実は、人材の獲得や従業員満足度の向上に直結するからです。以下、福利厚生の持つ可能性と、人気の福利厚生サービスについて紹介します。

福利厚生を賃上げ代替とするメリット

福利厚生には、法律で提供が定められた「法定福利厚生」と、企業の裁量で提供できる「法定外福利厚生」の2種類があります。法定福利厚生はすべて非課税ですが、法定外福利厚生費は、次に挙げる一定の要件を満たすことによって非課税となります。

  • 福利厚生の目的で支給すること
  • 全ての従業員が対象であること
  • 妥当な金額であること
  • 現物支給であること

福利厚生費は損金計上できるため、利益から控除することで企業は法人税を削減できます。また、従業員の所得税も発生しないため、賃金としての支給よりも実質的な手取りを増やすことが可能です。

このように、企業側・従業員側の双方にメリットがあるのが、福利厚生による賃上げ代替なのです。

関連記事:【税理士監修】福利厚生費は全て非課税?導入時には課税・非課税の要件をチェック

人気を集まる食事補助の福利厚生「チケットレストラン」

数ある福利厚生の中でも、特に注目されているのが「食事補助」の福利厚生です。食事は毎日のことだけに、従業員の満足度向上に直結するメリットは大きいのです。

そんな食事補助の福利厚生として、日本一の実績を持つサービスが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。

チケットレストラン」を利用する企業の従業員は、専用のICカードで支払いをすることで、加盟店での食事代を半額で利用できます。加盟店は全国に25万店舗以上で、コンビニやファミレス・三大牛丼チェーンなどの中から自由に選べます。

利用時間や利用地域は自由なため、勤務形態や雇用形態にかかわらず利用できるのも大きな魅力です。

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関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

福利厚生の活用で競争力のある企業へ

2024年の春闘は、大手企業の積極的な賃上げを原動力に、平均賃上げ率が33年ぶりの高水準に到達しました。一方、帝国データバンクのアンケート調査から賃上げ実施率を見ると、企業規模によって二極化しているのが実情です。

企業体力に余裕がなく、賃上げに踏み切れない中小企業・特に小規模企業におすすめの賃上げ代替として、近年注目を集めているのが福利厚生による賃上げ代替です。中でも「チケットレスオラン」をはじめとする食事補助の福利厚生は、従業員へ与えるメリットが多く、エンゲージメントやパフォーマンス向上も期待されています。

福利厚生をじょうずに活用し、長期的に競争力のある企業を目指してみてはいかがでしょうか。

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