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エデンレッドブログ

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エフィカシーとは?ビジネスにおける役割と効果的な高め方を解説

2023.07.17

「エフィカシー」は、ビジネス上の生産性や、成果をあげやすい人物像について語る際に重要なキーワードのひとつで、「自己効力感」を意味します。エフィカシーとはいったい何なのか、高めることで得られるメリット・デメリットや、具体的な高め方を紹介します。

「エフィカシー」の意味

「エフィカシー(efficacy)」は、「自己効力感」を意味する心理学用語です。まずは、エフィカシーの詳細について解説します。

エフィカシー=自己効力感

「エフィカシー」を直訳すると、「有効性」「効力」「効果」などとなります。しかし、今回言及する心理学用語としての「エフィカシー」は「セルフエフィカシー(self-efficacy)」のことであり、一般的には「自己効力感」と訳されます。

「エフィカシー」は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱された概念です。人がある行動を起こす際の要因として、バンデューラは以下の2つを定義しました。

  • 結果予期:「その行動はどのような結果を招くのか」についての推測
  • 効力予期:「自分はその行動を問題なく遂行できるか」についての確信

このうち「効力予期」について、バンデューラは「エフィカシー(セルフエフィカシー)」と定義しました。つまり、エフィカシーとは「特定の状況下において、自分自身が適切な行動をうまく遂行できるか」についての認知を意味するのです。

自己肯定感との違い

「エフィカシー」としばしば混同されやすい言葉に「自己肯定感」があります。

「自己肯定感」は、文字通り自分自身を肯定する感情です。自分への信頼や確信に基づくため、状況によって揺らぐことはありません。たとえ大きな失敗をしたとしても、その事実を含めてありのままの自分を認める力が自己肯定感です。

これに対し「エフィカシー」は、特定の状況下での認知を意味する言葉です。仮に「自分ならできる」と確信できたとしても、それはあくまで「その状況で必要な行動を問題なく遂行できる」との確信にすぎず、ありのままの自分を認めているわけではありません。

つまり、自分の存在そのものを認めるのが自己肯定感であり、自分の持つ特定の能力を認めるのがエフィカシーです。

エフィカシーの種類

エフィカシーは、「自己統制的自己効力感」「社会的自己効力感」「学業的自己効力感」の3つのタイプに分かれます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

自己統制的自己効力感

「自分ならできる」という、自分の能力に対する認知を表すエフィカシーです。通常「エフィカシー」という場合、この「自己統制的自己効力感」を指します。

「自己統制的自己効力感」が高いと、自信を持って目の前の課題に取り組めます。「自己統制的自己効力感」が低い状態で何かに挑戦し、失敗した場合、再チャレンジは容易ではありません。しかし「自己統制的自己効力感」が高い場合、「自分にはできる」との確信があるために再チャレンジも前向きに検討できます。

「自己統制的自己効力感」は、新しい挑戦への原動力となるエフィカシーといえます。

社会的自己効力感

「社会的自己効力感」は、人間関係に特化したエフィカシーです。この「社会的自己効力感」が高い場合、「相手に受け入れてもらえる」との確信を持ちやすく、初対面の人や目上の人など、相手を問わずコミュニケーションを楽しめます。

なお、「社会的自己効力感」は、社会性を身に付ける幼少期に、周囲の大人との関係性の中で育まれるエフィカシーとされています。人間関係を心から楽しめるか、苦手意識を持つかを左右する重要なエフィカシーです。

学業的自己効力感

「学ぶこと全般」に関係するエフィカシーです。「学業的自己効力感」が高い人は、学習について「努力すればできるもの」と考えます。新たな学びにも臆せず取り組めるため、ビジネスにおいても成果をあげやすいタイプです。

一般的に、学生時代に勉強が得意だった人、勉強を通じた成功体験が多い人ほど高い「学業的自己効力感」を持つとされています。

エフィカシーが高い人とは?

エフィカシーが高い人には、いくつかの共通する特徴が見られます。エフィカシーの高さを見極める1つのヒントとして、中でも特に多く見られる特徴をチェックしていきましょう。

ポジティブ

エフィカシーが高い人は、「自分ならできる」との自信があります。むやみに悲観的にならないため、何事にもポジティブに向き合えるのが特徴です。

このポジティブさは、フットワークの軽さや挑戦する勇気につながります。失敗よりもまずは成功をイメージし、さまざまな経験を積めるのがエフィカシーの高い人なのです。

高い目標を設定できる

簡単には実現不可能な高い目標を自ら設定できるのも、エフィカシーが高い人の特徴です。このタイプの人は、目標を設定するにあたり「○○は難しいから、まずは△△程度で……」とは考えません。「自分ならできる」との確信を持って目標を設定できます。

始めから本来の目標に全力で挑戦するぶん、目標達成までがスピーディーかつスムーズなのも、エフィカシーが高い人の特徴です。

成功体験が多い

エフィカシーが高い人は、その積極性からさまざまな経験をしています。経験量に比例して成功体験も多くなり、ますます自分の能力への自信を深める好循環が生まれるのがこのタイプの人の特徴です。

「自分ならうまくいく。もしダメでもそのときはそのとき」と、ある意味リラックスした考え方ができるのが、エフィカシーが高い人なのです。

自分の非を認められ、ストレスに強い

一般的に、人は自分の非を認めるのを恐れるものです。ミスや失敗をしたとき、必要以上に心がダメージを負ってしまうのを防ぐため、無意識に他者や環境のせいにしてしまった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

しかし、自分自身への信頼が根本にあるエフィカシーが高い人は、ミスや失敗も正面から受け止められます。どんなストレスにさらされようと、「たとえ今は無理でも、いずれうまくいく」と前を向けるのは、エフィカシーが強い人ならではの強みといえそうです。

エフィカシーの高い従業員が企業にもたらすメリット

ビジネス面でエフィカシーが注目されるのは、エフィカシーの高さが仕事全般に大きく影響するからです。エフィカシーの高い従業員が企業内に及ぼす影響について、まずはメリットから紹介します。

生産性が向上する

エフィカシーが高い人は、「自分にはできる」との確信を持っているために、迷わず目の前の業務に取り組めます。たとえ始めて挑戦する分野だったとしても、自信と勇気を持って最初の1歩を踏み出せるため、時間のロスもありません。

また、営業やプレゼンといった場面でも堂々と振る舞うことができ、結果を出しやすい傾向にあります。必要以上の時間や労力を必要とせずに一定の成果を上げられることにより、生産性の向上に寄与するのがエフィカシーの高い人なのです。

組織全体のモチベーションが向上する

エフィカシーの高い人は、自分の能力に自信を持っているぶん、仕事に対するモチベーションが高くなります。また、その仕事に対する積極性や前向きさに影響を受けることにより、周囲の従業員のモチベーションも高まる傾向にあります。

モチベーションの高さはパフォーマンスの高さにつながるため、企業としての業績向上も不可能ではありません。これは、高いエフィカシーを持つ従業員を雇用する企業ならではのメリットです。

社内コミュニケーションが活性化する

自分の能力に自信を持つエフィカシーの高い人は、むやみに周囲を警戒したり、嫉妬したりがありません。相手が誰であれ堂々とした振る舞いができるため、人間関係がスムーズです。

そんなエフィカシーが高い人が属する組織は、人間関係が円満で風通しのよい環境が整いやすくなります。社内コミュニケーションが活性化し、エフィカシーの低い人が多い職場とは対照的に、雰囲気や居心地の良い職場となるのです。

従業員のエフィカシーを効果的に高めるには?

従業員のエフィカシーが高まると、企業の生産性や業績の向上が期待できます。効果的に従業員のエフィカシーを高める方法について、厚生労働省の見解とともに紹介します。

小さな成功体験を重ねる

厚生労働省は、「セルフ・エフィカシーを高めるポイント」の1つとして「成功経験(成功体験)」を挙げています。

「自分ならできる」という確信は、大小問わず過去の成功体験によって培われます。これといった成功体験を持たず、むしろ失敗した経験が多い人は、自分の能力を信じられないためにエフィカシーも高まりません。

そこでおすすめなのが、少し努力すればクリアできる程度の目標を段階的に設定する方法です。どんなに小さなものであったとしても、目標を達成したり、困難を乗り越えたりした喜びは成功体験としてその人の中に蓄積されます。積み重なった成功体験は、やがて大きな自信となってエフィカシーの高まりを後押しするでしょう。

参考: e-ヘルスネット(厚生労働省)|セルフ・エフィカシーを高めるポイント

代理経験を重ねる

「成功体験」と同様に、厚生労働省が推奨しているのが「代理経験」です。代理経験とは、自分と似た状況にある人物をモデルとして設定し、その人の経験を見たり聞いたりすることで自信を獲得することをいいます。

特に効果的なのが、普段から尊敬している人物をロールモデルに設定し、その人物に対する尊敬や憧れを成長へのエネルギーとする方法です。例えば、組織内における縦のつながりを強化することで、ロールモデルを設定しやすい環境が自然と整えられるでしょう。

その人物に近づくにはどうすればよいか、従業員1人ひとりが代理経験を通じて学ぶ中で自ずと成長し、エフィカシーが高まることになるはずです。

ポジティブな働きかけを行う

エフィカシーが低い従業員は、基本的に自分の仕事に自信がありません。そんな従業員のエフィカシーを高めるには、従業員の自信を育めるポジティブな働きかけが必要不可欠です。

中には、叱責や説教を通じて部下の発奮を促そうとする上司もいますが、これはあまり効果的ではありません。むしろ、「自分はやっぱりダメなんだ」とネガティブな方向へ傾きやすく、逆効果といえます。

エフィカシーを高めることを目的とするのなら、相手のよいところに注目する、結果がどうあれ課程でのポジティブな面に注目するなど、相手が前向きになれるポジティブな働きかけが必要です。

エフィカシーが高い人との接点を増やす

多かれ少なかれ、人は身近な人の影響を受けています。明るい人の多い職場に異動した結果、もともとの性格よりも明るいキャラクターになったというのは珍しい話ではありません。

エフィカシーについても同様で、エフィカシーの高い人と関わる機会が多ければ、周囲のエフィカシーも自然と高まっていきます。やがて組織全体のエフィカシーが高まり、企業として多くのメリットを享受できるでしょう。

この効果を最大限に引き出すための具体的な施策としては、エフィカシーが高い人を中心としたプロジェクトの立案や、部署を越えて行うシャッフルランチなどが挙げられます。

福利厚生を提供する

人の感情は、自分自身で考える以上に周囲の環境に左右されるものです。本人の気持ちがどれだけポジティブなものだったとしても、周囲の環境が不快だったり、自分に合わなかったりした場合、本来のポテンシャルは発揮できません。

そこでおすすめなのが、福利厚生を通じた快適な職場環境の提供です。具体的には、スキルアップのためのセミナー受講費補助や、健康増進や利便性を意識した食事補助の提供などが挙げられます。

特に近年注目を集めているのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」をはじめとする食事補助です。福利厚生として食事補助サービスを従業員へ提供することにより、従業員の日常生活はより充実したものとなり、結果としてエフィカシーの高まりも期待できるのです。

従業員のエフィカシーを高める職場環境を

「エフィカシー」は、「特定の状況下において、自分自身が適切な行動をうまく遂行できるか」についての認知を意味する言葉で、一般的には「自己効力感」と訳されます。

エフィカシーが高い人は、ポジティブで成功体験が多く、問題に直面しても「自分ならできる」と信じて行動できます。その魅力は企業内でも存分に発揮され、生産性の向上や組織内のモチベーション向上など、企業にとって重要な役割を担う人材です。

将来的な企業の発展のためにも、従業員のエフィカシーを高める施策に取り組んでみてはいかがでしょうか。