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人的資本経営コンソーシアムとは?参加企業や人的資本経営の概要も

人的資本経営コンソーシアムとは?参加企業や人的資本経営の概要も

2023.10.04

人的資本経営コンソーシアムとは、日本企業の人的資本経営を促進する目的で設立された団体のことです。どのような企業が参加しているのでしょうか?入会方法とともに紹介します。加えて「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~」をもとに、人的資本経営のモデルについても見ていきましょう。

人的資本経営コンソーシアムとは

人的資本経営コンソーシアムについて、ここから詳しく見ていきましょう。

人的資本経営とは

人的資本経営とは、人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。
詳細はこちらの記事をご覧ください。

参考記事:人的資本経営とは?事例を用いて解説!メリットや導入のステップ

人的資本経営コンソーシアムの概要

人的資本経営コンソーシアムは、経営手法の一種である人的資本経営を、実践と開示の両面からサポートすることを目的として2022年8月に設立されました。オブザーバーとして経済産業省と金融庁も参加しています。

人的資本経営の先進的な取り組み事例を共有したり、企業間での協力に向けた議論を行ったり、効果的な情報開示のための検討を行ったりすることで、人的資本経営の促進を目指します。

これにより効果的な人的資本経営の実践と、その効果の開示が行われれば、投資家からより多くの資金を集めやすくなるでしょう。集めた資金を有効活用すれば、企業のさらなる成長にもつなげられます。

人的資本経営の促進で目指す成長は投資家とも関わりが深いため、人的資本経営コンソーシアムでは、会員である企業と投資家が対話する場も設けているのが特徴です。

人的資本経営コンソーシアムの構成

人的資本経営コンソーシアムがどのような組織の構成をしているかも見ていきましょう。全体を統括する「総会」のもとに「企画委員会」が設けられており、「実践分科会」「開示分科会」が存在する構成です。また「会員と投資家との対話の場」は総会の下に置かれています。

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出典:人的資本経営コンソーシアム|ABOUT 人的資本経営コンソーシアムの概要

ここで紹介した「総会」「企画委員会」「実践分科会」「開示分科会」「会員と投資家との対話の場」が、それぞれ果たす役割を紹介します。

総会

会長が議長を務める総会は、1年に1回の開催と、会長が必要と認めたタイミングでの開催が規約に定められています。人的資本経営コンソーシアムの事業や運営についての基本的な内容を審議し決めるのが役割です。総会の下に置かれる企画委員の選任も行います。

企画委員会

会長もしくは会長の指名する企画委員の招集により開催される企画委員会では、以下の内容を審議し決定します。

  • 人的資本経営コンソーシアム全体の事業計画と事業報告
  • 人的資本経営コンソーシアム全体の予算と決算
  • 分科会等の設置や運営
  • その他の人的資本経営コンソーシアムに関する重要事項

またスムーズに活動できるよう、方針の決定をはじめ規程を定めることも可能です。

実践分科会

人的資本経営の実践に関する議論を行うのが実践分科会です。先進的な事例の共有や企業間協力などに向けた議論を行います。企画委員会同様、自ら規程を定められるよう規約に定められています。

開示分科会

人的資本経営を企業の成長につなげるには、効果的な情報の開示が重要です。開示分科会では、情報開示に関する先進的な事例を共有し、効果的な開示とはどのようなものか議論します。活動を円滑にする目的で自ら規程を定められるのは、企画委員会・実践分科会と同じです。

会員と投資家との対話の場

企業が経営の基盤を強化し成長し続けるには、投資家との対話がポイントといえます。人的資本経営コンソーシアムでは、会員と投資家との対話の場を設けることで、人的資本に関する対話を促す役割を果たしています。

参考:経済産業省|人的資本経営コンソーシアム規約

人的資本経営コンソーシアムの参加企業

人的資本経営コンソーシアムの参加企業をチェックしましょう。発起人7名に加え、現在の会員数も見ていきます。

発起人は7名

人的資本経営コンソーシアムを設立した発起人は以下の7名です。

  • 一橋大学CFO 教育研究センター長 伊藤邦雄氏(発起人代表)
  • キリンホールディングス株式会社 代表取締役社長 磯崎功典氏
  • 株式会社リクルート 代表取締役社長 北村吉弘氏
  • SOMPO ホールディングス株式会社グループCEO取締役代表執行役会長 櫻田謙悟氏
  • 株式会社日立製作所 取締役会長 代表執行役 東原敏昭氏
  • ソニーグループ株式会社 代表執行役 会長 兼 社長 CEO 吉田憲一郎氏
  • アセットマネジメントOne株式会社 取締役社長 菅野暁氏

会員は437法人、有識者1名

2023年7月31日時点での会員数は、437法人と有識者1名です。

  • 株式会社INPEX
  • 積水ハウス株式会社
  • 鹿島建設株式会社
  • アサヒグループホールディングス株式会社
  • 江崎グリコ株式会社
  • 花王株式会社
  • 凸版印刷株式会社
  • 楽天グループ株式会社
  • 株式会社アイデミー
  • セイノーホールディングス株式会社
  • イオン株式会社
  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
  • 東京海上ホールディングス株式会社
  • リコーリース株式会社
  • 株式会社クリーク・アンド・リバー社 など(順不同)

人的資本経営コンソーシアムの入会方法

企業の人的資本経営をサポートする人的資本経営コンソーシアムの設立趣旨に賛同し、入会を希望している場合には、専用の申し込みフォームから入会の申し込みが可能です。

入会にあたり満たすべき必須の要件は特に設けられていませんが、以下の3点を満たしていることが期待されます。

  • 国内に事業所があり事業活動を行っている法人であること
  • 相当数の従業員へ人的資本に関する取り組みを実施していること
  • 有価証券報告書や統合報告書などで人的資本情報を開示していること

今回の申し込み期間は終了しましたので、次の機会に入会を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:経済産業省|人的資本経営コンソーシアムへの新規入会申込受付期間及び第2回総会への参加申込受付期間を延長します

人的資本経営とは何か

前述の通り、人材を資本と捉え、人材の価値を最大化することで、企業の中長期的な成長へつなげるのが人的資本経営です。人的資本経営コンソーシアムでは、実践と開示の活動を通して、人的資本経営を推進することを目的としています。

ここでは人材資本経営について理解できるよう「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~」で解説されている、3つの視点と5つの共通要素のモデルについて解説します。

 出典:経済産業省|人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~



モデル内に登場する視点と共通要素について、それぞれ見ていきましょう。

関連記事:人的資本経営とは?事例を用いて解説!メリットや導入のステップ

視点1:経営戦略と人材戦略の連動

人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~」によると、人材資本経営を実施する上で最も重要なのは、経営戦略と人材戦略の連動です。持続的な企業価値の向上には、経営戦略と人材戦略のつながりを意識し、以下に取り組むことが求められます。

  • 人材戦略の策定と実行を担うCHROの設置
  • 経営戦略実現を阻む課題の抽出と整理
  • 何をもって経営戦略と人材戦略の連動が実現したとするかKPIを設定、その理由や背景の説明
  • 人事部門と事業部門の役割の見直しと、人事部門の能力・手腕の向上
  • 後継者育成計画の具体化
  • 経営陣の選任や解任を行う指名委員会委員長への社外取締役の登用
  • 役員報酬の一部が人材に関するKPIへ連動する仕組みの導入

視点2:As is- To beギャップの定量把握

「As is」は現状、「To be」は目指すべき目標を指しています。現状と目標の差がどれくらい開いているかを把握する視点です。人材戦略が適切に実施されているか判断し見直すには、現状と目標のギャップを定量的に把握する以下の取り組みが役立ちます。

  • 従業員のスキルや経験、人材関連のKPIに関する情報などの効率的な収集・分析を可能にする人事情報基盤の整備
  • 現状と目標の差の把握と、設定した期間内での目標達成
  • 人材に関するKPIの明確化と進捗状況の一覧化

視点3:企業文化への定着

最終的な目標である企業価値の向上には、企業文化が欠かせません。これは人材戦略を通じて作られていくものです。人材戦略を策定するときには、目標とする企業文化が醸成されるよう、以下の取り組みが求められます。

  • 自社が社会や環境にどのような影響をもたらすべきかという視点から企業理念や存在意義を再考する
  • 企業文化が従業員へ自然に根付き行動や姿勢に反映されるよう、任用・昇格・報酬などの制度を検討する
  • 経営陣と従業員が企業文化の定着へ向け、続けるべきこと・見直すべきことを話し合う機会を設ける

要素1:動的な人材ポートフォリオ

経営戦略の目標達成には、人材の質と量の確保が欠かせません。併せて中長期的に必要な人材を確保し続けることも必要です。常に現状と目標の差に対し、必要な人材とその配置について考え、戦略的に実行するための取り組みを見ていきましょう。

  • 今後の事業構想をもとに、中期的に必要となる人材の質と量を把握し、現状と目標との差を明確にした上で人事戦略を立てる
  • 現状と目標との差を踏まえできるだけ早い段階で人材を再配置する。従業員が社外で積んだ経験や、OB・OGといった元従業員によるコミュニティの活用を検討する
  • 人材の充実を目指し新卒一括採用に限定しない学生の採用方針を定め開示する
  • イノベーション創出や事業の変革へ貢献するために必要な専門性や構想力を持つ博士人材等を積極的に採用する

要素2:知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

企業価値を中長期的に高め続けるには、これまでとは異なる革新的な取り組みや新機軸が必要です。これらを実現するために鍵となるのが、多様性を企業内へ取り込むことと考えられています。バックボーンの異なる多様な人材を迎え入れることで、これまでにない知と経験が企業内に蓄積され、新たな商品やサービスの開発につながっていくでしょう。

ただし多様なメンバーによるチームは、これまでの働き方では実現できないかもしれません。ダイバーシティ&インクルージョンを進めるには、多様な人材が活躍しやすい土壌作りが必要です。KPIを設定し定期的な状況把握を行いましょう。同時に能力を最も活用しやすい地位や役職で採用することもポイントです。

課長やマネージャーなどが多様な人材をマネジメントする能力を身につける機会も設けましょう。スキルアップに向けたセミナーの実施や、優れた事例を共有できる仕組み作りも役立ちます。

要素3:リスキリング・学び直し

人的資本経営の取り組みにより、経営環境は変化していきます。変化に合わせ働き続けるには、従業員のリスキリングや学び直しが欠かせません。企業側から促すのはもちろん、従業員側の自律的な学び直しのサポートも重要です。特に自律的な学び直しを希望する従業員に対しては、本人が意欲的に取り組めるスキルやキャリアを支援しましょう。

リスキリングや学び直しでは、以下の取り組みがポイントです。

  • 経営戦略の実現にあたり不足しているスキルを特定し、従業員へ学び直しを促す
  • 不足しているスキルを持つ人材を社内外で探し、社内でスキルを伝える役目を任せる
  • リスキリングや学び直しの成果が、キャリアプランや報酬へ反映される制度を検討する
  • サバティカル休暇や留学などを活用し、従業員へ社外での学習機会を提供する
  • リスキリングや学び直しの成果を発揮できるよう、社内企業や出向企業などの選択肢を提供する

要素4:従業員エンゲージメント

「会社に貢献したい」という自発的な意欲が従業員エンゲージメントです。従業員エンゲージメントの高い企業では、従業員一人ひとりが仕事に対しやりがいを感じ、自律的に業務に取り組んでいます。従業員エンゲージメントを向上させるには、まず定期的に従業員エンゲージメントの測定を行い現状を把握しましょう。その上で働きやすい環境の整備が必要です。

例えば、従業員エンゲージメントの高い従業員には、企業のニーズと従業員の希望を一致させたキャリアプランを提案すると、より従業員エンゲージメントを高められるでしょう。一方、従業員エンゲージメントの低い従業員には、キャリアの希望をヒアリングし、希望により近い業務を提案するのが効果的です。

従業員が自律的にキャリア形成できるよう、公募制のポジションを設ける方法もあります。モチベーションの高い人材へ業務を任せやすくなるメリットもある方法です。また副業や兼業できる環境の整備は、従業員の主体性や多様な働き方の推進につながります。

健康経営への投資も従業員エンゲージメントの向上に欠かせないポイントです。従業員の健康をサポートするためには、健康診断・ジムの費用補助・食事補助などが役立ちます。

関連記事:社員エンゲージメントとは?向上のための施策や調査に使う指標も解説

要素5:時間や場所にとらわれない働き方 

少子高齢化の進行に伴い、15~64歳の労働生産人口は減少し続けています。働く人が減る中で事業に必要な人材を継続的に確保し続けるには、いつでもどこでも働ける環境整備が重要です。

業務のデジタル化を推進すればリモートワークに取り組みやすくなります。出社は難しいけれど自宅でなら働けるという人材を活用しやすくなるでしょう。

リモートワークの推進に伴い、リアルワークにどのような意義があるのかも見直しましょう。オフィスに人が集まることでプラスに働くポイントを把握することで、リモートワークとリアルワークの最適なバランスを見出せます。

人的資本経営は福利厚生の充実もポイント

人材を資本と捉え、その価値を高めて企業価値向上を目指す人的資本経営では、従業員エンゲージメントの向上は共通要素のひとつです。従業員エンゲージメントを高め、従業員が自発的に企業へ貢献したいと考え行動するようになるには、働きやすい環境作りが役立ちます。

働きやすい環境作りの一環として、福利厚生の充実にも取り組むと良いでしょう。例えばプライベートの予定に合わせて取得しやすい休暇制度や、休暇を充実させるアクティビティの割引制度、生活費の負担を減らす家賃補助などがあります。

健康経営にもつながる「チケットレストラン」

健康経営にもつながる福利厚生サービスの導入を検討しているなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。企業が食事代を補助する福利厚生サービスで、従業員がバランスの良い食事をとるサポートをできます。

全国にある25万店以上のコンビニや飲食店などで利用できるのもポイントです。企業によっては、従業員の働く場所も時間もばらばらということもあるでしょう。近くに対象店舗があれば利用できるため、従業員はいつどこにいても「チケットレストラン」を使って食事ができます。全従業員に公平に提供できる福利厚生を探している場合にも向いているサービスです。

福利厚生を人的資本経営へ役立てよう

2022年8月に人的資本経営コンソーシアムが設立されました。人的資本経営を実践と開示から推進することを目的としている団体です。この設立の背景には、人的資本経営への注目度の高まりがあげられます。

人的資本経営は人材を企業の資本と考え、人材の価値を高めることで企業の成長を目指す経営方針です。「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~」によると、人的資本経営は3つの視点と5つの共通要素からなり、共通要素のひとつに従業員エンゲージメントがあります。

従業員エンゲージメント向上の要素のひとつが福利厚生の充実です。福利厚生サービスとして「チケットレストラン」を導入すれば、人的資本経営の推進にも役立てられます。ぜひ導入を検討してみませんか。

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