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中小企業の人手不足の現状は?商工会議所の調査データをチェック

2023.12.22

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中小企業の中で人手不足と感じている企業は、どのくらいの割合なのでしょうか?日本商工会議所・東京商工会議所の「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」をもとに、中小企業の人手不足の現状や対策として実施していることについて見ていきましょう。自社の現状把握や人手不足対策にできることを探している場合に役立つ内容です。

人手不足と回答した中小企業の割合は68.0%

全国にある3,120の中小企業が回答した「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」によると、人手が「不足している」と回答した企業は2,121社で、全体の68.0%でした。

「人手が不足している」と回答した2,121社へどの程度不足しているか質問すると、人手不足を理由に廃業の恐れなどがあり「非常に深刻」が6.9%、事業運営に支障が出ており「深刻」が57.2%です。

現時点で人手不足を感じている中小企業は、半数以上が既に深刻な状況になっていると分かります。

業種ごとの人手不足の現状

人手不足の現状を業種ごとにも見ていきましょう。人手が「不足している」と回答した中小企業の割合は以下の通りです。最も人手不足の割合が低い製造業でも、58.8%と半数を超える中小企業が人手不足に陥っているのが分かります。

業種

「不足している」の割合

介護・看護業

86.0%

建設業

82.3%

宿泊・飲食業

79.4%

情報通信・情報サービス業

77.7%

運輸業

77.1%

その他サービス業

70.1%

金融・保険・不動産業

61.5%

卸売・小売業

59.3%

製造業

58.8%

その他

62.5%

また人手不足が「非常に深刻」「深刻」と回答した企業の割合は、以下の通りです。

業種

「非常に深刻」「深刻」と回答した割合の合計

介護・看護業

88.4%

宿泊・飲食業

82.7%

運輸業

75.0%

建設業

65.6%

団塊世代が75歳を迎えることでさらに進む高齢化により、需要の増加が見込まれる介護・看護業は、最も人手不足の深刻度が高い状況です。介護職に従事する人は増加していますが、それでも需要に追いついていません。

2024年から時間外労働の上限が明確に定められる上限規制が適用されることで、人手不足が進行すると考えられている運輸業や建設業も、既に多くの中小企業が深刻な人手不足の状態です。

宿泊・飲食業はコロナ禍の影響で需要が大きく減少していましたが、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、需要が回復してきています。ただし需要が低下したときに離職した従業員はすぐには戻ってきません。限られた人材で対応しなければならず、人手不足が深刻な状況です。

関連記事:【2024年問題】人材不足にどう対応する?想定されるリスクと対策

規模別の人手不足の現状

人手不足の深刻さは企業規模によっても差があります。規模が小さいほど深刻度が高い傾向があります。

従業員数が5人以下の中小企業では、20.7%が人手不足によって事業継続に不安を抱えている状況です。

従業員数

「非常に深刻」

「深刻」

合計

5人以下

20.7%

55.2%

75.9%

6~10人以下

10.1%

55.8%

65.9%

11~20人以下

8.3%

57.7%

66.0%

21~50人以下

6.8%

56.9%

63.7%

51~100人以下

5.2%

60.7%

65.9%

101~300人以下

4.1%

54.7%

58.8%

301人以上

2.3%

55.8%

58.1%

人手不足への対策

全体的に人手不足で、事業継続が困難なケースも少なくない状況で、中小企業はどのように人手不足対策を行っているのでしょうか?

人手が「不足している」と回答した2,121社が行っている対策は、採用強化が中心です。68.5%が正社員の、34.0%がパートタイマーの採用を強化しています。

人手不足への対策

実施割合

正社員の採用活動強化

68.5%

パートタイマーなど有期雇用社員の採用活動強化

34.0%

業務プロセスの見直しによる業務効率化

33.2%

外注の拡大

30.8%

社員の能力開発による生産性向上

28.9%

IT化等設備投資による生産性向上

25.2%

労働時間・残業時間の増加

18.8%

事業の縮小・撤退

6.7%

その他

2.9%

業務効率化や生産性向上による人手不足対策へ取り組む中小企業もありますが、その割合は30%程度までにとどまります。業務効率化に取り組みたくても改善に充てる時間を取れない、生産性向上のためにIT化を進めたいが予算が不足している、といった状況もあるのかもしれません。

採用強化に向け行っている取り組み

人手不足の中小企業は採用強化を中心とした人手不足対策を行っています。採用強化を行うにあたり、どのような取り組みを行っているのかも確認しましょう。調査に回答した3,120社の割合は以下の通りです。

人材確保の取り組み

実施割合

賃上げ・募集賃金の引き上げ

72.5%

ワークライフバランスの推進

38.1%

人事考課・給与制度の見直し

36.0%

福利厚生の充実

35.6%

人材育成・研修制度の充実

33.5%

オフィス・工場等、職場の環境整備

27.0%

フレックスタイム制度等柔軟な時間設定の働き方の推進

15.4%

兼業・副業の許可

14.3%

テレワーク等柔軟な働き方の推進

12.0%

人材確保の取り組みとして、圧倒的に多いのは賃上げです。物価上昇が続く中、給与が上がらなければ従業員の生活の質は下がっていきます。自社より好待遇の勤務先があれば、従業員は転職してしまうかもしれませんし、求職者は集まらないかもしれません。そんな状況下での賃上げ対応は経済状況に即しているといえます。

次いで多いのはワークライフバランスの推進ですが、実施割合は38.1%です。人材不足の中、仕事とプライベートのバランスを取りやすいよう残業時間を減らすといった取り組みが難しい企業もあるのではないでしょうか。

福利厚生の充実度アップで対策している中小企業は35.6%です。例えば家賃補助や食事補助などを導入すれば、従業員の負担を減らし生活費に使えるお金を増やせます。今後もずっと継続しなければならない賃上げに取り組むのが難しい企業でも、取り入れやすい待遇改善の方法です。

一方、柔軟で多様な働き方を認める制度を導入している中小企業は、いずれも20%を下回っています。賃金や福利厚生などの待遇改善が進む反面、個々の働きやすさへ配慮し人材確保に役立てる取り組みは、そこまで進んでいないようです。

関連記事:人材採用で中小企業が抱える課題とは?採用課題の解決法も紹介

人手不足の影響

人手不足は中小企業の事業やそこで働く従業員の待遇に、どのような影響を与えているのでしょうか?

77.2%は現在働いている従業員でやりくり

人手が「不足している」と回答した2,121社のうち、77.2%が現在働いている従業員で工夫してやりくりしていると回答しています。1人あたりの仕事量が増える中、業務効率化を実施したり、不足しているポジションを兼務したり、残業をしたりしながら対応しているようです。

しかし、今いる従業員だけで対応しきれていない中小企業では、事業に悪影響が出てきています。具体的には、21.6%の企業は納期遅れや品質の低下につながっていたり、18.7%の企業は事業拡大のチャンスを見送っています。さらに11.8%は事業の縮小や廃止を行っており、人材不足が事業に与える影響の大きさを実感する事態となっています。

進まない女性のキャリアアップ支援

人手不足は女性のキャリアアップ支援にも影響しています。キャリアアップ支援の必要性を感じている中小企業は84.3%と高い割合であるものの、実際に十分取り組めているのは35.2%にとどまります。

課題のひとつは出産・育児などとの両立支援が不十分である点です。ライフステージが変わっても無理なく働き続けるには、時短勤務やフレックスタイム制度・休暇制度などを充実させる両立支援を実施しなければいけません。

両立支援の必要性を感じている中小企業は84.1%と高い割合で存在していますが、実際に十分取り組めていると回答したのは42.9%です。さらに必要性を感じている中小企業のうち44.2%は「人手不足により子育て中の従業員の仕事のカバーが難しい」という課題を挙げています。

人手不足で両立支援を十分に実施できない結果、女性のキャリアアップ支援を推進しにくくなっている中小企業もあると考えられる結果です。

人手不足対策として福利厚生の充実を

採用の強化や従業員の定着率アップなどの人材確保を行い、人手不足へ対策している企業のうち、福利厚生の充実度アップを行っているのは35.6%です。

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契約から最短2週間で導入できる手軽さや、毎月1回のチャージのみで使い続けられる軽い作業負担などは、新たな業務をできるだけ増やさずに福利厚生を充実させたい企業におすすめです。

「チケットレストラン」で中小企業の人手不足対策

中小企業は68.0%が人手不足の状態です。なかには事業の継続が難しいほど深刻な人手不足に陥っている中小企業もあります。

人手不足の解消に向け、68.5%の中小企業が行っているのは正社員の採用強化です。自社に合う人材を採用できるよう、賃上げやワークライフバランスの推進の他に、福利厚生の充実を実施している中小企業もあります。

これから福利厚生を充実させるなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」の導入を検討してみませんか。全ての従業員が公平に使える食事補助が、企業の魅力として求職者にアピールできるでしょう。

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参照:日本商工会議所・東京商工会議所|「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」調査結果

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