資料請求
English

Workers Bistro

-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

福利厚生の見直し、何からすべき?調査が示すコロナで変わるニーズとトレンド

2024.09.30

働き方の多様化により在宅勤務が拡大し、新型コロナウイルス感染症の流行でその流れは加速しています。とくに、コロナ禍をきっかけに、時差出勤や在宅勤務への切り替えなど、働き方が激変した方は多いのではないでしょうか?

働く場が自宅など多様化したことによって、従業員が福利厚生に求めるものも変化しています。本記事では、変化する従業員ニーズに対し新しい取り組みをしている企業の事例を取りあげながら、福利厚生の見直しについて紹介します。

そもそも「福利厚生」とは何のため?目的と種類

福利厚生にはどんな目的があるのかについて、まず押さえましょう。

福利厚生とは?目的と種類

福利厚生とは、給与以外の報酬・サービスで、従業員の「経済支援」や「モチベーションUP」を目的とする制度です。福利厚生には大きく2つの種類があります。

  • 「法定福利厚生」:法律で定められているもの
    (健康保険・雇用保険・労災保険・介護保険・厚生労働年金など)
  • 「法定外福利厚生」:企業が独自に制定しているもの
    (慶弔休暇制度・慶弔見舞金制度・人間ドック受診の補助・住宅手当・交通費・特別休暇・財形形成・旅行・レジャー施設の利用など)

今回は他企業との差別化を図るため、「法定外福利厚生」の見直しについて、詳しくみていきます。

福利厚生が企業にもたらす影響

福利厚生の充実は、就職活動で重要視する項目となる条件の一つです。ここでは、2つの調査結果をもとに、福利厚生が企業にもたらす影響を確認します。

(2008年実施)転職先の検討の調査結果

少し古いデータとなりますが、enミドルの転職サイトのアンケート調査によると、転職先を検討する際、福利厚生を重視すると答えた人は全体の45%とおよそ半数に達しています。

出典:enミドルの転職|第33回アンケート集計結果「福利厚生」についてを元に作成

重視する理由としては、「福利厚生はある意味会社の資産」「長期勤務の判断材料になる」「社員思いかどうかを判断する目安」といった声があげられています。

また、年代別にみると、年代が若くなるにつれ、福利厚生を重視する傾向にあり、福利厚生の見直しは人材確保における有力な施策の一つになるでしょう。

出典:enミドルの転職|第33回アンケート集計結果「福利厚生」について

(2024年実施)2025年卒・Z世代の就活トレンドの調査結果

大和ハウスグループの大和ライフネクスト株式会社が現在就職活動中で2025年3月に卒業、4月から新規就職する学生400人を対象に実施したアンケート(2024年7月18日〜23日にインターネット上で実施)でも福利厚生について重視しているという回答が得られました。企業選びで重視することの1位は「福利厚生が整っている(44.3%)」ことであり、魅力的な福利厚生については以下のような順番となっています。

  • 1位:休暇制度(53.8%)(病気休暇・リフレッシュ休暇・ボランティア休暇など)
  • 2位:働き方(560.8%)(フレックスタイム制度・テレワークなど)
  • 3位:住宅(37.5%)(社宅・住宅手当など)
  • 4位: 食事支援(27.3%)(食堂・食事手当など)

出典:PR TIMES|大和ライフネクスト株式会社 2025年卒・Z世代の就活トレンド 学生400人を調査「社員寮」に関する学生の意見とは?

さきほどのアンケートに引き続き、若年層が福利厚生を重視する傾向は、コロナ禍を経た今も継続していることがわかります。新卒採用においてはとくに、福利厚生での差別化が求められているということです。さらに、魅力的な福利厚生として休暇、働き方、住宅、そして食事支援など、生活と密接に関わるものに注目がされているという「トレンド」も理解しておくとよいでしょう。

出典:PR TIMES|大和ライフネクスト株式会社 2025年卒・Z世代の就活トレンド 学生400人を調査「社員寮」に関する学生の意見とは?

新型コロナウイルス感染症流行の前後で変化?従業員が求める福利厚生

在宅勤務が広まった新型コロナウイルス感染症流行の前後で、従業員が求める福利厚生に変化はあったのでしょうか。ここでは、2017年、2020年、2021年のアンケート結果について、分析します。

2017年10月〜12月「必要性が高い福利厚生」の調査結果

2017年10月〜12月実施のアンケート調査結果で、自分にとって「とくに必要性が高いと思う」福利厚生を従業員に聞いたところ、「人間ドック受診の補助」(21.8%)、「慶弔休暇制度」(20.0%)、「家賃補助や住宅手当の支給」(18.7%)、「病気休暇制度(有給休暇以外)」(18.5%)などが挙がっており、主に健康管理、休暇制度に関連するものが目立っていました。

出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)|「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」 企業/従業員アンケート調査

2020年1月「あると嬉しい福利厚生」の調査結果

2020年実施の別のアンケート調査で、「あると嬉しい福利厚生」について従業員聞いたところ、「住宅手当・家賃補助」(74.5%)、「通勤手当支給」(56.8%)、「特別休暇制度」(55.4%)、「社員食堂(食事補助)」(51.4%)、「育児・介護休暇制度」(43.8%)となりました。

新型コロナウイルス感染症流行前は、健康管理、休暇制度に関連するものが求められていましたが、流行しつつあった2020年1月には、住宅手当・家賃補助、育児・介護休暇、食事補助などの、より生活に密着したものが注目されています。仕事の場が、生活の場である自宅へと変化することで、この傾向はさらに強まるでしょう。

出典:d’s JOURNAL編集部|福利厚生は従業員定着につながるのか?20代・30代が本当に求める制度を調査

2021年10月「あったら嬉しい福利厚生」の調査結果

2021年10月にBiz Hitsが現在仕事をしている方501名を対象にインターネットで実施した「あったら嬉しい福利厚生」についてのアンケート結果では、1位「家賃補助・住宅手当」、2位「特別休暇」、3位「旅行・レジャーの優待」、4位「社員食堂・食事補助」と続きます。

福利厚生 見直し

出典:Biz Hits|あったら嬉しい人気の福利厚生ランキング!働く男女501人アンケート調査結果から徹底解説

2021年のアンケート結果では、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、働き方や生活様式が大きく変化したことで、より直接的に生活をサポートする福利厚生や、柔軟な働き方を可能にする制度へのニーズが高まっていることがわかります。

通勤手当がランクインしていないのも、在宅ワークの広まりを反映したものと考えられます。また、長期的な制限下での生活によるストレス解消や、新しい生活様式に適応するための支援として、特別休暇や旅行の優待、食事補助へのニーズも表れていると言えるでしょう。

出典:Biz Hits|あったら嬉しい人気の福利厚生ランキング!働く男女501人アンケート調査結果から徹底解説

関連記事:アフターコロナ時代の福利厚生に求められるものとは?検討する際のポイントも

従業員満足度を高めるための福利厚生の見直し方

働き方が急変し従業員のニーズが変化したことで、近年、福利厚生制度を見直す企業が増えています。ではどのように見直していけばよいでしょうか?見直し手順のポイントを解説します。

福利厚生の効果的な導入と運用には、以下のプロセスが重要です。

1.ニーズの把握

まず、労使間のコミュニケーションを密にし、従業員のニーズや直面している問題点を正確に把握することから始めます。お互いの意見を率直に交換し、認識のずれをなくすことで、真に必要とされる福利厚生を特定するためです。

2.仕分け

次に、特定された福利厚生案を多角的に評価します。改善の緊急性、変更の必要性、準備に要する時間と資源、実現可能性などの観点から精査し、優先順位をつけていきます。

3.準備

導入が決定した福利厚生については、入念な準備が不可欠です。とくに運用面でのシミュレーションを綿密に行うことが重要です。準備が不十分だと、導入後に従業員の不満を招いたり、最悪の場合、制度の廃止を余儀なくされる可能性があります。

4.導入運用

最後に、福利厚生の導入でプロセスが終わるわけではありません。運用開始後も継続的にモニタリングを行い、必要に応じて調整や改善を加えていくことが、制度の持続可能性と効果を高める上で重要です。このような柔軟な対応により、常に従業員のニーズに合った福利厚生を提供し続けられます。

関連記事:【社労士監修】福利厚生の見直しはどう進める?ポイントを徹底解説!

昨今、注目を集める福利厚生とは?3つの事例を紹介

在宅勤務も増え、福利厚生のニーズも変化している中で、注目を集める福利厚生を導入している企業も多くみられます。ここでは事例を3つ紹介します。

1.株式会社キャスター

「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げる株式会社キャスターでは、2018年に12月4日より福利厚生としてベビーシッター利用制度を導入しています。未就学児を保育する従業員を対象に、提携企業経由でベビーシッターを利用した場合、1回あたりの費用の半額を負担します(月3万円を上限)。この制度により、子の体調不良で保育園へ行けない場合や、小学校入学後の預け先に困っている場合などに、従業員の負担が軽くなるようサポートをしています。

さらに、2024年5月15日付で、福利厚生の一貫として従業員持株会を設立しました。日本や世界各国から800名以上のリモートワーカーが集まっている同社では、「人」が財産であり、従業員持株会を通じて株主として従業員が今まで以上に積極的に事業参画する姿勢を高めます。

出典:Caster|News 「労働革命で、人をもっと自由に」を掲げるキャスター、 ベビーシッター制度を導入〜ライフイベントによって働くことを諦めなくて良い組織づくりを推進〜
出典:Caster|News フルリモートワーク企業のキャスター、福利厚生の一環として従業員持株会を設立

2.freee株式会社

freee株式会社には、業務に必要な書籍については自由に購入OKという書籍費freee(書籍費支援)があります。フロアに図書館スペースも併設しているので、必要な本は自由に借りることも可能です。

ほかにも以下のような福利厚生があり、多様です。

  • freee claps(全社忘年会)
  • 持株会
  • ファミリーデー(週末に企業内のオープンスペースをご家族向けに開放し、ご家族で楽しめるイベントを年1回ペースで開催)
  • shall we lunch?(ランチ補助として、Uber EATSを上限1000円まで企業が補助)
  • 結婚祝い、出産祝い(同性パートナーや事実婚を含む)
  • 借上社宅(生活の拠点となる賃貸物件を法人名義で契約し、企業が物件を貸し出しを行う)
  • 家事代行補助・ベビーシッター利用補助
  • ドリンクfreee(オフィスのドリンクはすべて無料)

第3の賃上げで話題の借上社宅

ユニークで多様な福利厚生で従業員満足度を高めていることがわかりますが、とくに注目したいのが借上社宅の福利厚生です。住宅の現物支給の仕組みを活用した福利厚生であり、低コストで従業員の実質手取り(過処分所得)を増やせます。従業員の手取り額を増やすことにフォーカスした「第3の賃上げ」としても話題の福利厚生です。

なお、「第3の賃上げ」は、実質手取りを増やせる福利厚生サービスのことをさします。食の福利厚生「チケットレストラン」で「第3の賃上げ」を実現する株式会社エデンレッドジャパンとfreee株式会社が発起人として提唱している賃上げです。

関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

3.株式会社Looop

太陽光発電所システムの開発・販売を手がける株式会社Looopでは、出張する従業員も多く、公平かつ従業員に喜ばれる福利厚生制度を探していました。そこで、勤務場所を問わずに全国どこでも利用できる食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を知り、導入します。利用可能な加盟店が多いことや、日常的な金銭面の負担を軽減できることなど、従業員の評価も高く、満足度の高い福利厚生を提供できているそうです。

また、「チケットレストラン」はコロナ禍でリモートワークが浸透した状況においても、高い利用率を維持しており、オンライン食事会でも利用されるなど、コミュニケーション活性化にも貢献しています。

企業ホームページ:https://looop.co.jp/
導入事例:株式会社Looop様

福利厚生見直しの好事例もチェック

福利厚生の見直すきっかけに、利用率の低さがあります。利用率の低さは、コロナ禍を経て従業員の生活スタイルや価値観が少しずつ変化していることへの、重要な気づきです。

ここでは、利用率の低さをきっかけに福利厚生を見直して成功した事例としてSKソリューション株式会社の事例を紹介します。さきほど紹介したエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、福利厚生を見直したい企業のニーズにも合致する福利厚生であり、その理由も紹介します。

なぜ見直し?福利厚生利用率を調査し見直しを決意

オムロングループの100%子会社で、九州地域における産業オートメーション事業の強化を担っているSKソリューション株式会社では、パッケージ型の福利厚生サービスを導入していました。しかし、従業員ごとに利用率に大きな差があり、数値上の利用率はわずか10%程度だったそうです。

利用率の高い福利厚生へと刷新を図る際に、98%という高い利用率を誇る「チケットレストラン」が候補に挙がりました。その後の社内説明会では大変好意的な反応を得られ、従業員に利用してもらえることへの大きな期待を寄せて、サービスを導入をします。

チケットレストラン導入で得られた効果

導入後、従業員満足度が大幅に向上し、利用率も82%以上へと飛躍しました。勤務場所が異なっていてもどこでも利用できるため、多くの従業員から高評価を得られました。運用の容易さと低コストで人事部門の負担もほとんど増えていないそうです。多様な勤務形態にも対応できるため、企業内の一体感醸成にも貢献し、さらに、採用活動や人材定着にも好影響をもたらしています。

SKソリューション株式会社の成功事例は、福利厚生の見直しが、企業と従業員双方にメリットがあることを証明してることを示していると言えるでしょう。

企業ホームページ:https://www.sk-solution.co.jp/
導入事例:SKソリューション株式会社様

利用率が高い「使われる」福利厚生へ見直すことが重要

ニーズに合った福利厚生の見直しは、従業員満足、企業イメージアップ、人材の確保につながり、企業にとってプラスになります。働き方が多様化した今、従来の枠組みにとらわれない新しい発想の福利厚生は、企業の成長のヒントとなるかもしれません。

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、勤務場所や勤務形態を問わず、多くの従業員に利用しやすい形で食事を補助できる福利厚生サービスです。導入実績3,000社以上、人材確保や定着、従業員満足度向上の効果を実感して頂く場合も多く、継続率99%、利用率98%、満足率93%の評価が得られています。「チケットレストラン」導入により福利厚生を見直してみてはいかがでしょうか。

資料請求はこちら