資料請求
English

エデンレッドブログ

-働く人と働きたい人のための福利厚生ブログ-

【税理士監修】福利厚生費は全て非課税?導入時には課税・非課税の要件をチェック

【税理士監修】福利厚生費は全て非課税?導入時には課税・非課税の要件をチェック

2023.10.19

監修者:舘野義和(税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和税理士事務所)

福利厚生費として計上した費用は全て損金算入が可能です。ただし同じ福利厚生でも、要件を満たしていない場合には、給与や交際費などとなり損金算入できない可能性もあります。どのような要件を満たしていると、福利厚生費として損金にできるのでしょうか?企業で新たな福利厚生を導入するときに役立つ知識を紹介します。

福利厚生費と法人税減税メリットとの関係とは

企業が福利厚生費として計上した費用は、損金として扱えます。損金とは、法人税が課される課税所得金額を計算するときに差し引ける金額です。

法人税を計算するときには、収入から経費を差し引き利益を計算した上で、益金や損金を加えたり差し引いたりして、課税所得金額を算出します。

損金として差し引ける金額が多ければ、課税所得金額が少なくなり、法人税額が下がります。

 

福利厚生費の種類と法人税の関係

福利厚生費は法定福利費・法定外福利費の2種類に分類可能です。それぞれの福利厚生費にかかる費用と法人税は、どのような関係なのでしょうか。

法定福利費は全て損金算入される

健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険、子ども・子育て拠出金の6種類からなる法定福利費は、従業員を雇用する事業者に一部負担が義務付けられています。

法定福利費は法人税を計算するときには損金として扱います。損金は課税所得金額を計算するときに、所得から差し引ける費用なので、差し引いた分、課税される所得が減り、法人税額が下がります。

 

法定外福利費は要件を満たすと損金算入される

企業が独自に導入できる法定外福利費は、通勤手当・特別休暇・健康診断・カフェテリアプラン・食事補助などが該当します。この法定外福利にかかる費用は、以下の4つの要件を満たすと、福利厚生費として計上できます。

  • 福利厚生の目的で支給すること
  • 全ての従業員が対象であること
  • 妥当な金額であること
  • 現物支給であること

福利厚生費は、法人税の課税所得金額を計算するときに差し引ける損金です。損金として差し引くことで課税所得金額が減るため、法人税額を低く抑えるのに役立ちます。

費用を福利厚生費として損金算入できないケースとは?

法定外福利にかかった費用でも、福利厚生費として損金へ算入できない場合もあります。例えば、役員や特定の役職のみが対象の人間ドックや生命保険にかかる費用です。

全ての従業員が対象であれば福利厚生費として計上できますが、特定の人のみが対象の場合には、給与として扱われます。

 

法人税課税対象の福利厚生にかかる費用を損金算入し、申告したときの手続き

企業が独自に設ける法定外福利は種類が多く、福利厚生費として計上するか、給与や交際費などとして計上するかは、個々に判断しなければいけません。

誤って給与や交際費などとして計上すべき費用を、福利厚生費として計上してしまうこともあるでしょう。そのまま福利厚生費を損金算入し確定申告を行った場合、正しい税額が計算できていない可能性があります。

誤って福利厚生費として計上した費用があるとき、どのような手続きが必要なのでしょうか?

なるべく早く修正申告を行う

申告期限内に誤りに気づいたなら、期限までに修正申告を行い正しい税額へ修正します。本来なら給与や交際費などとして計上すべき費用を、福利厚生費として計上した場合、税額を実際より少なく申告しているかもしれません。

正しく計算し直し、修正申告書を提出する日までに、法人税額の差額と延滞税を納付します。

調査の通知後は過少申告加算税がかかる可能性

誤りに気づかず国税局や税務署から調査の通知が届いたあとに修正申告を行うと、法人税の差額分に加え、過少申告加算税もしくは重加算税がかかるかもしれません。過少申告加算税や重加算税の対象となるのは、当初の申告を期限後に行った場合です。

参考:国税庁|申告・納付等の期限

従業員の所得税と福利厚生費の関係

次に、福利厚生費と従業員の所得税との関係について見ていきます。

雇用保険や健康保険などの法定福利費は企業と従業員で折半し、従業員の負担分は給与から差し引かれる仕組みです。

従業員の負担する所得税額を計算するときには、給与から法定福利費にあたる雇用保険料・健康保険料・厚生年金保険料を差し引きます。そのため法定福利費は課税所得に含まれません。

 

法定外福利費は要件を満たすと所得税が課税されない

法定外福利として支給したサービスや物品にかかった費用を、法定外福利費として計上できれば、従業員の納める所得税額は上がりません。一方、法定外福利費として認められず給与として扱われると、所得税の対象となってしまいます。

従業員へ支給するサービスや物品にかかる費用を、福利厚生費として計上するために、満たさなければならない4つの要件を見ていきましょう。

 

1.福利厚生の目的で支給すること

企業が給与とは別に、従業員やその家族の生活の安定や質の向上のために提供するのが福利厚生です。法定外福利にかかる費用を福利厚生費として計上するには、提供する福利厚生の目的が福利厚生のみでなければいけません。

福利厚生として提供しているサービスや物品を業務にも使用すると、福利厚生費として計上できなくなります。

 

2.全ての従業員が対象であること

全ての従業員に適用される制度であることも要件の1つです。利用できるのが役員や一部の従業員に限定されている場合、給与として扱われ所得税がかかります。

全従業員が対象になっていれば、本人の意思で福利厚生を利用しない従業員がいても福利厚生費として計上可能です。例えば福利厚生として実施した社員旅行に参加しない従業員がいても、他の要件を満たしていればかかった費用は福利厚生費になります。

3.妥当な金額であること

福利厚生費として計上するには、一般的で妥当な金額でなければいけません。例えば、従業員の健康のために福利厚生として人間ドックを提供し、その費用を福利厚生費として計上することは可能です。

ただし人間ドックの費用が、数十万円の高額なプランの場合には、福利厚生費にはできず税金がかかります。

 

4.現物支給であること

目的が福利厚生で全従業員を対象としている場合でも、現金や商品券をはじめとする換金しやすいものを支給すると、その費用は福利厚生費にできません。従業員への給与とみなされ所得税が課されます。

例えば、健康診断の費用を従業員が立て替え、かかった分を後から企業が支給する、といったケースも課税対象となるため注意が必要です。

関連記事:[社労士監修]福利厚生費は課税される?要件や事例をわかりやすく解説

福利厚生費が給与となり所得税が課されてしまうケースとは

福利厚生費として計上しようと考えていても、費用や支給の仕方によっては課税されるケースもあります。具体的にどのような場合に課税されるのでしょうか?福利厚生の種類ごとに紹介します。

高額な通勤手当

自宅から職場までの電車代やバス代を企業が通勤手当として負担する場合、1カ月あたりの上限額は15万円です。15万円を超える通勤手当を支給する場合、超えた部分の交通費には課税されます。

自動車や自転車で通勤する従業員へ支給する通勤手当の非課税上限額は、片道の通勤距離で以下のように決まっています。例えば、自宅から職場まで30kmの道のりなら、1カ月の通勤手当の非課税上限額は1万8,700円です。

片道の通勤距離

1カ月あたりの非課税上限額

2km未満

全額課税

2km以上10km未満

4,200円

10km以上15km未満

7,100円

15km以上25km未満

1万2,900円

25km以上35km未満

1万8,700円

35km以上45km未満

2万4,400円

45km以上55km未満

2万8,000円

55km以上

3万1,600円

電車やバスと自動車・自転車を併用して通勤している場合の通勤手当は、公共交通機関の通勤定期券の金額と、自動車や自転車で通勤する片道の距離で定められている非課税限度額を足して計算します。1カ月あたり15万円までなら税金がかかりません。

参考:国税庁|No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当

参考:国税庁|No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当

 

家賃の安すぎる社宅や寮

社宅や寮を福利厚生として用意する場合、毎月以下の合計金額である賃料相当額以上の家賃を受け取っていれば、費用を福利厚生費にできます。

  • その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%
  • 12円×(建物の総床面積/3.3平方m)
  • その年度の敷地の固定資産税の課税標準×0.22%

家賃を受け取っていても、3つの合計金額より安い金額の場合や、家賃を受け取らずに無償で提供している場合には、給与とみなされ課税の対象となります。

例えば、賃料相当額が1万5,000円の社宅を従業員へ提供するとき、従業員が1万5,000円以上の家賃を負担していれば非課税です。従業員の負担が1万円なら、賃料相当額との差額5,000円は給与となり課税されます。

また現金で支給する住宅手当は社宅の提供とは異なるため、給与として扱われる課税対象の費用です。

参考:国税庁|No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき

 

参加人数の少ない従業員レクリエーション旅行

従業員同士の親睦を深めるために従業員レクリエーション旅行を実施する場合、その費用を福利厚生費として計上するには、4泊5日以内の旅行で、社員旅行を実施する職場の50%以上の従業員が参加していなければいけません。

4泊5日以内の旅行でも、参加者が従業員20人中7人だと、50%を下回っているため福利厚生費にはできず課税対象です。また20人中15人が参加する旅行でも、5泊6日の日程では福利厚生費として計上できません。

「不参加の従業員には現金1万円を支給」というように、旅行に参加するか現金を受け取るかを選べる制度では、従業員レクリエーション旅行に該当しないため課税の対象です。

ほかにも旅行へ行くのが役員のみであったり、実質的に私的な旅行であったりするなら、福利厚生費には該当しないため、適切な費目で計上しましょう。

参考:国税庁|No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行 

 

高すぎる健康診断や人間ドック

健康診断や人間ドックも福利厚生として提供可能です。ただし一般的に認められる常識的な金額の範囲内でなければいけません。健康診断であれば1万円前後、人間ドックであれば3万~7万円が目安です。

費用を企業が直に医療機関へ支払うことも、かかった費用を福利厚生費として計上するときに必要な要件です。従業員が立て替え払いをした費用を企業が後から支給すると、給与として扱われ課税対象になってしまいます。

加えて全従業員が受診できなければいけません。雇用形態や役職で受診できる人を限定したり、受診できるコースを分けたりすると課税対象となります。ただし「人間ドックは35歳以上が対象」というように年齢で分けるのは問題ありません。

参考:国税庁|人間ドックの費用負担

短期間に支給される永年勤続者への記念品や旅行など

企業によって長く勤務している人へ、記念品や旅行などを支給することもあるでしょう。これらの支給も以下の要件を満たしていると非課税です。

  • 勤続年数や地位相応で、一般的に相当な金額以内であること
  • 勤続年数はおおむね10年以上経過していること
  • 2回以上表彰するときには前回の表彰からおおむね5年以上あけること

例えば、前回の支給から2年経過したタイミングで2回目の支給を行う場合には、非課税にはならず、必要な費用に課税されます。記念品として商品券を支給する場合や、複数の選択肢から記念品を選ぶ形式の場合も、課税の対象です。

 

参考:国税庁|No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき

 

自社以外でも使える物品の支給

従業員へ自社の制服を支給するときには、福利厚生費として扱えるケースが多いでしょう。ただし、同じように仕事で着用する服でも、スーツやシャツなどは課税対象の給与として扱われます。スーツやバッグ・靴などの購入費用として現金や金券を支給した場合も同様です。

スーツやシャツなどを福利厚生として支給し、かかった費用を非課税の福利厚生費として計上するには、胸元に企業ロゴを入れる方法があります。ロゴの入ったスーツやシャツであれば、他で着用する機会がほぼないためです。

付与されるポイントが従業員ごとに異なるカフェテリアプラン

従業員へポイントを付与し、その範囲内で用意されたメニューから利用する福利厚生をえらべるのがカフェテリアプランです。

カフェテリアプランにかかる費用を福利厚生費として計上するには、全従業員に同じポイント数を付与しなければいけません。役職によって付与するポイント数を買える場合には、費用が課税対象となります。

また、ポイントを現金や金券類へ交換できるタイプのカフェテリアプランも課税対象です。

参考:国税庁|カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合

 

従業員の負担が半分以下の食事補助

弁当や社員食堂・食事補助サービスなどを導入すると、従業員の健康的な食事をサポートできます。以下の2点を満たしていれば、福利厚生費として計上でき非課税になるのも特徴です。

  • 従業員が食事にかかった費用の半分以上を負担していること
  • 「従業員が負担する金額-食事の価格」が月3,500円以下であること

例えば、1カ月のランチ代が6,000円で企業から3,500円の食事補助を支給したとします。この場合、従業員の負担額は2,500円で、食事代の半分以下です。このケースでは要件を満たしておらず、非課税にできません。

参考:国税庁|No.2594 食事を支給したとき

福利厚生費にできる「チケットレストラン」

自社で独自に福利厚生を導入するときには、福利厚生費として計上でき、損金として扱える要件を満たしているか、担当部署で確認しなければいけません。ただし確認には一定の知識が必要ですし、管理には手間がかかります。

かかった費用を福利厚生費として計上できる福利厚生として、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を活用してみてはいかがでしょうか。

最小限の手間で非課税枠を活用できる

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は導入も維持管理も手間がかかりません。契約から最短2週間でICカードが納品されると使い始められます。また導入後に行うのは月1回のチャージ作業のみです。

加えてかかった費用を、損金算入できる福利厚生費として扱えるよう、必要な要件を満たしているのもポイントです。導入するだけで食事補助の非課税枠を活用できます。

インフレ手当や賃上げ代わりに導入できる

物価上昇の影響により、生活に必要な多くの物の値段が上がっています。これまでと同じ給与を受け取っていても、買えるものが少なくなるため、家計が苦しいと感じている人もいるでしょう。

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、食事補助によって従業員の家計をサポートできるサービスです。給与を上げると従業員の負担する所得税も上がりますが、非課税の福利厚生費に計上できるチケットレストランなら従業員の所得税額は増えません。食事補助の支給額を従業員が全て使えます。

所得税額に影響を及ぼさず、従業員へインフレ手当を支給する方法として効果的です。

全従業員が公平に使える

同じ食事補助でも、お弁当や社食サービスは、出社していなければ利用できません。ランチタイムに外回りで出ている人や、リモートワークで自宅で働く人は、福利厚生を全く使えないこともあるでしょう。

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は全国にある25万店舗以上の加盟店を利用でき、働く場所や時間を問わず、全従業員が食事補助を利用できます。

コンビニやファミレスで使えるのはもちろん「 Uber Eats 」で指定の場所へ食事を配達してもらうことも可能です。

 

福利厚生費を理解し活用しよう

福利厚生費は、企業の法人税額や従業員の所得税額を抑えるのに役立ちますが、全ての福利厚生にかかる費用を福利厚生費として計上できるとは限りません。要件を満たした福利厚生にかかった費用のみを福利厚生費にできます。

生活の質の維持・向上を目的として、一般的に妥当な金額分のサービスや物品を、全従業員を対象に提供する場合、かかった費用が福利厚生費になります。福利厚生の種類によっては、支給できる金額の上限や、使用時の条件が定められているものもあり、自社のみで全てを把握するのは難しいかもしれません。

福利厚生費を理解し活用するには、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」が役立ちます。食事補助を非課税枠を活用して運用する要件を満たしているサービスのため、導入すれば費用を福利厚生費として計上可能です。

契約締結から最短2週間で導入できる「チケットレストラン」で、企業にも従業員にもメリットのある福利厚生をはじめませんか。

 

資料請求はこちら