福利厚生を充実させると新卒・転職者の採用に効果的
株式会社リクルートキャリア「就職プロセス調査」より一部編集
求職者が企業選びをする際、給与面だけでなく、福利厚生も重要視しています。ある調査で「就職先を確定する際に、決め手になったものは?」という問いに、1位は「自己成長ができる企業(47.1%)」2位は「福利厚生や手当が充実している企業(37.8%)」という結果が出ました。
理由を尋ねると、「女性としてライフステージが変わっても、長く働けると思ったから」「福利厚生に投資できる企業は、社員を大切にしてくれると思うから」という声があり、福利厚生などの内容を重視し『働きやすさ』を求めている傾向があることが分かります。新規採用のためには、人材の定着策の検討に加えて、福利厚生の見直しが効果的になるでしょう。
福利厚生の見直しは優秀な人材の退職を防ぐ効果も
福利厚生を見直すことは、採用活動だけでなく、現在働いている従業員の生産性向上にもつながります。例えば、多くの企業が抱える悩みである、「従業員が育児や介護を機に退職する問題」も福利厚生でカバーすることができます。従業員が減ると生産性が落ち、新規採用のための労力やコストもかかります。しかし、仕事と両立できる福利厚生や制度を作ることで退職者が減れば、従業員の定着率が徐々にアップするでしょう。
メルカリやメルペイでおなじみの「株式会社メルカリ」では、従業員の仕事と育児を両立できる福利厚生が充実しています。
・妊活支援
・特別休暇(産休・育休など)は給与100%保証
・認可外保育園・病床保育費の補助
・子どもの看護休暇
また、復帰後も時短勤務やフレックス制度を利用して勤務が可能です。社内にも会社復帰を歓迎する雰囲気があり、安心して復帰後も動き出せる社風ができています。以前であればやめざるを得なかった状況も、このような福利厚生があれば退職せずに働き続けることができます。
福利厚生の見直しは企業イメージアップにも効果的
福利厚生は人材の定着や従業員の満足度アップのため、という印象があるかと思います。しかし、従業員が気持ちよく働ける環境やサービスの提供は、結果として企業の利益につながります。求職者が企業を選ぶポイントとして福利厚生の充実が挙げられることが増えており、従業員満足度の高い福利厚生があると、求職者やメディアからも注目されます。企業にとって財産でもある人材が定着することは、企業価値の底上げにもつながるのです。
福利厚生や働きやすさを見直した事例のひとつに、味の素株式会社の取組があります。同社では、ワーク・ライフ・バランス関連の福利厚生や制度を充実させ、所定労働時間の短縮やフレックスタイム制の活用、テレワークやリフレッシュ休暇の導入などを積極的に行いました。その取り組みが評価され「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」(厚生労働省)を受賞し、企業のイメージアップにもつながっています。また、終業時間の前倒しにより働き方への意識が変化し、20時以降も残業する従業員が激減。プライベート時間をより充実させることができ、ワーク・ライフ・バランスの最適化を実現させています。
まとめ 従業員が喜ぶ福利厚生を導入する
新卒、中途採用を問わず、求職者は働きやすい企業や従業員を大切にしてくれる企業を求めています。福利厚生の見直しの際には、「共に働く仲間が喜んでくれる福利厚生であること」が重要です。福利厚生は導入するだけでは効果はなく、すべての従業員が利用できるものでないと意味がありません。自社にあった福利厚生かどうかを定期的に見直し、効果的な施策を取り入れていきましょう。
《参考資料》
「就職プロセス調査(2019年卒)」 / リクルートキャリア
メルカリはパパ・ママが働きやすい会社って本当? merci boxを利用し、復職した社員に話を聞きました! / mercan
味の素株式会社 取組事例 / 働き方・休み方改善ポータルサイト