新型コロナウイルス感染症流行対策として2020年4月7日に発出された緊急事態宣言以降、「リモートワーク(テレワーク、在宅勤務)」を本格導入する企業が増えてきました。政府が推進していることもあり、リモートワーク導入により助成金を受けることもできます。とはいえ、リモートワークによるデメリットを懸念し、一歩踏み出せない企業も多いのではないでしょうか。
ここでは、リモートワークのメリットを企業側と従業員側に分けて解説します。
1. 《企業視点》リモートワークを導入する5つのメリット
リモートワークは、採用や離職率の改善だけでなく業務の効率化や経費削減などさまざまなメリットがあります。
人材確保や雇用継続、人材の定着
介護や育児、病気などでやむを得ず退職していた従業員をリモートワークにすることで、雇用を継続でき、人材も定着します。
利用ツールの見直しによる業務効率化
リモートワークによって、資料の電子化や連絡ツール(チャットワーク、スラックなど)を社内連絡に使用検討する、などの見直しの機会ができます。また、はんこ文化も見直しされており、業務の効率化が期待できます。
通勤費・オフィス維持費の削減
出勤が不要になると交通費の削減や人数分揃えていたデスクや備品、光熱費などの経費削減ができます。不要な経費をカットし、新しい事業への投資や福利厚生を充実させることで従業員満足度を高めることにも役立ちます。
非常時の事業継続が可能
台風であっても業務を止めることはできませんが、従業員の安否も心配です。リモートワークによって出社が不要になれば、豪雨や台風などで出勤が困難なときも従業員の安全確保と業務の進行が可能になります。身動きが取れないときにも、場所や時間を選ばない働き方で混乱を最小限に抑えることができます。
企業イメージの向上
「リモートワーク」「時短勤務」「フレックス制」などの働き方を取り入れている企業は、従業員の働きやすさだけでなく、外部からも「安心して働ける企業」と認識され、採用活動にもよい影響が見込めます。
2. 《従業員視点》リモートワークを導入する4つのメリット
従業員にとってはどのようなメリットがあるでしょうか。
自由な時間が増える
通勤時間がなくなることで、朝食をゆっくり食べたり散歩や運動の時間に充てたりすることができます。就業後もすぐに夕食の準備ができ、家族と過ごす時間が増えたりと有効に時間が使えます。
集中力アップで業務効率もアップ
来客や打ち合わせなどで仕事を中断されることがなく、自分の業務に集中できるので効率よく仕事ができます。実際、社内で急な頼み事をされていた人は自分の仕事に集中できるようになったという声も多いです。
自律性や計画性、言語化スキルが高まる
すぐ隣に人がいない分、自分で業務に対する時間管理や業務内容を考える必要が出てきます。そのため、「自分で考える」「言語化して相手に伝える」といったスキルが身につきます。
人間関係のストレス軽減
人と会う機会が減ることはデメリットに感じるかもしれません。しかし、リモートワークによって上司や同僚、部下と会う時間が物理的に減るため気持ちの余裕ができ、人間関係に起因するストレスを軽減できます。
3. リモートワーク導入は行政の助成金サポートが受けられる
リモートワークは、「働き方改革」のひとつとして、行政も推進しています。最後に、中小規模の事業者向けに政府が公開している「リモートワークの助成金支援」について紹介します。
働き方改革推進支援助成金:厚生労働省
リモートワークを新規導入もしくは、継続する中小企業向けに行っている助成金制度です。成果目標に合わせて1社あたり最大200~300万円まで支給されます。
はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金):(公財)東京しごと財団
東京都が実施するリモートワーク導入のコンサルティングを受けた都内の中堅・中小企業等に対して、環境構築経費、および制度整備費を補助します。従業員数に合わせて1社あたり40万円、70万円、110万円のいずれかが支給されます。
まとめ
リモートワーク導入の企業側のメリットは人材確保や経費削減、事業継続などがあり、従業員側には生産性、意欲の向上や自分の自由な時間が増えるなどのメリットがあります。また、助成金による補助もありますのでこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。