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1on1ミーティングのやり方は?成果につなげるポイントや評価面談との違いを解説

2023.05.26

上司と部下が1対1で行う1on1ミーティングでは、どのような成果を期待できるのでしょうか?1on1ミーティングのやり方やメリット・デメリットなどをチェックしましょう。何をテーマに話をしたらよいか分からず迷ったときに役立つテーマの一覧表も紹介します。

1on1ミーティングとは何か

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で定期的に行う面談のことです。面談を通して上司が部下の成長をサポートするマネジメント手法の1種に分類されます。

実施する際には、1回につき30~60分の面談を、週1回から月1回の頻度で繰り返すのが一般的です。直属の上司が面談を行うケースが多いですが、その他に部門長・メンター・経営者が実施することもあります。

従来から行われている面談との違いは、部下の成長を目的としている点です。

目的は部下の成長

1on1ミーティングを行う目的は部下の成長です。上司は部下が自ら考え、目標達成や課題解決に向け具体的に行動できるようサポートします。そのサポートの場として機能するのが1on1ミーティングです。

仕事上の悩みや将来のキャリアについてはもちろん、プライベートについても相談できる時間を定期的に設けることで、部下のつまずきを取り除く機会になります。

定期的に相談する機会を持つことで、良好なコミュニケーションを取りやすくなればモチベーションアップにつながり、さらに成長につながりやすくなる好循環が生まれやすくなるでしょう。

評価面談との違い

同じように上司と部下が話す機会を設けているとしても、評価面談は1on1ミーティングと目的が異なります。評価面談の目的は業務の進行度合いや、目標達成の進捗確認です。

この内容を人事考課や人材育成・動機形成などに生かすため、話す内容も進捗や評価の部分に限定されています。1on1ミーティングほどテーマの自由度は高くありません。

1on1ミーティングのやり方

どのような手順で1on1ミーティングを行うのかを、以下の4ステップに分け見ていきましょう。

  1. 話す内容、目的、実施する日時を決める
  2. 1on1ミーティングを行う
  3. 振り返りを行う
  4. 次回の1on1ミーティングを設定する

話す内容や実施する日時を決める

1on1ミーティングで話す内容を決めるのは部下ですが、慣れていないうちは何を話せばよいか分からないと感じる場合もあるでしょう。事前に目的を共有し話す内容を決めておくと、スムーズに進めやすくなります。

日時は部下の仕事の予定を確認しつつ、無理のないタイミングに設定しましょう。スケジュールを共有できるサービスを利用すると調整しやすくなります。

1on1ミーティングを行う

決定したテーマに沿って1on1ミーティングを行うときには、部下の成長をサポートするのが目的であることを意識しましょう。アドバイスをするのではなく、部下が自分で考え答えを導き出せるよう聞く姿勢を意識します。

また話しただけで終わりにするのではなく、目標や課題の解決に向けた具体的な行動と期限を設定するのもポイントです。

振り返りを行う

1on1ミーティングの終わりには、今回の内容を振り返ります。確認するのは、どのような行動をいつまでにするかや、上司はどのようなサポートをするかなどです。部下が積極的に取り組みやすいよう、ポジティブな一言を添えられるとよいでしょう。

次回の1on1ミーティングを設定する

1度の1on1ミーティングのみでは、目標を達成したり課題を解決したりするのは難しいでしょう。最終的な成果を目指し、継続的に取り組むことが重要です。次回の1on1ミーティングの日時をこのタイミングで決めておけば、無理なく続けやすくなります。

1on1ミーティングを効果的に行うコツ

部下の成長を促す1on1ミーティングを実施するにはコツがあります。貴重な時間を有効活用できるよう、3つのコツを押さえておきましょう。

部下が考える機会にする

1on1ミーティングはあくまでも部下が考え自分自身で答えを導き出す場です。部下と上司の発話の割合は7:3を目安にするとよいでしょう。

部下の悩みや困っていることを聞いていると、簡単に解決できそうに感じることもあるかもしれません。「こうすればすぐに解決するよ」「○○さんに聞いてみると知っているかもしれない」などとアドバイスすれば、問題はすぐに解消するかもしれませんが、部下の成長を促す1on1ミーティングの目的は達成できなくなってしまいます。

上司の役目は部下が自分で答えや解決策を導き出すための誘導をすることです。「どうしたらできそうだと思う?」と問いかけ、部下が自分で答えを見つけることで、自発的に考える力を養えるようサポートします。

上司は評価や批判をせず傾聴する

部下が自分で考えた意見を1on1ミーティングで話し始めたとき、上司が「それはよくない」というような否定的な評価をすると、部下は否定されるのを恐れ本心からの意見を言えなくなってしまうかもしれません。

話を途中でさえぎるのも、部下の意見を聞けなくなってしまう行動のため避けましょう。上司の立場から指導しなければいけないと考えると、自律的な部下は育ちにくくなってしまいます。

つい口をはさみたくなるのを抑え、部下の話に耳を傾ける「傾聴」を意識するのがコツです。

1on1ミーティングシートを活用する

1on1ミーティングシートを利用すればスムーズに進めやすくなります。例えば事前に部下がミーティングシートのフォーマットへテーマを記入し、上司がその内容を確認しておけば、必要な準備をした上でミーティングに臨めるため時間を無駄にすることがありません。

ミーティングシートを確認しながら話を進めれば聞き漏らしが発生しにくくなりますし、話した内容をメモしておけば振り返りもしやすくなります。

ミーティングシートに決まった形式はありません。インターネット上で無料でダウンロードできるフォーマットを参考に、自社や部署に合わせた項目を追加して使用すると手軽に取り入れられます。

1on1ミーティングのメリット

1on1ミーティングは部下の成長を目的としていますが、部下はもちろん上司や会社にもメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

信頼関係を構築できる

上司と部下が対等に会話する1on1ミーティングは、信頼関係を構築するきっかけになります。業務についてはもちろん、家族・体調・趣味などのプライベートについても話すことで、お互いの理解につながるためです。

定期的にコミュニケーションを取る習慣ができると、普段の業務でも部下から自発的に報告・連絡・相談をしやすくなることが期待できます。コミュニケーションをスムーズに取りやすくなれば、マネジメントも行いやすくなるでしょう。

部下に合うキャリア開発をサポートできる

定期的に目標や課題を設定し振り返る機会を設けることで、部下が自分の適性や可能性に気付く可能性が高まるのもメリットです。目標を達成できたときはもちろん、できなかったときも学びにつながります。

例えばいつも同じようなポイントでつまずきうまくいかないなら、失敗につながりやすいパターンを把握できるでしょう。これまで気付かなかったパターンに部下自身で気付けるようサポートすることで、キャリア開発も可能です。

また部下の希望するキャリアパスをヒアリングすることで、適材適所の人員配置にも生かせるでしょう。

モチベーションアップにつながる

1対1で上司と部下が会話をする機会を設ける1on1ミーティングは、部下のモチベーションアップにもつながります。特に部下の意見を上司が聞き入れ、何らかの対策を実施した場合「口だけではなく行動してくれる上司なんだ」と、ますます信頼感が高まるでしょう。

一人ひとりの部下のモチベーションが高まれば、チーム全体のモチベーションも上がり、ポジティブな雰囲気の職場へ変化することも期待できます。

変化へ対応しやすくなる

IT技術の急速な進歩やコロナ禍などに伴い、物事が変化するスピードが早く未来予測が困難になってきています。VUCA(ブーカ)時代とも呼ばれる今の状況に対応するには、変化へ柔軟に対応できる臨機応変さが必要です。

1on1ミーティングは1週間から1カ月に1度の短いサイクルで実施します。短期間かつ定期的に状況確認の機会を設けるため、変化があればスピーディーな対応を取りやすいでしょう。

急速な変化の可能性がある今の時代に合っているアプローチといえます。

評価に対する部下の納得度が増す

定期的に1on1ミーティングを実施していると、部下は自分の客観的な評価やその理由を都度知れます。自信を持って臨んだ業務があまり評価されておらず、あまり自信のなかった業務で思いの外高い評価を得ていると気付くこともあるでしょう。

自分の客観的な評価やその評価に至る過程を把握できるため、人事部門からの評価に対し納得して受け入れられる傾向があります。

離職率の低下につながる

信頼している上司の下で、自分に適性のある業務に携われれば、部下のモチベーションは高まっていくでしょう。自分の意見を受け上司が対策を実施することで、職場や業務がよりよくなっていく実感も得られるため、自ら考え行動する積極的な姿勢はますます強化されていきます。

モチベーションや積極性の高い部下は、「この会社でキャリアアップを目指そう」「いつか上司のような部下に頼られる存在になりたい」と長く働き続ける道を選ぶケースが多いでしょう。自社で長期的なキャリア形成を目指す人材を育成できるため、離職率の低下を期待できます。

離職率の低下には福利厚生の充実も役立つ

社員の定着に向けた取り組みとして、福利厚生を充実させるのも効果的です。住宅手当や特別休暇などが充実していれば、プライベートと仕事のバランスを取りやすく働きやすいことから、「この会社で長く働きたい」と希望する社員の増加が期待できます。

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1on1ミーティングのデメリット

信頼関係の構築やモチベーションアップに役立つ1on1ミーティングにはデメリットもあります。うまく実施できなかった場合に考えられるデメリットを見ていきましょう。

実施にも効果が表れるまでにも時間がかかる

定期的な実施で効果につながる1on1ミーティングは、実施するのに時間がかかります。特に上司は担当する部下の人数分だけ時間が必要です。週1回のペースで30分の1on1ミーティングを行う場合、5人の部下を担当していれば合計で2時間半かかります。

また即効性のある取り組みではないため、すぐには成果が表れません。元からモチベーションが高めの部下であれば、比較的早い段階で自分で考え行動できるよう成長するかもしれませんが、そうでない部下はなかなか変化が表れずもどかしい思いをすることもあるでしょう。

1on1ミーティングの支援ツールの導入や、じっくり時間をかけて行う取り組みであることの周知が、成果をあげるためには重要です。

上司のコミュニケーションスキルによって逆効果になる

部下の成長の度合いが上司のコミュニケーションスキルに左右される点もデメリットです。部下のやる気を引き出すのがうまく、的確な質問を投げかけられる上司であれば、部下はモチベーションを高く維持し続け目標達成や課題解決に取り組みやすくなります。

ただし中にはコミュニケーション能力が不足しており、十分なサポートを実施できない上司もいるでしょう。上司向けの研修やセミナーを実施し、1on1ミーティングに必要なコミュニケーション能力を高める工夫が必要です。

また上司と部下の相性が悪く1on1ミーティングの効果が出にくいケースもあります。この場合、チーム内で相性のよい先輩と部下でミーティングを行えるよう設定するのも有効です。

やり方によっては信頼関係が損なわれる恐れがある

1on1ミーティングを行う上で上司に求められるのは傾聴することです。併せて評価や指導の場でないことも理解していなければいけません。このことを理解せず、ミーティングのたびに部下の意見を批判したり、部下の話を聞かず自分ばかり話し続けていると、部下の信頼を失う可能性があります。

部下の成長を目的としており、部下が自発的に考え行動できるようになることを目指す場なのだと上司が十分理解した上での実施が欠かせません。

雑談で終わることもある

毎週のようにミーティングを重ねる中で、部下から「今週は特に何もない」と言われ、雑談で終わることもあるかもしれません。このような状態が続くと、ミーティングそのものが目的になることもあるでしょう。

話すことがないと感じていても、何かしらの課題を抱えていることはあります。時間を取って行っているミーティングを無駄にしないための工夫として、テーマの一覧を作成しておくとよいでしょう。一覧のテーマについて考えると、何かしら話したいことが出てくるかもしれません。

1on1ミーティングの注意点

上司と部下で行う1on1ミーティングでは、注意しなければ部下の自由な意見が出てきにくくなってしまいます。次回までに少しでもよくして部下の成長を促すために、注意点を確認しておくと役立ちます。

心理的安全性を確保する

心理的安全性とは自分の考えや気持ちを安心して伝えられる状態のことです。部下が上司に心理的安全性を感じていない場合、1on1ミーティングをどれだけ行っても本音の意見は出てきません。上司が好みそうな意見や、無難な意見を出すにとどまるでしょう。

「この上司なら信頼できる」と部下が安心できることや、1on1ミーティングでは「何を話しても大丈夫」と思える状態を作る必要があります。

上司は傾聴する

1on1ミーティングは双方向のコミュニケーションです。上司が一方的に部下へ指導するようなやり方ではうまくいきません。部下の考え方や意見を尊重し、まずは耳を傾けます。質問も部下の意見をうまく引き出すよう意識しましょう。

テーマを共有する

事前にミーティングのテーマを共有しておくとスムーズに進められます。ただしテーマが決まっていると、他に気になっていることがあっても聞きづらいと感じる人もいるでしょう。1on1ミーティングのテーマは自由です。共有したテーマ以外についても必要に応じて話せるよう、注意しながらテーマを決める必要があります。

話したことを行動につなげる

単に話して終わりでは何も変化がありません。1on1ミーティングで目標や解決すべき課題を明確にしたら、そこへ向けできることも明確にしましょう。

目標や解決すべき課題が大きなものである場合、次のミーティングまでに実施する行動は、できるだけ小さなものを設定するとよいでしょう。小さな1歩を積み重ねることで、確実に改善に向け行動していきます。

評価面談にならないようにする

評価面談と1on1ミーティングを明確に区別することも重要です。1on1ミーティングは部下の話したいことや相談したいことを中心に進めていきます。双方向の対話から部下の成長や課題の解決に必要なものは何かを、部下が自分で考えることに意義があるのが特徴です。

一方、評価面談は上司から業務の進捗や成果について話すことが多いでしょう。将来に向けた内容か、現在の内容かという違いもあります。

1on1ミーティングで話すテーマ例一覧

1on1ミーティングの場を設けたけれど、何について話せばよいか分からないというケースもあるでしょう。そのようなときには具体的なテーマの例をあげておくと参考になります。以下の表からいくつか質問をあげておくと、部下がテーマに迷っているときに役立ちます。

業務や組織について
  • 業務で悩んでいることは?
  • チームに感じている課題は?
  • 会社への不満は?
モチベーションについて
  • 業務の成果は?
  • チームへの影響は?
  • 人間関係で悩んでいることは?
目標設定や自己評価について
  • 今後取り組んでみたい業務は?
  • 目標にしたいことは?
  • 業務の取り組みについての自己評価は?
将来のキャリアについて
  • 強みを生かせる業務は?
  • 挑戦したい業務は?
  • 今取り組んでいる業務のやりがいは?
会社の戦略や方針について
  • 会社の方針についての疑問は?
  • 貢献できる部分は?
健康状態について
  • しっかり休みを取れている?
  • 仕事で疲れ切ってはいない?
  • 健康状態について相談できる人はいる?
プライベートについて
  • 最近好きなことは?
  • 休日は何をしてる?
  • 最近気になる時事ネタは?

1on1ミーティングで部下の成長を促そう

部下の成長につながる1on1ミーティングは、上司と部下の1対1で行う点は評価面談と同じですが、目的や頻度などは異なります。部下が自ら考え行動できるようにサポートするため、1週間から1カ月に1回の高い頻度で行うのが1on1ミーティングです。

定期的に1on1ミーティングを行うようになると、信頼関係の構築やモチベーションアップなどに役立ちます。会社にも離職率の低下といったメリットがあり、部下・上司・会社の全員にプラスに働く取り組みです。

ただし上司が目的を正しく理解しないまま、部下の話に耳を傾けられない場合、マイナスに働きかねません。成果につながる1on1ミーティングを行うには、上司のスキルアップを目指す研修やセミナーも併せて実施するとよいでしょう。