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Workers Bistro

-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

何をすればいい?従業員満足度の改善方法と成功した取り組み事例

2021.01.14

中小企業にとって、従業員の確保は当然ですが、人件費は利益の相反要因として悩みどころです。経営側にとって人件費率を下げることは禁断の果実ですが、それがもとで離職率が上がってしまえば経営そのものが成立しません。

中小企業がより良い経営を行う上で重要なのが、従業員満足度です。今回は、従業員満足度の改善につながるヒントを紹介します。

従業員満足度とは?中小企業が取り組むメリット

従業員満足度(Employee Satisfaction)はESと略され、企業に対する満足度を「動機づけ」「職場環境」「マネジメント」「福利厚生」の4つの指標で判断します。従業員満足度(ES)によって従業員の生産性も変化し、顧客満足度(CS: Customer Satisfaction)、ひいては企業利益にも影響を及ぼします。

企業経営にとって顧客サービスはもちろん重要ですが、健全経営のためには従業員満足度(ES)が高いという前提がなければなりません。従業員が心身ともに健康で活力に満ちていれば、コミュニケーションを含めて顧客対応スキルが向上し、結果として顧客満足度(CS)は高くなるということが行動科学の分野で立証されています。

優秀な人材確保が難しい中小企業において、とりわけ福利厚生の充実は、従業員やその家族の心身の健康や経済的安定に直結するため、従業員満足度(ES)を高めるための重要なポイントになります。

従業員満足度の改善に効果的な取り組みとは

従業員のやる気次第で、職場内環境や生産性は大きく左右されます。ここでは、従業員満足度(ES)を高めるための具体的な取り組み例を紹介します。一度に取り組むのではなく、4つの指標のうち社内アンケートで最も要望のある取り組みから手を付けることで改善につながっていきます。

▼従業員満足度(ES)を構成する4つの指標

例えば、従業員満足度(ES)を構成する「動機づけ」では、社内会議の見直し(種類・頻度・時間・メンバー)や業務のアウトソーシング化によって、時間のロスを省き、本来の業務に集中させる仕組み作りが有効です。また、「職場環境」では、社内SNSを活用することで、社員相互のコミュニケーション促進が期待でき、様々な情報共有によって課題解決のためのアイディアも生まれやすくなります。

「マネジメント」では、社内求人サイトによる自由な異動を可能にすることで、従業員のパフォーマンスの向上が見込めます。また、人事考課の評価点の明確化や視覚化によって、社員相互の公平感を担保することができ、給料の多い少ないとは異なる業務への価値観が生まれるでしょう。「福利厚生」では、各種セミナーの開催やサークル活動の支援、衣食住の保証を含めた法定外福利厚生費の積み増しが考えられます。

中小企業の従業員満足度を改善した取り組み事例

従業員満足度(ES)の改善に役立つ企業の取り組み事例について、以下に紹介します。

① 社内通貨
岡山県の介護事業を展開する株式会社創心會では、従業員の模範的行動に対して、社内通貨「あっぱれ紙幣」を支給する取り組みがあります。獲得した紙幣は、年に2回開催される還元祭で景品(純金カードや家電)と交換でき、従業員の動機づけに寄与しています。社内通貨の導入により、従業員の感受性を高めることで企業理念が共有されたことが成功の要因と考えられます。

② AIを活用した恋愛ナビアプリ
独身社員の出会いを促進するための試みとして、株式会社AILLが開発したAIナビアプリ「Aill(エール)」。九州経済連合会に加盟する法人約1,000社の福利厚生として導入が進められています。従来のマッチングアプリと違って、身分がしっかりしており、独身者しか登録できないため安心・安全に利用できます。

地方特有の問題として、若者の都心への移住(社会減少)と未婚者の増加による人口減少(自然減少)によって、経済の後退と雇用の減少という負の連鎖があります。社会基盤の問題は雇用や福利厚生の問題に繋がるため、この実践例は非常にユニークです。

③ 福利厚生のアウトソーシング利用
大企業では自前で総合病院を有していたり、超高級ホテルが格安で利用できたり、日常生活物品が無料同然で入手できる福利厚生事業が整備されています。中小企業の限られた予算のなかでも、福利厚生のアウトソーシングサービスを利用することで、従業員は毎月わずかな会費で実に様々な福利厚生サービスを利用できるようになります。また、手続きに関する業務負担も減るため企業・従業員ともにメリットがあります。

まとめ

働き方改革やコロナ禍のリモートワークをはじめとして、業務の仕方も様変わりしています。その上で、従業員が働くための活力源を保証するという視点こそが、経営者(人事部門)側には不可欠です。顧客満足度(CS)の向上や自社の繁栄のためには従業員満足度(ES)の向上が不可欠であり、そのためには働き続けやすい環境作りや福利厚生の見直しが重要です。現状を分析し、福利厚生を検討することが健全経営の要になるでしょう。