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2040年問題は医療・介護・年金の持続困難が焦点!企業が今すべきことは?

2024.03.26

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少子高齢化が進んでいます。2040年は高齢化がピークに達すると予測されている年であり、2040年問題までの過程で生じる課題が極めて大きな問題として露呈される可能性があります。

本記事では、2040年問題についての概要、20XX年問題との違い、2040年問題を見据えて企業が今できることについて解説します。高齢化は避けられません。現状と予測された未来を知り、企業が今すべきことを見極める判断材料の1つとして、本記事を役立ててください。

2040年問題とは?

2040年問題とは、高齢化と人口減少が進行する中で予想されている一連の社会的・経済的問題のことです。2040年は、団塊ジュニア世代(1971年〜1974年生まれ)が65歳を超え、全人口における65歳以上の高齢者の割合が35%に達する節目の年となります。2040年問題のほかにも2025年問題・2030年問題・2035年問題がありますが、団塊ジュニア世代がすべて65歳を超える2024年のインパクトは大きいです。現役世代が急激に減り、しかも65歳以上に転じることで、大きな影響があると見込まれています。

現在の医療・介護・年金は、現役世代が高齢者を支えるという体制です。支える側である現役世代が減少し、支えられる側である高齢者が増えてバランスが崩れれば、これらの社会保障の持続は困難になります。

高齢化だけが焦点ではありません。現役世代の減少は、深刻な労働力不足を招きます。自社事業を継続するためには、潜在労働者にも目を向けなければなりません。採用を優位に進めるための企業戦略が必要です。たとえば、企業ブランディングを成功させたり、働きやすい職場環境や人事制度、福利厚生などを整える工夫が求められます。このような対策はすぐに着手できないものも多いため、早急に整えていく必要があるでしょう。

参考:厚生労働省|第1章 平成の30年間と、2040年にかけての社会の変容
参考:PR TIMES MAGAZINE|2040年問題とは?2025・30・35年問題との違いと影響、企業が行いたい5つの対策を解説

2040年問題の背景

2040年問題が起きる背景には、日本の人口分布が深く関係しています。我が国の人口構成では、団塊ジュニア世代が団塊世代の次に大きな割合を占めているのが特徴です。厚生労働省の「我が国の人口について」によると、以下のような推計となっています。

  • 団塊ジュニア世代が現役である2020年:65歳以上が全人口の28.6%に達する
  • 団塊世代がすべて75歳を迎える2025年:75歳以上が全人口の18%に達する
  • 団塊ジュニア世代が65歳を迎える2040年:65歳以上が全人口の35%に達する
  • 総人口が9,000万人を割り込むとされる2070年:高齢化率が39%の水準になる

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出典:厚生労働省|我が国の人口について

2020年は全人口のうち60%だった20〜64歳の人口が、2040年には全人口の半分にまで減少するとされています。現役世代の割合が下がることで、医療・介護の受給バランスが乱れるのは必然です。2025年問題・2030年問題・2035年問題も議論されていますが、以下の「日本の人口ピラミッドの変化」のとおり、2040年は高齢化がピークに達するため深刻な状態になると推定できます。

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出典:厚生労働省|我が国の人口について

日本の人口動向を確認するのに役立つ資料も押さえましょう。内閣官房による「基礎資料集」では、団塊の世代が75歳を迎える2025年に向けて高齢者の人口が急増し、以後緩やかになるのがわかります。一方で、15歳〜64歳の生産年齢人口については、2025年以降に減少率が増すことが特徴です。2040年問題で焦点となる65歳以上の人口の増加についても、ほぼ継続的に増加していることが視覚的にも理解できます。

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出典:令和4年3月内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局|基礎資料集

【参考】日本の平均寿命の推移

2040年問題などの20XX年問題では、65歳以上の割合が多くなることが背景として存在します。参考として、日本の平均寿命の推移についても確認しましょう。

  • 2020年の平均寿命は男性81.56年、女性87.71年
  • 2060年の平均寿命は男性 84.95 年、女性91.35年

現状の死亡率に基づく推定ですが、右肩上がりの平均寿命で女性は90歳を超えると見込まれています。平均寿命が伸びることも、2040年問題を引き起こす要因の1つです。

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出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書(全体版)白書

2040年問題と2025/2030/2035年問題との違い

2040年問題と20XX年問題との違いを押さえることで、2040年問題を俯瞰しやすくなります。ここでは、2025年・2030年・2035年問題との違いについて、理解を深めましょう。

2025年問題との違い

2025年問題では社会保障制度のほころびが目立ち始め、2040年問題では、もはや存続の可能性が危ぶまれます。2025年問題のポイントを見てみましょう。

  • 高齢化:高齢者の割合が増え、日本の総人口の30%に達すると推計
  • 社会保障制度:劣化が目立ち始める
  • 労働力不足:労働力不足が進む

2025年は、団塊の世代がすべて75歳以上になる年です。総務省によると、高齢者の割合の増加率カーブが一段と増えるポイントであり、高齢者の増加により、社会保障制度の劣化が目立ち始めます。

労働力不足問題も現状の状態からさらに進行します。また、2025年は、事業承継者不在問題についても懸念されています。中小企業庁によると、2025年までに、中小企業・小規模事業の経営者の平均引退年齢である70歳を超える中小企業の経営者が245万人となり、そのうち約半数となる127万人(日本企業全体の3分の1)の後継者が未定です。事業承継者不在の問題も急増し、廃業する企業が増えれば、約22兆円のGDPが失われます。

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出典:総務省統計局|1.高齢者の人口

2025年においては「2025年の崖」問題もあります。2025年の壁とは、経済産業省が「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」で提言した言葉です。企業がDX化を推進したいと考えても、既存システムが複雑化した状態で管理されていることが足枷となり、DX化が望みどおりに推進できないことが課題となっています。

参考:内閣府|令和4年版高齢社会白書
参考:総務省|自治体戦略2040構想研究会 第一次報告
参考:経済産業省|DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
参考:中小企業庁|中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題

2030年問題との違い

2030年は、社会全体で労働力の不足が顕著になり、2040年には労働力不足がさらに深刻化します。2030年問題のポイントは以下です。

  • 高齢化:日本の高齢化率が31.8%に達すると推計されている年
  • 社会保障制度:劣化がさらに進む
  • 労働力不足:生産年齢人口比率が60%以下になると推定されている年

2030年は、高齢化率がさらに高まり(31.8%)、3人に1人が高齢者となります。2030年ごろを境に生産年齢人口(15歳〜64歳)が少なくなり、本格的に企業の労働力が不足する時期です。リクルートワークス研究所の「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」では、2030年に341万人の労働力が不足するという報告書も発表されています。2040年は各業界で人手不足がより深刻化するでしょう。リクルートワークス研究所の調査結果である「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」においても、1,100万人の労働力不足が予測されているほどです。

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出典:リクルートワークス研究所|未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる

とりわけ注目されているのが、物流クライシス問題です。ドライバーの高齢化と人材不足に加えて2025年の壁で問題となっているDX化の遅れにより、物流関係に大きな影響が出ると予測されています。運送能力が低下すれば、企業にも一般社会にも大打撃となるでしょう。

参考:PRESIDENT Online|ゴミ処理から介護、除雪まで、今ある生活サービスが崩壊する…「人手不足1100万人」の日本が直面する衝撃の未来
参考:リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる

2035年問題との違い

2035年問題では、2025年問題で指摘されている高齢者の増加が一段と顕著になります。人手不足もより一層深刻化します。2035年の5年後である2040年問題では、社会全体の状況がさらに悪くなる可能性が高いです。2035年問題のポイントを見てみましょう。

  • 高齢化:高齢化率が33.4%に達すると推定されている年
  • 社会保障制度:後期高齢者増加のため、医療制度の崩壊などより一層状態が悪化
  • 労働力不足:介護分野での人手不足が深刻化

2035年は、団塊世代がすべて85歳以上に達し、高齢者の急激な増加と同時に現役世代の減少が進む時期です。高齢者は、65〜74歳である前期高齢者・75歳〜84歳である後期高齢者・85歳以上と3つに区分できます。そのうち、医療需要のニーズが高い後期高齢者の増加は、医療費の増大を招きます。医療費制度の仕組みである「現役世代の負担で高齢者を支援する」構造が成立しなくなる可能性が高いでしょう。

労働力の不足も顕著になります。後期高齢者の増加は、介護ニーズの高まりも示唆しています。介護分野での人手不足と、介護離職の増加は避けられません。内閣府による「令和5年高齢化社会白書」でも、被保険者に占める75歳以上の要支援の割合は8.9、要介護の割合は23.4%と後期高齢者で高くなっていることも参考なります。

参考:内閣府| 令和5年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況(第2節 2)
参考:読売新聞オンライン|調査研究 高齢者の医療費の負担を考える

2025年問題以降の高齢者増加による課題が2040年問題でピークに

2025年問題や2030年問題などでほころびが出た課題は、過渡期を経てピークに達すると予測されるのが2040年問題です。費用が「足りない」から「持続できない」へと状態が変化します。医療・介護・年金という我が国の高齢者を支えてきた制度はもはや現状と同様に成立しない可能性が高いです。

政府でも課題は認識しており「2040年問題を展望した社会保障・働き方改革について」において、「給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保」を政策課題として示しました。厚生労働省は「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」を設置し、給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保にも取り組んでいます。企業としても、2040年問題に向けて対策を講じなければ、事業継続は難しいと言えるでしょう。

参考:厚生労働省|2040年問題を展望した社会保障・働き方改革について

2040年問題の社会影響

2040年問題では、高齢者増加により社会の仕組みが成り立たないことが予測されています。では、具体的にはどのような社会影響があるのかを見ていきましょう。

1.医療・介護制度の維持が困難

高齢化に伴い、医療や介護サービスを利用する機会が増えます。しかし、社会保障費は担い手が減少している現役世代が負担しているため、医療・介護制度などの社会保障給付制度の持続は困難です。厚生労働省による「給付と負担について」によると、2023年の予算ベースで、134.3兆円である社会保障給付費は、同じく厚生労働省の「今後の社会保障改革について ー 2040年を見据えてー」において、188.2〜190.0兆円まで増えると推定されました。高齢者の医療費負担の割合を見直し、現役世代並みの3割とする対象者を拡大するなどの現状の改革だけでは対処が困難です。

2040年 問題_07出典:令和4年3月内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局|基礎資料集

参考:厚生労働省|医療費の一部負担(自己負担)割合について
参考:厚生労働省|今後の社会保障改革について ー 2040年を見据えてー
参考:厚生労働省|給付と負担について

2.自治体の消失

日本は高齢化が進む一方で、少子化も進行していることから、総人口は減少傾向にあります。国立社会保障・人口問題研究所が令和5年に公表した調査結果では、総人口は 50年後に現在の7割に減少し、65歳以上人口はおよそ4割を占めるそうです。

厚生労働省の「我が国の人口について」では、2040年の総人口は11,284万人と見込まれており、2020年よりも約1,000万人の減少が予測されました。2040年には人口減少による消滅自治体が発生します。国土交通省によると、消滅する可能性がある市区町村は、全国に896あり、そのうち523市区町村については消滅の可能性が高いと指摘されています。2040年には、自治体消滅が進行するでしょう。

参考:国土交通省|「地域消滅時代」を見据えた今後の国土交通戦略のあり方について

3.薬剤師などを活用した医療体制の変化

2040年問題では、医療・福祉・介護を必要とする人が増えることで、サービスが提供できなくなることが指摘されています。これらのサービスを提供している医療従事者(医師・看護師・薬剤師)は、持続的なサービスを提供するための工夫が求められるでしょう。

たとえば、薬剤師や看護師が医師が行う医療行為を一部行うタスク・シフティングです。すでに取り組みが進んでいる「医師の働き方改革」でも、医師の人材不足をカバーする方法として、タスク・シフティングの必要性が叫ばれています。2040年までにより一層タスク・シフティングが進み、薬剤師の業務内容と業務の価値が変化している可能性が高いでしょう。

4.公的年金の給付額の減少

2040年問題により、財源不足が深刻化し公的年金の給付額の変更の可能性が示唆されています。現役世代が得た収入の一部を納入する保険料が年金給付のための財源です。公的年金では、現役世代が高齢者である年金受給者を支える賦課方式となっています。少子高齢化により、収入が減り支出が増えると賦課方式のデメリットが顕著になるでしょう。十分な年金給付が行えなくなるということです。なお、厚生労働省では、年金積立金を保有し、活用することで給付額の減少の影響を軽減しようと取り組んでいます。

参考:厚生労働省|いっしょに検証!公的年金

5.地方公務員の減少

現在でも減少傾向である地方公務員数はさらに下がる見込みです。総務省によると、地方公務員は1994年の328.2万人をピークに減少し、2016年には273.7 万人となりました。人口の減少は、自治体の人口規模縮小につながります。2040年では、現状よりもさらに少ない人数で行政を運営する可能性が高いでしょう。団塊ジュニア世代が退職期を迎える2030年代を改革のタイミングと見据えて、職員体制を整備する必要がありそうです。

参考:総務省|自治体戦略2040構想研究会 第一次報告書

2040年問題による企業への影響

2040年問題は、社会・経済に大きな変化を与えます。では、企業にはどのような影響を与えるのでしょうか。ここからは現状考えられる3つの影響を解説します。

1.人材不足

2040年問題で最も企業が大きな影響を受けるのが人手不足です。現役世代は1995年の8,716万人をピークに減少傾向であり、2040年には5,978万人と見込まれています。2040年には、企業の人材確保がますます困難になるでしょう。

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出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書

2.介護離職

介護を必要とする高齢者が増えることで、介護離職者の増加が見込まれます。厚生労働省の「令和4年就業構造基本調査」によると、介護をしている人は、2012年から2017年にかけては70万人増加、2017年から2022年にかけては1万人増加しました。このうち有業者については

2012年から2017年にかけては55万人の増加、2017年から2022年にかけては18万人の増加です。現状でも介護離職が増えていることから、2040年には介護を理由として離職を選択するケースが増えると考えられます。

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出典:総務省統計局|令和4年就業構造基本調査 結果の概要

3.事業の継続が困難

2040年問題による人材不足は、企業の既存事業の継続が困難になる可能性を示すものです。日本企業の99%は中小企業ですが、人材確保が難しいうえに、中小企業の経営者の引退時期が重なれば事業を企業をたたむ選択にもつながってしまうでしょう。

企業が2040年問題に向けてできる対策

2040年問題により、企業はさまざまな変化を余儀なくされます。以下に解説する対策により、企業が継続するためにできることを早期着手し、2040年問題の影響を最小限に留めるように努めましょう。

対策1.DX推進・ICTの活用

DX推進とAIなどのICT活用は、人材不足への効果的な対処法となります。繰り返しの作業や自動化できる作業はデジタル化することで、少ない人材でも効率的に業務を遂行できるようになるためです。

なお、ICTとは、パソコンやスマートフォンからインターネットにアクセスし、オンライン診療を受けるなどの使い方ができる技術のことです。

対策2.女性・高齢者の労働力を活用

2040年問題に向けて、企業ができる対策の1つが女性や高齢者などの潜在的な労働力を活用することです。女性は結婚をきっかけに、労働から離れていたり、働いていてもパート・アルバイトで短時間労働であったりなど、潜在的な労働力を十分に発揮できていない可能性があります。

パート・アルバイトでは、配偶者手当を受給できる範囲内に働き控えしているケースがありますが、政府も配偶者手当のあり方の見直しに積極的です。このような動きに連動して、企業でもパート・アルバイトの労働力を活用するよう取り組む必要性があります。

高齢者については、知識や経験が豊富という側面を活かせる労働が注目されています。高齢者が労働を通じて働きがい・生きがいを感じられるというメリットもあるため、積極的に雇用を継続できるように人事制度を見直すのもよいかもしれません。

対策3.多様な働き方への支援

多様な働き方に対応できる制度を整える取り組みも大切です。2040年は、労働力の不足により、ニーズに合わせた柔軟な働き方も増えると考えられています。働き方改革の一環として、テレワークやフレックスを取り入れ、場所を問わず働ける環境を整えておけば、将来の介護離職の防止にもつながるでしょう。

福利厚生の導入でも、多様な働き方を支援できます。勤務環境を問わず利用できる食事補助や、医療・介護など不規則な労働時間の従業員でも利用できるサービスなどを福利厚生として導入しておけば、従業員の離職防止にも効果的です。

比較的取り組みやすい方法として、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」が好評です。「チケットレストラン」は、企業が導入しやすく、運用負荷も少ないうえに、従業員の多様な働き方を応援できる食の福利厚生です。ランチ代を支給するとともに、従業員の健康促進や離職防止といった効果も得られます。

参考記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

対策4.企業のブランド力を強化

企業ブランディングにより、企業イメージを高める取り組みも2040年問題への対策になります。採用競争が激化する2040年は、売り手市場です。待遇・社風・働き方の柔軟性・魅力的な福利厚生を備えた企業であることを発信し、企業のブランド力を高めることが人材確保によい効果をもたらします。

対策5.従業員のスキルや知識を底上げする制度の導入

スキルを身につけられる、スキルをアップデートできる、さらにリスキリングで学び直しもできる、といった制度を導入している企業の従業員は、エンゲージメントが高く、人材が流出しにくいのが特徴です。従業員が離職しない職場作りのためにも、e-ラーニング・資格取得支援などの教育プログラムを充実させ、人材育成に励むことは2040年問題への対策としても役立ちます。

対策6.健康経営などで健康促進を支援

従業員の健康促進を支援する健康経営に取り組むことも、2040年問題に向けて企業ができる対策です。健康寿命の延伸につながる取り組みであることから、従業員に長く元気に活躍してもらえる可能性を高められます。

参考記事:健康経営まとめ|メリット・基礎情報や健康経営優良法人・健康経営銘柄

対策7.外国人労働者を活用

2040年問題で指摘されている労働力不足を補うためには、外国人労働者に助けてもらう企業も多いと予測できます。外国人労働者が活躍するためには、前提として企業が外国人労働者に選ばれなくてはなりません。外国人労働者が働きたいと思える企業を目指し、制度や支援体制を整える必要があります。

対策8.従業員の業務外の活動を容認

労働力の不足は将来必ず発生する問題です。多様な働き方の実現に向けての取り組みとして、従業員の副業や兼業を容認することも企業が2040年問題に向けてできる対策になるでしょう。本業を疎かにしないためには、副業・兼業におけるルールの設定が必要です。厚生労働省の「我が国社会保障制度の構成と概況」では、ルールの例として、以下が例示されています。

  • 副業・兼業は、週20時間未満かつ月平均30時間以内とすること
  • 他社に雇用されるときは、副業・兼業を行う週は自社で所定外勤務をしないこと

参考:厚生労働省|2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて

対策9.業務を徹底的に効率化

労働力の不足に向けて現行業務の徹底的な効率化にも取り組むことが、結果的に2040年問題対策につながります。2023年4月にリクルートワークス研究所が発行した『「企業のムダ調査」エグゼクティブサマリー』によると、「経営者・役員」「組織長」「就業者」別に全業務のうちムダな業務があると回答した率は平均でそれぞれ16.0%、21.7%、14.9%でした。そのうち、全体の業務において30%以上ムダな業務だと感じている方の割合は平均でそれぞれ27.4%、37.1%、23.6%です。

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出典:リクルートワークス研究所|「企業のムダ調査」エグゼクティブサマリー

具体的なムダな業務については、「システムがない・古い」といった理由や、「わざわざ手間のかかる方法を用いている」という回答が目立ちます。DX化やICTの活用の際など、自社でも職務内容と照らして同じようなムダがないか確認するのがよいでしょう。

2040年問題に関するよくある質問

2040年問題に関するよくある質問について、2つ解説します。

Q.今でも高齢化が進行しているが、2040年に何が問題になるのか?

A.2040年は、現在でも進行している高齢化が一層深刻となり、高齢者の比率がピークを迎える時期です。しかも少子化が高齢化と同時に進行しているため、支える側である生産年齢人口は減少するにも関わらず、支えられる側である高齢者が増えてしまいます。そのため「資金難から医療・介護保険制度・公的年金制度が成り立たなくなる」、「生産年齢人口が少ないことから経済が縮小する」などの影響が出ると予測されています。

Q.2040年問題のような高齢者の比率増加は海外でも起きているのか?

A.2040年問題は、日本固有の問題ではなく多くの国で起きている事象です。ただし、日本の場合、世界で最も高い高齢化率となっています。先進国では、高齢者率が増加し、出生率が下がる傾向であり、2040年問題などで指摘されている医療・経済・社会保障分野におけるさまざまな課題が各先進国で生じています。

内閣府「令和4年版高齢社会白書」でも、世界人口における65歳以上の人口比率は、1950年の5.1%から2020年に9.3%に増加しました。2060年の予測では、17.8%を見込むなど、高齢者の比率の増加は世界規模で起きていることがわかります。

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出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書

世界の高齢化率の推移についても見てみましょう。日本は1980年代まで、高齢化率は低いです。しかし、1990年代になると中位になり、2005年には最高水準となりました。推計値ではありますが、2045年ごろに日本を抜いて韓国が首位になることが推測されています。

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出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書

参考:内閣府|令和4年版高齢社会白書 2 高齢化の国際的動向
参考:PR TIMES MAGAZINE|2040年問題とは?2025・30・35年問題との違いと影響、企業が行いたい5つの対策を解説

2040年問題に向けてできることを着実に実施

高齢化と人口減少が進行する中で予想されている一連の社会的・経済的問題が2040年問題です。医療・福祉・介護・年金などの今日あって当たり前の仕組みが人口構造の変化により、継続困難になると予測されています。

2040年問題は、企業のあり方についても大きな変革を求めます。不足する労働力をどのように補うか、増える介護ニーズと両立できる働き方を整備できるか、従業員に選ばれる魅力を備えられるか、などの課題にできることから着手しましょう。

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