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【社労士監修】住宅手当の相場はどのくらい?業種やエリアごとにチェック

公開日: 2021.12.11

更新日: 2026.06.11


監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」によれば、住宅手当の全国平均(相場)は月額18,700円です。住宅手当は、法律で支払いが義務付けられたものではなく、各企業の判断で導入される「法定外福利厚生」に分類されます。しかし、住居費は従業員の家計において大きな割合を占める固定費であるため、住宅手当や社宅などの居住支援制度の充実は、求職者が企業を選ぶ際の重要な指標の一つです。

本記事では、厚生労働省等の調査データに基づき、業種やエリアごとの住宅手当の最新相場について解説します。

住宅手当の相場をチェック

厚生労働省が行っている「令和7年就労条件総合調査の概況」によると、労働者一人当たりの住宅手当の平均額(相場)は18,700円(令和2年は17,800円)でした。5年間で物価高騰により、相場が900円上がったと読み取れます。

企業規模・年 労働者1人平均支給額
令和7年度調査計 18,700円
内訳 1,000人以上 21,100円
300〜999人 18,500円
100〜299人 16,400円
30〜99人 17,500円
令和2年度調査計 17,800円

出典:厚生労働省|令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

また昨今では、カフェテリアプランなどの選択型福利厚生のメニューの一つ(例:家賃補助)として採用し、従業員が必要に応じて選択し利用できる形にしている企業も見られます。

関連記事:カフェテリアプランで食事補助を導入するメリットとは?制度設計や注意点を解説

大手企業の相場

企業規模によって住宅手当の相場に違いはあるのでしょうか。

令和7年就労条件総合調査の概況」によると、大手企業と呼ばれる1,000人以上の従業員を抱える企業の相場は21,100円で、全体の平均相場(18,700円)より高めの傾向です。

さらに、大手企業で住宅手当の支給している割合は60.8%と半数以上が備えており、69.2%が単身赴任手当や別居手当なども備えています。

転勤のある大手企業では、勤務場所が遠隔地になる可能性も高くなることから、居住に関する手当を備える企業が多い傾向にあります。

出典:厚生労働省|令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

中小企業の相場

次に中小企業の相場を見ていきましょう。
中小企業については、従業員人数によってそれぞれ以下のように平均額(相場)が報告されています。

  • 300~999人:18,500円(支給企業の割合:59.0%)
  • 100~299人……16,400円(支給企業の割合:52.1%)
  • 30~99人……17,500円(支給企業の割合:41.6%)

出典:厚生労働省|令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

企業規模が小さくなるごとに住宅手当の相場も低くなっています。住宅手当を備えている割合は、企業規模が小さくなるほど少なくなり、30人から99人規模では41.6%と大手企業の60.8%とは大きく差がひらきました。

しかし、単身赴任手当や別居手当などの割合はそれぞれ300〜999人(39.9%)、100〜299人(20.3%)、30〜 99人(6.1%)と少なくなっています。
転勤等があるかないかについても、その費用の算出は変わってきます。居住に関する手当制度を制定する際の金額の設定で考慮すると良いでしょう。

住宅手当の相場:業種ごと

令和7(2025)年「就労条件総合調査」における、業種別の平均額は以下のとおりです。

業種 平均額
鉱業,採石業,砂利採取業 14,200円
建設業 21,000円
製造業 15,600円
電気・ガス・熱供給・水道業 17,500円
情報通信業 26,300円
運輸業,郵便業 14,200円
卸売業,小売業 18,000円
金融業,保険業 18,300円
不動産業,物品賃貸業 18,900円
学術研究,専門・技術サービス業 24,000円
宿泊業,飲食サービス業 15,700円
生活関連サービス業,娯楽業 19,100円
教育,学習支援業 19,900円
医療,福祉 18,900円
複合サービス事業 20,100円
サービス業(他に分類されないもの) 22,700円

住宅手当が最も高いのは情報通信業の26,300円、最も低いのは運輸業・郵便業および鉱業・採石業・砂利採取業の14,200円でした。業種間で約12,000円もの差があります。人材獲得競争が激しい情報通信業や専門技術職では、手当を手厚くする傾向があると考えられます。

出典:厚生労働省|就労条件総合調査

住宅手当の相場:東京・大阪・福岡エリア

住宅手当は、先に述べた通り企業に備える義務はありません。従って支給要件も企業によってさまざまです。一律いくらとして支給する企業もあれば、家賃の何%(ただし上限あり)などとして支給する企業もあります。

地域の家賃相場によっても支給額が変動する企業もあるようです。
ここでは、東京・大阪・福岡エリアの家賃相場を知ることで、住宅にかかる費用がどの程度必要となっているのか目安を確認していきます。

※以下引用データは不動産・住宅サイトSUUMOに登録されている賃貸物件の賃料をもとに、SUUMO社が独自の集計ロジックで算出したものです。取得時期によって変動します。

東京・首都圏の相場

東京都内は全国でも家賃相場が最も高いエリアの一つです。記載されている家賃の平均額を見ると、10万円前後であることがわかります。

家賃の一定割合(例:20〜30%)を補助する方式を採用している企業では、勤務地や居住エリアによって支給額が大きく変動します。都心エリア勤務の従業員が多い企業では、住宅手当の水準を全国平均より高めに設定しているケースもあるようです。

区別家賃相場(東京都・人気エリア)

順位 エリア 家賃相場
1位 渋谷区 10.6万円
2位 港区 12.9万円
3位 練馬区 7.6万円
4位 杉並区 7.9万円
5位 新宿区 9.3万円
6位 世田谷区 8.7万円
7位 千代田区 11.5万円
8位 中野区 8.0万円
9位 中央区 12.1万円
10位 文京区 9.2万円

出典:SUUMO|東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる

大阪・関西の相場

大阪は東京に比べて家賃相場が低く、人気エリアでも6〜7万円前後が中心です。住宅手当を家賃の一定割合で設定している企業では、同じ補助率でも東京より支給額が低くなる傾向があります。

区別家賃相場(大阪府・人気エリア)

順位 エリア 家賃相場
1位 大阪市中央区 6.7万円
2位 大阪市北区 6.6万円
3位 大阪市西区 6.8万円
4位 大阪市都島区 5.9万円
5位 大阪市福島区 6.5万円
6位 大阪市天王寺区 6.6万円
7位 吹田市 6.7万円
8位 大阪市東淀川区 5.5万円
9位 大阪市浪速区 6.3万円
10位 豊中市 6.5万円

出典:SUUMO|大阪府の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる

福岡・地方の相場

福岡は大阪よりも家賃相場が低く、人気エリアでも4〜6万円前後が中心です。地方都市では家賃負担が軽くなる分、住宅手当を一律定額(例:10,000〜15,000円など)で設定している企業も見られます。

区別家賃相場(福岡県・人気エリア)

順位 エリア 家賃相場
1位 福岡市博多区 5.5万円
2位 福岡市中央区 5.8万円
3位 福岡市東区 4.5万円
4位 福岡市南区 4.9万円
5位 福岡市早良区 5.1万円
6位 福岡市西区 4.9万円
7位 福岡市城南区 3.9万円
8位 北九州市小倉北区 5.1万円
9位 久留米市 4.8万円
10位 北九州市八幡西区 5.1万円

出典:SUUMO|福岡県の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる

法的な規定がない住宅手当は、地域によって相場を変動させることも、支給要件を変えることも企業に裁量が任されています。

上記のように同条件で算出した家賃相場では、やはり東京エリアは家賃相場が高い傾向です。家賃の何%などで設定している企業では、住宅手当の支給相場も高くなります。一律とする場合でもエリアごとの家賃相場に応じて支給額を決めている企業もあります。

住宅手当の金額を決定する際は、企業の支給相場だけでなく、自社の従業員の居住エリアの家賃相場なども考慮しましょう。

住宅手当の相場は家族分類ごとに異なる?

住宅手当について扶養家族がある場合とない(一人暮らし等)の場合で支給額に差があるのか見ていきます。

東京都産業労働局の「中小企業の賃金事情(令和7年版)」によると、住宅手当を支給している企業のうち43.9%が一律支給しており、平均支給額は扶養家族ありの場合18,822円、「扶養家族なし」の場合17,363円でした。

また、住宅の形態が賃貸であるか持ち家であるかでも支給額が異なることがあります。同調査では「扶養家族あり」の場合の平均額は、賃貸で28,612円、持ち家で18,170円、「扶養家族なし」の場合は賃貸で21,491円、持ち家で15,081円でした。

これらのデータから、住宅手当は世帯状況や住宅形態(賃貸・持ち家)によって支給額が変動し、扶養家族がいる場合に高くなる傾向がわかります。手当を設計する際は、自社の従業員構成やニーズに合わせて、柔軟に支給要件を整理することが求められます。

昨今ではシェアハウスに住む方も増えてきました。住宅手当の支給要件についてさまざまなケースを想定しておかなければなりません。

住宅補助 相場

出典:東京都|中小企業の賃金事情(令和7年版)

住宅手当や相場についてよくある質問(FAQ)

住宅手当への理解で参考になるFAQを紹介します。

Q. 住宅手当の相場は?

A. 厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」によると、住宅手当の全国平均は月額18,700円です。

Q. 中小企業の住宅手当の相場はいくら?

A. 厚生労働省の調査(令和7年)では、従業員規模100〜299人の企業で約16,400円、30〜99人の企業で約17,500円が目安として報告されています。また、中堅企業(300〜999人)では18,500円となっています。大手企業に比べると、企業規模が小さいほうが相場も低くなる傾向です。

Q. 住宅手当は一人暮らしで支給される?

A. 住宅手当は法律で義務付けられた制度ではないため、支給要件は各企業の裁量に任されています。多くの企業では、賃貸や持ち家、世帯主であるか、扶養家族の有無で条件が設けられており、支給対象に一人暮らしの従業員が含まれることもあります。

Q. 住宅手当と家賃補助の違いは?

A. 「家賃補助」と「住宅手当」は同じものとして扱われがちですが、厳密には異なります。家賃補助は従業員が実際に支払う家賃に対して直接補助を行う制度で、使途が明確です。住宅手当は給与に上乗せして支給されるため、従業員が裁量で使える柔軟性があります。

税務上の取り扱いも異なり、社宅の家賃補助は一定の条件を満たせば非課税となる場合がありますが、住宅手当は原則として課税対象です。

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Q. 持ち家の場合、住宅手当は支給の対象になる?

A. 持ち家を支給対象とするかどうか、またその支給額については企業の規定によります。東京都産業労働局の「中小企業の賃金事情(令和7年版)」では、持ち家の場合の平均支給額は賃貸よりも低めに設定されている傾向が読み取れます。

手当の設計は非課税・課税を踏まえて慎重に

住宅手当は法定外福利厚生のため、支給額や条件の設計は企業ごとに異なります。令和7年就労条件総合調査によると全産業平均は18,700円ですが、業種や企業規模、従業員の居住エリアによって適切な水準は変わってきます。

なお、住宅手当は給与の一部として扱われるため、所得税・住民税の課税対象です。手当や福利厚生で従業員の手取り改善を検討する際は、支給方法によって課税・非課税が変わる点も押さえておきましょう。

2026年4月1日より、食事補助の非課税上限が月額3,500円から7,500円に引き上げられています。福利厚生の設計を見直す機会として、食事補助制度の活用も検討する選択肢の一つです。

導入企業4,000社以上、従業員利用率98%の「チケットレストラン」は、多くの企業で利用実績がある食事補助の福利厚生サービスです。食事補助の非課税枠が使え、ランチ代が実質半額になります。

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関連ページ:食事補助を福利厚生で導入するならチケットレストラン

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社会保険労務士 吉川明日香

社労士と民間企業の人事部で働くハイブリッド型社労士。労働者、経営者、人事担当者それぞれの視点から、バランスのとれたサポートを心がけています。子育て世代の生活環境や就業環境の課題を探るために保育士の資格を取得し、特定の専門分野を作らず、給与計算、手続き業務、労務相談、助成金等、幅広く実践的なアドバイスを行っています。
吉川社会保険労務士事務所
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