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【社労士監修】【給与における手当一覧】手当とは?課税・非課税の違いは?

【社労士監修】【給与における手当一覧】手当とは?課税・非課税の違いは?

2024.02.08

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監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

働き方の多様化が進み、テレワークや時短勤務などを導入する企業が増えています。手当においても、これからの時代にふさわしい手当のあり方が問われるようになりました。あらためて手当について理解を深めたい人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では「手当」について、基本的な内容と手当一覧などについて解説します。法定手当とそうでない手当の違いや課税・非課税の違いなどにも触れるため、自社にとって導入メリットがある手当を探したい方にも役立つ内容です。

給与における手当とは?

手当とは、基本給のほかに支払われる賃金のことです。基本給とは、ベースとなる固定賃金のことを指します。給与手当という場合は、基本給と各種手当の総額のことです。

手当を理解するためには、以下のとおり3つの区分けで表現されることを意識するとよいでしょう。

  • 法律による区分け:労働基準法での支払い義務があるかどうか(法定手当と任意手当)
  • 課税による区分け:原則課税に該当するかどうか(課税手当と非課税手当)
  • 支払いによる区分け:毎月払われるかそうでないか(固定手当と変動手当)

基本給と手当の違い

基本給と手当の違いは以下のとおりです。

  • 基本給:労働者の年齢・経験・スキル・役職・業績に基づいて支払われる基本となる賃金。賃金のなかで最も割合が大きい。
  • 手当:基本給に付加される給与の一部。特定の条件や状況に該当する場合、支給される。

基本給と手当を加えたものが給与となります。

法定手当(割増賃金)

法定手当とは、「残業手当(ここでは法定外労働手当とします)」「休日手当」「深夜手当」など、労働基準法第37条で定められている時間外、休日及び深夜労働に対する割増賃金にあたるものです。

法律で規定されているため、企業は必ず支払わなければなりません。具体的に言うと、従業員に労働をさせる場合、以下の原則が労働基準法32条に定められています。

  • 1日に8時間を超えて労働させてはならない
  • 1週間に40時間を超えて労働させてはならない

しかし現実では、業種や職種によって法定時間外の労働が発生するものです。そこで、労働基準法 第36条における労使協定(36協定)を締結し労働基準監督署に届け出ることで、例外的に可能となります。時間外労働は、あくまでも例外としての特別な労働です。賃金については労働基準法第37条によって規定された以上の割増賃金率で計算しなければなりません。なお、割増賃金を支払うために、企業は勤怠状況の管理を実施する必要があります。

法定外労働手当

1日8時間または週40時間を超えて労働した場合に、賃金の割増率25%以上が従業員に支払われます。法定外労働時間が月60時間を超えた場合には、通常賃金の計算額の割増賃金が50%以上に引き上げられます。なお、労使協定を締結し、労働者本人の希望があれば、この引き上げ分の割増賃金額に応じた時間数の休暇(代替休暇)を取得することが可能です。

◯休日手当

労働基準法第三十五条の法定休日に労働(1週1回以上、あるいは例外として4週間を通じて4回以上設定された法定休日に労働)した場合、通常賃金の割増率35%以上が従業員に支払われます。

◯深夜手当

深夜22時〜翌朝5時までの間に労働した場合、通常賃金の割増率25%以上が従業員に支払われます。

任意手当

任意手当とは、法律で定められていない手当であり、企業独自の要件で任意に支給できる手当のことです。任意手当は幅広く、企業独自の手当も多くみられます。代表的な任意手当は「通勤手当」「住宅手当」「職務手当」などです。

ここからは、豊富で多様な任意手当について、おおきく以下3つの分類にわけて解説していきます。

・仕事内容や成果に関わる手当

・健康や生活に関わる手当

・専門業務に関する手当

仕事内容や成果によって支払われる手当

仕事に関して金額を算定する手当です。以下の4つのタイプがあります。

  • 職務に関する手当
  • 能力に関する手当
  • 勤怠に関する手当
  • 成果に関する手当

◯役職手当・管理職手当

職責への報償として支払われる手当です。多くの企業で採用されており、企業ごとに就業規則で定められています。

◯職務手当

職務を遂行するために必要な技能・資格・業務の複雑性・職務上の責任などに対する手当のことです。「職能手当」などと呼ばれる場合もあります。企業により内容がさまざまで、より詳細にして次に紹介する「営業手当」などを設けるケースもあるようです。

◯営業手当

営業職に就いている従業員に対して、社外の営業活動における金銭的な負担を補填するために支払われる手当です。営業業務に対する奨励をかねて金額を上乗せする場合もあります。

◯資格手当

業務上、あるいは経営上、必要な資格を保有する従業員に対して支払われる手当です。たとえば、宅地建物取引士などの専門性の高い資格が該当します。資格手当については、資格取得時の一時金、つまり合格報奨金として支給される場合もあるようです。

◯精勤手当

従業員が一定期間中に、「欠席および遅刻がないこと」や「欠勤が一定範囲以下であること」に対して支払われる手当です。欠勤がほぼなく、仕事に励んでいる従業員に対して支払われます。

◯皆勤手当

従業員が一定期間中に、欠勤がなかったことで支払われる手当です。精勤手当と似ていますが、皆勤手当の場合は、無欠勤であることに加え、無遅刻・無早退を条件とするケースもあるようです。

所定外労働手当

就業規定で定められた所定労働時間を超えた場合に支払われる手当のことです。労働基準法では「1日に8時間を超えて労働させてはならない」と規定されています。現実では、就業規則の所定労働時間が8時間に満たないケース(7時間など)があるため、法定外労働手当の対象になるまでの間について、所定外労働手当が支払われます。

◯無事故手当

無事故手当は、運送業界に多い手当であり、事故を起こさなかったドライバーに支払われる手当です。

健康や生活を支える手当

従業員の健康や生活・家計を支えるために支払われる手当です。おもに、家族手当などの私生活に関わる手当と、通勤手当など勤務地や勤務環境に関わる手当とがあります。

◯通勤手当

通勤における費用を補填する目的で支払われる手当です。費用ではなく、通勤定期などの現物を支給する場合もあります。ほかの手当と異なり、通勤手当は一定額以下であれば非課税です。

◯マイカー手当

自家用車を通勤や業務で使う場合に支払われる手当です。自宅と職場間の距離を基準に、ガソリン代を算出し、支給されることが多くなっています。

◯扶養手当・家族手当

扶養家族がいる従業員に対して、生活費の支えとして支払われる手当です。「配偶者手当」「子供手当」などと、特定の家族の名称で呼ばれる場合もあります。

◯住宅手当

従業員が本人名義の住宅に住む場合に、家賃の一部を補助するために支払われる手当です。

「家賃手当」と呼ばれる場合もあります。

◯地域手当

勤務地が複数ある企業で、勤務地間の生活面での費用の差を調整するために支払われる手当です。都市部と地方では物価や暖房費が異なることから、「都市手当」や「寒冷地手当」が支給されます。

◯単身赴任手当

単身赴任中の従業員に対して支払われる手当です。自宅に帰るための交通費を補う「帰省手当」や、子供や家族の都合により、別居を余儀なくされた従業員の生計費を支援する「別居手当」などがあります。

◯食事手当

勤務時の従業員の飲食費を補助するために支払われる手当です。昼食時に限定する場合は、「昼食手当」と呼ばれることもあります。新型コロナウイルス感染症の拡大でテレワークが一気に浸透したことで、導入する企業が増えました。

◯テレワーク手当

従業員がリモートワークするにあたってかかる費用負担を軽減するために支払われる手当です。自宅で過ごす時間が増えると、光熱費や通信費の負担が増えます。従業員にとっては、これらに対する支援があるのが望ましいです。新型コロナウイルス感染症によりテレワークが浸透したことで、導入する企業が増えました。

◯健康増進手当

企業が独自に設けた健康に関する達成条件を満たした際に、従業員に支払われる手当です。新型コロナウイルス感染症の拡大や働き方改革により、健康への関心が高まったことで導入する企業が増えました。

◯インフレ手当

物価上昇やインフレーションの影響を補填するために支給される手当です。2022年〜2023年にかけて、食料品を筆頭に光熱費などの値上げが相次ぎました。そのため、家計の負担を支援するために、インフレ手当を導入する企業が増えています。

専門業務に関する手当

専門性の高い職務に従事することに対する手当についても解説します。

◯交替勤務手当

工場のように、24時間稼働する職場に勤務する従業員に対して、交代勤務を要する負荷を支援するために支払われる手当です。生活リズムの乱れで健康面に負荷がかかりやすくなるため、負荷に対しての手当が支給されます。

◯危険手当

危険を伴う業務を遂行する従業員に支払われる手当です。たとえば、新型コロナウイルス感染症の流行時に、医療機関で勤務していた方などに支払われます。高所で作業する従業員なども支給の対象です。

◯特殊業務手当

危険や困難を伴い、身体的にも精神的にも負荷が高い特殊な仕事に従事する場合に支払われる手当です。特殊業務とは、放射線の除染作業や爆発物の処理業務などが該当します。集中力や体力を必要とする特定の病棟に勤務する看護師にも支給されます。

◯手術室勤務手当

手術室で勤務する看護師に対して支給される手当です。専門性の高いスキルや特殊業務を行うことに対して支給されます。

◯オンコール手当

緊急呼び出しに備えて自宅待機する看護師に対して支給される手当です。夜間に職場から連絡があった場合、速やかに出勤できるよう整えて待機する負荷に対して手当が支給されます。

海外赴任に関する手当

海外赴任中の従業員に対しては、国内勤務時の給与手取額を保障した上で、海外生活を問題なく過ごすための手当を支給するのが一般的です。

◯海外赴任手当

海外赴任先での生活に必要な水準を満たすために支給される手当です。生活習慣がまったく異なることで受けるストレスを補填する目的も含まれます。

◯子女教育手当

国外で勤務する従業員の子供が海外で学校教育を受けるために支給される手当です。国外で勤務する従業員の子供が現地で教育を受けるための補填として支給される手当です。具体的な支給基準は企業によってさまざまです。

課税手当と非課税手当

手当は給与とみなされ、原則、課税対象です。しかし、一部の手当は課税されず、住民税や所得税がかかりません。どのような手当が非課税手当に該当するのか、詳しく解説していきます。

非課税手当となるもの

実費を清算する性質を有する手当については、非課税とされることがあります。非課税手当に該当するものは以下のとおりです。

  • 通勤手当のうち、一定金額以下のもの
  • 転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの
  • 宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のもの

通勤手当が非課税となる条件

公共交通機関での通勤や有料道路での車通勤において、月々の通勤手当や定期代が15万円以下であれば、課税対象となりません。

出張手当が非課税となる条件

所得税基本通達9-3(非課税とされる旅費の範囲)のとおり、「通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品」とみなされる場合、出張手当は課税されません。

宿日直手当が非課税となる条件

宿日直手当とは、使用者により宿直(夜間に泊まり込みで勤務すること)、または日直(勤務時間外である昼間にシフト交替制で働くこと)を命じられた場合に支払われる手当のことです。宿直や日直をした場合に、企業から支給される手当について、1回の宿直・日直につき4,000円(食事が支給される場合は食事代を控除する)を上限として非課税となります。

参考:国税庁タックスアンサー「No.2508 給与所得となるもの

条件を満たすと非課税手当となるもの

国税庁のタックスアンサーNo.2594によると、食事手当についても、以下2つの要件を満たすことで課税されません。

  • 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
  • 「(食事の価額)-(役員や使用人が負担する金額)」が1か月当たり3,500円(消費税および地方消費税の額を除く)以下であること。

参照:国税庁タックスアンサー「No.2594 食事を支給したとき

全従業員が利用可能な食事補助サービス「チケットレストラン」を活用しませんか?

さまざまな手当があると、自社に向いている手当を見つけだすのに時間がかかってしまいます。そのような企業の方に紹介したいのがエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」という食の福利厚生サービスです。どのような魅力があるのか紹介します。

食の福利厚生「チケットレストラン」

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、日本で最も多くの企業から選ばれている食に関する福利厚生です。企業が従業員のランチ代を負担することで、従業員はランチを実質半額で楽しめます。手当の場合、一定の条件を満たした従業員のみ支給されますが、福利厚生は全従業員を対象としている点にご注目ください。福利厚生である「チケットレストラン」は、全従業員が利用可能なサービスであるため、98%という高い利用率を誇ります。

インフレ手当・賃上げ代替にもなる「チケットレストラン」

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企業にも従業員にもメリットがある「チケットレストラン」

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エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」のような食に関する福利厚生は、多様な働き方に対応できるだけでなく、プラス1品ランチに増やすなど従業員の健康増進にも効果的です。ぜひ、タイムリーで魅力的な手当や福利厚生をうまく活用してみてください。

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