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-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

中小企業の人材確保に効果的な福利厚生を解説!成功した取り組み事例3例

2021.02.03

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多くの中小企業にとって、人材確保は悩みの種の一つです。大企業に比べると、新卒や中途の応募は少なく、また採用した社員をいかに定着させるかという問題もあります。解決の糸口の一つが、福利厚生です。給与面では大企業にかなわなくても、福利厚生を充実させることで、大きな効果につなげた企業が数多くあるのです。

中小企業が福利厚生の見直しをするメリット

毎年、大卒求人倍率(大学院卒を含む)を調べている「リクルートワークス研究所」によると、2021年3月卒業予定の「従業員数300人未満の中小企業の求人倍率」は3.40倍です。新型コロナウイルスの影響で求人数が減ったとはいえ、依然として中小企業が新卒採用に苦戦していることがわかります。(※1)

では、求職者が職場選びの際に重視していることは何でしょうか。2017年に内閣府が16~29歳の男女に、「仕事を選択する際に重要視する観点」(※2)を尋ねたところ、85.2%が福利厚生を挙げました。福利厚生は、充実させれば求職者への大きなアピールポイントになるのです。加えて、法人税の節税にもつながる可能性があるというメリットもあります。

中小企業の人材確保に効果的な福利厚生とは

それではどのような福利厚生が、従業員に喜ばれるでしょうか。人材サービス会社の「マンパワーグループ」は2015年、仕事をしたことがある18~60歳の男女972人を対象に、実際にあって良かったと思う福利厚生に関するアンケート調査を行いました。(※3)

結果は、以下の順番となり、日々の生活を充実させる制度を求める人が多いようです。
1位 食堂・昼食補助(17.1%)
2位 住宅手当・家賃補助(16.7%)
3位 余暇施設、宿泊施設・レジャー施設などの割引制度(14.5%)

とはいえ、中小企業にとっては、社員食堂を設置したりリゾート地に保養施設を建てたりするのは財政的には厳しいでしょう。しかし、工夫を凝らせば、従業員に満足してもらう制度を作ることは十分に可能です。

例えば、近くのカフェやレストランで使えるような食事チケットを配布するのも一つの手です。福利厚生を充実させることで、従業員や求職者からは「この企業は、働く人のことを大切に考えているんだ」と思われるようになり、採用率の向上や離職の減少だけでなく、企業イメージのアップにもつながるでしょう。

採用率UP、人材確保につながった福利厚生の事例

アイディア一つで、従業員の満足度を高めることは可能です。ユニークな福利厚生を取り入れ、人材確保につなげた3つの企業を紹介しましょう。

働き方を多様に

ワークライフバランスに配慮した福利厚生を強化したことで、離職率を大幅に改善したのが、グループウェア開発会社「サイボウズ」です。1997年の創業当初は離職率が高く、2005年には28%まで達しました。この状況を変えようと、従業員が自分にあった働き方を自分で決められるように制度改革を実施。副業も在宅勤務も、他部署への体験入部も可能になり、育児休暇も取りやすくなったそうです。

また社内の部活動に対し、年間1万円の補助金も出すようにしたところ、社内の雰囲気も改善されました。サイボウズでは、従業員の要望を聞いて福利厚生を導入しています。現場のニーズにマッチした制度なので、社員の満足度につながっており、現在の離職率は5%程度まで改善されました。企業規模も年々、大きくなっています。

昼寝時間

ITコンサルタント会社「ヒューゴ」では毎日、午後1時から4時までの3時間、シエスタと呼ばれる昼寝の時間を設けています。従業員が効率よく仕事ができるようにと、2007年から導入されたといい、従業員はこの時間、昼寝はもちろん、食事をしたり、映画を見たり、ジムに行ってトレーニングをしたりと自由に過ごすことができます。従業員のコンディションが上がったことで生産性が向上し、無駄な残業も減ったそうです。多くのメディアにも取り上げられ、中途採用の応募数も格段に増えたそうです。ほかの企業がやっていないことでも、積極的に取り入れる姿勢がいい効果を生み出した好例です。

社長とのランチ

食事の福利厚生に力を入れているのが、住宅ローン関連サービス会社「iYell」です。離職率ゼロを目標に掲げており、さまざまな福利厚生を設けているのですが、特に目を引くのが、「社長ランチ会」です。

毎週、何人かの従業員が社長と一緒にランチをすることができ、自由に意見交換ができる取り組みで、ランチ代は会社負担で一切かかりません。「社員は家族」という社長の姿勢が伝わる、大企業にはまねのできない制度ですので、従業員にとっても日々の励みにつながっているようです。オフィスの風通しの良さが感じられる制度です。

まとめ

中小企業だからこそ、従業員に寄り添った制度を構築できるはずです。十分なお金をかけられなくても、従業員を大切にするという姿勢がきちんと伝われば、その企業にはきっと多くの人が集まってくるはずです。

<参考資料>
※1:大卒求人倍率調査 / リクルートワークス研究所
※2:就労等に関する若者の意識 / 内閣府
※3:福利厚生に関するアンケート調査 / マンパワーグループ

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